| 【発明の名称】 |
8位ヒドロキシラーゼによるフェロモン及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】レアル バルター スアレス
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| 【要約】 |
【課題】様々な情報伝達物質の生成等に利用できるフェロモンを生合成によって得る。
【解決手段】立体特異的8−ヒドロキシラーゼを介して、飽和脂肪酸を不飽和化して不飽和脂肪酸とした後に、短鎖又は閉環を行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 立体特異的8−ヒドロキシラーゼを介して、脂肪酸で形成することで得られた、立体特異的8−ヒドロキシラーゼによるフェロモン。 【請求項2】 フェロモンがコガネムシの性フェロモンであり、立体特異的8−ヒドロキシラーゼを介して、飽和脂肪酸を不飽和化して不飽和脂肪酸とした後に、短鎖又は閉環を行うことで得られるものである、請求項1に記載のフェロモン。 【請求項3】 立体特異的8−ヒドロキシラーゼを介して、脂肪酸で形成することで得られた、立体特異的8−ヒドロキシラーゼによるフェロモンの製造方法。 【請求項4】 フェロモンがコガネムシの性フェロモンであり、立体特異的8−ヒドロキシラーゼを介して、飽和脂肪酸を不飽和化して不飽和脂肪酸とした後に、短鎖又は閉環を行うことで得られるものである、請求項3に記載のフェロモンの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 【0002】本発明は、立体特異的8−ヒドロキシラーゼによるフェロモン及びその製造方法に関し、例えば、立体特異的8−ヒドロキシラーゼを介して脂肪酸で形成することで得られたコガネムシ性フェロモンは、様々な情報伝達物質の生成等に利用でき、並びに、香料の製造の際に利用できる。 【0003】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】 【0004】例えば、いくつかのコガネムシ類の性フェロモンとして、(R,Z)−5−(オクト−1−エニル)−オキサシクロペンタン−2−オン(buibuilactone)と、(R,Z)−5−(デセ−1−エニル)−オキサシクロペンタン−2−オン(R−japonilure)および(S,Z)−5−(デセ−1−エニル)−オキサシクロペンタン−2−オン(S−japonilure)が知られている。 【0005】一般に、昆虫のフェロモンの生合成および生合成制御に関しては、主として、鱗翅目(蛾類)を中心とする研究がなされている。 【0006】他のグループの生合成等の経路については、あまり研究されておらず、イエバエや、ゴキブリや、グレーンビートルなどの経済的に極めて重要な種について研究されているにすぎず、コガネムシの生合成等の経路については、ほとんど研究されていない。 【0007】 【課題を解決するための手段】 【0008】例えば、コガネムシの性フェロモンは、フェノールおよびアニソールからアミノ酸誘導体および薬効のあるアルカロイドまで様々であり、主として直鎖アルコール、アルデヒド、酢酸を使用する研究が進んでいる鱗翅目(蛾類)とは異なっている。 【0009】コガネムシの性フェロモンの1つの典型的な構造は、(R,Z)−5−(オクト−1−エニル)−オキサシクロペンタン−2−オン(buibuilactone)や(R,Z)−5−(デセ−1−エニル)−オキサシクロペンタン−2−オン(japonilure)などの不飽和炭化水素長鎖を有するγ−ラクトンである。 【0010】γ−ラクトンは、一般に植物芳香の成分として存在し、また、微生物および昆虫から分離されているが、通常、ラクトン環に隣接する二重結合の発生には関与しない。 【0011】また、コガネムシフェロモンラクトンの立体化学機能は、異性体が、対向する動作機能を有するので、化学交信において重要な役割を果たしている。 【0012】多くの昆虫種では、性フェロモンの生合成時に、蛾のフェロモン腺にしか見られないΔ11不飽和酵素など1つまたは2つの酵素のみが一般代謝経路に加えられている。 【0013】本願発明者らは、重水素標識前駆体を使用して、コガネムシの単不飽和γ−ラクトンフェロモンが固有の立体特異的8位ヒドロキシラーゼを介して脂肪酸で形成されることを見い出した。 【0014】すなわち、本願発明者らは、重水素化前駆体を使用して、(9,10−d4)−パルミチン酸、(9,10−d4)−ステアリン酸、(9,10−d2)−パルミトレイン酸、(9,10−d2)オレイン酸、8−ヒドロキシパルミトレイン酸、8−ヒドロキシオレイン酸は、容易にフェロモン分子に取り込まれるが、(Z)−(5,6−d2)−5−ドデセン酸および(Z)−(5,6−d2)−5−テトラデセン酸は取り込まれないことを見い出した。 【0015】そして、コガネムシの性フェロモンの生合成経路は、飽和脂肪酸から始まり、まず飽和脂肪酸が不飽和化され、それに続いて8−水酸化短鎖化および閉環が行われることを見い出した。 【0016】また、過重水素化パルミチン酸を添加すると、特異的な水素化反応を示した。 【0017】ここで、すべての重水素元素が保持されたことは、この反応が直接プロセスであり、先行する不飽和化およびエポキシド化を伴わないことを意味する。 【0018】加えて、ラセミ(9,10−d2)−8−ヒドロキシパルミトレイン酸および(9,10−d2)−8−ヒドロキシオレイン酸から得られた生成物もラセミ体であることは、フェロモンの立体特異性が固有の8位ヒドロキシラーゼによって得られることを意味する。 【0019】従って、本発明の課題を解決するための手段は、下記のとおりである。 【0020】第1に、立体特異的8−ヒドロキシラーゼを介して、脂肪酸で形成することで得られた、立体特異的8−ヒドロキシラーゼによるフェロモン。第2に、フェロモンがコガネムシの性フェロモンであり、立体特異的8−ヒドロキシラーゼを介して、飽和脂肪酸を不飽和化して不飽和脂肪酸とした後に、短鎖又は閉環を行うことで得られるものである、上記第1に記載のフェロモン。第3に、立体特異的8−ヒドロキシラーゼを介して、脂肪酸で形成することで得られた、立体特異的8−ヒドロキシラーゼによるフェロモンの製造方法。第4に、フェロモンがコガネムシの性フェロモンであり、立体特異的8−ヒドロキシラーゼを介して、飽和脂肪酸を不飽和化して不飽和脂肪酸とした後に、短鎖又は閉環を行うことで得られるものである、上記第3に記載のフェロモンの製造方法。 【0021】 【実施例】 【0022】[材料および方法] 【0023】まず、分析手順を次に示す。 【0024】分析は、HP−5MS(30m×0.25mm×0.25μm)のカラムを用いて、質量分析器直結ガスクロマトグラフ(GC−MS)、フーリエ変換赤外線直結ガスクロマトグラフ(GC−FTIR)を用いて行った。 【0025】また、光学異性体の分析は、キラルカラムChiraldexGTA(10m×0.2mm;0.25μm;Astec,Whippany,NJ)を用いてGC分析を行った。 【0026】さらに、得られた性フェロモンの活性は、触角電位変化直結ガスクロマトグラフ(GC−EAD)を用いて分析を行った。 【0027】次に、(9,10−d2)−パルミレレイン酸および(9,10−d2)−オレイン酸の合成手順を示す。 【0028】1オクチンおよび1デシンのアルキニリチウムを、1−ブロモ−8−ヒドロキシピラニロキソクタンと結合させた。 【0029】脱保護、半重水素化(Lindlar,D2)、酸化(Jones試薬)によって、全体的な収量が65%の所望の生成物が得られた。 【0030】このような化合物を、接触還元(PtO2)することによって(9,10−d4)パルミチン酸および(9,10−d4)−ステリン酸を生成した。 【0031】さらに、脂肪酸をBF3メタノール溶液を用いて80℃で20分間エステル化することによって、対応するメチルエステルに変換した。 【0032】ヘックス−5−yn−1−オルテトラヒドロピラニルエーテルのアルキニルリチウムを、n−ヘキシル臭化物またはn−オクチル臭化物と結合させ、脱保護、半重水素化、酸化を行うことによって、(Z)−(5,6−d2)−5−ドデセン酸および(Z)−(5,6−d2)−5−テトラデセン酸を得た。 【0033】5−ドデシン−1−オールをLiAlD4エーテル溶液を用いて還元しJones酸化を施すことによって(E)−(5,6−d2)−5−ドデセン酸を得た。 【0034】[(9,10−d2)−8−ヒドロキシパルミトレイン酸および(9,10−d2)−8−ヒドロキシオレイン酸の生成] 【0035】1−オクチンおよび1−デシンを、エチルマグネシウム臭化物を用いて−70℃で1時間処理し、次いで−70℃で塩化メチルスベリルと結合させた。 【0036】メチル8−オキソ−ヘキサデク−9−ynoateおよび9−オキソ−デカデク−9−ynoateを還元し(水酸化ホウ素ナトリウム)、それに続いて半重水素化を行うと、所望のメチル8−ヒドロキシパルミトリエートおよびメチル8−ヒドロキシオリエートが得られた(47%)。 【0037】最後に、添加手順および抽出手順を示す。 【0038】ドウガネブイブイ(Anomala cuprea)を16L:8Dの光周期(光周期06:00から22:00まで)25℃の環境で飼育した。 【0039】フェロモン産生時期(14:00時から20:00時まで)に、1回の実験当たり少なくとも3匹のコガネムシの尾節板に標識化合物のアセトン溶液を添加した(1μl)(5回反復/実験)。 【0040】2時間後にコガネムシをエーテルで麻酔し、尾節板および最後の2つ腹板を切開しヘキサンを用いて抽出した(5分)。 【0041】粗抽出物を、シリカゲル(Wakogel C−200;Wako、日本)を充填したPasteurピペット上で浄化し、ヘキサンエーテル溶液を用いて連続的に溶出し(0%、10%、25%、50%、75%、100%)し、小分画として収集し、GC−MSによって分析した。 【0042】[結果] 【0043】図1中のAに示すように、環に隣接した二重結合を有するγ−ラクトンの主要な分断パターンによって、m/z=111にベースピークが形成された。 【0044】これによって、同位体標識実験に関して非常に有用な診断フィーチャが与えられる。 【0045】ビニル位置に重水素を取り込むと、ベースピークがm/z=113へシフトする。 【0046】これは、天然非標識ラクトンにおいて非常に低い強度を有する。 【0047】なお、我々の最初の実験では、(9,10−d4)−パルミチン酸および(9,10−d4)−ステリン酸をメスドウガネブイブイに添加したが、これらの飽和前駆体が最終生成物に取り込まれることを実証することはできなかった。 【0048】この失敗は、室温では固体であるこれらの化合物によるクチクラの貫通が不十分であるためであると考えた。 【0049】コガネムシのフェロモン生産細胞は、明確な腺を形成せず、腹部外皮の内面上の単一の層として広がる。 【0050】したがって、前駆体をインビボで直接細胞に添加することは不可能または非常に困難である。 【0051】この障害を回避するために、室温で液体である(9,10−d4)−パルミチン酸と(9,10−d4)−ステリン酸の両方のメチルエステルを準備した。 【0052】従来、脂肪酸メチルエステルが、補酵素A(CoA)チオエステルへの直接変換と事前の加水分解のどちらかを介して代謝経路に迅速に取り込まれることが報告されている。 【0053】このような手段に変更することで、m/z=113のピークが明確に増加し、フェロモン分子(buibuilactone、13%;japonilure、24%)に標識飽和脂肪酸が取り込まれたことを示した。 【0054】次の代謝産物(9,10−d2)−パルミトレイン酸および(9,10−d2)オレイン酸を、仮定された経路に添加すると、取り込みレベルが大幅に増加した(それぞれ、27%および58%)。 【0055】図1中のBに示すように、標識分子の含有量は常に、相同染色体(japonilure)が長いほど多かった。 【0056】残りのステップ(水酸化および短鎖化)に関する反応順序を試験するために、2組の代謝産物を準備した。 【0057】短鎖化を行い、その後に水酸化を行った場合には、(Z)−(5,6−d2)−5−ドデセン酸および(Z)−(5,6−d2)−5−テトラデカン酸がフェロモンに取り込まれるが、この順序を逆にした場合には、(9,10−d2)−8−ヒドロキシパルミトレイン酸および(9,10−d2)−8−ヒドロキシオレイン酸が取り込まれる。 【0058】図1中のAに示すように、標識ドデセン酸およびテトラデカン酸を添加しても、天然フェロモンに(Z)異性体は取り込まれなかった。 【0059】予想とは異なり、(E)−5−(オクト−1−エニル)−オキサシクロペンタン−2−オンおよび(E)−5−(デセ−1−エニル)−オキサシクロペンタン−2−オンの量が顕著に増加し、これらの異性体には多量の重水素分子が含まれていた。 【0060】インビボでは、Δ9不飽和酵素は極めて特異的であり、トランス脂肪酸をほとんど産生しない(<0.5%)。 【0061】接触還元(Lindlar)によって得られた我々のサンプルは、5%のトランス異性体を含んでいた。 【0062】したがって、我々は生合成機序に大量の非天然物質を与えた(1回の添加当たりca.1μg)。 【0063】また、自然条件の下で、フェロモンのトランス異性体が分離されたが、非常に少量であった。 【0064】この予想されなかった現象をさらに調査するために、(E)−(5,6−d2)−5−ドデセン酸を準備した。 【0065】この物質を添加した後に得られた(E)−5−(オクト−1−エニル)オキサシクロペンタン−2−オンは、基本的に標識分子しか含んでいなかった。 【0066】シス異性体とトランス異性体とのそのような強力な識別の機序は明らかではない。 【0067】トランス異性体の水酸化で使用されるのと同じ酵素が天然フェロモンの生合成に関与するかどうかも明らかではない。 【0068】しかし、非天然前駆体を与えることによって代替分岐経路が活性化されたようであり、この経路では自然生成物は形成されないようである。 【0069】図1中のCに示すように、(9,10−d2)−8−ヒドロキシパルミトレイン酸および(9,10−d2)ヒドロキシオレイン酸は、天然物(buibuilactone、43%;japonilure、52%)に高率には取り込まれなかった。 【0070】このことは、自然経路では脂肪酸の水酸化が短鎖化反応の前に行われることを強く示している。 【0071】これらの結果に基づく完全な反応順序のスキームを、図3に示す。 【0072】標識水酸化脂肪酸から得たフェロモンを、キラルGCカラム上で分析した。 【0073】合成代謝産物はラセミ体であり、したがって、生合成経路でのこのような代謝産物の変化によって、水酸化の後に続く反応の立体特異性に関する洞察が与えられるはずである。 【0074】標識前駆体が(R)異性体と(S)異性体の両方に取り込まれ、予想どおり非天然立体異性体はほぼ完全に非天然物質から導かれた。 【0075】したがって、脂肪酸の水酸化は経路における唯一の立体特異反応であるようであり、その次のステップによって光学異性体どうしが識別されることはない。 【0076】水酸化反応の機序を示すために、市販の過重水素化パルミチン酸を使用したところ、GCカラム上で過重水素化ラクトンと天然ラクトンが明確に分離されるという利益が得られた。 【0077】過重水素化生成物と疑われるものを非標識buibuilactoneよりも0.25分早く溶出した。 【0078】buibuilactoneに関連する小さなクロマトグラフピークの質量スペクトルは、全体的なパターン中の天然生成物のスペクトルに密に類似していた。 【0079】このスペクトルは、予想される診断フィーチャも示し、ベースピークがm/z=118であり、分子イオンピークがm/z=216であった。 【0080】赤外線スペクトルには、最初のbuibuilactoneのフィーチャ(vC=0、1808cm-1;vC−C(=O)−O、1206cm-1、vO−C−C、1031cm-1)と同様なフィーチャが含まれていたが、C−H伸縮領域(3100cm-1ないし3000cm-1)での吸収は見られなかった。 【0081】顕著なピークは2216cm-1(C−Dst.)に現れ、この分子が実際に過重水素化buibuilactoneであることを示した。 【0082】この化合物を、GC−EAD検出器に結合されたガスクロマトグラフ上で生理活動に関して試験すると、この化合物は、図2に示すように、天然フェロモンで誘導されるのと同様にオス触角の電気生理反応を誘発させた。 【0083】過重水素化フェロモンの質量スペクトルは明らかに、生合成経路内で重水素原子がプロチウムと置換されなかったことを示した。 【0084】したがって、ヒドロキシル基の取り込みは直接プロセスであり、先行する不飽和化ステップやエポキシド化ステップを必要としない。 【0085】これらのどちらの代替経路でも、必然的に2つの重水素原子がプロチウムと置換され、ベースピークがm/z=116で分子イオンピークがm/z=214で生成される。 【0086】[考察] 【0087】C5位置およびC6位置での重水素標識によって、ベースピークがm/z=111からm/z=113にシフトする。 【0088】また、代謝産物(A)がほとんどあるいはまったく取り込まれないとき、MSは天然japonilureのMSと区別することができなかった。 【0089】ドウガネブイブイは、最も一般的なγ−ラクトン((R)−buibuilactoneおよび(R)−japonilure)の両方を約2:1の比率で比較的に大量に放出する(メス1匹当たり>100ng)。 【0090】ドウガネブイブイにおける性フェロモンの生合成の反応順序(不飽和脂肪酸の水酸化の後に短鎖化が行われる)と、過重水素化基質から得たすべての重水素原子が保持されるためにこの経路がなくなることは明らかである。 【0091】植物では、飽和γ−ラクトンはずっと複雑な経路を介して形成される。 【0092】脂肪酸はまずエポキシド化され、エポキシドがジオールに加水分解され、それに続いて二重結合の閉環、脱水、還元が行われる。 【0093】過重水素化前駆体から得たすべての重水素原子が保持されることは、脱水やエポキシド化が行われないことを示す。 【0094】動物の脂肪酸が体内で水酸化されることは極めて希である。 【0095】哺乳類では、水酸化は末端位置、あるいは不飽和脂肪酸のアリル炭素およびビスアリル炭素で行われることが最も多い。 【0096】肝臓代謝物において8−ヒドロキシ−9,12−オクタデカジアン酸が検出された。 【0097】そのような反応は、通常、チトクロームP−450によるものである。 【0098】昆虫では、例えばミツバチの階級選択的フェロモンの生合成においても末端水酸化が実証されている。 【0099】末端水酸化脂肪酸からマクロシクリックラクトンが形成されることはまず、グレーンビートルで説明された。 【0100】水酸化脂肪酸の最も進んだ研究の例であるトウゴマから得たリシノール酸、すなわちRicinus communisは、不飽和化酵素との相同を示すオレイン酸12−ヒドロキシラーゼによってオレイン酸から生合成される。 【0101】一方、初めて菌類のLaetisaria arvalisから抽出された8−ヒドロキシリノレン酸は、ヒドロペルオキシド代謝産物を介して8−ジオキシゲナーゼによって形成される。 【0102】コガネムシでは、水酸化にアリル位置は必要とされないように思われる。 【0103】(R,Z)−7,15−ヘキサデカジエン−4−オリドの例である、ナガチャコガネの性フェロモンは、場合によってはこの位置をC−8からC−6にシフトできることを示す。 【0104】コガネムシフェロモンラクトンの閉環は、最終的なβ酸化ステップの後に活性化チオエステル形態で自発的に行われ、この場合、ヒドロキシ基が末端信号として働く可能性が最も高い。 【0105】そのような経路のために、このステップでは、水酸化脂肪酸の両方の異性体が取り込まれることによって示されたように立体特異性が欠落する。 【0106】様々なコガネムシ類が、水酸化ステップの立体特異性または限局特異性を変化させることによって、固有のフェロモン分子を産生するための経路を生成していることに留意されたい。 【0107】ドウガネブイブイ、マメコガネ、その他のいくつかの種は、(R)−japonilureと(R)−buibuilactoneを合成し、それに対してオオサカスジコガネは(S)−japonilureを生産しナガチャコガネは(R,Z)−7,15−ヘキサデカジエン−4−オリドを生産する。 【0108】ヒメコガネでは、脂肪酸は水酸化されず、短鎖化後にエステル化され、そのためメチル5−テトラデセノエートが形成される。 【0109】これらの経路はすべて、他の昆虫群に関して従来発表されている一般的なパターンに当てはまり、単一の特定の反応を一般的な代謝経路に導入することによって、様々な情報伝達物質を生成することができる。 【0110】 【発明の効果】 【0111】本発明によると、様々な情報伝達物質の生成等に利用できるフェロモンを生合成によって得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】391030284 【氏名又は名称】農林水産省蚕糸・昆虫農業技術研究所長 【識別番号】000195568 【氏名又は名称】生物系特定産業技術研究推進機構
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)5月28日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】太田 恵一
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| 【公開番号】 |
特開平11−343204 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)12月14日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−162811 |
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