| 【発明の名称】 |
植物用抗菌藻部材、植生構造、菌藻類の増殖抑制方法及び植物用抗菌藻剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】浦上 和人
【氏名】▲廣▼川 和哉
【氏名】宮池 誠文
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】植物用抗菌藻部材1を提供する。この植物用抗菌藻部材1はゴム又はプラスチックを成形したチップからなり、この植物用抗菌藻部材1が植物2の生長基盤としての土壌3と直接接触するように配置されることにより、菌藻類の増殖が抑制される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植物用抗菌藻部材であって、前記植物用抗菌藻部材がゴム又はプラスチックを成形したチップからなり、前記植物用抗菌藻部材が植物の周囲に配置されることにより、菌藻類の増殖が抑制されることを特徴とする、植物用抗菌藻部材。 【請求項2】 前記チップが、亜鉛華、ステアリン酸、活性剤、加工助剤、充填剤、加硫促進剤、樹脂、粘着助剤及び硫黄からなる群より選ばれた少なくとも1種の成分を含有していることを特徴とする、請求項1記載の植物用抗菌藻部材。 【請求項3】 前記チップが、抗菌剤、殺菌剤、殺虫剤、除草剤、植物生育調整剤及び忌避剤からなる群より選ばれた少なくとも一種の農薬を含有していることを特徴とする、請求項1又は2記載の植物用抗菌藻部材。 【請求項4】 前記チップが、0.5〜4.0の真比重を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項記載の植物用抗菌藻部材。 【請求項5】 前記チップが、0.00005〜3.0cm3 の容積を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項記載の植物用抗菌藻部材。 【請求項6】 植物と前記植物が生長する基盤とを備えている植生構造であって、請求項1〜5のいずれか一項記載の植物用抗菌藻部材が前記植物の周囲に配置されており、菌藻類の増殖が抑制されていることを特徴とする、植生構造。 【請求項7】 前記基盤が土壌からなり、前記植物用抗菌藻部材が前記土壌の表面に直接接触するように配置されていることを特徴とする、請求項6記載の植生構造。 【請求項8】 前記基盤が土壌からなり、前記植物用抗菌藻部材が前記土壌の内部に配置されていることを特徴とする、請求項6又は7記載の植生構造。 【請求項9】 前記基盤が土壌からなり、前記土壌の表面に水層が形成されており、前記植物用抗菌藻部材が前記水層に配置されていることを特徴とする、請求項6〜8のいずれか一項記載の植生構造。 【請求項10】 植物と前記植物が生長する基盤とを備えている植生構造において、菌藻類の増殖を抑制するにあたり、請求項1〜5のいずれか一項記載の植物用抗菌藻部材を前記植物の周囲に配置することを特徴とする、菌藻類の増殖抑制方法。 【請求項11】 植物用抗菌藻剤であって、前記植物用抗菌藻剤がゴム又はプラスチックを成形したチップの集合体からなり、前記植物用抗菌藻剤が植物の周囲に配置されることにより、菌藻類の増殖が抑制されることを特徴とする、植物用抗菌藻剤。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、植物用抗菌藻部材に関する。また、本発明は、植物用抗菌藻部材を配置した植生構造、及びかかる植物用抗菌藻部材を配置することにより菌藻類の増殖を抑制する方法に関する。特に、本発明は、ゴルフ場、スポーツ競技場等や、植物の鉢等において、芝生や植物の病気を予防し、菌藻類の増殖を抑制することに関する。 【0002】 【従来の技術】これまで、芝生の病気に関しては、病気が発生した時点で薬品を散布して、芝生の病気を治すか、ひどい場合には、芝生を植え変えて対処していた。また、藻に関しては、特に予防方法がなく、可能な限り乾燥させる等の処理により、藻の発生を防いでいた。更に、鑑賞植物等の鉢植え植物については、家庭等で病気が発生する。このような場合、芝生と同様に薬品を散布することにより、病気を治す方法もあるが、ほとんどの場合は、そのまま枯らしているのが現状である。 【0003】従来から、芝の病害防除方法には、大別すると、次のような手段が用いられている。 (1) 化学的方法として、薬品による芝の病害の治療及び予防方法、(2) 物理的方法として、熱、光等による芝の消毒、芝の更新及び有機残渣の除去等の方法、(3) 生物的方法として、生物農薬、有機物等を利用する方法、(4) 耕種的方法として、エアレーションや透水性の改良法。 【0004】芝生の病原菌としては、代表的に、フザリウム菌、ピシューム菌、リゾクトニア菌、スクレロチニア菌等が有名である。これらの病原菌による芝の病害を防除する方法としては、現在、化学的方法により、それらの菌の防除に適した薬品を散布する方法が主流となっている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】このような従来の薬剤散布による方法では、薬剤を希釈し、スプレー等で芝地に散布しなければならない。また、散布後の薬剤は、雨が降ったり、風が吹いたり、人がその上を通る際に靴に付着したりして、流亡又は流出したり、飛散したりする。このため、この薬剤散布の方法は効果が極めて小さく、希釈等に手間がかかり、散布時の風により、薬剤が飛散する等、多くの問題があった。また、このような方法は、一部では公害としての問題にもなっている。 【0006】このように、植物の病害に対して、従来のように薬で対応するには、種々の制約がある。薬品使用量の規制や、薬害等の問題から、薬品の使用には限界があるからである。また、薬品の使用は、人間や動物等にも害を及ぼす可能性があり、可能な限り避けるべきである。 【0007】しかし、植物の病害の予防には、薬品が現実的に絶大な威力を発揮し、薬品に頼らざるを得ない。かかる場合、特殊な抗菌作用を有する薬品を利用することが考えられる。しかし、かかる特殊な抗菌性を有する製品はコスト的に高く、広い面積の所では使用しにくいのが現状である。 【0008】本発明は、従来の薬品等が有する問題点を解消し、薬品を直接散布することなく、植物の病害を防除する方法を開発することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は、ゴム又はプラスチックを成形したチップからなる植物用抗菌藻部材に係り、この植物用抗菌藻部材を植物の周囲に配置することにより、菌藻類の増殖が抑制される。 【0010】薬品を散布する芝の病害防除処理は、希釈や噴霧等の手間がかかり、所望の範囲に適量の薬品を散布することができない。また、散布後の薬品は、風雨に曝されることにより容易に流出してしまい、環境汚染の原因となる。このため、本発明者は、薬剤散布の代替手段について検討した。 【0011】驚くべきことに、本発明者は、ゴム又はプラスチックを成形したチップが、芝の抗菌、防藻効果を発揮することを見出した。更に、本発明者は、鋭意研究したところ、かかるチップが、それ自体で、紛れもなく、菌藻類の増殖を抑制し、この抗菌藻作用を持続させることを突き止め、本発明に至った。 【0012】本発明の植物用抗菌藻部材の抗菌、防藻効果は、特殊な抗菌剤や殺菌剤を添加することなく得ることができる。本発明の植物用抗菌藻部材は、植物の生長基盤としての土壌に直接接触するように配置すれば、菌藻類の増殖が著しく抑制される。 【0013】本発明の植物用抗菌藻部材は、従来の薬剤散布法のような煩雑な操作を必要とせず、植物の周囲に配置し、特に、その植物の生長基盤に直接接触するように配置するだけで、芝の病害を効果的に防除することができる。本発明によれば、植物の化学的病害防除効果を比較的簡単に得ることができ、その効果を長期間に渡り持続させることができる。 【0014】 【発明の実施の形態】本発明の植物用抗菌藻部材は、ゴム又はプラスチック工業で通常使用されている原料を加工成形して製造することができる。本発明の植物用抗菌藻部材では、亜鉛華、ステアリン酸、活性剤、加工助剤、充填剤、加硫促進剤、樹脂、粘着助剤及び硫黄からなる群の少なくとも1種の成分を含むのが好ましい。また、これらの成分は、次の配合比が好ましい。 【0015】 ゴム又はポリマーの少なくとも1種 100重量部 亜鉛華 2〜7重量部 ステアリン酸 0.5〜2重量部 活性剤 0.3〜5重量部 充填剤 10〜800重量部 プロセスオイル 5〜50重量部 顔料 1〜10重量部 加硫促進剤 0.5〜5重量部 硫黄 0.1〜7重量部【0016】上述した成分としては、ゴム又はポリマー工業、例えばタイヤ工業で通常用いられるものを使用することができる。これらのいずれかの成分を含有するチップは、抗菌性及び防藻効果を示す。これらの成分に加え、界面活性剤を加えることができる。界面活性剤は、本発明の植物用抗菌藻部材を雨水又は散水により土壌表面から流出させないはたらきもする。 【0017】本発明の植物用抗菌藻部材は、種々の材料を成形し、種々の形態のものとすることができる。但し、本発明の植物用抗菌藻部材は、芝生に使用する際に支障をきたさないチップの形態がよい。チップは、破片、断片等の小片を含み、加硫ゴムを粉砕した小片、プラスチックをホットカットして得た小片、成形材料を押し出すこと及び得られた成形品をカットすることで得た小片でよい。チップは、定形又は不定形のどちらでもよい。チップの寸法、散布量及び密度は、散布場所(植物、例えば芝生の高さ、生育密度等)によって適切に選択することができる。本発明で用いるチップの集合体とは、かかるチップを複数個集めたものをいい、植物の生育基盤等にまかれる。かるチップの集合体には、例えば、大きさ、形、材質、比重等の点で異なる種類のチップが混合物等として用いられる。パッティンググリーンについては、それぞれのチップの容積は、16mm3 以下が好ましい。 【0018】本発明の植物用抗菌藻部材のチップの大きさは、容積で0.00005〜3.0cm3 の範囲内が好ましく、0.0001〜1.0cm3 の範囲内がより一層好ましい。また、本発明の植物用抗菌藻部材のチップは、0.5〜4.0の比重を有するのが好ましく、0.5〜2.8の比重がより一層好ましい。上記容積範囲は、本発明にかかるチップを植物、例えば、芝生の周りに有利に位置させる事実を考慮して設定される。比重を高くすれば、かかる植物用抗菌藻部材の流出を防ぐ上で、より一層効果的である。0.5〜4.0の比重が好ましい理由は、0.5が水生栽培を考慮して設定されているのに対し、かかる場合に比重が4.0を超えると、チップが地中に入り込みやすくなるため、4.0が設定される。 【0019】本発明で用いるゴム又はプラスチックには、ゴム単体、プラスチック単体、又はゴムとプラスチックの混合物、多種ゴムの混合物、多種プラスチックの混合物が含まれる。ゴムとしては、天然ゴム、合成ゴム(スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム等)、プラスチックとしては、ポリスチレン、ポリエチレン、塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂、天然樹脂が含まれる。 【0020】植物には、通常我々が育てている花、芝生、観葉植物等、及びこれらの種子又は種苗が含まれる。芝生には、日本芝、西洋芝のどちらも含まれる。すなわち、かかる芝生には、暖地型の芝生及び寒地型の芝生の両種類が含まれる。植物が生長する基盤には、土壌又は土壌の表面に形成された水層が含まれ、土壌には、天然土壌、人工土壌、及び種々の培地が含まれる。菌藻類とは、菌類と藻類とを総称する分類をいい、例えば、フザリウム菌、ピシウム菌、リゾクトニア菌、スクレロチニア菌等の芝生の病原菌類、緑藻類等の藻類が含まれる。 【0021】また、本発明の植物用抗菌藻部材には、芝等の植物の病害を防除するために用いられる抗菌剤、殺菌剤、殺虫剤、除草剤、植物生育調整剤、忌避剤等の種々の農薬の少なくとも一種が含有されているのが好ましい。かかる抗菌剤、殺菌剤等の農薬は、植物用抗菌藻部材に、所望の病害防除効果を付与することができるからである。 【0022】本発明の植物用抗菌藻部材は、抗菌剤、殺菌剤等の農薬の少なくとも一種を予め添加し、混合して練り込んだ高分子材料から成形するのが好ましい。抗菌剤等を練り込んだ植物用抗菌藻部材は、成形が容易で、抗菌剤等の流出が少なく、病害防除効果を持続させることができる。 【0023】また、本発明の植物用抗菌藻部材は、本体とその周囲に被着されたコーティング層とからなり、このコーティング層に抗菌剤、殺菌剤等の農薬の少なくとも一種が含有されているのが好ましい。かかる植物用抗菌藻部材は、抗菌剤等を予め添加して、混合したコーティング剤を、適切な材料に被着することにより製造することができる。 【0024】抗菌剤とは、菌の繁殖を防ぐか又は菌の発生を防ぐものである。本発明では、水銀、銀、銅等の微生物に対して極微作用を有する金属成分を含む物質を用いることができる。また、殺菌剤とは、発生した菌を殺すものである。本発明では、キャプタン、チウラム等の通常のシバ類登録殺菌剤を用いることができる。本発明は、特にこれらの薬剤に限定するものではなく、ヒノキチオール等の天然物エキスを含有する薬剤も、これらの薬品と同様に用いることができる。 【0025】抗菌剤、殺菌剤等の添加量は、薬品の種類及び芝の病害の程度により所望の範囲内に設定することができる。例えば、ゼオライトの構造内に銀イオンを含む商品名ゼオミック〔シナネン(株)製〕を使用する場合、その添加量はチップの重量の0.1〜2重量%が好ましい。0.1重量%未満では、銀イオンの抗菌効果が得られない。また、2重量%を超えても、添加量に見合った効果は得られない。抗菌剤を混合した場合には、病害の伝播を防ぐことを主目的とするが、殺菌剤を混合した場合と同様の効果が認められる。 【0026】このようにして製造した本発明の植物用抗菌藻部材は、設置場所や散布場所を選ばず、定位置で長期間、抗菌及び防藻効果を発揮することができる。また、本発明の植物用抗菌藻部材に含ませた抗菌剤、殺菌剤等の農薬は、水により流出したり、風等により飛散したりしない。 【0027】 【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。 実施例1表1に示す配合割合の原料を、ゴム工業で通常用いられる混練機、加硫装置で加硫して、ゴムを製造した。このゴムを粉砕機にて粉砕して粉末ゴムを得た。その後、この粉末ゴムをJIS篩にて篩別し、14〜10メッシュ(チップが球であるとして換算した時、約0.83〜2.4mm3 )のゴムチップを採取した。このゴムチップは、真比重を2.3に調整し、疑似グリーンに見えるよう緑色に調整した。 【0028】 【表1】
【0029】(1)芝の防藻処理試験本発明の植物用抗菌防藻部材の防藻効果を試験した。本実施例で製造したゴムチップを、藻が発生しているゴルフ場のグリーンに、300g/m2 の割合で散布した。ゴムチップは、ブラッシング操作により、土壌表面に直接接触させた。図1は、散布したゴムチップの状態を示す縦断面図である。芝2は直立茎6、葉7、根5及びほふく茎4からなる。ゴムチップ1は、芝2が生育する地表面3に散布されている。 【0030】散布後、1週間経って目視にて観察したところ、ゴムチップを散布した処理区では、藻は消失し、ゴムチップを散布していない無処理区では、藻がそのままの状態であった。 【0031】図2〜図7には、防藻処理の結果を示す。図2は、処理区と無処理区とを比較した図面代用写真である。図3は、図2の説明図である。図3では、境界線8がグリーン9とラフ10の境界を示している。図3の中央部には、無処理区11があり、この無処理区11では、藻が繁殖し、芝の生育が、周りの処理区12よりも阻害されている。この無処理区11は、図2に示すように、全体として白っぽく写っている。図4は、藻の繁殖状態を示す図面代用写真である。図5は、図4の説明図である。この図では、芝13の間で斑点状に分布している黒い部分14が、藻の繁殖部分である。図6は、処理区と無処理区の境界部分を接写した図面代用写真である。図7には、図6の説明図を示す。これらの図の上部は処理区15であり、下部が無処理区16である。境界線17は、処理区15と無処理区16との境界を示す。処理区15では、芝13が順調に生育している。一方、無処理区16では、藻が繁殖して、土壌表面が変色した黒い部分18があり、芝13の生育が阻害されている。 【0032】図8〜図11には、防藻処理前後のグリーンを示す。図8は処理前のグリーンの図面代用写真である。図9は図8の説明図である。これらの図に示すように、このグリーンでは、芝13の間の地面に藻の繁殖部分19が散在しているのがわかる。図10は、処理後のグリーンの図面代用写真である。図11は図10の説明図である。防藻処理では、図8に示すグリーンのほぼ中央部をポール20により処理区21と無処理区22に分け、処理区21に、ゴムチップを平成9年9月17日に散布した。図10は、この処理後のグリーンを、平成9年10月8日(散布から21日後)に撮影したものである。これらの図に示すように、処理区21では、藻が消失し、芝13の生長が促進されている。無処理区22では、藻の繁殖部分19が残ったままで、芝13の生長が抑制されている。 【0033】また、図12〜図14には、平成8年9月8日に撮影した写真を示す。図12は、処理区と無処理区とを並べて示す図面代用写真である。図12の左側が処理区であり、右側が無処理区である。図13は、処理区の図面代用写真である。図14は、無処理区の図面代用写真である。これらの写真は、図2〜図11に示す場所とは異なる場所で撮影した。図12の左側及び図13に示すように、処理区では、藻が消失し、芝の生長が促進された。一方、図12の右側及び図14に示すように、無処理区では、藻の消失が見られず、芝の生長が抑制されている。 【0034】(2)芝の抗菌処理試験また、500m2 の広さのナーセリーにペレニアルライグラスを植え、2月に3.5mmの高さに揃えて刈った後、半分の面積の250m2 に、本実施例のゴムチップを300g/m2 の密度で、土壌に直接接触するように散布した。7月に入って無処理区にはピシューム菌による症状が多く発生したが、処理区には、かかる症状は1個所にも発生しなかった。 【0035】(3)ゴムチップ抽出液の抗菌効果試験更に、確認のため、本実施例のゴムチップの10gを、100mLのpH3、pH7、pH12の各水溶液に室温で浸漬して、抽出液を調製した。この時の水溶液にはpH緩衝液を使用した。各抽出液について寒天培養によるシャーレテストを行った。病原菌としては、芝生の代表的な菌、ピシューム菌、リゾクトニア菌 AG2-2、スクレロチニア菌の3種を使用した。得られた結果を図15に示す。 【0036】図15は、3種の病原菌の発育程度を示すグラフである。この図では、これらの病原菌について、イオン交換水で得られた発育程度を100%とし、各抽出液で得られた発育程度を相対的に示している。pH3の抽出液では、スクレロチニア菌が25%の発育を示し、他の2種は発育しなかった。pH7の抽出液では、いずれの病原菌も発育しなかった。pH12の抽出液では、ピシューム菌が64%の発育を示し、リゾクトニア菌 AG2-2が6%の発育を示し、スクレロチニア菌は発育しなかった。 【0037】(4)シクラメンの抗菌処理試験6号鉢(直径約18cm)にシクラメンを植えた60鉢を準備した。60鉢のうちの30鉢を、11月に無作為に選び出し、本実施例のゴムチップを、5g/鉢の割合で土壌表面に直接接触するように散布した。その年、処理した鉢と無処理の鉢のすべての鉢で、シクラメンは通常の花を咲かせた。翌年4月に、60鉢の花をすべて抜き、60鉢すべてをガラス越しの陽が半日間当たる場所で養生した。次の秋には、無処理の鉢は通常の病原菌に侵されたため、30鉢の中で花が咲いた鉢は4鉢であった。しかし、処理した30鉢には、通常の花が29鉢で咲き、本実施例のゴムチップが抗菌性を発揮したことが確かめられた。 【0038】実施例2ワグナーポット(内径約16cm直径)30個に、砂壌土を入れ、日本芝(ノシバ)を植え込み、リゾクトニア菌を培養したふすま(小麦の皮)をこれらのポットに5月8日に接種した。これらのポットに、次の表2に示す配合割合の原料を、プラスチック工業で通常用いられている混合機中で混合して、ホットカット機にて、約1mm角、真比重2.3の立方片に切断した。得られた試料を、以下の6種類の条件:0g、1.0g(約50g/m2 )、2.0g(約100g/m2 )、6.0g(約300g/m2 )、10.0g(約500g/m2 )、20.0g(約1.0kg/m2 )の下に、各ポットに均一に散布した。 【0039】 【表2】
*1 低結晶性1,2-シンジオタックポリブタジエン、RB810(JSR製) *2 プロセスオイル、PW−90〔出光興産(株)製〕 このようにして処理したポットを養生し、処理した1ヵ月後に病気の発生を観察した。結果を表3に示す。 【0040】 【表3】
【0041】病気の発生はラージバッチで発生するか否かに基づいて判断した。病気が認められなかったポット(6.0g、10.0g及び20.0g)について、9月10日に、これらのポットに再度リゾクトニア菌を接種し、接種した1ヵ月後に病気の発生を観察した。結果を表4に示す。 【0042】 【表4】
【0043】上述したように、本発明によれば、長期にわたり、リゾクトニア菌によるラージバッチの発生を防ぐことができた。 【0044】実施例3アシュラム剤(asulam)80%(アシュラムをCaCO3 で80%に希釈した調製物)(商品名:アージラン80SG)を、表1に示す配合割合を有するゴムと、重量比で1:10(アージラン1:ゴム10)の割合に混練して、混練した混合物を加硫し、加硫物を粉砕機にかけて粉砕した。篩を用いて、これらの粉砕片を篩別し、1.0〜3.0mmの範囲内の篩別片を得た。次いで、これらの篩別片にされた混練ゴムチップを、芝生地を1m2 に分画して設けた4回の反復試験区として用いる16区画上に散布した。図16は、これらの16区画を示す平面図である。 【0045】供試芝種はノシバ(EL Toro) 、散布日は5月20日、観察日は7月10日及び10月10日、雑草種類はオランダミミナグサ、カヤツリグサ、ヒメムカシヨモギ、ホトケノザ、ハキダメギク及びニワホコリである。図16中の各区画には、以下の事項を示した。0.0〜300.0gはチップの散布量を示し、「+」は雑草が10本以下であることを意味し、「−」は雑草が皆無か5本以下であることを意味し、「++」〜「++++++++」はそれぞれ、雑草が20〜80本以下であることを意味する。また、( )内の記号「+」等は、7月10日の観察結果を、( )外の数値は、7月10日の観察結果の具体的データを示す。また、( )外の記号「+」等は、10月10日の観察結果を示す。 【0046】10月10日の観察時点で、コントロール区にのみ強烈な赤錆病が発生しており、本発明の植物用抗菌藻部材がアシュラム剤の強力な雑草抑制作用と併せて殺菌作用を有することを示している。なお、この試験では、本発明の植物用抗菌藻部材は、アシュラム剤がゴム中に混練されているため、5ヵ月以上にわたり、抗菌藻作用を持続させたことを顕著に示すものである。また、コントロール区と処理区とで観察された芝生の生長には差が見られなかったことから、本発明の植物用抗菌藻部材は、芝生について薬害的な影響がないことが確認された。 【0047】 【発明の効果】以上述べたように、本発明の植物用抗菌藻部材を、種々の植物の周囲に配置することにより、菌藻類の増殖が抑制される。また、本発明の植生構造及び菌藻類の増殖抑制方法を用いれば、病原菌による植物の病害を防止することができ、藻の発生を予防することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591000506 【氏名又は名称】早川ゴム株式会社 【識別番号】000180047 【氏名又は名称】山陽芝生株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)4月17日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】杉村 暁秀 (外8名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−240805 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)9月7日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−122744 |
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