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【発明の名称】 押花用乾燥体と同押花用乾燥体を具備する押花セット
【発明者】 【氏名】杉野 俊幸

【要約】 【課題】斑やちぢみや変色のない押花を提供すること。

【解決手段】厚紙に乾燥剤を含浸させた乾燥用シート体と、同乾燥用シート体の少なくとも片面に張設して押花素材に面接触させるためのクッションマット体とを具備させた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 厚紙に乾燥剤を含浸させた乾燥用シート体と、同乾燥用シート体の少なくとも片面に張設して押花素材に面接触させるためのクッションマット体とを具備することを特徴とする押花用乾燥体。
【請求項2】 請求項1記載の押花用乾燥体と、同押花用乾燥体を封入する封入袋体と、同封入袋体内の空気を排出して扁平状となした封入袋体の開口部を封止する封止用クリップとを具備することを特徴とする押花セット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、押花用乾燥体と同押花用乾燥体を具備する押花セットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、押花は、一般的に生の草花等の押花素材を挾持板間に束ねた藁半紙を介して挾み、同状態にて重錘により加圧し、さらに、同状態にて、所定の乾燥手段により一定時間乾燥している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、藁半紙の場合、紙が薄いために、部分的に水を吸って膨潤した後に乾燥されると、膨潤した部分が細長い溝状の襞となって残り、かかる襞により押花素材に押えられた部分と押えられない部分とが発生し、押えられた部分は組織が潰されて押花素材が部分的に透明化して斑(ムラ)として写り、乾燥して仕上げる押花の美感を著しく損なっている。
【0004】そして、押花素材に、凹凸等による厚い部分と薄い部分とが部分的に存在する場合には、薄い部分は乾燥中に押圧を受けないために、収縮してちぢれを起こして、押花の美感を著しく損なっている。
【0005】また、押花素材は、遠隔地にて採集することがあり、採集して持ち帰る間に収縮したり変形等を起こして保型が困難である。
【0006】そのために、採集した現地にて押花にするのが好ましいが、遠隔地にまで押花の道具を持ち歩くのは煩雑である。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、厚紙に乾燥剤を含浸させた乾燥用シート体と、同乾燥用シート体の少なくとも片面に張設して押花素材に面接触させるためのクッションマット体とを具備することを特徴とする押花用乾燥体を提供せんとするものである。
【0008】また、本発明は、押花用乾燥体と、同押花用乾燥体を封入する封入袋体と、同封入袋体内の空気を排出して扁平状となした封入袋体の開口部を封止する封止用クリップとを具備することにも特徴を有する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0010】すなわち、本発明に係る押花用乾燥体は、厚紙に乾燥剤を含浸させた乾燥用シート体と、同乾燥用シート体の少なくとも片面に張設して押花素材に面接触させるためのクッションマット体とを具備している。
【0011】ここで、乾燥用シート体の厚紙としては、吸湿、吸水しても膨潤したり変形したりすることのない材質のもの、例えば、不織紙やパルプ素材を1mm以上の厚手に成形して使用することができる。
【0012】乾燥剤としては、塩化カルシウム、又は塩化カルシウムと塩化リチウムとの混合物を使用することができる。
【0013】クッションマット体としては、可撓性素材の合成樹脂線体により三次元骨格網状に編成した一定厚み、例えば、2mm〜6mmの平板状としたものを使用することができ、押花素材に含まれた水分を水蒸気として拡散するのに支障がなく、かつ、押花素材の収縮や変形を一定圧力で防止して、押花素材の保型機能を十分に果しうるものを使用することができる。
【0014】クッションマット体は、乾燥用シート体の両面に張設することも、又、乾燥用シート体の全面を被覆するように張設することもできる。
【0015】そして、押花用乾燥体は、複数枚の乾燥用シート体を重合させて、これらをクッションマット体により被覆して形成することもできる。
【0016】押花素材は、押花にするための生の草花等である。
【0017】また、本発明に係る押花パックは、前記した押花用乾燥体と、同押花用乾燥体を封入する封入袋体と、同封入袋体内の空気を排出して扁平状となした封入袋体の開口部を封止する封止用クリップとを具備している。
【0018】ここで、封入袋体としては、ポリエチレン製の袋やガスバリヤ性の袋(アルミニウム蒸着又はハイバリヤ性ラミネート)を使用することができる。
【0019】封止用クリップとしては、封入袋体の開口部を簡単かつ確実に封止することができて、持運びが楽なものであればよい。
【0020】上記した押花パックは、常温〜40℃の環境温度にて1昼夜〜2昼夜静置することにより、押花素材をほぼ乾燥させることができて、斑やちぢれや変色のない美しい押花を得ることができる。
【0021】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
【0022】図1に示すAは、本発明に係る押花用乾燥体であり、同押花用乾燥体Aは、乾燥用シート体1の周面をクッションマット体2により被覆して形成している。
【0023】そして、乾燥用シート体1は、厚さ1mm圧の厚紙に、乾燥剤としての塩化カルシウムを含浸させたものである。
【0024】本発明に係る押花セットBは、図2及び図3に示すように、前記した押花用乾燥体Aと封入袋体3と封止用クリップ4とを具備している。
【0025】そして、封止用クリップ4は、図3及び図4に示すように、嵌合凸条部4aを有する一側クリップ形成片4bと、嵌合凹条部4cを有する他側クリップ形成片4dとを具備して、一側クリップ形成片4bと他側クリップ形成片4dとの間に封入袋体3の開口部3aを配置して、嵌合凸条部4aに嵌合凹条部4cを嵌合させることにより、封入袋体3の開口部3aを挾圧状態にて封止することができるようにしている。
【0026】次に、押花セットBを使用して押花をつくる方法について、図2及び図3を参照しながら説明する。
【0027】■ 重合状態に配置した四枚の押花用乾燥体A,A,A,Aの間に、押花素材Cを配置して、押花素材Cを挾む。
【0028】■ この押花素材Cを挾んだ四枚の押花乾燥体A,A,A,Aを重合状態のまま封入袋体3内に収容する。
【0029】■ 封入袋体3を上下方向より押して、同封入袋体3内の空気を開口部3aより押出すことにより、封入袋体3を扁平状となす。
【0030】■ 扁平状となした封入袋体3の開口部3aを、封止用クリップ4により封止する。
【0031】■ かかる状態にて、常温〜40℃の環境温度にて1昼夜〜2昼夜静置する。この際、押圧用乾燥体Aを加圧する必要はない。
【0032】図5は、第2実施例としての押花用乾燥体Aを示しており、同押花用乾燥体Aは、乾燥用シート1の両面にそれぞれクッションマット体2を張設している。
【0033】この場合にも、前記第1実施例としての押花用乾燥体Aと同様の効果が得られる。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0035】■ 請求項1記載の本発明では、押花用乾燥体により押花素材を挾んだ場合には、厚紙に乾燥剤を含浸させた乾燥用シート体により押花素材が吸湿されて乾燥されると共に、吸湿した水分は厚紙が確実に吸収するために、乾燥用シート体に襞が発生することがなく、従って、押花素材に斑を発生させることがない。
【0036】しかも、乾燥用シート体の少なくとも片面にはクッションマット体を張設しているために、同クッションマット体を押花素材に面接触させることにより、押花素材に凹凸等による厚い部分と薄い部分とが部分的に存在する場合にも、クッションマット体により厚い部分も薄い部分も略均等に面接触させることができて、押花に収縮によるちぢれを発生させることがない。
【0037】従って、乾燥用乾燥体により押花素材を挾むことにより、乾燥押花を短時間に、しかも、美感も良く仕上げることができる。
【0038】■ 請求項2記載の本発明では、押花セットが、前記■の押花用乾燥体と、封入袋体と封入用クリップとを具備しているために、複数の押花用乾燥体により押花素材を挾んで、同状態にて封入袋体内に収容し、同封入袋体内の空気を可及的に押し出した状態にて封入用クリップにより封入袋体の開口部を封止して、一定時間静置しておくことにより、斑やちぢれのない美しい押花を得ることができる。
【0039】この場合、押花セットが軽量かつコンパクトなものであるために、持ち運びが楽で、遠隔地で押花素材を採集した際にも、現地にて押花にして保型性及び保存性を良好に確保したまま楽に持ち帰ることができる。
【0040】従って、押花セットは、旅行等にも手軽に携帯することができて、押花による楽しい旅の思い出をつくることができる。
【出願人】 【識別番号】598167556
【氏名又は名称】杉野 泰雄
【出願日】 平成10年(1998)1月28日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
【公開番号】 特開平11−217301
【公開日】 平成11年(1999)8月10日
【出願番号】 特願平10−15969