| 【発明の名称】 |
農業用駆虫剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】サブヘンドゥ ナラヤン ガングリー
|
| 【要約】 |
【課題】天然物に由来する農業用駆虫剤の提供【解決手段】 ニム油(マルゴサ油)中の弱アルカリ性水溶液溶解物、及び水とアセトンの混合液溶解物を除去した。
【解決手段】ニム油(マルゴサ油)中の弱アルカリ性水溶液溶解物、及び水とアセトンの混合液溶解物を除去した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ニム油(マルゴサ油)中の弱アルカリ性水溶液溶解物、及び水とアセトンの混合液溶解物を除去したことを特徴とする農業用駆虫剤。 【請求項2】 弱アルカリ性水溶液が、炭酸水素ナトリウム溶液である請求項1に記載する農業用駆虫剤。 【請求項3】 請求項1又は請求項2で得られる農業用駆虫剤に、さらに非イオン界面活性剤を添加したことを特徴とする農業用駆虫薬剤。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、ニム油(マルゴサ油)から得られる農業用駆虫剤に関するものである。 【0002】ここでニム油(マルゴサ油)とは、インド及び東南アジア地域に広く分布する、通称ニムの樹(Nim Tree,Neem Tree ,Margosa Tree,インドセンダン,学名Azadirachta ,Meria Indica)の実を搾油して得られ、種々の薬効が認められるため、そのまま市販され、また歯磨き、化粧品、医薬等に添加利用されているものである。 【0003】 【従来の技術】このニム油(ニムの実、葉)には、古くから強力な駆虫効果(衣類、家屋等)が認められていたので、近年、農業用駆虫剤として利用する幾多の試みがなされたが、全て失敗に終わった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】その理由は、ニム油又はその希釈液をそのまま植物(農作物)に噴霧すると、その駆虫効果(忌避効果)は維持されるものの、植物の成長が阻害され、または植物が枯死してしまうためである。 【0005】そこで本発明者は、ニム油中に含まれる駆虫効果のある物質(成分)と、植物の成長を阻害する物質(成分)とは、別のものであるという前提(観点)に立ち、種々の試験を繰り返した結果、ニム油中から植物の成長を阻害する物質(成分)のみを分離除去する方法を発見して本発明を完成した。 【0006】 【課題を解決するための手段】この発明は、以上の欠点を解決するためになされたもので、下記の請求項1〜請求項3により構成されている。 <請求項1> ニム油(マルゴサ油)中の弱アルカリ性水溶液溶解物、及び水とアセトンの混合液溶解物を除去したことを特徴とする農業用駆虫剤。 <請求項2> 弱アルカリ性水溶液が、炭酸水素ナトリウム溶液である請求項1に記載する農業用駆虫剤。 <請求項3> 請求項1又は請求項2で得られる農業用駆虫剤に、さらに非イオン界面活性剤を添加したことを特徴とする農業用駆虫薬剤。 【0007】この発明は、前記(請求項1及び請求項2)したように、ニム油(マルゴサ油)中の、■弱アルカリ性水溶液溶解物を除去すること、及び■水とアセトンの混合液溶解物を除去すること、の2構成要件から成り立っている。 【0008】そして、■のニム油中から弱アルカリ性水溶液溶解物を除去する(ニム油を弱アルカリ性水溶液で洗浄する)ことにより、主としてニム油中から脂肪酸類(ジカルボン酸類を含む)及び有機酸類が除去されるものと推定される。 【0009】また■の水とアセトンの混合液溶解物を除去する(ニム油を水とアセトンの混合液溶で洗浄する)のは、■のみでも植物の成長を阻害する物質(成分)の大部分が除去されるが、さらに完全に植物の成長を阻害する物質(成分)を除去するためである。 【0010】この発明の請求項3に記載した非イオン界面活性剤を添加する理由は、請求項1又は請求項2により得られた農業用駆虫剤の保存中の安定化、及び後述する農作物へ希釈・散布する際の農業用駆虫剤の分散を良好にするためである。 【0011】この発明に用いられる非イオン界面活性剤としては、脂肪酸モノグリセリド、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等、なるべく環境に悪影響を及ぼさないものであればその種類を問わないが、下記に記載する天然乳化剤も用いられる。 【0012】Soap nut(Soap berry,ムクロジ,Sapindus trifoliatus syn. Sapindus emarginatus)の果実から種を除き、その果肉を潰す。これに90℃の湯を加え15分間抽出した後、ろ過する。粕を絞って加えた濾液を濃縮して天然乳化剤(水分約5%)として使用する。 【0013】この発明によって得られる農業用駆虫薬剤により駆虫(駆除)される農作物の害虫の種類は次のとおりである。 *アサミウマ虫(Tenio trips setiventris ) *群生毛虫(Andraca Bipunctata) *シャクトリ虫(Biston suparessaria ) *ナメクジ(Eterusia nifica ) *赤錆病虫(Cephaleuros parasiticus ) *黒枯れ病虫(Corticium ) *水泡病虫(Exobasidium vexans) *赤蜘蛛(Oligony coffeae ) *ヘロペルチス(Helopeltis theivora ) *白蟻(Termites) 白蟻の場合、成木への散布によっても、白ありの駆除には効果が認められないが、幼木への散布により、成木に至っても白蟻に対する免疫性が認められた。 【0014】またこの発明によって得られる農業用駆虫薬剤により駆虫(駆除)されない有用虫(昆虫類)は次のとおりである。 *青蠅以外の蠅類*蜜蜂(蜜蜂は非常に有用であるから、駆除されないのは特記するに値する) *捕食性昆虫類*その他植物組織を食しない昆虫類及び生物【0015】この発明によって得られる農業用駆虫薬剤を散布して、その成長に影響を与えないことが確認された農作物は次のとおりである。 *各種茶類*オレンジ等の柑橘類*りんごの樹各種*水稲【0016】 【発明の実施の形態】 <実施例>下記の操作により、市販のニム油から、この発明に係る農業用駆虫剤を得た。 (1)市販のニム油に、2倍量の5%炭酸水素ナトリウム溶液を加え、20℃で十分攪拌し、その後静置して、下層を捨てる。 (2)更に純水を加え同様に操作した後、下層を捨てる。この工程は下層の溶液にアルカリ反応が消失するまで繰り返す。 (3)得られたニム油に2倍量の10%アセトン溶液を加え、(1)と同様に操作した後、残存している微量のアセトンを減圧留去する。 (4)得られたニム油をろ過する(状況により加圧ろ過する)。 (5)前記 Soap nutより得られた天然乳化剤を、得られたニム油に、3%添加する。 【0017】<農作物への試験例>面積5エーカーに、約30,000本の茶の木(Camellia sinensis )が栽培されている茶園で試験した。栽培されている茶の木を半分に分け、前記実施例でニム油から得られた農業用駆虫剤を散布したもの(TRT) と散布しないもの(CON) を栽培し、昆虫に害された木の本数を調査した。 【0018】結果は、昆虫に害された木の本数を勘定し、全体の茶の木の本数に対する百分率で表した。 (1)散布条件(イ)散布量:駆虫剤 1.5(L)/1エーカーなお、前記駆虫剤は水で約200倍に希釈して散布した。 (ロ)散布頻度:20日の間隔をおいて、2回散布した後、2カ月間放置する周期を6年間継続した。 (2)結果【0019】 【表1】
【0020】表1の数字は、害虫により害された木の、全体の木に対する百分率(%)である。 【0021】表1の結果によれば、この発明に係る農業用駆虫剤を散布したものは、年々害虫に侵される木が顕著に減少していることがわかる。 【0022】 【発明の効果】この発明によれば以上のように構成したので、非常に有効な農業用駆虫剤が、環境を破壊することがない天然物のみから得られるという効果を有する。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】597142941 【氏名又は名称】サブヘンドゥ ナラヤン ガングリー 【氏名又は名称原語表記】SUBHENDU NARAYAN GANGULY 【住所又は居所原語表記】DIGANTIKA−F/10 AH−BLOCK SECTOR II SALT LAKE CALCUTTA−700 091 INDIA 【識別番号】397058563 【氏名又は名称】有限会社フジカ
|
| 【出願日】 |
平成9年(1997)9月25日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】今野 耕哉 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開平11−92324 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月6日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−276684 |
|