| 【発明の名称】 |
家害虫駆除及び忌避剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】高橋 信博
【氏名】伊田 敦子
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| 【要約】 |
【課題】ウジムシ、ゴキブリ、シロアリからなる家害虫を駆除し、また予め塗布や散布等の処理を施しておくことにより家害虫を忌避して伝染病等の病気を防ぐことができ、しかも人畜に対する安全性の高い家害虫駆除及び忌避剤の提供にある。
【解決手段】塩化カルシウムが主成分として配合されてなり、ハエ目(Diptera)に属するハエの幼虫であるウジムシ、ゴキブリ目(Blattaria)に属するゴキブリ、シロアリ目(Isoptera)に属するシロアリからなる家害虫を駆除及び忌避することを特徴とする家害虫駆除及び忌避剤とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 塩化カルシウムが主成分として配合されてなり、ハエ目(Diptera)に属するハエの幼虫であるウジムシ、ゴキブリ目(Blattaria)に属するゴキブリ、シロアリ目(Isoptera)に属するシロアリからなる家害虫を駆除及び忌避することを特徴とする家害虫駆除及び忌避剤。 【請求項2】 着色剤で着色されてなることを特徴とする請求項1記載の家害虫駆除及び忌避剤。 【請求項3】 前記家害虫の誘引剤が含有されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の家害虫駆除及び忌避剤。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は家害虫駆除及び忌避剤に係り、その目的はウジムシ、ゴキブリ、シロアリからなる家害虫を駆除し、また予め塗布や散布等の処理を施しておくことにより家害虫を忌避して伝染病等の病気を防ぐことができ、しかも人畜に対する安全性の高い家害虫駆除及び忌避剤を提供することにある。 【0002】 【従来の技術】一般に、家害虫と呼ばれる害虫としては、ハエ、ゴキブリ、シロアリ等が挙げられる。家害虫による影響、被害はその種類により様々で、例えば、ハエ目(Diptera)に属するイエバエ(Musca domestica)、クロイエバエ(Musca corvina)等のハエでは、コレラ、赤痢等の伝染病を伝播する危険性が指摘されている。また、昨今その被害が深刻な社会問題となっている病原性大腸菌O−157やサルモネラ菌をハエが媒介することも報告されており、ハエ及びその幼虫であるウジムシの駆除の必要性が高まっている。また、ゴキブリ目(Blattaria)に属するチャバネゴキブリ(Blattella germanica)、クロゴキブリ(Periplanetafuliginosa)等のゴキブリもハエと同様に様々な伝染病を伝播する危険な害虫で、やはり病原性大腸菌O−157を媒介している可能性もあることから、駆除の必要性が高まっている。 【0003】シロアリ目(Isoptera)に属するイエシロアリ(Coptotermes formosamus)、ヤマトシロアリ(Leucotermes speratus)等のシロアリは家屋、樹木、木材或いは重要文化財等の土中又は土に接した木材を食害して建築物等を侵す害虫で、日本国内での総被害額は年間2000億円とも言われている。従って、シロアリの駆除は必要不可欠であり、業者による駆除も盛んに行われている。 【0004】現在、上記したようなハエ、ゴキブリ、シロアリ等の家害虫の駆除には化学合成殺虫剤が用いられることが多い。具体的には、ピレスロイド、アレスリン等のピレスロイド系殺虫剤、フェニトロチオン、DDVP、パラチオン等の有機リン系殺虫剤、カルバメート系殺虫剤、ヒドラメチルノン等が用いられている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記化学合成殺虫剤による駆除では、薬品に対する耐性を有する害虫がすぐに出現するため、その度に、より強力な薬品を使用する必要に迫られるという問題点がある。また、いずれの殺虫剤も残留性があるため人畜に対する安全性が保障されていないという問題点も存在する。特に、シロアリ駆除業者は有機リン系の強力な殺虫剤を使用するため、駆除業者や駆除作業を施された建物内の人間の健康に対する被害が数多く報告されている。 【0006】そこで、ハエ及びその幼虫であるウジムシ、ゴキブリ、シロアリからなる家害虫を駆除することにより、これらの害虫を原因とする伝染病等の病気を防ぐことができ、また害虫に対する忌避効果も高く、しかも害虫が耐性を有することがなく、人畜に対する安全性の高い家害虫駆除及び忌避剤の創出が望まれていた。 【0007】一方、本発明者は特願平8−352061号「塩化カルシウムを使用した抗生物剤」において、塩化カルシウムが蚊の幼虫であるボウフラの駆除に有効で、しかもこの抗生物剤が除草剤、防黴剤としても有効であることを提案している。本発明者は塩化カルシウムを使用した抗生物剤に関する鋭意研究を更に続けたところ、この抗生物剤がボウフラだけでなく、ウジムシ、ゴキブリ、シロアリに対しても有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。 【0008】 【課題を解決するための手段】即ち、請求項1に係る発明は、塩化カルシウムが主成分として配合されてなり、ハエ目(Diptera)に属するハエの幼虫であるウジムシ、ゴキブリ目(Blattaria)に属するゴキブリ、シロアリ目(Isoptera)に属するシロアリからなる家害虫を駆除及び忌避することを特徴とする家害虫駆除及び忌避剤に関する。また、請求項2に係る発明は、着色剤で着色されてなることを特徴とする請求項1記載の家害虫駆除及び忌避剤に関し、請求項3に係る発明は、前記家害虫の誘引剤が含有されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の家害虫駆除及び忌避剤に関する。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明者は、塩化カルシウムがハエ目(Diptera)に属するハエの幼虫であるウジムシ、ゴキブリ目(Blattaria)に属するゴキブリ、シロアリ目(Isoptera)に属するシロアリからなる家害虫の細胞内に吸収されると、細胞内の電解バランスが崩れ、その結果、細胞膜が破壊して細胞液が流出するため、これらの家害虫は生存できなくなること及び、塩化カルシウムが家害虫を忌避する効果を有していることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明において使用される塩化カルシウムは、分子量約111の無機化合物で、無水あるいは含水のどちらの形態のものを使用することも可能である。 【0010】塩化カルシウムは上述した如く、家害虫の細胞内の電解バランスを崩し、その結果、害虫が死に至るため、塩化カルシウムが配合されている駆除及び忌避剤に対する耐性を有する害虫が出現することはない。また、塩化カルシウムは人畜に対して無害であるため、この塩化カルシウムを主成分とする家害虫駆除及び忌避剤は安全性が高く、使用者は安心して使用することができる。 【0011】塩化カルシウムの濃度は駆除及び忌避の対象となる家害虫の種類に応じて適宜設定すればよく、特に限定はされない。例えば、ウジムシの駆除及び忌避に用いる場合には全組成中0.25重量%以上とするのが好ましい。また、ゴキブリの駆除及び忌避には20重量%以上とするのが好ましいが、24時間以内に確実に駆除するには30重量%以上とし、更に、後述する誘引剤を用いるのがより好ましい。シロアリの駆除及び忌避には7重量%以上とするのが好ましいが、24時間以内に確実に駆除するには10重量%以上、より好ましくは15重量%以上とされる。 【0012】本発明に係る家害虫駆除及び忌避剤に、着色剤を配合することも可能である。着色剤としては、食紅等の食用色素や天然色素、或いはケチャップ、粉ミルク等の食品が用いられるが特に限定はされず、人体に対する安全性の高いものであれば全て好ましく用いられる。 【0013】上記した着色剤を使用する理由は以下のとおりである。本発明に係る家害虫駆除及び忌避剤に用いられる塩化カルシウムは乾燥剤として用いられるほど吸湿性が強いため、誤って植物や農作物に拡散した場合に、植物や農作物が枯れてしまう恐れがある。従って、この家害虫駆除及び忌避剤を屋外等で使用する場合は、駆除及び忌避剤が植物や農作物に拡散しないように注意する必要があり、使用者の注意を喚起するために着色剤が用いられる。つまり、着色剤を用いることにより、使用者は家害虫駆除及び忌避剤が植物や農作物に拡散しているかどうかを目視で確認することができるので、家害虫駆除及び忌避剤が植物や農作物に拡散するのを防ぐことができ、また誤って拡散したとしても着色されているため速やかに水で流す等の操作を加えることができるため、植物や農作物に影響を及ぼす危険性がなくなる。 【0014】また、本発明に係る家害虫駆除及び忌避剤を駆除の目的で使用する場合、家害虫誘引剤を配合することも可能で、これにより家害虫を誘引して殺虫するので、早急に駆除効果を発揮することができる。家害虫誘引剤としてはイチゴシロップ、タマネギ、肉、エビ、鰹節等の家害虫が好む食品やフェロモンが用いられる。この家害虫誘引剤はゴキブリのように家の中に住む害虫の駆除に特に有効である。 【0015】本発明に係る家害虫駆除及び忌避剤を特に忌避の目的で使用する場合には、家害虫が現れると思われる場所、例えばシロアリの忌避の場合には土に接している家屋の木材等に、予め家害虫駆除及び忌避剤の散布、塗布等の処理を施しておくと、被害を被る前に確実に害虫を忌避することができる。 【0016】尚、本発明に係る家害虫駆除及び忌避剤には、上記した塩化カルシウム、着色剤、家害虫誘引剤以外に、従来公知の増量剤、賦形剤、香料等が配合されてもよい。 【0017】家害虫駆除及び忌避剤の使用形態としては、液剤、煙霧剤、粉剤、塗布剤等を例示することができるが特に限定されず、目的とする家害虫の種類や、使用場所に応じて最も使用しやすい形態で使用すればよい。また、マットに液剤を溶解させ、マットを放置することにより家害虫を駆除することも可能である。液剤あるいは煙霧剤として使用する場合には、水溶液として剤形を整えればよい。又、粉剤として使用する場合にはベントナイト、炭等の保持剤を、塗布剤として使用する場合には展着剤を加えて剤形を整えればよい。 【0018】 【実施例】本発明に係る家害虫駆除及び忌避剤について、実施例に基づき更に詳細に説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 (実施例1) ウジムシ駆除及び忌避試験肉眼で100匹以上のウジムシが存在する汲み取り便所の2つの便槽(容量;200リットル)に粉状の塩化カルシウムを1週間に1度、1つの便槽には500g、もう1つの便槽には1000g投入し、一週間毎にハエ及びウジムシの発生を確認した。また同時に、対照例として塩化カルシウムを全く投入しない便槽でのハエ及びウジムシの発生も確認した。塩化カルシウムを全く投入しない便槽からはハエ及びウジムシの発生が見られた。一方、塩化カルシウムを投入した2つの便槽からは4カ月後にもハエ及びウジムシが発生することはなかった。以上の結果から、本発明に係る家害虫駆除及び忌避剤がウジムシの駆除及び忌避に有効であることがわかる。 【0019】(実施例2) ゴキブリ駆除試験■塩化カルシウムの濃度が7、10、20、30重量%の家害虫駆除剤水溶液、及び対照例として水道水を準備した。クロゴキブリ(Periplaneta fuliginosa)を捕獲して上記家害虫駆除剤水溶液或いは水道水を5ml注入した結果、塩化カルシウムの濃度が10重量%の家害虫駆除剤水溶液が注入されたゴキブリは72時間後に、20重量%の家害虫駆除剤水溶液が注入されたゴキブリは48時間後に、また30重量%の家害虫駆除剤水溶液が注入されたゴキブリは24時間後にそれぞれ死亡した。また、塩化カルシウムの濃度が7重量%の家害虫駆除及び忌避剤が注入されたゴキブリ及び水道水が注入されたゴキブリは3日後も特に変化はなかった。 【0020】(実施例3) ゴキブリ駆除試験■ゴキブリ誘引剤であるイチゴシロップ(1.0重量%)が含浸されたティッシュペーパーを小さく折り畳み、3cm(高さ)×7cm(横)×10cm(縦)でゴキブリが侵入する入口を有した容器内8箇所に設置し、容器を喫茶店内に2週間放置した。また、上記と同様にイチゴシロップが含浸されたティッシュペーパーが設置された容器を喫茶店内に放置し、更に塩化カルシウムの濃度が30重量%の家害虫駆除剤水溶液を床に散布して2週間放置した。 【0021】1週間後及び2週間後に容器に捕獲されたゴキブリの数を数えた。結果を表1に示す。 【表1】
【0022】実施例2の結果から、本発明に係る家害虫駆除及び忌避剤をゴキブリの駆除に用いる場合には、塩化カルシウムの濃度を10重量%以上とし、更に、24時間以内に確実に駆除するためには30重量%以上とするのが好ましいといえる。また、実施例3の結果から、イチゴシロップは誘引効果が高く、このイチゴシロップ等を誘引剤として用いることにより、ゴキブリを誘引しつつ塩化カルシウムの効果により駆除することができるので、駆除効率を高めることができる。 【0023】(実施例4) シロアリ駆除試験乾砂が3g入った瓶を4本用意し、塩化カルシウムの濃度が3、7、10重量%の家害虫駆除及び忌避剤水溶液、及び対照例となる水道水を1mlずつ入れ、湿潤状態とした。次に、各瓶にヤマトシロアリ(Leucotermes speratus)を30匹ずつ投入し、一定時間ごとに死亡数を確認した。 【0024】結果をまとめて表2に示す。 【表2】
【0025】(実施例5) シロアリ駆除及び忌避試験床板等にシロアリの存在が確認されたログハウスに塩化カルシウムの濃度が10重量%である家害虫駆除及び忌避剤水溶液を散布したところ、3日後にはシロアリが全く存在していないことが確認された。 【0026】実施例4及び5の結果から、本発明に係る家害虫駆除及び忌避剤をシロアリの駆除及び忌避に用いる場合には、塩化カルシウムの濃度を7重量%以上とするのが好ましく、特に24時間以内に確実に駆除するには10重量%以上とするのが好ましく、この濃度であればシロアリ忌避効果も高いといえる。 【0027】 【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1に係る発明は、塩化カルシウムが主成分として配合されてなり、ハエ目(Diptera)に属するハエの幼虫であるウジムシ、ゴキブリ目(Blattaria)に属するゴキブリ、シロアリ目(Isoptera)に属するシロアリからなる家害虫を駆除及び忌避することを特徴とする家害虫駆除及び忌避剤に関するものであるから、以下のような効果を奏する。即ち、塩化カルシウムにより家害虫の細胞膜が破壊されるため、化学合成薬品を使用した家害虫駆除剤のように害虫が耐性を有することがないので、その度に、より強力な薬品を使用する必要に迫られることがなく、又、ハエ、ゴキブリ等の家害虫を駆除及び忌避することにより、これらの害虫を原因とする伝染病を防ぐことができる。更に、塩化カルシウムは人畜に対して無害であるので安全性が高く、使用者は安心して使用することができるという効果を奏する。 【0028】また、請求項2に係る発明は、着色剤で着色されてなることを特徴とする請求項1記載の家害虫駆除及び忌避剤に関するものであるから、この駆除及び忌避剤を使用する際に、駆除及び忌避剤が植物や農作物に拡散しているかどうかを目視で確認することにより、家害虫駆除及び忌避剤が植物や農作物に拡散するのを防ぐことができる。 【0029】更に、請求項3に係る発明は、前記家害虫の誘引剤が含有されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の家害虫駆除及び忌避剤に関するものであるから、早急に効率よく家害虫を駆除することができるという効果を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】597141483 【氏名又は名称】有限会社倫五
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)9月18日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】清原 義博
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| 【公開番号】 |
特開平11−92313 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月6日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−273483 |
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