| 【発明の名称】 |
燻煙殺虫剤および燻煙方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】勝田 純郎
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| 【要約】 |
【課題】従来の燻煙方法に比べ熱量の少ない熱源でも燻煙の継続可能な燻煙殺虫剤、および該燻煙殺虫剤に点火具を接触させるだけで、安全に、かつ効率よく燻煙せしめる実用的な燻煙方法の提供。
【解決手段】ピレスロイド系殺虫剤およびカーバメート系殺虫剤から選ばれた1種または2種を2〜15重量%と、アゾジカルボンアミド(発泡剤)を70〜97重量%と、酸化亜鉛および炭酸亜鉛から選ばれた1種または2種を1〜15重量%とを含有する燻煙剤組成物を、緩燃焼性材料からなる点火具を接触させた時その接触させた部分に噴孔が形成される合成樹脂製フィルム袋に封入してなる燻煙殺虫剤。該燻煙殺虫剤に点火具を接触させて前記発泡剤を熱分解せしめ、前記噴孔から燻煙剤組成物を継続して噴煙せしめる噴煙方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ピレスロイド系殺虫剤およびカーバメート系殺虫剤から選ばれた1種または2種を2〜15重量%と、アゾジカルボンアミドを70〜97重量%と、酸化亜鉛および炭酸亜鉛から選ばれた1種または2種を1〜15重量%とを含有する燻煙剤組成物を、緩燃焼性材料からなる点火具を接触させた時その接触させた部分に噴孔が形成される合成樹脂製フィルム袋に封入したことを特徴とする燻煙殺虫剤。 【請求項2】 ピレスロイド系殺虫剤がフェノトリン、ペルメトリン、シフェノトリンおよびシペルメトリンから選ばれた1種または2種である請求項1記載の燻煙殺虫剤。 【請求項3】 合成樹脂製フィルム袋がポリエチレンラミネートフィルム製袋である請求項1または2記載の燻煙殺虫剤。 【請求項4】 ピレスロイド系殺虫剤およびカーバメート系殺虫剤から選ばれた1種または2種を2〜15重量%と、アゾジカルボンアミドを70〜97重量%と、酸化亜鉛および炭酸亜鉛から選ばれた1種または2種を1〜15重量%とを含有する燻煙剤組成物を合成樹脂製フィルム袋に封入してなる燻煙殺虫剤に、緩燃焼性材料からなる点火具を接触させてフィルム袋に噴孔を形成させると共に、前記アゾジカルボンアミドを熱分解せしめ、前記噴孔から燻煙剤組成物を継続して噴煙せしめることを特徴とする燻煙殺虫剤の燻煙方法。 【請求項5】 ピレスロイド系殺虫剤がフェノトリン、ペルメトリン、シフェノトリンおよびシペルメトリンから選ばれた1種または2種である請求項4記載の燻煙殺虫剤の燻煙方法。 【請求項6】 緩燃焼性材料からなる点火具が棒状線香である請求項4または5記載の燻煙殺虫剤の燻煙方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は燻煙殺虫剤および燻煙方法に関し、より詳しくはピレスロイド系殺虫剤およびカーバメート系殺虫剤から選ばれた1種または2種と有機発泡剤を含有する燻煙殺虫剤および該殺虫剤を用いた燻煙方法の改良に関するものである。 【0002】 【従来の技術】家庭内に生息するゴキブリ、ナンキンムシ、シラミ、イエダニ、屋内塵性ダニ類などの害虫、ダニ類の駆除や防除のために燻煙剤が使用されてきた。燻煙剤は短時間高濃度空間処理剤に該当し、手間をかけずに広い空間を処理できる長所がある反面、効力、人体に対する安全性、火災に対する安全性など十分な配慮が要求される。現在市販されている燻煙剤には二つのタイプがある。その一つは可燃物と酸素遊離物質、例えば硝酸塩、クロム酸塩、過塩素酸塩などを含むもので、点火した位置から適宜の速度で燃焼し、その燃焼部にある揮散されるべき物質が空中に揮散するものである。他方は、殺虫成分と有機発泡剤、さらに必要に応じて増量剤(有機物または無機物)を加えて調製したものであり、有機発泡剤の熱分解の際に発生するガスの力を利用して殺虫成分を揮散させるものである。そして、有機発泡剤としては、臭いが少なくガス量の多いアゾジカルボンアミドが代表的である。また、燻煙剤の内容物と関連して燻煙方法も多様化しており、従来のマッチによる点火から、生石灰に水を加えて発熱させる方法、アルカリ金属の硫化物の空気酸化を利用する方法など種々開発され実用化に至っている。これらの方法は火を使わないというメリットはあるが、在庫中の危険防止や破損防止のため、包装容器の強固性、気密性が要求され、二重プラスチック容器あるいは金属アルミニウム缶を使用するなど高コストを余儀無くされている。また、生石灰に水を加える方法では、点火する水の量を間違えると燻煙が開始しないという使用上の問題もある。本発明者は先に、殺虫剤と分解温度が250℃以下の有機発泡剤を含有する燻煙剤を袋詰めしてなる燻煙殺虫剤に、点火具を接触させて前記有機発泡剤を熱分解せしめ、接触部分より殺虫成分を噴煙せしめることを特徴とする燻煙殺虫剤の燻煙方法を開発した〔特開昭58−18301号公報(特公平1−57081号公報)参照〕。そしてさらに、特開昭63−267705号公報、特開昭64−42401号公報では、前記特開昭58−18301号公報記載技術の改良として、ペルメトリンと、酸化防止剤と、有機発泡剤とを含有する燻煙剤を、緩燃焼性材料からなる点火具を接触させた時その接触させた部分にのみ穴が開く合成樹脂フィルム、または溶融点が90〜120℃の合成樹脂フィルムに袋詰めすることを特徴とする燻煙殺虫剤、およびこれを用いた燻煙方法を開示した。これらの燻煙殺虫剤および燻煙方法は簡便かつ効率よく殺虫成分を燻煙せしめるシステムを提供するものであったが、好ましい有機発泡剤として4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジッド)を使用したため、臭いなど、使用性の点で改善の余地が残されていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、使用性および安全性などに優れた有機発泡剤であるアゾジカルボンアミドを活用すると共に、これを配合した燻煙剤組成物を合成樹脂製フィルム袋に封入してなる燻煙殺虫剤を、従来の燻煙方法に比べて熱量の少ない熱源で安全に、かつ効率よく燻煙させうる燻煙殺虫剤および燻煙方法を提供することを課題とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、特定の補助剤を配合したアゾジカルボンアミド発泡剤を用いることによって、目的の燻煙システムを達成できることを見出し、さらに検討を加え本発明を完成させた。 【0005】すなわち請求項1の発明は、ピレスロイド系殺虫剤およびカーバメート系殺虫剤から選ばれた1種または2種を2〜15重量%と、アゾジカルボンアミドを70〜97重量%と、酸化亜鉛および炭酸亜鉛から選ばれた1種または2種を1〜15重量%とを含有する燻煙剤組成物を、緩燃焼性材料からなる点火具を接触させた時その接触させた部分に噴孔が形成される合成樹脂製フィルム袋に封入したことを特徴とする燻煙殺虫剤に係るものである。 【0006】本発明で用いるピレスロイド系殺虫剤としては、フェノトリン、ペルメトリン、シフェノトリン、シペルメトリン、アレスリン、プラレトリン、フラメトリン、レスメトリン、エトフェンプロックスなどが挙げられ、害虫に対して速効性で、かつ人畜に対して安全性が高いので、家庭内に生息するゴキブリ、ナンキンムシ、シラミ、イエダニ、屋内塵性ダニ類などの駆除または防除に好適である。なお、化学構造中に不整炭素または二重結合などを含み、これに基づく光学異性体や幾何異性体が存在する場合は、これらの各々または任意の混合物も本発明におけるピレスロイド系殺虫剤に包含されることはもちろんである。特に好ましい化合物は、より残効性が期待されるフェノトリン、ペルメトリン、シフェノトリン、シペルメトリンである。また、カーバメート系殺虫剤としては、メトキサジアゾンなどが挙げられる。 【0007】ピレスロイド系殺虫剤およびカーバメート系殺虫剤から選ばれた1種または2種は、燻煙剤組成物中に2〜15重量%配合される。2重量%未満では所望の効果が得られないし、一方15重量%を越えると発泡剤の噴出力に影響を及ぼすので、好ましくない。 【0008】本発明では、ピレスロイド系殺虫剤の他に、他のタイプの殺虫剤や殺ダニ剤、カビ類、菌類などを対象とした防カビ剤、抗菌剤や殺菌剤、またはピレスロイド系殺虫剤の共力剤、安定剤、香料、賦形剤などを配合してもよい。殺虫剤としては、有機リン系殺虫剤のフェニトロチオン、ジクロルボス、ダイアジノン、トクチオンなど、またはシラフルオフェン、ハイドロプレン、ピリプロキシフェンなどの化合物を例示できる。また、殺ダニ剤としては、サリチル酸フェニル、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメートなどがあり、さらに、防カビ剤、抗菌剤や殺菌剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、トリホリン、3−メチル−4−イソプロピルフェノール、o−フェニルフェノールなどを例示できるが、いずれもこれらに限定されるものではない。 【0009】本発明は、発泡剤として、全体量あたり70〜97重量%のアゾジカルボンアミドに、特定の補助剤、すなわち酸化亜鉛および炭酸亜鉛から選ばれた1種または2種を全体量あたり1〜15重量%配合したことに特徴を有する。アゾジカルボンアミドは発泡剤固有の臭いが少なく、ガス量が多いので優れた発泡性能を示すが、分解温度が210℃と高いため、高温を持続する熱源を必要とし、また高温で熱分解を受けやすい殺虫成分には適用が難しいという欠点がある。しかるに、本発明者は、簡便かつ安全で、しかも効率的な燻煙方法との組合せにおいて、アゾジカルボンアミドに酸化亜鉛および炭酸亜鉛から選ばれた1種または2種を特定量配合する方法が、アゾジカルボンアミドの分解温度を下げるうえで極めて有用であることを知見したものである。一方、有機発泡剤の分解温度を下げるものとして知られている他の補助剤、例えばステアリン酸亜鉛、オクチン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、尿素、メラミン、グアニジンなどのみでは効率のよい燻煙性能が得られなかった。さらに、有機発泡剤の分解温度を下げる別の手段として、分解温度の低い他のタイプの発泡剤を混合する方法もあるが、不快な臭気が回避できないので家庭用には問題が多い。 【0010】本発明では、全体量あたり70〜97重量%のアゾジカルボンアミドが用いられる。70重量%未満では発泡剤の噴出力が不足し、殺虫成分が十分核酸しない。一方、97重量%を越えると他の成分、例えば殺虫剤成分が少なくなり所望の殺虫効果が得られない等の問題がある。また、酸化亜鉛および炭酸亜鉛から選ばれた1種または2種の配合量は、全体量あたり1〜15重量%、好ましくは2〜5重量%の範囲から選択される。1重量%未満では補助剤としての効果が得られず、一方、15重量%を越えると噴出力が強まって燻煙に要する時間は短縮されるものの、殺虫成分の揮散率が低下したり、燻煙後の補助剤沈降による汚染が目立つようになるため、好ましくない。補助剤を配合したアゾジカルボンアミド発泡剤は140〜205℃で分解し、熱量の少ない熱源でも燻煙可能となるものであるが、燻煙性能に支障を来さない限りにおいて、前記した他の補助剤をさらに添加してもよい。 【0011】さらに、本発明の燻煙殺虫剤の特徴として、燻煙剤組成物を合成樹脂製フィルム袋に封入したことがあげられる。従来の燻煙剤は、強固な二重プラスチック容器あるいは金属アルミニウム缶などへの収納を必要としたが、本発明では、簡便性を考慮した合成樹脂製フィルム袋入りとしたものである。合成樹脂製フィルム袋の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル等が一般的に使用できるが、噴煙を効率よく持続せしめるべく検討した結果、厚さは20〜50μm程度が好ましく、またポリエチレンと他の合成樹脂製フィルムとをラミネートしたもの、例えばポリエチレンラミネートセロハン、ポリエチレンラミネートポリプロピレンなどが特に有効であった。 【0012】また、本発明で用いる緩燃焼性材料からなる点火具としては、蚊取線香、仏壇線香、炭火、ケイ素鉄と金属酸化物などからなる導火棒などが挙げられるが、線香を棒状としたものが好ましい。 【0013】請求項2の発明は、請求項1の構成において、ピレスロイド系殺虫剤がフェノトリン、ペルメトリン、シフェノトリンおよびシペルメトリンから選ばれた1種または2種を用いたものである。 【0014】請求項3の発明は、請求項1または2の構成において、合成樹脂製フィルム袋の材質として好ましいポリエチレンラミネートフィルムを用いたものである。 【0015】請求項4の発明は、ピレスロイド系殺虫剤およびカーバメート系殺虫剤から選ばれた1種または2種を2〜15重量%と、アゾジカルボンアミドを70〜97重量%と、酸化亜鉛および炭酸亜鉛から選ばれた1種または2種を1〜15重量%とを含有する燻煙剤組成物を合成樹脂製フィルム袋に封入してなる燻煙殺虫剤を用い、緩燃焼性材料からなる点火具に点火し炎を消した後フィルム袋に接触させて該フィルム袋に噴孔を形成させると共に、前記アゾジカルボンアミド(発泡剤)を熱分解せしめ、前記噴孔から燻煙剤組成物を継続して噴煙せしめることを特徴とする燻煙殺虫剤の燻煙方法に係るものである。緩燃焼性材料からなる点火具は、生石灰と水との反応のような高温持続型ではないが、燻煙剤組成物の特性と、フィルム袋の材質とを組み合わせることにより、燻煙剤組成物封入袋に接触させるだけで、噴煙を開始、継続せしめることを可能としたものである。 【0016】請求項5の発明は、請求項4の構成において、ピレスロイド系殺虫剤としてフェノトリン、ペルメトリン、シフェノトリンおよびシペルメトリンから選ばれた1種または2種を用いたものである。 【0017】請求項6の発明は、請求項4または5の構成において、緩燃焼性材料からなる点火具として棒状線香を用いたものである。 【0018】 【発明の実施の形態】請求項1の構成によると、発泡剤として、アゾジカルボンアミドに特定の補助剤を配合し、分解温度が140〜205℃に調整されたものを用いると共に、特定の材質の合成樹脂製フィルム袋に封入することによって、安全に、かつ効率よく燻煙させうる燻煙殺虫剤が提供される。従来の燻煙殺虫剤に比べ、低温で熱量の少ない熱源を接触させても燻煙殺虫剤の燻煙継続が可能なので、高温で熱分解を受けやすいピレスロイド系殺虫剤やカーバメート系殺虫剤を含有する燻煙剤組成物などの場合、特にメリットが大きい。ピレスロイド系殺虫剤およびカーバメート系殺虫剤から選ばれた1種または2種の種類、燻煙剤組成物の剤型や用量は使用目的や使用場所に応じて適宜選択することができるが、例えば剤型は顆粒状、粒状より粉状が好ましく、また、用量は燻煙後処理面に有効成分として0.1mg〜1.0g/m2 沈降するように設定するのが適当である。なお、ピレスロイド系殺虫剤に抵抗性が発達した害虫に対処するには、作用機作の異なる、例えばカーバメート系殺虫剤のメトキサジアゾンや有機リン系殺虫剤のフェニトロチオンなどを併用するのが好ましい。 【0019】実施にあたっては、燻煙剤組成物を合成樹脂製フィルム袋に封入してなる燻煙殺虫剤を、紙コップもしくはプラスチックカップ、または陶器のような簡単な容器の中に入れ、棒状線香の如き緩燃焼性材料を基材とする点火具を用いて簡単に噴煙できるので極めて実用的である。 【0020】請求項2の構成によると、ピレスロイド系殺虫剤として特に有用なフェノトリン、ペルメトリン、シフェノトリンおよびシペルメトリンから選ばれた1種または2種を用いたので、より残効性に優れた燻煙殺虫剤が提供される。 【0021】請求項3の構成によると、合成樹脂製フィルム袋の材質として特に好ましいポリエチレンラミネートフィルム、例えばポリエチレンラミネートセロハンフィルムを用いたので、より燻煙効率の高い燻煙殺虫剤が提供される。 【0022】請求項4の構成によると、ピレスロイド系殺虫剤およびカーバメート系殺虫剤から選ばれた1種または2種、アゾジカルボンアミドおよび特定の補助剤を含み、かつ合成樹脂製フィルム袋に封入された燻煙殺虫剤に、点火具を接触させてフィルム袋に噴孔を形成させると共に、有機発泡剤を熱分解せしめ、前記噴孔から燻煙剤組成物を継続して噴煙せしめる有用な燻煙方法が提供される。 【0023】請求項5の構成によると、ピレスロイド系殺虫剤として特に有用なフェノトリン、ペルメトリン、シフェノトリンおよびシペルメトリンから選ばれた1種または2種を用いたので、効力的および実用的により優れた燻煙方法が提供される。 【0024】請求項6の構成によると、緩燃焼性材料からなる点火具として棒状線香を用いたので、より一層実用的な燻煙方法が提供される。 【0025】 【実施例】次に、具体的実施例および試験例に基づいて、本発明の燻煙殺虫剤および燻煙方法をさらに詳細に説明する。 【0026】実施例1ペルメトリン6.0重量%、アゾジカルボンアミド90.0重量%、および酸化亜鉛4.0重量%を混合してなる粉状の燻煙組成物20gをポリエチレンラミネートセロハンフィルム製袋に封入して本発明の燻煙殺虫剤を得た。この燻煙殺虫剤を紙コップの中に入れ、閉め切った6畳の部屋の中央に置いた。一端に点火した後、炎を吹き消した棒状の蚊取線香をフィルム製袋の一部に接触させたところ、接触部に孔があき、ここから噴煙が勢いよく噴出して、部屋全体に拡散した。5時間後の調査では、部屋に数多くのゴキブリの死骸が観察され、高い殺虫効果を示す一方、噴煙による汚染はほとんど認められなかった。 【0027】実施例2フェノトリン5.0重量%と3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート3.0重量%に、アゾジカルボンアミド83.9重量%、および炭酸亜鉛8.0重量%を混合し、さらに香料0.1重量%を添加してなる燻煙組成物20gをポリエチレン製フィルム袋に封入して本発明の燻煙殺虫剤を得た。この燻煙殺虫剤を陶器製容器中に入れ、10畳の部屋の中央に置き、部屋を閉め切った。仏壇線香からなる点火具を用いて噴煙を開始させた後、部屋を退出し、一昼夜放置した。処理前後のゴキブリ、屋内塵性ダニ、およびカビ類の密度の推移を調べたところ、処理後においていずれの密度も著しく減少していることが認められた。 【0028】試験例実施例1に準じて表1に示す各種燻煙剤組成物を調製し、その20gを合成樹脂製フィルム袋に封入した後、点火具として蚊取線香を用いて下記の燻煙試験を行った。試験結果も併せて表1に示す。 (1)発泡性能:噴煙継続の状況を良好な順に〇,△,×で評価した。なお、発泡性能を×と評価したものは以下の試験項目の評価を行わなかった。 (2)殺虫成分の揮散率:噴煙を捕集し、これに含まれる殺虫成分量を分析して、燻煙前初期量に対する揮散率を求めた。なお、表1中、「a」「b」とあるのは殺虫成分の項に示された殺虫成分の揮散率である。 (3)殺虫効力:部屋の四隅に、ピレスロイド感受性チャバネゴキブリ、およびピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリをそれぞれ10匹ずつ含むシリンダーを置き、燻煙48時間後に死虫率を調べた。なお、表1中、「感」は感受性ゴキブリを、そして「抵」は抵抗性ゴキブリを示す。 (4)使用性:燻煙時の臭気、および処理後の汚染状況を調べた。いずれも良好な場合を〇、いずれか一方または両方が不良の場合を×で示し、そして特別な所見がある場合それを加えた。 なお、表1中、収納形態の項に「ポリエチフィルム」、「ポリエチラミセロハン」、「ポリエチラミポリプロピレン」または「アルミフィルム」とあるのは、それぞれ「ポリエチレンフィルム製袋」、「ポリエチレンラミネートセロハンフィルム製袋」、「ポリエチレンラミネートポリプロピレンフィルム製袋」、「アルミニウム製袋」に燻煙剤組成物を封入したことを意味する。 【0029】 【表1】
【0030】試験の結果、本発明の燻煙殺虫剤および燻煙方法によれば、簡便なうえ、燻煙性能、殺虫効力ともに優れ、しかも燻煙時の臭気および処理後の汚染もほとんどないか、もしくは僅かであることから、極めて実用性の高いことが明らかとなった。なお、ピレスロイド抵抗性ゴキブリに対しても十分な殺虫効果を奏するために、ピレスロイド系殺虫剤に加えて、他のタイプの殺虫剤、例えばカーバメート系殺虫剤のメトキサジアゾンを配合するのが好ましかった。これに対し、発泡剤として、アゾジカルボンアミド単独(対照例1)や、アゾジカルボンアミドに酸化亜鉛や炭酸亜鉛以外の補助剤を主体として添加したアゾジカルボンアミド発泡剤(対照例3)を用いた場合には、発泡性能が低かった。また、酸化亜鉛や炭酸亜鉛の配合量が1〜15重量%の範囲外のもの(対照例4,5)も、発泡性能または汚れ等の使用性の点で問題があった。さらに、オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジッド(対照例2)のように分解温度の低い別の発泡剤を配合した場合は、燻煙性能はよいものの、臭いが悪く好ましくなかった。なお、対照例6のように、燻煙組成物の収納形態として合成樹脂製フィルム袋を使用しないものは、本発明の燻煙システムには適合しなかった。 【0031】 【発明の効果】請求項1ないし3のいずれかの発明によれば、アゾジカルボンアミドに酸化亜鉛および炭酸亜鉛から選ばれた1種または2種を配合した発泡剤を、ピレスロイド系殺虫剤およびカーバメート系殺虫剤から選ばれた1種または2種と共に合成樹脂製フィルム袋に封入することによって、従来の燻煙方法に比べ熱量の少ない熱源でも燻煙の継続可能な燻煙殺虫剤が提供される。 【0032】請求項4ないし6のいずれかの発明によれば、前記有用な燻煙殺虫剤に緩燃焼性材料からなる点火具を接触させるだけで、安全に、かつ効率よく噴煙せしめる極めて実用的な燻煙方法が提供される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000207584 【氏名又は名称】大日本除蟲菊株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月14日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】萼 経夫 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−92312 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月6日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−296196 |
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