| 【発明の名称】 |
薬剤保持用担体、薬剤保持材及び薬剤の揮散方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】山口 正永
【氏名】鎌谷 光宣
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| 【要約】 |
【課題】送風により薬剤を長時間持続的に安定して揮散させる際に最大限の揮散をすることができる薬剤保持用担体、それに薬剤を保持した薬剤保持材、及びこれを利用した揮散方法を提供する。
【解決手段】セルサイズが2〜5mmの範囲の多数の貫通セルを有するハニカムからなることを特徴とする薬剤保持用担体。前記貫通セルの数が200〜2500であるものが好ましい。前記薬剤保持用担体に薬剤を保持した薬剤保持材。薬剤は例えば害虫防除成分である。前記薬剤保持材に対し、その貫通セルの貫通方向に実質的に0.1〜10リットル/秒の割合で送風することを特徴とする薬剤の揮散方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 セルサイズが2〜5mmの範囲の多数の貫通セルを有するハニカムからなることを特徴とする薬剤保持用担体。 【請求項2】 前記貫通セルの数が200から2500の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の薬剤保持用担体。 【請求項3】 請求項1又は請求項2の薬剤保持用担体に薬剤を保持したことを特徴とする薬剤保持材。 【請求項4】 薬剤が害虫防除成分であることを特徴とする請求項3記載の薬剤保持材。 【請求項5】 請求項3記載の薬剤保持材に対し、そのセルの貫通方向に実質的に0.1〜10リットル/秒の割合で送風することを特徴とする薬剤の揮散方法。 【請求項6】 薬剤が害虫防除成分であることを特徴とする請求項5記載の薬剤の揮散方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば飛翔性の害虫を防除し、或いは広い場所にいる害虫を速やかに防除することなどを目的とした薬剤を保持するための薬剤保持用担体、薬剤保持材、及びそのような薬剤の揮散方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、蚊など飛翔性の害虫を防除することを目的とし、各種の薬剤が使用されている。一般にこのような薬剤は、例えば蚊取り線香に見られるように、必要なとき加熱によって空気中に揮散させるものが多い。加熱条件下で薬剤を揮散して害虫を防除する方法としては、蚊取り線香以外にも、薬剤を含ませた基材をヒータなどで加熱するマット式や、液体式電気蚊取り器などが知られている。またくん煙剤や加熱蒸散剤のように、燃焼熱や化学反応熱のような熱源を使用するものもある。一方、加熱という方法を採らないで薬剤を揮散させる方法もあり、例えばナフタリンなどの昇華性の防虫剤の場合は、自然揮散させたり送風という方法を採る。例えば、所定の装置内にナフタリンなどを納め、揮散する成分を排気孔から排出する。揮散性の薬剤を保持させた保持材でファンを形成し、モータなどで回転させて薬剤を揮散させるという方法もある。その他、エアゾールによる噴射という方法もある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】加熱によって薬剤を揮散させる方法は、蒸気圧が低く常温では揮散しにくい薬剤に効果があるが、加熱装置が必要となる。これを具備する器体は、耐熱性の素材を余儀なくされるなど、素材の選択幅が狭くなるなどの問題点がある。また従来は、送風によってこれら薬剤を揮散させようとすれば、蒸気圧が高い薬剤を選ばなければならない。一方、上記のごとき揮散しにくい薬剤、例えば30℃における蒸気圧が1×10-3mmHgから1×10-6mmHgである害虫防除薬剤を使用する場合には、熱風を使用しなければならない。蒸気圧が低い害虫防除薬剤を非加熱下で空間に揮散させるには、エアゾールによる噴射という方法もあるが、エアゾールによる噴射という方法は、瞬間的な防除方法としては優れているが、持続性がないし、人がそれを操作しなければならない。この方法によっては長時間安定的に害虫を防除することはできない。 【0004】蒸気圧が非常に高い殺虫剤としては、例えばDDVPなどがある。これは樹脂蒸散剤として実用化されている。ところが、DDVPは有機りん系の殺虫薬剤であることから、安全性に難点があり、むしろ代替の薬剤の開発が模索されている。本発明は、安全性の高い有効成分を含む比較的揮散しにくい薬剤について、加熱という方法を敢えて採らなくても比較的長時間持続的に揮散させることができる薬剤保持材、及びこれを利用した揮散方法を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記課題は以下の手段で達成できる。 (1)セルサイズが2〜5mmの範囲の多数の貫通セルを有するハニカムからなることを特徴とする薬剤保持用担体。 (2)前記貫通セルの数が200から2500の範囲にあることを特徴とする前記(1)記載の薬剤保持用担体。 (3)前記(1)又は(2)の薬剤保持用担体に薬剤を保持したことを特徴とする薬剤保持材。 (4)薬剤が害虫防除成分であることを特徴とする前記(3)記載の薬剤保持材。 (5)前記(3)記載の薬剤保持材に対し、そのセルの貫通方向に実質的に0.1〜10リットル/秒の割合で送風することを特徴とする薬剤の揮散方法。 (6)薬剤が害虫防除成分であることを特徴とする前記(5)記載の薬剤の揮散方法。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されない。本発明の薬剤保持用担体は、セルサイズが2〜5mmのハニカムを用いるものであり、このハニカムの形態としては、例えば主としてパネルの心材として用いられるパネル用「ペーパーコア」のような形態のものが挙げられる。「ペーパーコア」とは、紙を接着剤で重積接着し、多数の連続した六角形、円形及び不等辺多角形などの貫通セルを有し、その空隙率が90%以上のものであるが、多数の貫通セルを有し、空隙率が極めて大きいので、薬剤を保持することができる面積を広く取ることができ、また通風させる際の抵抗が小さいという利点を有する。この場合、有効成分を保持できる形態(構造)であればよいが、ハニカムの厚さは、大きくすると表面積を大きくすることができるが、その代わり通風抵抗が大きくなることもある。このことから例えば、ダンボール形状のハニカムならば、これらのことや強度などを勘案して、その厚さとしては2〜15mm程度が目安として示される。ハニカムによる素材によってはこの範囲に限定されない。 【0007】図1にそのような薬剤保持用担体1Aの1例を示す。この保持用担体1Aは、例えば方形の枠2を設け、その内側に片段ボールの連続した形状からなるいわゆる段ボール形状のハニカムを設けたものである。このものの構造は、多数の第一のテープ状シートを長さ方向に面平行に張設し、かつパネルの幅方向に一定の間隔で設けることによりライナー部3を形成している。各ライナー部3の間には、波形をした第二のテープ状シートが設けられ、隣接するライナー部3との間で交互に接合することにより波形のフルート部5を形成している。この場合、隣り合った第二のテープ状シート同士の山部が間のライナー部3を介して突き合わせるような形状とすると、強度を大きくすることができる。これによって、ハニカムのパネルの厚み方向4に貫通した多数の貫通セル6を方形の枠2内に有するハニカムを得ることができる。そのセルサイズは2〜5mmとすることが好ましい。この枠2の大きさ、すなわち、薬剤保持用担体1Aの大きさは、保持させる薬剤の量や単位時間当たりに揮散させようとする薬剤の量によって変えることができる。 【0008】このようなハニカムにおけるセルサイズの大きさは、通常の場合セルを仕切る隔壁の厚み方向の中心点相互間で測られており、すなわち、その概念はJISA 6931(1978年)による。例えば、図11は段ボール形状のもので、これはJIS A 6931(1978年)における図を引用したものである。この図における(a)は斜視図であり、(b)はその一部の部分の平面図であり、図中Dはセルサイズを表してある。しかし、本発明においては、その貫通セルの大きさが薬剤の揮散量に直接に影響するので、図11のもので段ボール紙の厚さが厚い場合にはセルサイズの大きさが同じでも貫通セルの内径の大きさが小さくなるので、この明細書では「セルサイズ」として、「従来のセルサイズの大きさから段ボール紙の厚さを引いた値」を用いるものである。貫通セルの大きさというと、貫通セルの形状が円形ではない場合には定義しがたいので、上記のようにするのである。 【0009】本発明でハニカムとして使用できるペーパーコアの形状を図3〜図7に示し、併せてその場合におけるセルサイズの測り方を示す。図3は前記の段ボール形状のものであり、図4は六角形状(蜂の巣形状)のものであり、図5はS字形の連続した円形状のものであり、図6はリブを平行に連続したリブ形状のものであり、図7は折形状に連続した折紙形状のものである。これらの図は、同様にJIS A 6931(1978年)における図を引用したものである。これらの図における(a)は斜視図であり、(b)はその一部の部分の平面図であり、図中dは本発明におけるセルサイズを表してある。セルサイズが2mm未満の場合、ハニカムの揮散面積は大きいが、送風の際に抵抗が大きくて十分な風量が得られず、揮散量が少なくなって好ましくない。セルサイズが5mmを越える場合、ハニカムの揮散面積は小さく、そのため単位時間あたりの揮散量も少なくなって好ましくない。従来のセルサイズでいう場合には、セルサイズの大きさが同じでも、セルを仕切る隔壁の厚みが厚いと、その分だけ貫通セルの実質的な断面積が小さくなるので、「セルサイズ」を本発明における定義によっていうのが実際的であり、前記の隔壁の厚みは強度を与えるに十分な厚さを有していれば良い。 【0010】ハニカムは、外観からするとテープ状シートが組合わさって形成された形態をしているが、それを形成するテープ状シートの素材は、薬剤を保持できるものであれば特に制限されることはない。しかし、保持した薬剤を一時に揮散させるようなものよりも、要求される時間にわたって同じ量の薬剤を連続的に揮散させることができるような素材のものであることが好ましい。例えば紙類(濾紙、パルプ、厚紙など)、樹脂類(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、高吸油性ポリマーなど)、セラミック、ガラス繊維、炭素繊維、化学繊維(ポリエステル、ポリアミド、アクリル、ビニロン、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、天然繊維(木綿、絹、羊毛、麻など)、ガラス繊維、炭素繊維、化学繊維、天然繊維などからの不織布、多孔性ガラス材料、金網などが挙げられる。各セルの形状も本発明の効果の面では問題にならない。波型でなくとも、例えば6角形蜂の巣状でも、円形状、S字状でもよい。 【0011】このようなハニカムに保持させる薬剤は、殺虫剤又は防虫剤などの害虫防除成分、大気中にその成分を揮散させることで一定の効果を得る薬剤であれば特に限定されることはない。風を当てることにより揮散するのに適する薬剤は特に好ましい。本発明において、前記保持用担体に保持する薬剤として代表的なものを以下に例示する。まず、殺虫剤や防虫剤などの害虫防除剤成分としては、以下のようなものを挙げることができる。 【0012】・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル dl−シス/トランス−クリサンテマート(一般名アレスリン:商品名ピナミン:住友化学工業株式会社製)、・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル d−シス/トランス−クリサンテマート(商品名ピナミンフォルテ:住友化学工業株式会社製)、・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル d−トランス−クリサンテマート(商品名バイオアレスリン:ユクラフ社製)、・d−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル d−トランス−クリサンテマート(商品名エキスリン:住友化学工業株式会社製、商品名エスバイオール:ユクラフ社製)、・(5−ベンジル−3−フリル)メチル d−シス/トランス−クリサンテマート(一般名レスメトリン、商品名クリスロンフォルテ:住友化学工業株式会社製)、【0013】・5−プロパギル−2−フリルメチル−d−シス/トランス−クリサンテマート(一般名フラメトリン、商品名ピナミンDフォルテ:住友化学工業株式会社製)、・(+)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)−2−シクロペンテニル(+)−シス/トランス−クリサンテマート(一般名プラレトリン、商品名エトック:住友化学工業株式会社製)、・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル−dl−シス/トランス−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボシキラート(一般名テラレスリン:住友化学工業株式会社製)、・(1,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1,3−ジオキソ−2−イソインドリル)メチル−dl−シス/トランス−クリサンテマート(一般名フタルスリン、商品名ネオピナミン:住友化学工業株式会社製)、・(1,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1,3−ジオキソ−2−イソインドリル)メチル−d−シス/トランス−クリサンテマート(商品名ネオピナミンフォルテ:住友化学工業株式会社製)、【0014】・3−フェノキシベンジル−d−シス/トランス−クリサンテマート(一般名フェノトリン、商品名スミスリン:住友化学工業株式会社製)、・3−フェノキシベンジル−dl−シス/トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシラート(一般名ペルメトリン、商品名エクスミン:住友化学工業株式会社製)、・(±)α−シアノ−3−フェノキシベンジル(+)−シス/トランス−クリサンテマート(一般名シフェノトリン、商品名ゴキラート:住友化学工業株式会社製)、・1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル dl−シス/トランス−3−(2,2−ジメチルビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシラート(一般名エンペントリン、商品名ベーパースリン:住友化学工業株式会社製)、・d−トランス−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシレート(一般名トランスフルスリン)、【0015】また、上記した化合物に例えば構造上類似し、実質的には同様の薬効のある化合物も挙げることができる。例えば、エンペントリンの場合3位の2個の置換基はメチル基であるが、その置換基として他のアルキル基、不飽和アルキル基又はハロゲン原子である化合物を挙げることもできる。この他にも、フィプロニール、S−1295、S−41311などの殺虫剤やメトプレン(イソプロピル(2E−2E)−11−メトキシ−3,7,11−トリメチル−2,4−トリメチルドデカ−2,4−ジエノエート)、ピリプロキシフェン、82−〔1−メチル−2−(フェノキシフェノキシ)エトキシ〕ピリジン)などの昆虫幼若様化合物、ジフルペンズロン(1−(4−クロロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア)、テフルベンズロン(1−(3,5−ジフルオロベンゾイル)ウレア)などの昆虫キチン形成阻害化合物などが挙げられる。害虫防除剤としては、こうした中でも、エンペントリン、プラレトリン、レスメトリン、エスバイオール、フラメトリン、テラレスリン、トランスフルスリン及びS−ハイドロプレンが特に好ましい。このような害虫防除成分は、単独で用いてもよく組み合わせて用いてもよい。 【0016】本発明の揮散に用いる薬剤とともに芳香剤を併用することができる。その芳香剤中に含有される香料としては、何ら制限を受けるものではなく、天然香料あるいは合成香料のいずれでも使用可能で、調合香料であっても構わない。。天然香料として例えば、じゃ香、霊猫香、竜延香などの動物性香料;アビエス油、アジョクン油、アーモンド油、アンゲリカルート油、ページル油、ベルガモット油、パーチ油、ボアバローズ油、カヤブチ油、ガナンガ油、カプシカム油、キャラウエー油、カルダモン油、カシア油、セロリー油、シナモン油、シトロネラ油、コニャック油、コリアンダー油、キュペブ油、クミン油、樟脳油、ジル油、エストゴラン油、ユーカリ油、フェンネル油、ガーリック油、ジンジャー油、グレープフルーツ油、ホップ油、ジュニパーベリー油、ローレルリーフ油、レモン油、レモングラス油、ロページ油、メース油、ナツメグ油、マンダリン油、タンゼリン油、カラシ油、はつか油、燈花油、玉ねぎ油、こしょう油、オレンジ油、セイジ油、スターアニス油、テレピン油、ウォームウッド油、ワニラ豆エキストラクトなどの植物性香料。 【0017】人造香料は合成又は抽出香料であり、それらは例えばピネン、リモネンなどの炭化水素類;リナロール、ゲラニオール、シトロネロール、メントール、ボルネオール、ベンジルアルコール、アニスアルコール、β−フェニルエチルアルコールなどのアルコール類;アネトール、オイゲノールなどのフェノール類;n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、ノナジエナール、シトラール、シトロネラール、ベンズアルデヒド、シンナミックアルデヒド、ヘリオトロピン、ワニリンなどのアルデヒド類;メチルアミルケトン、メチルノニルケトン、ジアセチル、アセチルプロピオニル、アセチルブチリル、カルボン、メントン、樟脳、アセトフェノン、p−メチルアセトフェノン、イオノンなどのケトン類;アミルブチロラクトン、メチルフェニルグリシド酸エチル、γ−ノニルラクトン、クマリン、シネオールなどのラクトン又はオキシド類;メチルフォーメート、イソプロピルフォーメート、リナリールフォーメート、エチルアセテート、オクチルアセテート、メンチルアセテート、ベンジルアセテート、シンナミルアセテート、プロピオン酸ブチル、酢酸イソアミル、イソ酪酸イソプロピル、イソ吉草酸グラニル、カプロン酸アリル、ヘプチル酸ブチル、カプリル酸オクチル、ヘプチンカルボン酸メチル、ペラハゴン酸エチル、オクチンカルボン酸メチル、カプリン酸イソアシル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸エチル、安息香酸エチル、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸ブチル、桂皮酸メチル、桂皮酸シンナミル、サルチル酸メチル、アニス酸エチル、アンスラニル酸メチル、エチルピルベート、エチルα−ブチルブチレートなどのエステル類など。 【0018】香料は一種類のみでもよいし、二種類以上を調合した調合香料でもよい。配合香料としては、例えば天然香料としてじゃ香、合成香料としてピネンを調合した調合香料、あるいは天然香料として霊猫香、合成香料としてリモネンを調合した調合香料などが挙げられる。 【0019】上記の薬剤を保持させるには、その他の補助成分とともにこれを保持させることができ、例えば、蒸散促進用助剤として昇華性物質を添加すると揮散効果が高まってよい。害虫防除成分としてピレスロイド系化合物を使用する場合には、これに対して有効な既知の共力剤を混合することも好ましい。さらにBHTやBHAなどの酸化防止剤や紫外線吸収剤を添加すると光、熱、酸化などに対する安定性が高まる。またインジケーターとして経時間指示剤を併用すると薬剤の残量が分かるというメリットがある。担体に上記の害虫防除成分及び/又は各種薬剤を保持させる量は、特に制限を受けない。前記薬剤(害虫防除成分など)を吸油性材料(例えば紙)に含有させる場合、通常であれば吸油性材料中に10mg/g〜1000mg/gの範囲、好ましくは20mg/g〜700mg/gの範囲で保持させることができる。具体的例を示すと、例えば、12時間/日で1ケ月使用する場合には、エンペントリンでは2000〜4000mg/ハニカム(約10g)、トランスフルスリンでは100〜1500mg/ハニカム(2〜5g)、テラレスリンでは200〜3000mg/ハニカム(2〜5g)、S1295では150〜2500mg/ハニカム(2〜5g)が示される。 【0020】また、担体には前記薬剤の有効期間を示すための経時的指示剤、例えば色調変化を利用した経時間指示剤を保持させておくと、実用上便利である。そのような経時間指示剤としては、水及びアルコール可溶性の塩基又は酸指示薬と助色剤として水溶性の塩基性又は酸性剤を添加したインジケータ、可変色素として塩基性指示薬とアルカリ性物質とを共存させたタイムインジケータなど周知のもの他、低分子量の有機変性剤で変性させた変性電子供与性呈色有機化合物と揮散性減感剤との混合物を含有する経時間表示剤などがあり、有用性の点から低分子量の有機変性剤で変性させた変性電子供与性呈色有機化合物と揮散性減感剤との混合物を含有する経時間表示剤が好ましい。 【0021】ハニカムに薬剤を保持させる方法としては、たとえば薬剤を滴下塗布したり、あるいは含浸塗布、スプレー塗布などという方法がある。また、液状印刷、はけ塗り等の方法、あるいは担体へ貼り付ける方法、さらにはジェット印刷なども利用できる。粘度が高く容易には保持させにくい薬剤の場合、有機溶剤などに薬剤をいったん混合させ、粘度を下げて吸収させるとよい。保持させる薬剤が液状でなく、溶剤も使用しない場合などは、練り込み塗布、印刷などという方法もある。薬剤は、ハニカムに直接吸収させることで保持させてもよいが、ゲル化物質のような保持補助剤にいったん吸着させ、その保持補助剤をハニカムに保持させることで間接的に保持させてもよい。さらには吸液芯(またはテープ)と連結したり、滴下装置と併用してもよい。 【0022】このような薬剤保持材では、例えばセルのその貫通方向に実質的に0.1〜10リットル/秒・m2 の割合で送風し、保持している薬剤を空気中に揮散させる。風量が0.1リットル/秒・m2 未満の場合には十分な揮散量を確保することが困難で好ましくない。10リットル/秒・m2 を越える場合には所要動力が大きくなって好ましくない。薬剤を揮散させるには例えば送風機を用いるとよい。図2は、そのような薬剤保持材から薬剤を揮散させる害虫防除装置7を示す。この害虫防除装置7は、電池8を収容する電池収容部9と、直流モータ10と、チャンバ11とからなる。電池収容部9には電池8の電極に接触する図に示さない端子を設けてあり、端子は図に示さない運転制御回路を介して直流モータ10へと接続している。電池収容部9とチャンバ11とは、例えば図2に示すように直流モータ10のケーシング部を介して連結することがある。 【0023】直流モータ10は、チャンバ11の下面から駆動軸12を内部へ垂直に突出してある。チャンバー11は、内部中空となっており、直流モータ10を設けた下面に吸気口13を形成する一方、上面に排気口14を形成してある。直流モータ10の駆動軸12には、吸気口13の直上に位置するファン15を固定してある。従って、ファン15が回転することにより、吸気口13から外気が取り入れられ、ファン15を通過した外気はチャンバ11内の上方へ送られるようになっている。そして、排気口14からの風量範囲は、0.1リットル/秒〜10リットル/秒、望ましくは0.2リットル/秒〜6リットル/秒が示される。 【0024】ファン15は、上記のようにその設置が固定されている場合の他に、ファン15は可動自由に設置させることもでき、例えば、扇風機のように、ファン15が左右に首を振れるようにできるとか、若しくは上下に移動できるタイプとすることができる。チャンバ11内の上方には、薬剤を保持する薬剤保持材1を排気口14の直下に配設してある。 【0025】前記のファン15としては、複数枚の傾斜羽根を駆動軸12に放射状に設けて形成してある。従って、ファン15と直流モータ10とは、いわゆる軸流式送風手段を構成する。この他、送風手段としては、駆動軸12に平行な方向に多数の羽根を円筒状に設け駆動軸12と直交する方向へ送風を行ういわゆる多翼式送風手段(シロッコファン)であってもよい。これらファン15の重量としては、電池駆動可能な負荷との関係から30グラムよりも軽量のものが適当であり、その例を示すと、プロペラファンでは3〜15グラム程度、シロッコファンでは7〜15グラム程のものが挙げられる。さらに、ICを内蔵するブラシレス軸流ファンタイプのもの等を使用することができる。 【0026】また、前記のファン15を駆動するためのモータとしては、種々のものを使用することができ、家庭用電力線からの電流で駆動できるものや、電池で駆動できるものでもよいが、電池で駆動できるものが移動が容易であり、簡便で好ましい。特に、無負荷時の消費電流量が100mA以下の直流モータを用い、これを電池で駆動するときには、十分な薬剤揮散量及び長時間運転が可能になる。また、図10は、小型軽量化に適した害虫防除装置を示したものであって、シロッコファンに代えてプロペラファンを用いたものである。なお、この装置はセンサ、タイマ等を有する制御回路16を備えていてもよいことを示している。 【0027】 【実施例】以下、実施例を説明するが、本発明はこれに限定されない。 (実施例1)サラシクラフト紙製の片段ボールを用いて、図1に示す段ボール形状の薬剤保持用担体1Aを形成した。大きさは70mm×70mm×5mm、ライナー部には紙秤量70g/m2 、フルート部には紙秤量120g/m2 の片段ボールを使用した。この薬剤保持用担体1Aに薬剤としてはトランスフルスリンを1g含浸させて薬剤保持材1を作製した。得られた薬剤保持材1を図2に示すようなファン15を有する害虫防除装置7に装着し、ファン15を直流モータ10により30分間動かして送風し、トランスフルスリンを揮散させた。揮散させたトランスフルスリンは下記の方法でシリカゲルトラップを用いて吸着捕集し、ガスクロマトグラフィーで揮散量を測定した。ここで使用した直流モータ10は、無負荷時の消費電力量が100mA以下のものであって、単一マンガン乾電池2個で長時間使用できるものである。また、このファン15は直流モータ10を電池8として前記の単一マンガン乾電池2個(3V)を用いて運転するとき、2リットル/秒の風量を持つものであった。 【0028】そして、前記薬剤保持用担体1Aとして、セルサイズが1.7mmから10mmまでのものを6種作製し、取り替えてそれぞれ測定を行った。また、前記ファン15を1.5Vで運転し、同様に測定した。図8は、吸着捕集に使用したシリカゲルトラップ20を示す概略説明図である。上下開口の円筒ケース21を水平台22の上に載置し、その中に薬剤保持材1を装着したファン15を設置した。円筒ケース21の上部は、上下を反転させたロート23で閉塞した。 【0029】内径43mm、長さ140mmの上下開口の垂直ガラス管24を、支持台25を使って空中に固定した。垂直ガラス管24の下側開口部には、上向きになった上記ロートの滴下部をゴム栓26を介して装着し、垂直ガラス管24内から脱脂綿27で押さえた。垂直ガラス管24内にシリカゲル28を40g充填し、シリカゲル28の上端は脱脂綿29で押さえた。垂直ガラス管24の上端は、ゴム栓30を介して吐出管31を装着し、吐出管31は図示外の真空ポンプに連結した。 【0030】送風機10を駆動し、円筒ケース21の中でトランスフルスリンを揮散させ、真空ポンプで円筒ケース21と垂直ガラス管24内を吸引し、トランスフルスリンをシリカゲル28に吸着させた。測定の結果得られた測定値による薬剤保持材1(ハニカム)のセルサイズとトランスフルスリンの揮散量との関係を示すグラフを図9に示す。グラフ中、○は電圧3Vで運転した場合を示す。●は電圧1.5Vで運転した場合を示す。これによれば、セルサイズは2〜5mmの範囲でトランスフルスリンの揮散量が高く、特に2〜3.5mmがよいことが分かった。 【0031】(実施例2)図1に示す形状を持つ3種のセルサイズの薬剤保持材を作製し、次のようにしてアカイエカに対する効力を調べた。比較品も用いた。 ・供試虫: アカイエカ雌成虫(20〜25頭) ・サンプル:1)セルサイズ2.2mm、大きさ35×35×15mmのハニカムにトランスフルスリン1gを処理した。 2)セルサイズ2.7mm、大きさ35×35×15mmのハニカムにトランスフルスリン1gを処理した。 3)セルサイズ5.0mm、大きさ35×35×15mmのハニカムにトランスフルスリン1gを処理した。 4)比較:市販液体蚊取り(アレスリンを有効成分とする) それぞれのハニカムを1リットル/秒の風量を有する図2の害虫防除装置に装着し、試験サンプルとした。 【0032】試験条件:6畳間の居室を用いて試験を行った。供試虫をケージに入れ、床面より150cm及び75cmの位置に2ケージずつ設置した。上記試験サンプルを設置した害虫防除装置を2時間使用した。試験開始より10分ごとに入室し、供試虫の仰転数を計数した。試験終了後、供試虫をプラスチックカップに集め、24時間後の致死数を計数した。結果を第1表に示す。 【0033】 【表1】
【0034】(処方例1)12時間/日で30日間使用するもの。エンペントリン4g、BHT0.1gを70×70×15mmのセラミック製ハニカムに処理した。 (処方例2)12時間/日で30日間使用するもの。トランスフルスリン0.5g、BHT0.05g、ミリスチン酸イソプロピル0.2gを60×60×5mmの紙製ハニカムに処理した。 (処方例3)12時間/日で30日間使用するもの。S−1295を0.5g、BHT0.05gを60×60×5mmの紙製ハニカムに処理した。 (処方例4)12時間/日で30日間使用するもの。テラレスリン1g、BHT0.05gを70×70×10mmの紙製ハニカムに処理した。 【0035】 【発明の効果】本発明は、セルサイズが2〜5mmの範囲の多数の貫通セルを有するハニカムからなる薬剤保持用担体に薬剤を保持させていることにより、送風により高い揮散量を得ることができる。それにより薬剤を適用しようとする空間に有効量の薬剤を与えることができ、殺虫剤や防虫剤を使用するときには害虫の防除を有効に行わせることができ、また芳香剤を併用するときには芳香作用を有効に与えることができる。また、そのため、その薬剤保持用担体或いは薬剤保持体を小型化することができ、害虫防除装置を小型化できるし、それにより電池の運転に適したものとすることができ、コンセントから給電する必要がないので、装置を任意の場所に置けるようになる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000100539 【氏名又は名称】アース製薬株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)9月25日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】萩野 平 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−92303 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月6日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−260404 |
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