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【発明の名称】 非水性懸濁製剤
【発明者】 【氏名】伊藤 愼一

【氏名】安江 秀幸

【氏名】久野 謙治

【要約】 【課題】農薬薬効成分の分解防止と貯蔵中における形態安定性とを同時に充足できる非水性懸濁製剤を提供する。

【解決手段】農薬薬効成分、界面活性剤及び分散媒を含有する非水性懸濁製剤において、分散媒として特定のポリエーテル化合物を40重量%以上の割合で含有させた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 農薬薬効成分、界面活性剤及び分散媒を含有する非水性懸濁製剤において、分散媒として下記のポリエーテル化合物を40重量%以上の割合で含有して成ることを特徴とする非水性懸濁製剤。
ポリエーテル化合物:下記の式1で示されるポリエーテル化合物の単独物又は混合物であって、凝固点が0℃以下である単独物又は混合物【式1】R1−(OA)−O−R2(式1において、R1,R2:同時に同一又は異なる、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数2〜6のアルカノイル基(OA):炭素数2〜4のオキシアルキレン単位の繰り返しで構成されたポリオキシアルキレン基であり、該オキシアルキレン単位の繰り返し数が4〜30であって、該オキシアルキレン単位としてオキシエチレン単位を40モル%以上の割合で有するポリオキシアルキレン基)
【請求項2】 農薬薬効成分が0.1〜30重量%、界面活性剤が0.1〜10重量%及び分散媒が60〜99.8重量%(合計100重量%)の割合から成る請求項1記載の非水性懸濁製剤。
【請求項3】 式1で示されるポリエーテル化合物が、式1中のR1が炭素数2〜4のアルキル基又は炭素数2〜4のアルカノイル基であり、R2が炭素数2〜4のアルキル基又は炭素数2〜4のアルカノイル基である場合のものである請求項1又は2記載の非水性懸濁製剤。
【請求項4】 式1で示されるポリエーテル化合物が、式1中の(OA)がオキシアルキレン単位の繰り返し数が4〜20のポリオキシアルキレン基であって、該オキシアルキレン単位としてオキシエチレン単位を60モル%以上の割合で有するポリオキシアルキレン基である場合のものである請求項1、2又は3記載の非水性懸濁製剤。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非水性懸濁製剤に関する。農薬製剤は、粉状、粒状、乳状、懸濁状等、各種の形態に製剤化される。これらのうちで懸濁製剤は、水を分散媒とした水性懸濁製剤と、水以外のものを分散媒とした非水性懸濁製剤とに大別される。本発明はかかる非水性懸濁製剤の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、非水性懸濁製剤としては、1)分散媒としてグリコール系の水溶性分散媒を用いた例(特公昭46−20519)、2)分散媒として鉱物油や植物油等の非水溶性分散媒を用いた例(特開昭57−2202、特開平4−18002、特開平4−21611、特開平6−56602、特開平6−340509)が提案されている。ところが、上記1)の非水性懸濁製剤には、貯蔵中の形態安定性は良いが、分散媒として用いた水溶性分散媒により農薬薬効成分が分解するという欠点がある。また上記2)の非水性懸濁製剤には、農薬薬効成分の分解は防止できるが、貯蔵中の形態安定性が悪く、非水性懸濁製剤が分離するという欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようとする課題は、従来の非水性懸濁製剤では、農薬薬効成分の分解防止と貯蔵中における良好な形態安定性とを同時に充足できないという点である。
【0004】
【課題を解決するための手段】しかして本発明者らは、上記課題を解決するべく研究した結果、農薬薬効成分、界面活性剤及び分散媒を含有する非水性懸濁製剤において、分散媒として特定のポリエーテル化合物を所定割合で用いることが正しく好適であることを見出した。
【0005】すなわち本発明は、農薬薬効成分、界面活性剤及び分散媒を含有する非水性懸濁製剤において、分散媒として下記のポリエーテル化合物を40重量%以上の割合で含有して成ることを特徴とする非水性懸濁製剤に係る。
【0006】ポリエーテル化合物:下記の式1で示されるポリエーテル化合物の単独物又は混合物であって、凝固点が0℃以下である単独物又は混合物【0007】
【式1】R1−(OA)−O−R2【0008】式1において、R1,R2:同時に同一又は異なる、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数2〜6のアルカノイル基(OA):炭素数2〜4のオキシアルキレン単位の繰り返しで構成されたポリオキシアルキレン基であり、該オキシアルキレン単位の繰り返し数が4〜30であって、該オキシアルキレン単位としてオキシエチレン単位を40モル%以上の割合で有するポリオキシアルキレン基【0009】本発明に供する分散媒は、式1で示されるポリエーテル化合物の単独物又は混合物である。式1で示されるポリエーテル化合物には、1)ポリオキシアルキレンジアルキルエーテル、2)ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルの脂肪酸エステル、3)ポリオキシアルキレングリコールの脂肪酸ジエステルが包含される。
【0010】式1において、R1,R2としては、1)メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基、2)アセチル基、プロピオニル基、ヘキサノイル基等の炭素数2〜6のアルカノイル基が挙げられるが、なかでも炭素数2〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルカノイル基が好ましい。
【0011】また式1において、(OA)は、オキシエチレン単位、オキシプロピレン単位、オキシエチルエチレン単位等の炭素数2〜4のオキシアルキレン単位から構成されたポリオキシアルキレン基であるが、該オキシアルキレン単位としてオキシエチレン単位を40モル%以上、好ましくは60モル%以上の割合で有するものである。かかるポリオキシアルキレン基には、1)オキシエチレン単位のみから成るもの、2)40モル%以上のオキシエチレン単位と60モル%以下のその他のオキシアルキレン単位とがブロック状及び/又はランダム状に結合したものが包含される。なかでもポリオキシアルキレン基が、オキシエチレン単位とその他のオキシアルキレン単位とがランダム状に結合した部分とオキシエチレン単位がブロック状に結合した部分とから成るものが好ましい。
【0012】上記の(OA)で示されるポリオキシアルキレン基を構成するオキシアルキレン単位の繰り返し数は、4〜30とするが、4〜20とするのが好ましい。
【0013】本発明は、分散媒として以上説明した式1で示されるポリエーテル化合物の単独物又は混合物であって、その凝固点が0℃以下の単独物又は混合物を用いるものであるが、かかる凝固点は、JIS−K8004(試薬一般試験方法)に記載された方法で測定される値である。
【0014】本発明は以上説明した式1で示されるポリエーテル化合物の合成方法を特に制限するものではなく、その合成方法としては公知の方法が適用できる。例えば、1)炭素数1〜6の脂肪族アルコールに、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の塩基性触媒存在下で、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド等の炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを逐次付加反応してポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルとし、更に該ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルの片末端水酸基を炭素数1〜6のアルキルハライドを用いてエーテル化する方法、2)炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを重合して得られるポリアルキレングリコールの両末端水酸基を、前記1)と同様の塩基性触媒存在下で、炭素数1〜6のアルキルハライドを用いてエーテル化する方法、3)前記1)のポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルの片末端水酸基を、パラトルエンスルホン酸や硫酸等の酸性触媒存在下で、炭素数2〜6の脂肪酸を用いてエステル化する方法、4)前記2)のポリアルキレングリコールの両末端水酸基を、パラトルエンスルホン酸や硫酸等の酸性触媒存在下で、炭素数2〜6の脂肪酸を用いてエステル化する方法が挙げられる。
【0015】本発明は、本発明に供する界面活性剤を特に制限するものではないが、なかでも非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤又はこれらの併用物が有利に適用できる。
【0016】かかる非イオン界面活性剤としては、1)ポリオキシアルキレン(以下、POAと略記する)スチリルフェニルエーテル、POAベンジルフェニルエーテル、POAアルキルフェニルエーテル等のフェニル基に置換基を有するPOAフェニルエーテル類、2)前記1)のフェニル基に置換基を有するPOAフェニルエーテル類のホルマリン縮合物、3)ソルビタン脂肪酸部分エステル、グリセリン脂肪酸部分エステル、蔗糖脂肪酸部分エステル等の多価アルコール脂肪酸部分エステル、4)前記3)の多価アルコール脂肪酸部分エステルにアルキレンオキサイドを付加して得られるPOA多価アルコール脂肪酸部分エステル、5)アルキルグルコシド、6)ブロックドポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコール等が挙げられる。いずれも、POAを形成することとなるアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びこれらの混合物が挙げられるが、アルキレンオキサイドの付加モル数が5〜50モルの範囲のものが好ましい。またブロックドポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコールとしては、分子量が2000〜20000であり、且つオキシエチレン単位/オキシプロピレン単位=50/50〜90/10(モル比)の範囲のものが好ましい。
【0017】またアニオン界面活性剤としては、1)前記非イオン界面活性剤の硫酸エステル塩又はリン酸エステル塩、2)アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩又はこれらのホルマリン縮合物等のアルキルアリールスルホン酸塩、3)リグニンスルホン酸塩、4)ジアルキルスルホコハク酸塩等が挙げられるが、なかでも2)のアルキルアリールスルホン酸塩が好ましい。
【0018】更に非イオン界面活性剤とアニオン界面活性剤との併用物としては、前記のフェニル基に置換基を有するPOAフェニルエーテル類と前記のアルキルアリールスルホン酸塩との併用物が好ましい。本発明において界面活性剤の選択は農薬用界面活性剤に関する公知の技術を適用して行うことができる。
【0019】本発明は本発明に供する農薬薬効成分を特に制限するものではないが、実質的に水不溶性の固体であり、具体的には常温の水に対する溶解度が1%以下の室温で固体である各種の殺虫剤、殺菌剤、除草剤が有利に適用される。
【0020】かかる殺虫剤としては、1)1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロイミダゾリジン−2−イリデンアミン(イミダクロプリド)等のニトロ系殺虫剤、2)1−[3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジロキシ)フェニル]−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア(クロルフルアズロン)、1−(3,5−ジクロロ−2,4−ジフルオロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア(テフルベンズロン)等のベンゾイルウレア系殺虫剤、3)3,7,9,13−テトラメチル−5,11−ジオキサ−2,8,14−トリチア−4,7,9,12−テトラアザペンタデカ−3,12−ジエン−6,10−ジオン(チオジカルブ)等のカーバメート系殺虫剤等が挙げられる。
【0021】また殺菌剤としては、1)ジイソプロピル−1,3−ジチオラン−2−イリデンマロネート(イソプロチオラン)、ジメチル4,4−(o−フェニレン)ビス(3−チオアロファネート)(チオファネートメチル)等の有機硫黄剤系殺菌剤、2)(Z)−2’−メチルアセトフェノン=4,6−ジメチルピリミジン−2−イルヒドラゾン(フェリムゾン)、4−クロロベンジル=N−2,4−ジクロロフェニル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)チオアセトイミダート(イミベンコナゾール)、6−(3,5−ジクロロ−4−メチルフェニル)−3−(2H)ピリダジノン(ジクロメジン)等の含窒素ヘテロ環系殺菌剤、3)4,5,6,7−テトラクロロフタリド(フサライド)、テトラクロロ−イソフタロニトリル(ダコニール)等の有機塩素系殺菌剤等が挙げられる。
【0022】更に除草剤としては、1)3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−1−[(2−メトキシカルボニルベンジル)スルホニル]ウレア(ベンスルフロンメチル)、エチル5−[3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ウレイドスルホニル]−1−メチルピラゾール−4−カルボキシレート(ピラゾスルフロン−エチル)、1−(2−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルスルホニル)−3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ウレア(イマゾスルフロン)、1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−3−(3−トリフルオロメチル−2−ピリジルスルホニル)ウレア(フラザスルフロン)、メチル3−クロロ−5−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイルスルファモイル)−1−メチルピラゾール−4−カルボキシレート(ハロスルフロンメチル)等のスルホニルウレア系除草剤、2)2−ベンゾチアゾール−2−イルオキシ−N−メチル−アセトアニリド(メフェナセット)、2’,3’−ジクロロ−4−エトキシメトキシベンズアニリド(エトベンザニド)、(RS)−2−(2,4−ジクロロ−m−トリロキシ)−プロピオンアニリド(クロメプロップ)等のアニリド系除草剤、3)4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチルピラゾール−5−イルオキシトルエン−4−スルホン(ピラゾレート)、2−[4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチルピラゾール−5−イルオキシ]アセトフェノン(ピラゾキシフェン)等のピラゾール系除草剤、4)O−3−tert−ブチルフェニル−6−メトキシ−2−ピリジル(メチル)チオカーバメート(ピリブチカルブ)等のカーバメート系除草剤、5)1−(α,α−ジメチルベンジル)−3−(p−トリル)ウレア(ダイムロン)等の尿素系除草剤等が挙げられる。
【0023】本発明の非水性懸濁製剤は、以上説明した農薬薬効成分、界面活性剤及び分散媒を含有して成るものであって、非水性懸濁製剤中に該分散媒を40重量%以上の割合で含有するものであるが、該分散媒を60〜99.8重量%の割合で含有するものが好ましい。本発明は、本発明の非水性懸濁製剤中における農薬薬効成分と界面活性剤との含有割合を特に制限するものではないが、農薬薬効成分を0.1〜30重量%、界面活性剤を0.1〜10重量%の割合で含有し、残部として分散媒を含有するものが好ましい。
【0024】本発明の非水性懸濁製剤は、その製造方法を特に制限されず、懸濁製剤の製造に通常適用される公知の方法によって製造される。例えば、分散媒としての式1で示されるポリエーテル化合物に界面活性剤を加え、次いで農薬薬効成分を加えて混合し、ボールミル、サンドグラインダー、ダイノーミル等の湿式粉砕機で農薬薬効成分を微粒化処理しながら分散させる方法、或は農薬薬効成分を予めある程度乾式粉砕した後、これを界面活性剤と共に分散媒としての式1で示されるポリエーテル化合物に分散させ、更に湿式粉砕機で微粒化処理する方法等が挙げられる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の実施態様としては、次の1)〜6)が挙げられる。
1)農薬薬効成分としてベンスルフロンメチル/ダイムロン=0.8/99.2(重量比)の混合物25重量%、界面活性剤としてジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム10重量%及び分散媒としてポリオキシエチレン(5モル、以下m=5と略記する)・オキシプロピレン(2モル、以下n=2と略記する)ブチルメチルエーテル{式1中のR1がブチル基、(OA)がオキシエチレン単位を71モル%の割合で有するオキシアルキレン単位の繰り返し数7のポリオキシアルキレン基、R2がメチル基}であるポリエーテル化合物(P−1)65重量%の割合から成る非水性懸濁製剤。
【0026】2)前記1)において、農薬薬効成分を15重量%、界面活性剤を5重量%及び分散媒を80重量%の割合とした非水性懸濁製剤。
【0027】3)前記1)において、農薬薬効成分を7重量%、界面活性剤を3重量%及び分散媒を90重量%の割合とした非水性懸濁製剤。
【0028】4)前記1)において、分散媒としてポリオキシエチレン(m=5)ジメチルエーテル{式1中のR1がメチル基、(OA)がオキシエチレン単位を100モル%の割合で有するオキシアルキレン単位の繰り返し数5のポリオキシアルキレン基、R2がメチル基}であるポリエーテル化合物(P−2)を用いた非水性懸濁製剤。
【0029】5)前記1)において、分散媒としてポリオキシエチレン(m=5)・ポリオキシプロピレン(n=2)モノブチルエーテルの酢酸エステル{式1中のR1がブチル基、(OA)がオキシエチレン単位を71モル%の割合で有するオキシアルキレン単位の繰り返し数が7のポリオキシアルキレン基、R2がアセチル基}であるポリエーテル化合物(P−3)を用いた非水性懸濁製剤。
【0030】6)前記1)において、分散媒としてポリオキシエチレン(m=5)グリコールの酢酸ジエステル{式1中のR1がアセチル基、(OA)がオキシエチレン単位を100モル%の割合で有するオキシアルキレン単位の繰り返し数が5のポリオキシアルキレン基、R2がアセチル基}であるポリエーテル化合物(P−4)を用いた非水性懸濁製剤。
【0031】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の構成及び効果をより具体的にするが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、部は重量部、また%は別に記載しない限り重量%を意味する。
【0032】
【実施例】
試験区分1(分散媒としてのポリエーテル化合物の合成)
・ポリエーテル化合物(P−1)の合成ブチルアルコール74g(1モル)をオートクレーブに仕込み、触媒として水酸化カリウム粉末0.3gを加えた後、オートクレーブ内を充分に窒素で置換した。撹拌しながら反応温度を110℃〜120℃に維持してエチレンオキサイド134g(3モル)とプロピレンオキサイド117g(2モル)とを予め混合しておいた混合物を圧入して付加重合反応を行った。混合物を圧入後、同温度で1時間熟成した後、更にエチレンオキサイド89g(2モル)を圧入して付加重合反応させ、同温度で1時間熟成して反応を終了した。反応物をフラスコに移し、触媒の水酸化カリウムをリン酸で中和した。中和物からリン酸塩を濾別してポリオキシアルキレンモノブチルエーテル410gを得た。ここで得られたポリオキシアルキレンモノブチルエーテル410g(1モル)と48%水酸化カリウム水溶液117gをオートクレーブに仕込み、撹拌しながら70〜100℃で減圧下に脱水を行った。その後反応温度を100〜120℃に維持して、塩化メチル53g(1.05モル)をオートクレーブ内の圧力低下が認められなくなるまで圧入し、エーテル化反応を行った。反応生成物から副生した塩化カリウムを濾別して、ポリエーテル化合物(P−1)を得た。これを分析したところ、ポリオキシアルキレン基がオキシエチレン単位3個とオキシプロピレン単位2個とのランダム結合部分とオキシエチレン単位2個のブロック結合部分とで構成されたポリオキシアルキレンブチルメチルエーテルであった。
【0033】ポリエーテル化合物(P−2)及び(R−1),(R−3),(R−4)の合成ポリエーテル化合物(P−1)の場合と同様にして、ポリエーテル化合物(P−2)及び(R−1),(R−3),(R−4)を合成した。
【0034】・ポリエーテル化合物(P−3)の合成ポリエーテル化合物(P−1)の合成の場合と同様にして得た中間体としてのポリオキシアルキレンモノブチルエーテル410g(1モル)、氷酢酸72g(1.2モル)及び触媒として濃硫酸6gをフラスコに仕込み、撹拌しながら反応温度を100〜110℃とし、減圧下に脱水してエステル化反応を行った。反応終了後、冷却しながら、濃硫酸と未反応酢酸とを48%水酸化カリウム35gで中和した。次いで生成水を減圧下に留去した。副生した無機塩を濾別してポリエーテル化合物(P−3)を得た。これを分析したところ、ポリオキシアルキレン基がオキシエチレン単位3個とオキシプロピレン単位2個とのランダム結合部分とオキシエチレン単位2個のブロック結合部分とで構成されたポリオキシアルキレンモノブチルエーテルの酢酸エステルであった。
【0035】ポリエーテル化合物(P−4)及び(R−2)の合成ポリエーテル化合物(P−3)の場合と同様にして、ポリエーテル化合物(P−4)及び(R−2)を合成した。以上で合成した各ポリエーテル化合物の内容を表1にまとめて示した。
【0036】
【表1】

【0037】表1において、OE:オキシエチレン単位OP:オキシプロピレン単位オキシアルキレン単位の種類,付加形態:表中上段のオキシアルキレン単位を上段の付加形態で付加した後、下段のオキシアルキレン単位を下段の付加形態で付加した【0038】試験区分2(非水性懸濁製剤の調製)
・非水性懸濁製剤(T−1)の調製農薬薬効成分としてベンスルフロンメチル/ダイムロン=0.8/99.2(重量比)の混合物25部、界面活性剤としてジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム5部及び分散媒としてポリエーテル化合物(P−1)70部と共に粉砕用の直径1〜1.5mmのガラスビーズを四筒式サンドグラインダー(五十嵐機械製造社製)に仕込み、回転数2000rpmで2時間、微粒化処理しながら分散させて非水性懸濁製剤(T−1)を得た。
【0039】・非水性懸濁製剤(T−2)〜(T−6)及び(t−1)〜(t−8)の調製非水性懸濁製剤(T−1)と同様にして、非水性懸濁製剤(T−2)〜(T−6)及び(t−1)〜(t−8)を調製した。以上で調製した各非水性懸濁製剤の内容を表2にまとめて示した。
【0040】試験区分3(非水性懸濁製剤の評価)
試験区分2で調製した各非水性懸濁製剤について、農薬薬効成分の分解防止性と形態安定性を以下の方法で評価した。結果を表2にまとめて示した。
【0041】・農薬薬効成分の分解防止性の評価非水性懸濁製剤中の農薬薬効成分の分解性をベンスルフロンメチルについて行なった。試験区分2で調製した非水性懸濁製剤を20mlのガラスビンに充填密封し、50℃で14日間保存したものを試料とした。試料中のベンスルフロンメチル含有量を、内部標準としてジフェニルアミンを用い、下記の条件で液体クロマトグラフィーにより分析した。
液体クロマトグラフィーによる分析条件装置名 :島津LC−10Aカラム :ZORBAX BP−ODS(14.6×150mm)
移動相 :アセトニトリル/5mMリン酸水溶液{65/35(容積比)}
流量 :1.5ml/分検出波長:254nm【0042】分析したベンスルフロンメチル含有量よりベンスルフロンメチルの分解率を算出し、以下の条件で評価した。結果を表2にまとめて示した。
評価基準◎:分解率が15%以下で良好○:分解率が15%〜25%未満でほぼ良好△:分解率が25%〜35%未満で不良×:分解率が35%以上で極めて不良【0043】・形態安定性の評価試験区分2で調製した非水性懸濁製剤200mlを、共栓付き200mlメスシリンダーに秤採り、温度可変の恒温槽に入れ、1サイクルが50℃で12時間→20℃で6時間→−5℃で12時間→20℃で6時間の条件で4サイクル繰り返した後、非水性懸濁製剤の全体の体積に対する懸濁部分の体積の割合を求め、形態安定性を以下の基準で評価した。結果を表2にまとめて示した。
【0044】
◎:懸濁状態の体積の割合が95%以上で形態安定性は極めて良好○:懸濁状態の体積の割合が90%以上〜95%未満で形態安定性は良好△:懸濁状態の体積の割合が70%以上〜90%未満で形態安定性はやや不良×:懸濁状態の体積の割合が70%未満で形態安定性は不良【0045】
【表2】

【0046】表2において、N−1:ベンスルフロンメチル/ダイムロン=0.8/99.2(重量比)の混合物C−1:ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムR−5:平均分子量200のポリエチレングリコールR−6:エチレングリコール【0047】
【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発明には、非水性懸濁製剤において農薬薬効成分の分解防止と貯蔵中における形態安定性とを同時に充足できるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000210654
【氏名又は名称】竹本油脂株式会社
【出願日】 平成9年(1997)9月16日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】入山 宏正
【公開番号】 特開平11−92302
【公開日】 平成11年(1999)4月6日
【出願番号】 特願平9−270479