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【発明の名称】 害虫防除用毒餌剤、害虫誘引剤および害虫の防除方法
【発明者】 【氏名】韓 ▲きょん▼哲

【氏名】亀井 正治

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 害虫防除成分を含有する基材の表面に害虫高嗜好性物質の粉粒体を付着せしめ、前記害虫高嗜好性物質がタンパク質、炭水化物、脂質の3種を含有するものであることを特徴する害虫防除用毒餌剤。
【請求項2】 前記害虫高嗜好性物質が、脂質に対しタンパク質の割合が1:1.0〜5.0であり、脂質に対し炭水化物の割合が1:0.1〜5.0である組成からなるものであることを特徴とする請求項1記載の害虫防除用毒餌剤。
【請求項3】 前記害虫高嗜好性物質が脂質に対しタンパク質の割合が1:2であり、脂質に対し炭水化物の割合が1:1〜2である組成からなるものであることを特徴とする請求項1記載の害虫防除用毒餌剤。
【請求項4】 前記基材および/または害虫高嗜好性物質の粉粒体に安息香酸デナトニウム、アセチル化ショ糖から選ばれる誤食防止剤を配合したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の害虫防除用毒餌剤。
【請求項5】 タンパク質、炭水化物および脂質の3種を含有し、これらの割合が脂質:タンパク質が1:2〜3で、かつ、脂質:炭水化物が1:1〜2である害虫高嗜好性物質を有効成分として含有することを特徴とする害虫誘引剤。
【請求項6】 請求項1、2、3又は4のいずれか1項記載の害虫防除用毒餌剤を容器に収納したことを特徴とする容器入り害虫防除用毒餌剤。
【請求項7】 請求項1、2、3又は4のいずれか1項記載の害虫防除用毒餌剤を、屋内および屋外に設置して、対象害虫に摂食させることを特徴とする害虫の防除方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は害虫の誘引性及び巣への運搬性に優れ、かつ広範囲の害虫を対象にした害虫防除用毒餌剤、及びそれを用いた害虫の防除方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より害虫の防除を目的とした毒餌剤においては、害虫を毒餌剤に集まりやすくするために、また該毒餌剤に配合されている害虫防除成分を害虫が十分に摂食するようにするために種々の誘引物質を併用することが検討され、そしてこれらの誘引物質を該毒餌剤に配合、練合、塗布させることや、該毒餌剤の近くに配置することなどが行われている。その中で害虫の誘引剤としては、ゴキブリなどに対しては緒方らの研究(衛生動物,13(4),262(1962))、あるいはTsujiの研究(衛生動物,17(2),89(1966))などにおいてジャガイモ、タマネギ、オカラ、米ヌカおよび各種脂肪酸などの誘引性が比較されている。その他にもバニリン、ピペロールなどが直翅目、すなわちゴキブリ、コオロギ、バッタ、キリギリス、カマキリ、カマドウなどに対して誘引性があること(特公昭54−11367号)や、ハエに対して炭水化物、タンパク質、ペプチド、アミノ酸ならびにこれらの化合物の混合物の中から選んだ食品と餌の全重量に対して約0.5から10重量%のカラメルとを含む、愛人類性のハエを撲滅する餌として使用する組成物(特開昭55−15465号)、そして特開平1−224307号には害虫駆除用毒餌剤の喫食性の向上のために糖を添加することが示されており、糖としてショ糖、ブドウ糖、果糖、乳糖、黒砂糖、赤砂糖、三温糖が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の従来技術に記載の誘引物質は害虫の誘引効果が十分でなく、そのため製剤中に高濃度に含有するように処理することが必要とされ、製造の際にコストが負担となっている。さらに近年、新たに不快害虫としてみられているある種のアリに対してはほとんど誘引効果が得られないこと、そして製剤の形態により前記毒餌剤の巣への運搬性が乏しいことがわかってきた。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、前記の課題を解決するため、すなわち従来の誘引成分でも誘引されない害虫に対し少量でも誘引効果を有する害虫高嗜好性物質を含む害虫誘引剤あるいは該害虫高嗜好性物質を用いた害虫防除用毒餌剤を得ることで、製造時のコストを抑えるとともに、製剤の形態に特長を持たせることにより巣への運搬性の向上を得ることを目的に研究を進め、本発明を完成した。本発明者らは、従来の誘引物質にはない高い誘引作用を持つ害虫高嗜好性物質を見い出すとともに、かつ従来害虫防除用毒餌剤に誘引物質を混合した場合、折角誘引物質を添加しても、そこでは害虫防除成分が共存するためにそれが害虫を忌避させる作用があり、誘引物質の誘引作用を阻害するので、その誘引物質が有効に働かず、また該毒餌剤の表面に誘引物質を被覆しても、害虫防除成分が誘引物質層に拡散して前記の混合したのと同じ状態となり、誘引作用が阻害されているのではないかという点に着目し、該毒餌剤において該誘引物質をなるべく害虫防除成分と離れた状態に配置してその誘引作用を有効に働かせること、即ち毒餌剤表面に付着させるだけというごく少量の高嗜好性物質で予測できないほど高い誘引及び運搬活性が得られることを見いだし、本発明に到達した。
【0005】すなわち、本発明は、以下の手段により前記の課題を解決したものである。
(1)害虫防除成分を含有する基材の表面に害虫高嗜好性物質の粉粒体を付着せしめ、前記害虫高嗜好性物質がタンパク質、炭水化物、脂質の3種を含有するものであることを特徴する害虫防除用毒餌剤。
(2)前記害虫高嗜好性物質が、脂質に対しタンパク質の割合が1:1.0〜5.0であり、脂質に対し炭水化物の割合が1:0.1〜5.0である組成からなるものであることを特徴とする(1)項記載の害虫防除用毒餌剤。
(3)前記害虫高嗜好性物質が脂質に対しタンパク質の割合が1:2であり、脂質に対し炭水化物の割合が1:1〜2である組成からなるものであることを特徴とする(1)項記載の害虫防除用毒餌剤。
(4)前記基材および/または害虫高嗜好性物質の粉粒体に安息香酸デナトニウム、アセチル化ショ糖から選ばれる誤食防止剤を配合したことを特徴とする(1)又は(2)項記載の害虫防除用毒餌剤。
【0006】(5)タンパク質、炭水化物および脂質の3種を含有し、これらの割合が脂質:タンパク質が1:2〜3で、かつ、脂質:炭水化物が1:1〜2である害虫高嗜好性物質を有効成分として含有することを特徴とする害虫誘引剤。
(6)前記(1)、(2)、(3)又は(4)項のいずれか1項記載の害虫防除用毒餌剤を容器に収納したことを特徴とする容器入り害虫防除用毒餌剤。
(7)前記(1)、(2)、(3)又は(4)項のいずれか1項記載の害虫防除用毒餌剤を、屋内および屋外に設置して、対象害虫に摂食させることを特徴とする害虫の防除方法。
【0007】本発明の害虫防除用毒餌剤において、害虫防除成分を含有させるための基材としては、害虫の摂食物質であるものが用いられる。該摂食物質としては、従来から知られているように、タンパク質、炭水化物、脂質などの少なくとも1種からなるものであり、タンパク質としては、動物性タンパク質や植物性タンパク質があり、これらを含むもの、例えば、生体粉やそれらの抽出物、酵素分解物などがある。ここでの動物性タンパク質としてはアクチン、アルブミン、カゼイン、フィブリン、フィブリノーゲン、ケラチン、グロブリン(α、β、γ)、ヘモグロビン、ミオシンなど、あるいはフィッシュソリュブル、イナゴ、バッタ、カマキリ、コオロギ、ハチ、アブラムシ、ゴキブリ、チョウ、ガ、ハエ、タマゴ、魚粉、サナギ、オキアミ、エビ、ミルク、チーズ、飼料用酵母、馬肉などから得られる固体(粉体など)および液状物がある。
【0008】また、植物性タンパク質としては、エデスチン、ゼイン、グリアジン、アラチン、ツェイン、グルテンなど、あるいはジャガイモ、サツマイモ、トウモロコシなどのデンプン粉、小麦粉、米粉、フスマ、大豆、綿実、菜種、ゴマ、粟、ヒエ、タマネギ、バナナなど、そして落花生、カボチャ種、ソラマメなどから得られる固体(粉体など)および液状物がある。またこれらの植物性タンパク質の加工物、すなわち米ぬか、酒粕、ゴマ油粕、オカラ、ビールなど、さらに穀類の脱脂粕を酸分解後中和した組成物などが挙げられる。
【0009】炭水化物としては例えば果汁、ハチミツ、廃糖蜜、砂糖きび、パラチノース、トレハロース、ソホロース、ツラノース、ラミナリビオース、ニゲエロース、セルビオース、キシロビオース、ロイクロース、ゲンチオビオース、メルビオース、ルチノース、プリムベロース、ビシアノース、ロビノース、N−アセチルグルコサミン、ガラクツロン酸、マンノース、キシロース、アラビノース、グルクロン酸、グルコサミン、ショ糖、ブドウ糖、果糖、乳糖、黒砂糖、赤砂糖、三温糖、グラニュー糖、麦芽糖、アラビノース、ガラクトース、ソルビトール、グリセリンなどが挙げられる。
【0010】脂質としては、植物性油や動物性油がある。例えば植物性油としては、木ロウ、ヤシ油、カカオ油などの植物油、ヒマシ油、オリーブ油、落花生油などの不乾性油、アマニ油、キリ油、麻実油、エノ油などの乾性油があげられる。また、動物性油としては、哺乳類油である体脂、バター脂、脚脂、そして鳥類、爬虫類、両生類、昆虫などから得られる油、鯨油、イルカ油、イワシ油、ニシン油、タラ肝油、サメ肝油、イカ油、ハマグリ油、卵油および酵母または細菌などが生産する油脂などがあげられる。これらの使用量は飼料に0から50重量%の範囲である。前記タンパク質、炭水化物及び脂質は、単一の物質に存在することはあまりなく共存することが多いので、実際上は前記の例示した各物質に一緒に含まれていることが多く、1つの物質をこれらの成分の混在する材料として使用することがある。
【0011】本発明で用いる害虫の好む粉粒体の高嗜好性物質としては、タンパク質、炭水化物及び脂質の3種を必ず含有しているものであり、タンパク質と脂質、タンパク質と炭水化物、タンパク質単独、脂質単独、或いは炭水化物単独では本発明における効果は得られない。前記高嗜好性物質におけるタンパク質、炭水化物及び脂質の含有割合は、好ましくは脂質に対してタンパク質の割合が1:1.0〜5.0であり、脂質に対し炭水化物が1:0.1〜5.0 の組成からなるものであり、より好ましくは例えば脂質に対してタンパク質の割合が1:2であり、脂質に対し炭水化物が1:1〜2の組成からなるものである。好ましい組成を、別に重量割合で示すと、例えば、それらの成分の割合としては、例えばタンパク質が1〜80重量%、炭水化物1〜50重量%及び脂質1〜50重量%の範囲にあるものがよい。それらの成分の割合が前記したように特定の範囲にあるものが害虫に対してその誘引作用が大きい。
【0012】前記高嗜好性物質は、前記した組成からなる単一の物質からなるものであってもよいし、また前記のタンパク質、炭水化物及び脂質から選ばれたものを該比率において配合した組成物であってもよし、異なった組成の2種以上の物質を該比率になるように配合した組成物であってもよい。実用上は、該組成比を有する物質から適宜選択して使用するのが好ましく、中でも天然物質、昆虫または昆虫由来の生体物質、好ましくは膜翅目及び半翅目昆虫の各発育段階の生体物質が適している。生体物質の場合には、その乾燥物、冷凍乾燥物、破砕物そして抽出物を固形、粉末、液状などの形態で利用することができる。この物質は特に害虫について高嗜好性であって、害虫の誘引性に優れている。さらに、前記の高嗜好性物質を組成するに適したタンパク質を詳しく説明すると、そのアミノ酸組成は、1.0〜1.5重量%のトリプトファンを必要とし、主成分として10重量%以上のグルタミン酸及び9重量%以上のアスパラ酸を含み、5重量%以上のレクチン、プロリン、グリシン、リジン、バリン、アラニン、チロシン、アルギン、イソレクチン及びその他のアミノ酸成分よりなるものである。この高嗜好性物質の使用量は、害虫防除成分を含有する基材に対して0.5〜5重量%とすることができるが、好ましくは1〜3重量%であり、より好ましくは約2重量%である。
【0013】該害虫高嗜好性物質は、前記の基材の粒状体等の表面に粉粒体の形で付着した状態で使用されるが、本明細書において「粉粒体」とは、不定形の粉末又は/及び粒状体の物質が任意の割合で混ざり合った状態にあり、かつ均一化されている必要性がない状態で混在していることを意味しており、該粉粒体における粉末の大きさとしては直径0.01mmから0.5mm、粒状体では0.1mmから3.0mmが適している。また、これらと併用できる害虫誘引物質としては、例示すれば、例えば脂肪酸のメチルまたはエチルエステル、飽和または不飽和アルコール、非還元性デンプン加水分解物、シクロヘキシル基を持つカルボン酸エステル、芳香性を持つ脂肪酸ケトン、アルコール、アルデヒド、ラクトン、エステル、アロエまたはユーカリ植物およびその抽出物、炭素数7ないし9のケトン、バニリン、エチルバニリン、イソバニリン、ピペロナール、ピペロナールアセトン、2,6−ノナジエーテルなどが挙げられ、その使用量は0から5重量%である。これらの少なくとも1種を担体に含浸させ、粉粒体として基材表面に適用付着させてもよい。
【0014】増量剤としては、例えばホワイトカーボン、珪藻土、結晶セルロース、クレー、カオリン、タルク、ベントナイト、ゼオライト、セピオライト、アタパルジャイトなどが挙げられ、その使用量は0から10重量%である。さらに必要に応じ、酸化防止剤、保存剤、誤食防止剤そして害虫に対する誘引性を増強する香料などを添加してもよい。ここで酸化防止剤としては、例えばエリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、dl−α−トコフェロール、ノルジヒドログアヤレチック酸、メチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、グアヤク酸、1−システイン塩酸塩などが挙げられ、保存剤としては、例えば安息香酸、安息香酸ナトリウム、サリチル酸ジフェニル、サリチル酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸ナトリウムなどが挙げられる。結合剤としては、アラビアゴム、アラビアガム末、カルボキシメチルセルロース、結晶セルロース、ゼラチン、デキストリン、ヒドロキシプロピルスターチ、ポリエチレングリコール(400、1500、4000、6000)、ポリオキシエチレンポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、シリコン樹脂、メタアクリル酸コポリマー等が挙げられ、吸収剤としては、ホワイトカーボン、軽質ケイ酸、α−デンプン等が挙げられる。
【0015】また、誤食防止剤としては、例えば安息香酸デナトニウム、セチル化ショ糖、トウガラシ末、アラマンスアルミニウムレーキ、エリスロシン、エリスロシンアルミニウムレーキ、ニューコクシン、フロキシン、ローズベンガル、アシドレッド、タートランジ、タートランジンアルミニウムレーキ、サンセットイエローFCF、インジゴカルミン、β−カロチン、銅クロロフィルなどが挙げられる。香料としては、例えばチーズ香料、バター香料、ピーナッツ香料、ピーチ香料、ストロベリー香料、ミルク香料などが挙げられる。
【0016】着色剤としては、例えば昭和41年8月31日付厚生省例第30号の別表第1、2および3に記載されているものあるいは、長期間色調が安定であるものが挙げられ、別表第1には赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号の(1)、赤色105号の(1)、赤色106号、黄色4号、黄色5号、青色1号および青色2号、別表第2には赤色201号、赤色202号、赤色203号、赤色204号、赤色205号、赤色206号、赤色207号、赤色208号、赤色213号、赤色214号、赤色215号、赤色218号、赤色219号、赤色220号、赤色221号、赤色223号、赤色225号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号の(1)、赤色230号の(2)、赤色231号、赤色232号、だいだい色201号、だいだい色203号、だいだい色204号、だいだい色205号、だいだい色206号、だいだい色207号、黄色201号、黄色202号の(1)、黄色202号の(2)、黄色203号、黄色204号、黄色205号、緑色201号、緑色202号、緑色204号、緑色205号、青色201号、青色202号、青色203号、青色204号、青色205号、かっ色201号および紫色201号、そして別表第3には赤色401号、赤色404号、赤色405号、赤色501号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色505号、赤色506号、だいだい色401号、だいだい色402号、だいだい色403号、黄色401号、黄色402号、黄色403号の(1)、黄色404号、黄色405号、黄色406号、黄色407号、緑色401号、緑色402号、緑色403号、緑色404号、紫色401号、黒色401号が記載されている。
【0017】また、安定な色素としてはクロロフィル、リボフラビン、アンナット、カンタキサンチン、クロシン、コチニール、ベニバナ、パプリカ色素、アントラキノンなどの食品添加物として認められている天然色素が挙げられる。これら酸化防止剤、保存剤、誤食防止剤、着色剤および害虫に対する誘引性を増強する香料の使用量は、0から1.0重量%である。本発明の害虫防除用毒餌剤の基材は、前記の該基材の原料を所望の配合割合にそって混合、練合し、さらに造粒、乾燥、ふるい別けなどの工程を経て丸剤、錠剤、顆粒剤などに形成される。例えば、顆粒の基材を造る場合は、炭水化物、タンパク質、脂質、誘引物質、増量剤、酸化防止剤、保存剤、誤食防止剤および害虫に対する誘引性を増強する香料を混合した後に水を添加して練合した。その後バスケット式造粒機にて造粒し、80から100℃で約1から3時間乾燥することで基材を調製できる。
【0018】この時、基材の大きさは直径0.5から3.0mm、好ましくは1mmから1.5mmの大きさとなるようにメッシュの篩いを通すなどしてその大きさに調製できる。また、錠剤の場合は、直径5mmから20mm、厚さ2mmから20mmの円筒形、あるいは丸剤の場合には、直径0.4mmから3.0mmが好ましい。本発明の害虫防除用毒餌剤の製剤手段としては、該基材に油性または水性溶媒に溶解した害虫防除成分をスプレーして混合し、前記の害虫の好む粉粒体を前記の該基材とともにナウダーミキサーで混合することで表面に付着させる方法がある。
【0019】本発明において害虫防除成分としては、従来からの害虫防除成分、すなわち殺虫剤、または該殺虫剤とその共力剤の少なくとも一種以上を、対象害虫が摂食によりその致死量以上が体内に摂取される量を配合すればなんら制限されない。そして、該殺虫剤としては、ピレスロイド系殺虫剤、有機リン系殺虫剤、カーバメイト系殺虫剤、その他の殺虫剤および共力剤などが挙げられる。
【0020】ピレスロイド系殺虫剤・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル dl−シス/トランス−クリサンテマート(一般名アレスリン:商品名ピナミン)
・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル d−シス/トランス−クリサンテマート(商品名ピナミンフォルテ:住友化学工業株式会社製)
・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル d−トランス−クリサンテマート(商品名バイオアレスリン:ユクラフ社製)
・d−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル d−トランス−クリサンテマート(商品名エキスリン:住友化学工業株式会社製、商品名エスバイオール:ユクラフ社製)
【0021】・(1,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1,3−ジオキソ−2−インドリル)メチル dl−シス/トランス−クリサンテマート(一般名フタルスリン:商品名ネオピナミン)
・(1,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1,3−ジオキソ−2−インドリル)メチル d−シス/トランス−クリサンテマート(一般名ネオピナミンフォルテ:住友化学工業株式会社製)
・(5−ベンジル−3−フリル)メチル d−シス/トランス−クリサンテマート(一般名レスメトリン、商品名クリスロンフォルテ:住友化学工業株式会社製)
・3−フェノキシベンジル−dl−シス/トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシラート(一般名ペルメトリン、商品名エクスミン:住友化学工業株式会社製)
・3−フェノキシベンジル−d−シス/トランス−クリサンテマート(一般名フェノトリン、商品名スミスリン:住友化学工業株式会社製)
【0022】・α−シアノ−3−フェノキシベンジル 2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチレート(一般名フェンバレレート)
・α−シアノ−3−フェノキシベンジル シス/トランス−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシラート(一般名フェンプロパトリン)
・1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル dl−シス/トランス−クリサンテマート(一般名エンペントリン)
・2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル−dl−シス/トランス 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシラート(一般名フェンフルスリン)
・1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル dl−シス/トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシラート(M−108C)
・1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル シス/トランス−2,2,3,3−テトラメチル−1−シクロプロパンカルボキシラート(M−108B)
【0023】・(+)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)−2−シクロペンテニル(+)−シス/トランス−クリサンテマート(商品名エトック:住友化学工業株式会社製)
・d−トランス−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシラート(一般名ベンフルスリン)
・2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシラート(一般名テフルスリン)
・(±)α−シアノ−3−フェノキシベンジル(+)−シス/トランス−クリサンテマート(商品名ゴキラート:住友化学工業株式会社製)
・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル dl−シス/トランス−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシラート(一般名テラレスリン)
・2−(4−エトキシフェニル)−2−メチルプロピル−3−フェノキシベンジルエーテル(一般名エトフェンプロックス:三井東圧化学株式会社製)
【0024】(2)有機リン系薬剤・O,O−ジメチル O−(2,2−ジクロロ)ビニルフォスフェート(DDVP)
・O,O−ジメチル O−(3−メチル−4−ニトロフェニル)チオノフォスフェート(フェニトロチオン)
・O,O−ジエチル O−2−イソプロピル−4−メチル−ピリミジル−(6)−チオフォスフェート(ダイアジノン)
・O,O−ジメチル S−(1,2−ジカルボエトキシエチル)−ジチオフォスフェート(マラチオン)
・O,S−ジメチル アセチルフォスフォロアミドチオエート(アセフェート)
(3)カーバメイト系薬剤・O−イソプロポキシフェニル メチルカーバメイト(バイゴン)
・1−ナフチル−N−メチルカーバメイト(セビン)
・エチル・N−〔2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イルオキシカルボニル(メチル)アミノチオ〕−N−イソプロピル−β−アラニナート(一般名ベンフルカルブ、商品名オンコル)
・エチル−N−ベンジル−N−{〔メチルチオ(1−エチルイデン−アミノ−オキシカルボニル)アミノ〕チオ}−β−アラニナート(オリオン)
・エチル−2−(4−フェノキシフェノキシ)エチルカーバメイト(インセガー)
【0025】(4)昆虫成長調整剤・メトプレン・ハイドロプレン・ピリプロキシフェン・フェノキシカルブ・ジフルベンズロン・トサフルムロン・サフルベンズロン【0026】(5)その他の殺虫剤・5−メトキシ−3−(O−メトキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン(一般名メトキサジアゾン、商品名エレミック)
・1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロイミダゾリジン−2−イリデンアミン(アドマイヤー)
・アバメクチン【0027】(6)協力剤など・イソボニールチオシアノアセテート(IBTA)
・ピペロニルブトキサイド(PB)
・オクタジプロピルエーテル(S−421)
・N−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド(サイネピリン222)
・N−(2−エチルヘキシル)−1−イソプロピル−4−メチルビシクロ[2,2,2] オクト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド(サイネピリン500)
【0028】
【発明の実施の形態】前記の「当該害虫が一回の摂食によりその致死量以上体内に摂取される量を配合」としては、対象害虫の食性あるいは生活史により異なる。例えば社会性をもつ害虫であるアリ類を例に挙げると、働きアリが巣以外の場所で餌を口にくわえたり、あるいは体内に蓄え、巣に戻ってから該餌を幼虫などに分け与える作業を行うことが知られている。この場合は該害虫防除用毒餌剤に使用された害虫防除成分が働きアリに対して、該害虫毒餌剤を餌と同様に巣に持ち帰る間は、影響を与えることがなく、さらに巣全体の過半数以上に該害虫防除用毒餌剤が及ぶ時間は影響がないものであれば良く、蓄積性のある害虫防除成分あるいは生育阻害を起こすような害虫防除成分が好ましい。一方、ゴキブリなどでは単に摂食することで死亡、産卵抑制あるいは変態異常を引き起こすものであればよい。
【0029】これらのことを踏まえて、害虫防除用毒餌剤に配合される害虫防除成分量は基材100重量部に対して、0.0001重量部から75重量部と広範囲にわたる。さらに詳しくは、基材100重量部に対し、即効性の高い害虫防除成分(例えばピレスロイド系殺虫剤、有機リン系殺虫剤、カーバメイト系殺虫剤など)では、社会性のある害虫に対しては0.001重量部から1重量部、とくに社会性を有しない害虫に対しては0.05重量部から5重量部配合でき、比較的遅効性の害虫防除成分(例えばベンフラカルブなど)では、社会性のある害虫に対しては、0.001重量部から1重量部、個別に生息している害虫に対しては0.05重量部から5重量部配合でき、さらに蓄積性があるもの、あるいは幼若ホルモンなどでは、両方の害虫に対して0.01重量部から10重量部配合することができる。
【0030】そして前記のごとく製造された本発明の害虫防除用毒餌剤および害虫誘引剤は、粉粒体が前記のとおり均一ではないことから、製剤の形状にかかわらず、その表面の状態はでこぼこ、凹凸があり、従来の毒餌剤と比べて対象害虫が運搬する際に、その手や脚のつめ、体毛にひっかかり易く容易に運搬することが可能となる。これにより、例えば社会性を有する害虫においては、該毒餌剤を処理することで、巣への持ち帰る割合が増し、コロニー全体を崩壊させる効果が期待される。
【0031】また、本発明の害虫防除用毒餌剤および害虫誘引剤は収納容器および捕獲容器に収納し、そして該容器を屋内および屋外に適宜に設置し使用することができる。例えば、本発明の容器としては、従来より毒餌剤用および捕獲用容器として用いられてきているものであればその形状、機構および大きさなどなんら制限はされない。例えば、捕獲容器では底面に粘着面を備え、側面に進入口があり、側面の延長または天面にて直接粘着面が見えにくい形状といったハウス型の粘着式捕獲容器(例えば、商品名ゴキブリホイホイ;アース製薬(株)社製)、単に平面に粘着剤を塗布したフラット型の粘着式捕獲容器(例えば、商品名チューバイチュー;アース製薬(株)社製)、円筒上の底ありビンの側壁内面にバターなどの潤滑剤を塗布し、反対に側壁外面に新聞紙などの登搬促進物を設けたバタートラップ、あるいは箱状物の開口部に進入し易いが、逆止扉を設けた捕獲器など各種の物が例示できる。そして、本発明の対象害虫を捕獲することを特徴とする害虫の防除方法としては、前記の捕獲容器の従来からの使用方法となんら変わらない方法で、対象害虫および設置場所により決められ、例えば、対象害虫がゴキブリで設置場所が台所の角などハウス型の粘着式捕獲容器を用いる場合は、該粘着式捕獲容器の粘着面のほぼ中央に本発明の害虫誘引剤を置き、壁に沿った方向に進入口を向けて設置することでゴキブリを捕獲することができる。
【0032】さらに、毒餌剤容器としては、通常用いられるものであれば何ら制限されるものではない。例えば、雨水や大気中に存在する水分(湿気)等による濡れや過度の加湿を防ぎ、また風による飛散や対象外の生物類による飛散、運搬等を防ぐものであれば良く、天面、側面及び底面により囲まれたもので、該毒餌剤が内部に収納できるものであればよい。ただし、該容器は天面、側面及び底面のいずれか少なくとも1ケ所に対象害虫が該毒餌剤に接触し、それを外部へ運搬するのに必要最小限の空間を設けたものである必要がある。但し、その空間は大きすぎると外にこぼれ落ちたり、前記の防止作用が十分に働かないので、容器内をバリヤやマウントを持つ構造とし、該毒餌剤を安定した状態に保つくふうをすることもできる。さらに安全性の面から誤食防止のために通常用いられている機能を付与することが好ましい。該容器の形状としては、特に限定されないが、長方形、正方形や六角形等の角状形のもの、だ円形、正円形等のものが例示される。
【0033】本発明において捕獲あるいは防除する対象害虫としては、ワモンゴキブリ、チャバネゴキブリ、クロゴキブリ等のゴキブリ類;ヒメアリ、クロヤマアリ、アミメアリ、トビイロケアリ等のアリ類;アオズムカデ、セスジアカムカデ、トビズムカデ等のムカデ類;アカヤスデ、ヤケヤスデ、オビババヤスデ等のヤスデ類;ダンゴムシ類;ワラジムシ類;ナメクジ類;バッタ類;ゲジゲジ類等が挙げられる。
【0034】本発明においては、特定の割合からなるタンパク質、炭水化物及び脂質の3種からなる害虫高嗜好性物質の粉粒体を用いることにより、従来から用いられている誘引剤よりも広範囲の対象害虫を有効に集めることができる。しかも、前記害虫高嗜好性物質の粉粒体を害虫防除成分を含有する基材の周囲に付着させることにより少量の薬量で済むので、コストの軽減が可能となる。そして、特定の粒径の粉粒体を、及びそれを用いた製剤を製造することで、運搬性の向上を導く効果がある。これらの作用の総合により、従来十分に防除できなかった社会性昆虫に対しても有効である。
【0035】
【実施例】以下に実施例により、本発明について詳しく説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1上記のとおり製造した第1表に記載の各製剤について、野外に生息しているトビイロケアリのコロニー付近に処理した各製剤の誘引性および運搬性を調査した。結果は第1表に示した。なお、第1表において「−」は活性なし、「±」はわずかにある、「+」は一応あるが弱い、「++」は十分に効果がある、「+++」は優れた効果がある、をそれぞれ意味する。
【0036】
【表1】

【0037】実施例2上記のとおりに製造した基材に高嗜好性物質を練り込んだ製剤、及び表面に付着処理した製剤(本発明)を第2表記載の各種アリの巣の付近に処理し(散布)、各種アリに対する誘引、運搬活性を調査した。比較として、サナギ粉を同様にした製剤を用いた。調査結果を第2表に示す。表中の「−」、「±」、「+」、「++」、「+++」は実施例1と同様の意味である。
【0038】
【表2】

【0039】実施例3(殺虫試験)
本発明の製剤(防除成分としてオンコル0.5%配合)を用いて各種害虫に対する防除効果を検討した。比較例として、防除成分を練り込んだ製剤(防除成分としてデナポン5%配合)を用い、対象としては防除成分を配合しないものを用いた。その結果を第3表に示し、実験の詳細について以下に示す。
【0040】
【表3】

【0041】(試験法)
・ダンゴムシ:前記のように製剤した害虫防除用毒餌剤0.2gと水を含ませた脱脂綿を別々に銀紙で包み、ポリエチレンカップ(直径11.6cm、高さ6cm)の底に入れた後、ダンゴムシ成虫を10頭を放飼し、24時間後の殺虫効果を調査した。
【0042】・アカムカデ:前記のように製剤した害虫防除用毒餌剤0.2gを内径8cmのビンの蓋の中に入れ、大型のポリエチレンカップ(直径11.6cm、高さ6cm)の中に設置し、水を含ませたカットした脱脂綿を置き、1カップ当り1頭のアカムカデを放飼し、24時間後の殺虫効果を調査した。なお試験は5連区で実施した。
・アミメアリ:前記のように製剤した害虫防除用毒餌剤0.2gと水を含ませた脱脂綿を別々に銀紙で包み、ポリエチレンカップ(直径11.6cm、高さ6cm)の底に入れた後、アミメアリを20頭を放飼し、24時間後の殺虫効果を調査した。結果は第3表に示した。
【0043】次に、製剤例1〜2、4〜10を示す。
【0044】
【表4】

【0045】
【表5】

【0046】
【表6】

【0047】
【表7】

【0048】
【表8】

【0049】
【表9】

【0050】
【発明の効果】本発明は、特定の割合でタンパク質、炭水化物および脂質の3種を含有してなる害虫高嗜好性物質の粉粒体を害虫防除成分を含有した基材の外表面に付着させることにより、従来の毒餌剤に比べて誘引効果に優れ、少量の粉粒体の使用で大きな誘引効果があり、さらに社会性を有する害虫、例えばアリの場合巣に持ち帰る運搬性の効果が大きいため、アリの巣に対しても有効に作用することから、不快害虫とされているある種のアリに対しても優れた効果を有するものである。
【出願人】 【識別番号】000100539
【氏名又は名称】アース製薬株式会社
【出願日】 平成7年(1995)7月13日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】萩野 平 (外3名)
【公開番号】 特開平11−92301
【公開日】 平成11年(1999)4月6日
【出願番号】 特願平10−213484