| 【発明の名称】 |
鳥害防止用磁性体、およびそれを利用した吊下げ式鳥避け具 |
| 【発明者】 |
【氏名】高橋 則生
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| 【要約】 |
【課題】集団で飛来する各種野鳥からの被害等を予防するための鳥害防止具に関し、特に野鳥の位置認識や帰巣本能等を支配するとされている地磁気感知能力に強い影響を及ぼすことが可能であり、しかもその影響に野鳥が慣れ難く、長期間に渡って鳥害防止効果が得られるようにした新規な構造からなる鳥害防止用磁性体と、それを利用した新規な構造からなる吊下げ式鳥害防止用具とを提供する。
【解決手段】2個のフェライトマグネット片1,1を、その同極面同士が対峙状または当接状となる如く合体して合せ磁性体本体Mを形成し、該合せ磁性体本体Mの両外側面が、先に対峙状または当接状とした面の極とは逆の同極面同士となるようにし、合せ磁性体本体Mの外周近傍の磁場が、その外周縁から所定距離離反した位置において形成される磁力0値域を境に、その両側域における磁力を励起もしくは増幅傾向に形成されてなるものとした鳥害防止用磁性体である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 2個のフェライトマグネット片を、その同極面同士が対峙状または当接状となる如く合体して合せ磁性体本体を形成し、該合せ磁性体本体の両外側面が、先に対峙状または当接状とした面の極とは逆の同極面同士となるようにし、合せ磁性体本体の外周近傍の磁場が、その外周縁から所定距離離反した位置において形成される磁力0値域を境に、その両側域における磁力を励起もしくは増幅傾向に形成されてなるものとしたを特徴とする鳥害防止用磁性体。 【請求項2】 合せ磁性体本体の2個のフェライトマグネット片相互が、双方の当接面を接着剤によって接着、一体化することにより、合体されてなるものとした、請求項1記載の鳥害防止用磁性体。 【請求項3】 合せ磁性体本体の2個のフェライトマグネット片個々が、中央に通孔を有するリングマグネット片からなるものとし、両リングマグネット片相互が、対峙状または当接状となる如く配された上、双方の通孔に挿通した連結部材によって合体されてなるものとした、請求項1記載の鳥害防止用磁性体。 【請求項4】 合せ磁性体本体の2個のフェライトマグネット片双方が、少なくとも上端縁側に吊下げ部を有する連結用筐体内に収容されることによって合体されたものとしてなる、請求項1ないし3何れか記載の鳥害防止用磁性体。 【請求項5】 鏡面仕上げ板体中央部の表裏に、2個のフェライトマグネット片が、その同極面同士を対峙状または当接状とし、且つ対称配置となる如く配して一体化され、鏡面仕上げ板体の中央部に合せ磁性体本体の組み込まれたものとなし、該合せ磁性体本体の両外側面が、先に対峙状または当接状とした面の極とは逆の同極面同士となるようにすることにより、合せ磁性体本体の外周近傍の磁場が、その外周縁から所定距離離反した位置において形成される磁力0値域を境に、その両側域における磁力を励起もしくは増幅傾向に形成されてなる、請求項1ないし4何れか記載の鳥害防止用磁性体を利用した吊下げ式鳥避け具。 【請求項6】 コンパクトディスク等、中央に装着孔を有する鏡面仕上げ板体に、2個のフェライトマグネット片が、その同極面同士を対峙状または当接状とし、且つ対称配置となる如く配して一体化され、鏡面仕上げ板体の中央部に合せ磁性体本体の組み込まれたものとなし、該合せ磁性体本体の両外側面が、先に対峙状または当接状とした面の極とは逆の同極面同士となるようにすることにより、合せ磁性体本体の外周近傍の磁場が、その外周縁から所定距離離反した位置において形成される磁力0値域を境に、その両側域における磁力を励起もしくは増幅傾向に形成されてなる、請求項1ないし4何れか記載の鳥害防止用磁性体を利用した吊下げ式鳥避け具。 【請求項7】 合せ磁性体本体が、鏡面仕上げ板体表裏に対して接着されると共に、2個のフェライトマグネット片相互間も連結部材で連結することによって合体させてなるものとした、請求項5または6記載の鳥害防止用磁性体を利用した吊下げ式鳥避け具。 【請求項8】 鏡面仕上げ板体の少なくとも上端縁側に、水平面内で回転自在とする吊り金具を予め取り付けるか、あるいは当該吊り金具取付け用の取着孔を含む適宜吊下げ部を形成してなるものとした、請求項5ないし7何れか記載の鳥害防止用磁性体を利用した吊下げ式鳥避け具。 【請求項9】 鏡面仕上げ板体の周縁に、少なくとも上端縁側に吊下げ部を形成してなる額縁体が装着されてなるものとした、請求項5ないし7何れか記載の鳥害防止用磁性体を利用した吊下げ式鳥避け具。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の目的】この発明は、サクランボやナシ等の果実栽培を始め、米やトマト等といった各種農作物栽培における鳥害の外、マンションや駅舎、神社仏閣等に集団で飛来する各種野鳥からの被害等を予防するための鳥害防止具に関するものであり、特に野鳥の位置認識や帰巣本能等を支配するとされている地磁気感知能力に強い影響を及ぼすことが可能であり、しかもその影響に野鳥が慣れ難く、長期間に渡って鳥害防止効果が得られるようにした新規な構造からなる鳥害防止用磁性体と、それを利用した新規な構造からなる吊下げ式鳥害防止用具とを提供しようとするものである。 【0002】春先の選定作業や施肥その他の作業を終えてようやく芽吹き始めた折の蕾を食べられたり、消毒作業や受粉作業、間引き作業等と手の掛かる作業を繰り返し、丹精込めて育て上げきた果実を始めとする各種農作物が、収穫期を間近にして食い散らかされてしまう被害は、収穫量に直接影響するだけに栽培農家においては極めて深刻な問題となっている。また、都市部のような人口密集地帯には、野鳥の餌となるものも多いことから、カラスやハト、ムクドリ等といった様々な野鳥が集団で飛来、生息し、その糞害として建物や洗濯物等を汚すだけではなく、人体にも有害で、喘息の原因となったり、ある種の感染病を引き起こすことが報告されている。 【0003】そのため、それら野鳥の飛来を予防するための様々な鳥害防止用具がこれまでにも多数提供されてきており、特に農産物を野鳥から守る用具として旧くから取り入れられてきている伝統的な用具には、例えば金銀その他有色光輝素材製の各種結束用コードや吊りコードがあり、どの程度の鳥害防止効果があるのかは必ずしも明確ではないものの、今でも畑や圃場等に張り巡らしたり、紐から適宜間隔置きに吊り下げたりして使用されてきているが、この伝統的なコードも、サクランホや柿等といった果実農園のように、果樹が生い茂った状況となっていて背丈も高く、見通しの利かない場所にはあまり採用されてはおらず、代わって寒冷紗やネット類を展張したり、公害となり兼ねないような爆音発生装置を設置したりする外、一つ目模様、天敵の図柄、そして、最近では強力な磁石等といった吊下げ具を要所要所に吊り下げ、使用する等、野鳥が恐れたり、嫌がると推測される様々な器具、用具を発案しては、急遽商品化してその効力を競い合うといった事態が続いている。 【0004】しかし、ネット類の展張や爆音発生装置の設置では多額の費用を必要とし、しかも完全な維持管理をしようとすれば相当の手間隙を要することになる上、爆音発生装置の場合にはその騒音公害の問題があって設置箇所が制限されてしまい、また、従前までの各種吊下げ具では、比較的安価な費用で済ますことはできるものの、野鳥に直ぐに慣れられてしまったり、効き目の少ない鳥もいる等して期待した程の効果が得られない等といった実情にある等して、これまでのところ必ずしも十分な予防ができないことから、使用者側において、これまでに提供されている手段を適宜組み合わせ、採用したり、器具、用具に頼る予防をあまり期待せず、極力見回りをする等して各人各様の鳥害防止対策をしているのが実情となっている。 【0005】このような状況の中、特に簡便な吊下げ式鳥害防止具についての実情を見てみると、例えば一つ目模様の吊下げ具にしろ、フェライトマグネット等の強磁性体を使った吊下げ具にしろ、本来は野鳥にとって不快なものであったとしても、同一箇所に安定した状態で吊り下げられたままとなってしまっていては、野鳥にとっても全く意外性がなくなって直ぐに慣れられてしまい、野鳥の警戒心を煽ることができなくなると共に、学習効果によって不快感を克服できてしてしまうようなことがあるのかして、比較的短期間の中に殆ど野鳥忌避効果が失われてしまっているのが現状である。 【0006】そのため、例えば磁性体を使った鳥害防止用具だけを取り上げてみても、単に吊下げ用とするだけではなく、実開平5−91370号公報に記載された考案「鳥害防止装置」のように、張設した磁性材料製のワイヤに適宜間隔置きに永久磁石を装着することにより、永久磁石の磁場の他に、永久磁石から磁化されたワイヤの磁場とによって変化のある磁場を創出するようにしたもの、あるいは「特開平7−143839号公報の「鳥害防止装置」発明のように、張設したワイヤに適宜間隔置きに永久磁石を装着し、周囲の光を検知して昼間だけ駆動源を作動してワイヤを振動させ、永久磁石周囲の磁場に変化が生じるようにしたもの、特開平8−163758号公報の「鳥害防止装置」発明のように、放射状配置で揺動自在とした複数本の細線材に磁石を取り付けたもの、特開平8−340620号「鳥害等の防止具」のように、固定側内輪に対し、磁石の反発力で回転自在となるクリアランスが確保されるようにして羽付き外輪を組み合わせ、微風によっても抵抗なく円滑に回転でき、羽の動きで野鳥に警戒心を起こさせるようにしたもの、あるいはまた特開平10−52210号公報に記載された「鳥害営巣防止具」発明に見られるように、磁性体を取り付けた支持棒を、台座にゴム管を介して取り付け、揺れ変動を生じさせるようにしたもの等々、様々に工夫の施された鳥害防止用具を見出だすことができる。 【0007】しかし、それら既に提案されているもの全てが、所謂永久磁石として知られる磁性体の磁場は、強弱の差はあってもそのまま利用するものであって、磁性体から発せられる磁力線の方向は、S極からN極に向かって放射線状に拡散し、向かったN極には放射線状に終結する磁場となっていて、各極に近接したところだけで磁力線が密集していて本来の磁力が得られるものの、そこから遠ざかるに従って放射状、即ち規則的且つ急激に磁力が弱まる極めて整然とした状態の磁場となってしまっており、この磁場の状態は、仮令揺動させたり振動させても変わることはなく、また回転させたとしても基本的な磁場の状態に変化を生じさせるものとはならないことから、野鳥にとって磁場の変化が学習し易いものになっていると予想され、既に実用に供されている各種タイプの磁性体を使った鳥害防止用具の多くについて、期待したほどの野鳥忌避効果が得られないとする使用者側からの失望の声も多く、また、前記した既に提案済みとなっているものについても、従前からの磁性体を普通の磁場状態のままに組み込んでいる限り、同様の結果に終わることを否定し得ない。 【0008】この発明は、上記のような状況に鑑み、特に簡便な構造で安価に提供できて多数個の使用に適しており、しかも、できるだけ長期間に渡る野鳥忌避効果の期待できる鳥害防止用具用の磁性体の実現化に強い関心を抱き、自らで改良、工夫を重ね、現場において長年に渡って試作、実験を続けてきたところ、遂にここに来て不思議な磁場形成が可能で、その磁場の影響でか、従前までの磁性体を普通の磁場状態のままで使用しているタイプの鳥害防止用具に比較し、遥かに秀れた野鳥忌避効果をもたらす鳥害防止用磁性体を完成することに成功すると共に、それを利用し、吊下げ式、即ち定置式ではありながら、突発的な変化も期待できて野鳥に警戒心を抱かせるに十分な構成も兼ね備えた、新規な構造の吊下げ式鳥避け具を完成したものであり、以下では、その構成を、具体的な幾つかの実施例と共に、詳細な説明を加えていくこととする。 【0009】 【発明の構成】この発明の鳥害防止用磁性体は、基本的に次のとおりの構成を要旨とするものである。即ち、2個のフェライトマグネット片を、その同極面同士が対峙状または当接状となる如く合体して合せ磁性体本体を形成し、該合せ磁性体本体の両外側面が、先に対峙状または当接状とした面の極とは逆の同極面同士となるようにし、合せ磁性体本体の外周近傍の磁場が、その外周縁から所定距離離反した位置において形成される磁力0値域を境に、その両側域における磁力を励起もしくは増幅傾向に形成されてなるようにした鳥害防止用磁性体である。 【0010】フェライトマグネット片は、公知の永久磁石で代表的な磁性体であり、磁性体を使った従前までの鳥害防止用具と同様に、磁力の強いものほど有効となるが、製品コスト上から1000ガウス以上、望ましくは1200〜1500ガウス程度のものを採用すれば、十分に野鳥忌避効果の期待できる鳥害防止用磁性体とすることができる。そして、その形状も円形、矩形等適宜輪郭で平板状のもの、あるいはリング状のもの等、製造可能な適宜形状のものとすることができる。 【0011】合せ磁性体本体は、同一形状の上記フェライトマグネット片2個によって実現されるものであり、それら2個のフェライトマグネット片を、同極の面同士、即ち一方をN極とすれば他方もN極とし、また一方をS極とすれば他方もS極となるように向かい合せ状とした上、互いに対峙状、即ち極近接させた状態とするか、当接状、即ち完全に密着させた状態で一体化して双方を合体状に一体化して形成されるものであり、接着剤によって一体化したり、接着した上、あるいは非接着のまま、プラスチックやアルミ剤等の非磁性体製筐体あるいは枠体内に収容、合体したものとする外、リングマグネット片2個を採用し、同様に同極の面同士を対峙状または当接状とした上、その中央の通孔を利用して座金付きボルト・ナットや挟着固定の可能な特製の固定具、その他後述する実施例に示すものを含む適宜固定具や連結用筐体等といった各種連結部材で合体するようにすることもできる。 【0012】なお、連結用部材を使って、その少なくとも上端縁側に吊下げ部、例えば小孔やリング等のように吊り糸その他の部材を使って吊り下げを可能とする構成、あるいはフックやクリップ、スナップ等といったそれ自体で吊り下げるべき箇所に取着可能とする構成を形成したものとし、この合せ磁性体本体からなる鳥害防止用磁性体を、関連する発明として次に示すような構成からなるものとせず、そのままの構成で鳥避け具として使用することも可能である。 【0013】 【関連する発明】この発明には、上記した構成を要旨とする鳥害防止用磁性体に関連し、その鳥害防止用磁性体を利用した以下のとおりの構成を要旨とする吊下げ式鳥避け具が包含されている。即ち、鏡面仕上げ板体中央部の表裏に、2個のフェライトマグネット片が、その同極面同士を対峙状または当接状とし、且つ対称配置となる如く配して一体化され、鏡面仕上げ板体の中央部に合せ磁性体本体の組み込まれたものとなし、該合せ磁性体本体の両外側面が、先に対峙状または当接状とした面の極とは逆の同極面同士となるようにすることにより、合せ磁性体本体の外周近傍の磁場が、その外周縁から所定距離離反した位置において形成される磁力0値域を境に、その両側域における磁力を励起もしくは増幅傾向に形成されてなる、上記した構成の鳥害防止用磁性体を利用した吊下げ式鳥避け具である。 【0014】この発明の吊下げ式鳥避け具は、さらに具体的には、コンパクトディスク等、中央に装着孔を有する鏡面仕上げ板体に、2個のフェライトマグネット片が、その同極面同士を対峙状または当接状とし、且つ対称配置となる如く配して一体化され、鏡面仕上げ板体の中央部に合せ磁性体本体の組み込まれたものとなし、該合せ磁性体本体の両外側面が、先に対峙状または当接状とした面の極とは逆の同極面同士となるようにすることにより、合せ磁性体本体の外周近傍の磁場が、その外周縁から所定距離離反した位置において形成される磁力0値域を境に、その両側域における磁力を励起もしくは増幅傾向に形成されてなる吊下げ式鳥避け具としてその構成の要旨を示すこともできる。 【0015】鏡面仕上げ板体は、合成樹脂や金属等といったできるだけ耐候性に秀れた素材からなる適宜形状の平薄板体あるいは湾曲薄板体を本体とし、その少なくとも何れか一方の面が公知の手段で鏡面に形成され、吊り下げられて揺れ動くことにより、その鏡面で反射された光りが周辺に不規則に放散されるようにしたものであり、鏡面は、可能な限り良好な反射光が得られるようにするのが望ましく、例えば本体素材が合成樹脂であれば、メッキ仕上げによる鏡面とするか、金属箔を積層一体化して鏡面とする等、適宜公知の手段で鏡面に形成し、また金属板によるものであれば、それ自体を研磨仕上げとした後、透明保護被膜層を設けてなるものとしたり、光沢の出難い、例えば真鍮板や銅板等によるものでは、メッキを施したり、鏡面形成用の金属箔を接着一体化する等とした手段によって形成したものとすればよい。 【0016】この発明の鏡面仕上げ板体は、それ用に特別に製造したものとする外、製造不良品、売残り品等となったコンパクトディスク(CD)を再利用するようにすれば、それ自体が元々極めて高度な技術で鏡面仕上げされたものであることから、仮令CDとしての機能を果たせなくても非常に良好な反射光が得られ、特に売残り品のように情報の記録済みとしたCDでは、光を受けて七色に反射するため、変化に富んだ反射光となって野鳥忌避効果に有利に作用しているのではないかと思わせる効果も確認済みとなっている程であり、また、比較的安価に入手できる上、何よりも資源の有効活用にも繋がることとなって、この発明の鏡面仕上げ板体として極めて有望である。なお、必要があれば、使用段階に至るまでに折角の鏡面に汚れや傷が付かないよう、その表面に、予め透明な仮着性表面保護薄膜層が添設されたものとなし、使用段階でそれを剥離、除去するようにしたものとする。 【0017】この鏡面仕上げ板体に対し、この発明の基本をなす鳥害防止用磁性体が適宜手段によって組み合わされなければならない。例えば、その表裏面各中央部に対象配置となるようにして接着、一体化したものとする外、CDのように中央に装着孔を有するものにあっては、例えば、後述の実施例に取り上げたもののように、その装着孔を利用して適宜連結部材を挿通して2個のフェライトマグネットを鏡面仕上げ板体の中央に配設、固定するようにしたものとすることもでき、特にリングマグネットをCDに組み合わせ、一体化する手段として有利である。 【0018】こうして形成される鳥避け具には、野鳥の飛来を予防したいと思う果樹の枝や田畑に張った支線、防風ネット等の農場各所、あるいはベランダ、軒下、鉄塔等といった各種建造物部分に対し、簡単に吊下げ式に取り付け可能とするようにした構成、例えば予め吊り紐やフック等取着手段を組み込んでなるものとするか、あるいは吊り紐等を取り付けるための通孔や切欠き部等を設けたものとしなければならず、それらには、その適所に、鏡面仕上げ板体の回転が円滑になるよう、撚り戻し金具を介した構造となるようにすれば極めて好都合のものとすることができる。以下、図面に示すこの発明を代表する鳥害防止用磁性体、およびそれを利用した吊下げ式鳥避け具を具体的に説明し、この発明が包含する構成が、さらに一層明確に把握できるようにする。 【0019】 【実施例1】図1の全体斜視図、および図2の同中央縦断面図には、この発明の最も基本を成す構造の鳥害防止用磁性体Mの実施例が示されており、円形のフェライトマグネット1,1を2個、図のとおり、互いにS極面とS極面とを対向状としたまま接着剤3を塗布し、反発し合う力に抗して強制的に当接状に合体、一体化し、形成された鳥害防止用磁性体Mの両外側面は、共にN極となるようにしたものである。 【0020】 【実施例2】図3の中央縦断面図に示す実施例は、リングマグネットの代表的な一体化構造によって形成した鳥害防止用磁性体Mであり、中央に剖り抜き孔21を有するフェライト系のリングマグネット2,2を、互いにS極面とS極面とを対向状となし、リベットのような連結部材4を刳り抜き孔21の一方の開口部から挿入し、反発力に抗して双方を当接状としたまま、他方の開口部から突出した連結部材4の頭を潰して合体させたものであり、前記実施例のように、接着剤3が固化するまで他の仮着部材で固定する必要がなく、瞬時に一体化が可能となる最も簡便な構成によるものの一つである。 【0021】 【実施例3】続く図4の中央縦断面図に示す実施例もリングマグネットを対象としたものの他の代表的な合体構造からなる鳥害防止用磁性体Mを取り上げたものであり、互いに1個図ずつのリングマグネット2を収容可能とする凹部を有すると共に、各凹部の中央には雌雄の噛合構造を実現可能とし、且つリングマグネット2の刳り抜き孔21に挿通可能とする突起部51,61が形成された連結部材6,5に対し、夫々の凹部にリングマグネット2が、図中表示を省略しているものの前記した各実施例と同様、何れも凹部底面側にN極面を望ませてS極面同士が凹部の表に出て互いに対向状となるように収容すると共に、各刳り抜き孔21,21に夫々の突起部51,61を挿入状とした上で、一方の突起部51に他方の突起部61を嵌合して噛合構造を実現し、両者を合体、一体化するようにしたものである。 【0022】この実施例の凹部を形成した連結部材5,6共に、2個のリングマグネットを合体させることによって形成される磁場の形成に支障を来すことのない素材、例えば合成樹脂の射出成形等によって形成するようにし、必要があれば接着剤3を併用した一体化をすることも勿論可能である。図中、52,54は、一方の連結部材5の上下端縁に設けた吊下げ用突片であり、吊り糸やフック、リング等を取り付けるための通孔53,55を有する構造に形成されている。この吊下げ用突片52,54は、場合によっては成形段階でフックやクリップ等、それ自体で適宜箇所への吊り下げを可能とする機能を有するものに一体形成することもできると共に、場合によって、下端縁側を省略したものとすることもできる。 【0023】 【実施例4】次に、図13の分解斜視図、および同中央縦断面図には、上記までの実施例で代表されるこの発明の鳥害防止用磁性体Mを利用した吊下げ式鳥避け具の中で最も望ましい構成からなるものの一つを示している。2個のリングマグネット2,2は、不良品となったCD7の中央装着孔71の表裏に対象配置で、互いにそのN極面同士が該CDを挟んで相対向状となるようにした上、装着孔71周りの破線表示部分内側の表裏に夫々接着剤を塗布し、反発力に抗して三者を合体させ、対峙状にしてから、弾性嵌合を可能とする連結部材4,4をリングマグネット2,2の各刑り抜き孔21,21からCD7の中央装着孔71に向けて差し込み、一方を他方に弾性嵌合して接着剤の固化までの剥離を補助すると共に、接着剤固化後においても接着剤の劣化による離反を防止するようにしたものである。 【0024】こうして中央部分に鳥害防止用磁性体Mが組み込まれてなるCDの、上端縁に形成された通孔72には、撚り戻し部F1付きの吊下げ環Fが予め取着、形成してあり、この実施例における鳥害防止用磁性体Mでは、両側がS極面となるようしたものとなる。なお、この実施例における連結部材4,4は、当然のことながら図示したものに限定されている訳ではなく、記述した各実施例に示したものやその他適宜連結手段の何れかに代替したものとすることが可能となることはいうまでもなく、製造し易さや耐久性その他の事情を勘案した最適な手段によるものとする。 【0025】 【実施例5】図5の分解斜視図に示した事例は、吊下げ構造に特徴を有するものの代表的な1実施例であり、前記実施例4と同様にして鳥害防止用磁性体Mの組み込まれたCD7を形成する一方、該CD7の一方の面側の周縁に嵌合状とするT字断面のリング状押え縁81と、CD7の他方の面側の周縁を嵌合状にすると共に、上下端部には吊下げ突片8c,8dが一体成形されてなるL字断面のリング状受け縁8とを別体のものとして用意し、リング状受け縁8に先ず鳥害防止用磁性体Mを嵌合してそのフランジ部8a上に載置状とした後、CD7周側面とリング状受け縁8のウエブ部との僅かな隙間に、T字断面のリング状押え縁81のウエブ部81aを挿入するようにして嵌合すると共に、該リング状押え縁81ウエブ部81aの先端面要所要所に予め形成してある連結突子81b,81b,……を、リング状受け縁8の、これまた予め形成してある連結小孔8b,8b,……に嵌合させ、リング状受け縁8とリング状押え縁81とでCD7を挟着状にして三者を一体するようにしたものである。 【0026】この実施例では、鳥害防止用磁性体Mの組み込まれたCD7に対し、吊り下げるための通孔72等を後加工することなく、そのまま鳥避け具に組み立て可能にする代表的な構成を示しており、その他、例えば洗濯バサミ状のクリップの挟着部側に、食い込み可能な鋭い牙部を形成し、該牙部を強制的にCD端縁両面に食い込ませるようにしたり、場合によっては、鳥害防止用磁性体Mの組み込まれたCD7全体を内包状とする吊下げ部付きの透明な外装袋内に封入してしまう等適宜手段に代替することも可能である。 【0027】 【実施例6】最後に示す実施例は、図16の中央縦断面図が示すとおり、不要となったCDを加熱変形させてお皿状に湾曲させたり、あるいは予め基材側を湾曲成形した上、その両面に金属光沢面加工を施す等して鏡面仕上げ湾曲板体9となし、その中央部分に嵌合、接着その他の適宜手段で鳥害防止用磁性体Mを組み込んで鳥避け具とすることにより、この発明固有の磁場形成による野鳥忌避効果に加え、鏡面仕上げ湾曲板体9の凹面側からは集光状の強烈な反射光が、また反対の凸面側からは拡散状で広範囲にわたる反射光が、鏡面仕上げ湾曲板体9の回転、揺動によって交互に惹起されるようにして野鳥の警戒心を煽る効果も併せて期待されるようにした代表的な例であり、その他、全体としては平板状の鏡面仕上げ板体9とするものの、両面に不規則な凹凸面や傾斜面を形成したものとすることによってミラーボール的な反射光が得られるようにする等して、反射光による威嚇効果がより増強できる適宜構成を付加したものとすることができる。 【0028】 【作 用】以上のとおりの構成からなるこの発明の鳥害防止用磁性体は、2個のフェライトマグネットを、同極面同士を強制的に対峙状または当接状に合体することによって合せ磁性体本体Mとしてなるものであり、その結果形成される磁場は、これまでに実用化もしくは提案済みとなっている鳥害防止用具に全く見ることのできない独特のものとなっており、その事実を裏付ける実験データを図8〜12のグラフに示してある。 【0029】これらのデータは、一方は、図6の中央断面図に示す、直径が36mm、厚さが6mmで、中央に18mmの刳り抜き孔21を穿設した全く同形状で、磁気の強さも同じ1200ガウス同士とした2個のリングマグネット2,2を、互いのS極面同士を接着剤によって接着、一体化することにより、当接状に合体してなる合せ磁性体本体Mであり、したがって、図中上下面が何れもN極面となっているものであり、他方が、個々のリングマグネット2,2の外形および磁気の強さ共、先のものと全く同一であって、相互の磁気同士の磁力で引き合う状態に合体しただけのものであり、先のものと違って、図中上面側がN極面、同下面側がS極面と極が異なる通常の状態(所謂、従前から採用されてきた組み合わせ、即ち1個の磁性体と基本的に同様)に合体してなる合せ磁性体本体mとし、両者を図5に示すとおりの配置と成し、夫々、2個のリングマグネット2,2の当接部分における接線の接点を0とするX,Y座標を想定した上、先ずY軸1mmの地点をX軸に平行に−50mmから+50mmまでの範囲で、その間の各点の磁気強さを計測し、グラフ化するようにしたもので、図8はその結果を示しており、図9は、Y軸15mmの地点による同様のデータをグラフ化したもの、図10がY軸20mm、図11がY軸30mm,図12がY軸50mmのそれをグラフ化したものである。なお、各グラフは、破線表示が前者、即ちこの発明の合せ磁性体本体Mによるデータ、実線表示が後者の組み合わせによる合せ磁性体本体mによるデータを表示している。 【0030】両者を比較していくと、Y軸1mmの地点のデータを示す図8では、ピークポイントがX軸0となる点で同様の単一山型グラフとなるデータを示すが、この発明による合せ磁性体本体Mは、X軸−10mmから+10mmまでの範囲で極端に大きな変動値で増減し、磁性体本体mとは最高5〜6倍もの差を生ずる。 【0031】それが、図9のY軸15mmの地点のデータとなると、合せ磁性体本体mの方は、離れた分だけ全体に磁気強さの値は小さくなるものの、X軸方向の移動によって得られるデータは、先のY軸1mmの地点のデータ同様に単一山型グラフとなるデータを示す。これに対して、この発明の合せ磁性体本体Mでは、ピークポイントがX軸0となる点では合せ磁性体本体mと同様となるものの、決定的な違いとして、該ピークポイントの両側、X軸−20mmと+20mmの地点で磁気強さ0値を示した後、さらに両側にずれていくに従って再び第二ピークポイントを形成する極めて激しい変化が得られ、しかも、各ピークポイントは、同地点の合せ磁性体本体m磁気強さよりもかなり大きな値を示す。この結果は、図10のY軸20mmの場合も略同様で、第二ピークポイントの地点だけが、X軸−20mmと+20mmの地点よりもさらに離れ、−50mmあるいは+50mm以上離れた三山型グラフとなる。その間、合せ磁性体本体mの値は、基本的にX軸0を一応ピークポイントとした一山型グラフで、その山型がより偏平化した、即ち余り変化のない磁気強さを示しただけのものとなる。 【0032】そして、さらにY軸30mmの図11が示すグラフでは、それまでX軸上に二つあった磁気強さ0値を示す位置が、X軸0点1箇所に集結し、その両側X軸−50mm辺りと+50mm辺りの地点をピークポイントとする二山型グラフとなり、他方、合せ磁性体本体mの値は、さらに磁気強さの変化が見られない殆ど横一直線状に近い一山型グラフとなる。その後、Y軸50mmの図12では、測定される磁気強さが双方ともかなり微弱になり、X軸方向の変化でもさして変化のない値を示すが、それでもこの発明の合せ磁性体本体Mでは、図11の二山型傾向を残した変動値を示している。 【0033】これらの実験結果から、この発明の合せ磁性体本体Mでは、その周り、即ち合せ磁性体本体Mの周囲水平方向に約15〜30mm前後離れた辺りの円形範囲部分で一旦磁気強さが0値となる箇所を示した後、さらに水平方向外周に急激に磁気強さを増していく磁場形成がなされているものと予想され、したがって、合せ磁性体本体Mを有するこの発明の鳥害防止用磁性体は、当然ながら合せ磁性体本体M直近で得られる最高値部分とその外側に掛けて磁気強さを最低0値にまで達しさせてしまう程の大きな変動をなし、さらにその外側で再び磁気強さを、最高値にまでは及ばないものの、かなりそれに近い値にまで急激に上昇、変化させる固有の磁場を形成し、従前からの磁性体のそれとは全く異なるものとなる。 【0034】また、このように特異な磁場形成のなされる合せ磁性体本体Mを、不用品となったCDの中央部に組み込んで吊下げ式鳥避け具となしたものでは、上記した固有の磁場が野鳥忌避効果に有利に作用していることに加え、CD固有の秀れた鏡面効果が発揮されているものと予想され、個人的な試験では従前からのものとの比較でかなり良好な結果を確認することができた。 【0035】 【効 果】以上、詳細に説明してきたとおり、この発明の鳥害防止用磁性体、およびそれを利用した吊下げ式鳥避け具は、これまでに採用されたことのない新規な組み合わせで2個のフェライトマグネットを合体させた合せ磁性体本体を使用するものであり、その結果実現される特異な磁場形成で周辺に複雑な磁気を発散することとなり、野鳥の飛行に重大な影響があるとされている地磁気に乱れを生じさせる効果が得られるものと予想されることから、それら影響のある環境を野鳥が本能的に嫌って飛来が予防されるという大きな特徴を有するものとなっている。 【0036】また、不用となったCDを鏡面仕上げ板体とした吊下げ式鳥避け具としたものでは、合せ磁性体本体の有効な磁場効果に荷担して、CDの秀れた鏡面効果で強烈な反射光効果が発揮され、野鳥の警戒心を大いに煽ってより一層野鳥を近付け難くするという利点も得ることができるものとなることから、従前までのこの種用具に比較し、遥かに高い野鳥忌避効果を実現可能にし、しかも、不用品として大量に廃棄されるCDは、精巧な鏡面を有していて鏡面仕上げ板体として好適なものとなる上、様々な分野で論議を呼んでいる資源の有効活用にも繋がることになるという秀れた特徴を発揮するものとなる。 【0037】特に、各実施例に示したこの発明を代表する構成からなるものでは、夫々構成も簡潔なものとなっていて製造も容易であり、大量に使用することが必要な農業用あるい鉄塔用等の鳥避け具としてかなり安価なものとしての提供を可能とする上、その取り扱い上の点においても簡便なものとなっており、それらの分野における野鳥の被害を大幅に減少できる秀れた鳥避け具として直ぐにも実用化が可能になって大いにその威力を発揮することになるという実用的な効果を奏することができる。 【0038】叙述の如く、この発明の鳥害防止用磁性体、およびそれを利用した吊下げ式鳥避け具は、その特徴ある構成によってり、従前からのものには期待できなかった秀れた野鳥忌避効果あるいは野鳥威嚇効果が長期に渡って得られるものとなる上、製造も容易で安価に提供可能にすると共に、取り扱い、管理性の面でも極めて容易なものとすることができることから、害鳥との知恵比べのような実情となっている果樹等の栽培農家を始めとする各分野で野鳥の害に腐心している人々から高く評価され、広く採用、普及するものになると予想される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】598089889 【氏名又は名称】高橋 則生
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)6月1日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】佐々木 實
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| 【公開番号】 |
特開平11−341942 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)12月14日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−190940 |
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