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【発明の名称】 食害計測端末装置
【発明者】 【氏名】南出 外史

【要約】 【課題】なるべく早期のうちに白アリ食害の兆候を発見することができ、しかも専門家がいちいち現場に赴く必要をなくして、食害の状況を自動的に計測し、かつ遠隔的に監視できる非常に便利な白アリ食害計測端末装置を提供する。

【解決手段】CPU21は周期的にインターフェイス50のスイッチングトランジスタQ1をONにして白アリ食害センサー200の抵抗値をA/D変換器51によりA/D変換したAD値データを読み込み、計測時刻データとともに履歴データとしてRAM23にストアする。定期送信時刻がくると、CPU21はオフフック制御回路32、ダイヤル送信部33、モデム34、接続切換回路35を制御して履歴データをID番号データとともに公衆電話回線網14を介して白アリ食害管理センター16のホストコンピュータ17に送信する。ホストコンピュータ17では白アリ食害の兆候を診断する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 食害状況に応じて変化する電気量のAD値を周期的に計測する手段と、計測したAD値データを計測時刻データとともに履歴データとしてストアする手段と、履歴データを定期的に通信回線を介して食害管理センターのホストコンピュータに送信する手段とを備えていることを特徴とする食害計測端末装置。
【請求項2】 請求項1に記載の食害計測端末装置であって、AD値の変化率を算出する手段と、変化率または変化率差分を所定のしきい値と比較して超過するときには計測周期を早める手段とを備えていることを特徴とする食害計測端末装置。
【請求項3】 請求項2に記載の食害計測端末装置であって、請求項2のしきい値を第1のしきい値と読み替え、第1のしきい値よりも大きい第2のしきい値に対して変化率または変化率差分が超過しているときには即時に履歴データをホストコンピュータに送信する手段を備えていることを特徴とする食害計測端末装置。
【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の食害計測端末装置であって、食害が進みやすい季節・時期には計測周期を短く、食害が進みにくい季節・時期には計測周期を長く設定する手段を備えていることを特徴とする食害計測端末装置。
【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の食害計測端末装置であって、食害状況に応じて電気量が変化するセンサー手段までの配線の断線検査回路を備えていることを特徴とする食害計測端末装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通信回線を介して食害管理センターと接続されることにより、白アリ等による食害状況を遠隔監視するのに適した食害計測端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】白アリによる木造住宅や木造建造物などの食害監視対象の食害の診断については、白アリの専門家がユーザー宅に赴き、床下に入って目視検査するのが一般的である。白アリの活動音を捕捉する方法もある。また、空洞音検査で食害状況を類推する方法もある。特公平4−21449号公報に記載の白アリ検出方法は、白アリが食することを好む木材製の検査片を木造住宅等の周辺の土中に埋設しておき、定期的にサービスマンが検査片に食害痕が生じていないかどうかを目視検査するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】いずれにしても従来方式では、検査員が現地に赴いて検査しなければならないため、人件費が非常に高くつくとともに、多大な労力と時間とをかけざるを得ないものとなっていた。もし、検査員がなかなか来ない場合には、食害が相当に進行しているといった事態も発生しかねない。また、検査には専門知識と専門技術とを必要とし、人材の確保がむずかしいという問題もある。
【0004】本発明はこのような事情に鑑みて創案されたものであって、なるべく早期のうちに食害の兆候を発見することができ、しかも専門家がいちいち現場に赴く必要をなくして、食害の状況を自動的に計測し、かつ遠隔的に監視できる実用上非常に便利な食害計測端末装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明にかかわる請求項1の食害計測端末装置は、例えば白アリによる食害の状況に応じて変化する抵抗値等の電気量をA/D変換したAD値を周期的に計測する手段と、計測したAD値データを計測時刻データとともに履歴データとしてストアする手段と、履歴データを定期的に公衆電話回線網などの通信回線を介して食害管理センターのホストコンピュータに送信する手段とを備えている。食害状況を電気的すなわち自動的に捕捉するから、専門家による経験や勘に頼る必要がなく、きわめて容易に食害状況を把握することができる。
【0006】そして、周期的に計測した食害進行にかかわるAD値データとその計測時刻データとの組み合わせからなる履歴データを蓄積し、定期的に通信回線を介して食害管理センターのホストコンピュータに送信し、ホストコンピュータを用いて食害の発生の兆候や食害の進行状況を診断するので、早期のうちに食害の兆候を発見することができる。また、遠隔監視であるから検査員を現地に派遣する必要がなく、人件費と時間と労力を軽減する。ホストコンピュータ側では多数の食害監視対象を一括管理でき、きわめて効率と精度の高い食害診断が行える。食害監視対象のユーザーにとってはイニシャルコストは高くかかるが、ランニングコストが安くてすみ、しかも食害の早期発見により駆除費用および修繕費用を大幅に軽減もしくは無料化することができる。
【0007】本発明にかかわる請求項2の食害計測端末装置は、上記請求項1において、AD値の変化率を算出する手段と、変化率または変化率差分を所定のしきい値と比較して超過するときには計測周期を早める手段とを備えている。食害の兆候がでてきたときには、計測頻度を多くすることにより、ホストコンピュータにおいて食害の進行程度をより正確に把握することができ、きめ細かな用心深い対策を早めに講じることができる。
【0008】本発明にかかわる請求項3の食害計測端末装置は、上記請求項2において、請求項2のしきい値を第1のしきい値と読み替え、第1のしきい値よりも大きい第2のしきい値に対して変化率または変化率差分が超過しているときには即時に履歴データをホストコンピュータに送信する手段を備えている。食害の進行程度が大きくなっている場合であり、さっそくに駆除を実施することにより、食害が急激に広がってしまうことを未然に防止する。
【0009】本発明にかかわる請求項4の食害計測端末装置は、上記請求項1から請求項3までのいずれかにおいて、食害が進みやすい季節・時期には計測周期を短く、食害が進みにくい季節・時期には計測停止を含めて計測周期を長く設定する手段を備えている。電気的に計測しているので計測時には当然に電力を消費するが、計測周期を常に一定にするのではなく、食害が進みにくい季節・時期は計測周期を長くして計測頻度を少なくするので、電力消費を抑えることができ、電源として電池を用いるものでは電池寿命を長くすることができる。
【0010】本発明にかかわる請求項5の食害計測端末装置は、上記請求項1から請求項4までのいずれかにおいて、食害状況に応じて電気量が変化するセンサー手段までの配線の断線検査回路を備えている。AD値が異常になったとき、センサー手段の完全食害によるものか配線の断線によるものかの区別がつく。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかわる白アリ食害計測端末装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】〔実施の形態1〕図1は白アリの食害の遠隔監視システムの概略構成を示すブロック図である。木造住宅や神社・寺院等の木造建築などの白アリ食害監視対象11において、白アリ食害計測端末装置100を設置してあるとともに、この白アリ食害計測端末装置100に白アリ食害センサー200を電気的に接続してある。12は電話機である。白アリ食害計測端末装置100は電話回線13を介して公衆電話回線網14に接続されている。この公衆電話回線網14には電信電話局の電話交換機も含まれている。管理会社15に設置された白アリ食害管理センター16においては、ホストコンピュータ17のモデム18が電話回線19を介して公衆電話回線網14に接続されている。
【0013】白アリ食害計測端末装置100は、周期的に白アリ食害センサー200による計測値を収集して履歴データを蓄積するとともに、その蓄積した履歴データを定期的または不定期的に公衆電話回線網14を介して白アリ食害管理センター16に送信するものである。
【0014】白アリ食害管理センター16は、複数の白アリ食害監視対象11と契約しており、各白アリ食害計測端末装置100から送信されてくる履歴データに基づいて各白アリ食害監視対象11における白アリ食害の発生の兆候の診断や白アリ食害の進行状況を遠隔監視するものである。
【0015】図2は実施の形態1にかかわる白アリ食害計測端末装置100の電気的構成を示すブロック図である。白アリ食害計測端末装置100は、主制御装置20、NCU(ネットワーク・コントロール・ユニット)30、その他の要素から構成されている。主制御装置20は、白アリ食害計測端末装置100の全体の制御を司るCPU(中央演算処理装置)21と、その制御のためのプログラムを格納しているROM(リードオンリーメモリ)22と、制御を補助するとともにデータを格納するRAM(ランダムアクセスメモリ)23とを備えている。NCU30は、ノーリンギング動作する受信部31と、オフフック制御回路32と、ダイヤル送信部33と、モデム34と、接続切換回路35とを備えている。
【0016】そして、電話回線13に接続される入出力端子(モジュラープラグ)41に対しては、上記のNCU30における受信部31と接続切換回路35の各一端が接続されている。受信部31の他端はCPU21に接続されている。オフフック制御回路32、ダイヤル送信部33およびモデム34の各一端はCPU21に接続され、各他端は接続切換回路35に接続されている。接続切換回路35に入出力端子(モジュラージャック)42が接続され、この入出力端子42に一般の電話機12が接続されるようになっている。つまり、白アリ食害計測端末装置100を設置する前には電話回線13の電話コンセントに直接に電話機12を接続していたのを、切り離してつなぎ替えるのである。
【0017】主制御装置20のCPU21はインターフェイス50および入力端子43に接続され、この入力端子43に白アリ食害センサー200を接続するようになっている。このインターフェイス50はA/D変換器を内蔵している。詳しくは図3で説明する。インターフェイス50に内蔵のA/D変換器の精度(分解能)をチェックするための基準抵抗器52が切換回路53を介してインターフェイス50のA/D変換器に接続されている。詳しくは図3で説明する。
【0018】切換回路53の制御端子はCPU21に接続されている。CPU21に接続されたインターフェイス54は入力端子44に接続され、この入力端子44に送信スイッチ61が接続されている。CPU21に接続されたインターフェイス55は入力端子45に接続され、この入力端子45に設定器62が接続されるようになっている。設定器62は白アリ食害計測端末装置100の設置工事時にのみ接続する。71は白アリ食害計測端末装置100の各部に電源を供給する電源電池であり、例えばリチウム電池が用いられる。
【0019】図3はインターフェイス50と基準抵抗器52と切換回路53の具体的な回路構成を示す回路図である。インターフェイス50は、CPU21の出力ポート21aと電源電池71による直流電源Vccとの間で直列に接続された抵抗r1および抵抗r2と、エミッタが直流電源Vccに接続され、ベースが両抵抗r1,r2の接続点に接続されたPNP型のスイッチングトランジスタQ1と、スイッチングトランジスタQ1のコレクタに接続された抵抗r3と、A/D変換器51とから構成されている。
【0020】切換回路53は切換スイッチ53aで構成されており、そのコモン端子がコレクタ抵抗r3の一端に接続され、ノーマリクローズ端子Ncが入力端子43を介して白アリ食害センサー200(抵抗r4)の一端に接続されている。白アリ食害センサー200(抵抗r4)の他端はアース端子43aに接続されている。切換スイッチ53aのノーマリオープン端子Noは基準抵抗器52(抵抗r5)の一端に接続され、基準抵抗器52(r5)の他端は接地されている。切換スイッチ53aはCPU21の出力ポート21bから出力される制御信号S1 によって切り換えられるようになっている。切換スイッチ53aのコモン端子とコレクタ抵抗r3との接続点はA/D変換器51の入力端子に接続され、A/D変換器51の出力端子はCPU21の入力ポート21cに接続されている。
【0021】図4は白アリ食害センサー200の具体的構造を示す断面図である。白アリが食べることを好む種類の木材片81の中心部をくり抜いており、その内部にカーボンを混合した導電性の素材をしみ込ませた木綿糸82をコイル状にして配置してある。木綿糸82にしみ込ませた導電性の素材は木材片81にもしみ込んでおり、木綿糸82と木材片81とが抵抗を構成している。円錐台状の板金製のカバー83の天板の下面に木材片81を接着している。カバー83の天板の上面に合成樹脂製のケース本体84を載置固定してある。
【0022】木綿糸82の両端に接続された2つのリード線85(図では両者が重なっている)が、カバー83の天板およびケース本体84の底板を貫通してケース本体84内に導かれている。ケース本体84の周壁部を内外に貫通する2つの電極端子86(図では2つが重なっている)に各リード線85が接続されている。ケース本体84は合成樹脂製の蓋体87で水密的に被覆されており、雨水の浸入と白アリの侵入を防止している。カバー83の円錐状の側面には周方向で適当間隔をあけて白アリが内部に入るようにするためのスリット83aが複数個形成されている。木材片81およびカバー83の底部を土中に埋めておく。88は土表面である。
【0023】白アリは暗くて湿気の高い場所を好む。カバー83の内側は土中からの湿気が充満し、また暗くなっている。さらに白アリが好む木材片81が存在している。すなわち、白アリを内部へと誘い込むのである。白アリがスリット83aから内部に入り、木材片81を食うと木綿糸82も食われる。これにより、導電性素材の量が減り抵抗値が増加する。
【0024】白アリ食害センサー200の木材片81や木綿糸82が食われることは白アリ食害監視対象11である木造住宅や木造建築が食害されていることを直接的には意味しないが、その兆候を示すものであり、あるいはすでに実際に食害が発生しているかもしれない。白アリ食害センサー200の抵抗値を計測し、その変化を白アリ食害管理センター16において監視することにより、白アリによる食害の兆候を発見するのである。そこで、この際においては、白アリ食害センサー200の抵抗値の増加あるいは増加の変化率がある程度以上になることをもって「食害」が発生しているものとみなすこととする。白アリ食害センサー200においては、白アリによる食害が始まると急速に抵抗値が大きくなり、ついには断線するにいたる性格をもっている。
【0025】白アリ食害計測端末装置100および白アリ食害センサー200の設置が完了すると、工事作業者は入力端子45に設定器62を接続し、現在の日時の設定、当該白アリ食害計測端末装置100のID番号(識別番号)の設定、白アリ食害管理センター16の電話番号(発呼先電話番号)の設定、計測開始時刻の設定、計測周期の設定、白アリ食害管理センター16に対する定期送信時刻の設定等を行う。これらのデータはCPU21が取り込み、RAM23にストアする。各設定が終了すると、設定器62を取り外す。なお、これらの設定を白アリ食害管理センター16のホストコンピュータ17から公衆電話回線網14を介して行うことも可能である。以上の設定の結果、RAM23には図5に示すような管理テーブル23aが形成される。
【0026】白アリ食害センサー200の抵抗値は、次のようにして計測される。まず、平常時には、切換スイッチ53aはノーマリクローズ端子Nc側に接続されているが、CPU21はその出力ポート21aからインターフェイス50へ“H”レベルを出力しているため、PNP型のスイッチングトランジスタQ1はOFFとなっている。計測時刻になると、CPU21は出力ポート21aを“L”レベルにするとともに入力ポート21cからのデータ入力を行う。
【0027】そして、出力ポート21aが“L”レベルに切り換えられるとスイッチングトランジスタQ1がONとなり、直流電源VccからスイッチングトランジスタQ1→コレクタ抵抗r3→切換スイッチ53a→白アリ食害センサー200(抵抗r4)→グランドGNDの経路で電流が流れ、コレクタ抵抗r3とセンサー抵抗r4との接続点に分圧電圧が発生する。分圧比は、r4/(r3+r4)となり、これをA/D変換器51によりA/D変換したAD値は、【0028】
【数1】

【0029】となる。VceはスイッチングトランジスタQ1のコレクタ・エミッタ間電圧である。このAD値のデータがCPU21からRAM23に送られ、計測時刻のデータとともに履歴データとして蓄積される。
【0030】なお、Vceは0に近いので、(Vcc−Vce)/Vcc≒1である。したがって、具体的数値を代入して考えるときには、AD値を近似的に、【0031】
【数2】

【0032】として計算すると分かりやすくなる。A/D変換器51が8ビットの場合、その分解能は256である。例えば、r3=1000Ω、r4=100Ωとすると、(数2)によると、【0033】
【数3】

【0034】となる。白アリ食害が発生し、白アリ食害センサー200(抵抗r4)の抵抗値が増加して、例えば、r4=150Ωになったとすると、【0035】
【数4】

【0036】となる。すなわち、抵抗値の増加に伴ってAD値も増加する。抵抗値が1.5倍に増えたのに対して、AD値は1.435倍に増えており、ほぼ比例関係になっている。この比例関係を保つためには、コレクタ抵抗r3の抵抗値を充分に大きくとればよい。AD値は前記の分圧比r4/(r3+r4)に対応したものであるが、コレクタ抵抗r3の値を充分に大きくとることで、AD値を白アリ食害センサー200(抵抗r4)の抵抗値に実質的に対応したものとできる。
【0037】白アリ食害センサー200は量産する場合に製造上、抵抗値にかなりのバラツキが発生することが考えられる。また、食害の発生しない場合でも、環境条件の変動(例えば梅雨場と冬場とでは湿度が大きく異なるし、夏場と冬場では温度が大きく異なり、抵抗値も差をもつ)や混合するカーボンの比率等により、ある程度の経時的変化が考えられる。そこで、白アリ食害計測端末装置100および白アリ食害センサー200の設置時において、工事作業者は送信スイッチ61を押すのである。このときの動作を図6のフローチャートに基づいて説明する。
【0038】送信スイッチ61が押されると主制御装置20のCPU21に割り込みがかかる。CPU21は割り込みがかかると、ステップS1において出力ポート21bから制御信号S1 を出力して切換スイッチ53aをノーマリオープン端子No側に切り換え接続し、コレクタ抵抗r3に基準抵抗器52(r5)を直列に接続した状態とする。ステップS2において出力ポート21aを“L”レベルに反転することによりスイッチングトランジスタQ1をONにする。ステップS3において入力ポート21cよりA/D変換器51からの基準抵抗器52(r5)についてのAD値データを読み込み、ステップS4において計測時刻データとともにAD値データをRAM23にストアする。
【0039】ステップS5において制御信号S1 を反転して切換スイッチ53aをノーマリクローズ端子Nc側に切り換え接続し、コレクタ抵抗r3に白アリ食害センサー200(抵抗r4)を直列に接続した状態へ戻す。ステップS6において入力ポート21cよりA/D変換器51からの白アリ食害センサー200(抵抗r4)についてのAD値データを読み込み、ステップS7において計測時刻データとともにAD値データをRAM23にストアする。
【0040】ステップS8において出力ポート21aを“H”レベルに戻してスイッチングトランジスタQ1をOFFにし、ステップS9においてRAM23からステップS4,S7でストアした基準抵抗器52(r5)と白アリ食害センサー200(抵抗r4)の計測時刻データとAD値データおよび当該の白アリ食害計測端末装置100のID番号データを読み出して公衆電話回線網14を介して白アリ食害管理センター16のホストコンピュータ17に送信する。送信するときには発呼先電話番号も読み出す。ステップS10において割り込み時の元のステップにリターンする。この白アリ食害計測端末装置100からホストコンピュータ17へのデータ送信の具体的な動作については後述する図8のフローチャートを参照されたい。
【0041】ホストコンピュータ17は受信したデータを格納する。すなわち、設置時の基準抵抗器52(r5)と白アリ食害センサー200(抵抗r4)のAD値データを初期値データとして計測時刻データ・ID番号データとともに格納し、あとで白アリ食害判定の際に、基準抵抗値r5に対するセンサー抵抗値r4の比を勘案して白アリ食害センサー200のバラツキを吸収する。つまり、基準抵抗値r5に基づいて補正を行う。
【0042】次に、白アリ食害計測端末装置100の動作を図7のフローチャートに基づいて説明する。CPU21はステップS11において割り込みの許可を行い、ステップS12において計測時刻になったかどうかを判断する。この判断は、前回の計測時刻から管理テーブル23aに記憶している周期(3日=72時間)が経過したかどうかで行う。計測時刻になっていないと判断したときはステップS16に進む。ステップS16では定期送信時刻になったかどうかを判断するが、複数回の計測が行われたあとで定期送信時刻になるので、ステップS16の判断は否定的となり、ステップS12に戻る。
【0043】ステップS12の判断において計測時刻になったときはステップS13に進み、CPU21はスイッチングトランジスタQ1をONにし、白アリ食害センサー200(抵抗r4)に電流を流す。ステップS14においてA/D変換器51からのセンサー抵抗r4についてのAD値データを読み込み、ステップS15において計測時刻データとともにAD値データをRAM23にストアし、履歴データとする。そして、ステップS16に進んで定期送信時刻になったかどうかを判断する。定期送信時刻になるまでは、ステップS12〜S16のサイクルを周期的に繰り返す。これにより、72時間ごとにAD値データがそれぞれの計測時刻データとともにストアされ、履歴データが蓄積されていく。
【0044】図9はRAM23における履歴データテーブル23bの様子を示す。計測時刻データとAD値データとが対応して記憶されている。日時の経過とともにやがてステップS16の判断が肯定的となる。すなわち、定期送信時刻に達する。定期送信時刻に達したかどうかの判断は、ROM22にプログラムされているカレンダー機能とCPU21に内蔵のタイマー機能とによって現在時刻が管理テーブル23aに定めた定期送信の日時と一致するに至ったかどうかで行う。判断の結果、定期送信時刻に達したときにはステップS17に進んでRAM23にストアしている履歴データおよびID番号データをモデム34から公衆電話回線網14を介して管理会社15の白アリ食害管理センター16のホストコンピュータ17に送信する。ステップS18において履歴データの送信が終了したと判断したときはステップS19に進んでRAM23から履歴データをクリアし、再びステップS12に戻って計測時刻になるのを待つ。
【0045】ステップS17の履歴データの送信の詳しいサブルーチンのフローチャートを図8に示す。ステップS17aにおいてCPU21は接続切換回路35を制御して電話機12を電話回線13から切り離し、ステップS17bにおいて白アリ食害計測端末装置100を電話回線13に接続し、ステップS17cにおいてオフフック制御回路32を制御してオフフックを行って公衆電話回線網14の電話交換機に対する発呼信号を送信し、ステップS17dにおいて電話交換機からのダイヤルトーン信号を受信部31が受信するの待ってステップS17eに進み、管理テーブル23aから白アリ食害管理センター16の電話番号である発呼電話番号データを読み出し、ステップS17fにおいてダイヤル送信部33を制御して発呼電話番号でダイヤルする。
【0046】そして、ステップS17gにおいて呼び出し検出を待ってステップS17hに進み、管理テーブル23aより当該白アリ食害計測端末装置100のID番号データを読み出し、ステップS17iにおいて履歴データテーブル23bより計測時刻データとAD値データの組み合わせからなる履歴データを読み出し、ステップS17jにおいて読み出したID番号データおよび履歴データをモデム34より公衆電話回線網14を介して白アリ食害管理センター16のホストコンピュータ17に送信する。ステップS17kにおいて送信完了を待ってステップS17mに進み、オフフック制御回路32を制御してオンフックを行い、ステップS17nにおいて接続切換回路35を制御して白アリ食害計測端末装置100を電話回線13より切り離し、ステップS17oにおいて電話機12を電話回線13に接続する。
【0047】白アリ食害管理センター16におけるホストコンピュータ17は受信したID番号データと履歴データを外部記録装置にデータベース化して格納する。そして、履歴データに対して所要の演算を行って、白アリ食害の発生状況を判断する。このとき、あらかじめ受信して格納してあった基準抵抗値r5に対するセンサー抵抗値r4の比に基づいて履歴データの補正を行う。食害発生がなかったときはユーザー宅にその旨を葉書等で通知する。食害発生を診断するに至ったときはパソコンモニターに警報を表示するようにする。そして、ID番号のユーザー宅に白アリ食害の発生を知らせるとともに、駆除会社に連絡をとり、白アリ食害発生の初期の段階から必要な対策を講じる。
【0048】以上のように、電気的に白アリ食害の状況を恒常的に計測するから、従来の場合のように目視して観察する必要がない。特に、白アリ食害計測端末装置100と白アリ食害管理センター16とを公衆電話回線網14を介して接続し、白アリ食害センサー200の抵抗値を計測した履歴データを白アリ食害管理センター16のホストコンピュータ17に送信することで、白アリ食害管理センター16においてユーザー宅の白アリ食害の状況を遠隔的に監視しているので、専門家がいちいち現場に行く労力を削減することができ、効率の良い監視が行える。さらに多数のユーザー宅についての白アリ食害監視を白アリ食害管理センター16で一括管理することができる。
【0049】白アリ食害はいつ発生するか分からない。白アリ食害センサー200の抵抗値は食害がなくても経年変化を生じる。また、季節によっても変化する。抵抗値は温度や湿度に影響されやすいからである。そこで、ユーザー宅の住人に定期的に送信スイッチ61を押してもらう。これにより、補正のために必要な基準抵抗値r5に対するセンサー抵抗値r4の比のデータを白アリ食害管理センター16のホストコンピュータ17側において常に更新しておく。
【0050】〔実施の形態2〕図10は白アリ食害センサー200(抵抗r4)の抵抗値の時間的変化を示すグラフである。点線は食害が発生していない場合の変化であり、実線は食害が発生した場合の変化である。計測時刻t1 での抵抗値はいずれの場合もr4=R1、計測時刻t2 での抵抗値はいずれの場合もR2 、計測時刻t3 での抵抗値は食害未発生の場合でR3 、食害発生の場合でR3′、計測時刻t4 での抵抗値は食害未発生の場合でR4 、食害発生の場合でR4′とする。
【0051】計測時間帯T1 における抵抗値の変化率α1 は、【0052】
【数5】

【0053】である。計測時間帯T2 における食害未発生の場合の抵抗値の変化率α2 は、【0054】
【数6】

【0055】であり、計測時間帯T2 における食害発生の場合の抵抗値の変化率α2′は、【0056】
【数7】

【0057】である。また、計測時間帯T3 における食害未発生の場合の抵抗値の変化率α3は、【0058】
【数8】

【0059】であり、計測時間帯T3 における食害発生の場合の抵抗値の変化率α3′は、【0060】
【数9】

【0061】である。上記では抵抗値で説明しているが、抵抗値は計測されるAD値と対応しており、AD値での計算も実質的に同一である。
【0062】食害が発生していないときの抵抗値(AD値)の変化率α1 とα2 とα3 とは互いにほぼ一定であり、その値も小さい。食害が発生したときの変化率α2 ′はα1 よりも大きくなっている。食害がさらに進行したときの変化率α3′はα2′よりもさらに大きくなっている。
【0063】白アリ食害の兆候があると判断されるときには、より正確な計測が必要となるはずである。すなわち、白アリ食害の進行程度をより精密に監視する必要がでてくる。実施の形態2にかかわる白アリ食害計測端末装置100はこれに対処するものであり、AD値の変化率が所定のしきい値Th1 を超えて増加したときは、計測周期を早めるように構成する。
【0064】まず、あらかじめ、白アリ食害管理センター16のホストコンピュータ17から公衆電話回線網14を介して白アリ食害計測端末装置100に対して、標準周期N0 のデータと早めるときの計測周期N1 のデータとしきい値Th1 のデータとを送信し、RAM23の管理テーブル23aに設定しておく。なお、ID番号データ、発呼電話番号データ、計測開始時刻のデータ、定期送信時刻のデータも併せて送信により設定してもよい。
【0065】そして、ホストコンピュータ17からのノーリンギングでの着信信号を受信部31で受信すると、CPU21は割り込み処理によって接続切換回路35を制御して電話機12を電話回線13から切り離し、白アリ食害計測端末装置100を電話回線13に接続し、オフフック制御回路32を制御してオフフックを行い、モデム34を介して受信した標準周期N0 と早める周期N1 としきい値Th1 のデータその他のデータを取り込み、RAM23の管理テーブル23aに図11のように取り込んだデータをストアする。受信の完了によりオフフック制御回路32を制御してオンフックを行った後、接続切換回路35を制御して白アリ食害計測端末装置100を電話回線13より切り離したうえ、電話機12を電話回線13に接続する。
【0066】実施の形態2の白アリ食害計測端末装置100の動作を図12のフローチャートに基づいて説明する。CPU21はステップS21において割り込みの許可を行い、ステップS22において計測周期の変数Nとして管理テーブル23aから標準周期N0 (3日=72時間)を読み出してセットし、ステップS23において計測時刻になったかどうかを判断する。この判断は、前回の計測時刻から変数Nにセットしている標準周期N0 が経過したかどうかで行う。計測時刻になっていないと判断したときはステップS31に進むが、計測時刻になったときはステップS24に進み、CPU21はスイッチングトランジスタQ1をONにし、白アリ食害センサー200(抵抗r4)に電流を流す。ステップS25においてA/D変換器51からのセンサー抵抗r4についてのAD値データを読み込み、ステップS26において計測時刻データとともにAD値データをRAM23にストアし、履歴データとする。
【0067】そして、ステップS27において計測周期の変数NがN1 にセットされているかどうかを判断し、セットされていないときすなわち変数NがN0 のままのときはステップS28に進んでAD値の変化率αを算出し、ステップS29において変化率αがしきい値Th1 より大きくなったかどうかを判断する。変化率αがしきい値Th1 以下であるときはステップS31に進むが、しきい値Th1 を超えたときにはステップS30に進んで計測周期の変数Nとして管理テーブル23aから早める周期N1 (2日=48時間)を読み出してセットし、ステップS31に進む。ステップS31において定期送信時刻になったかどうかを判断する。定期送信時刻になるまでは、ステップS23〜S31のサイクルを周期的に繰り返す。ステップS27は、一旦、計測周期の変数Nとして早める周期N1 をセットした後は、変化率αの算出のステップS28やしきい値Th1 との比較のステップS29をスキップするためである。
【0068】標準周期N0 のときの履歴データは72時間ごとのものとなり、早める周期N1 のときの履歴データは48時間ごとのものとなる。日時の経過とともにやがてステップS31の定期送信時刻に達したかどうかの判断が肯定的となりステップS32に進んでRAM23にストアしている履歴データおよびID番号データをモデム34から公衆電話回線網14を介して管理会社15の白アリ食害管理センター16のホストコンピュータ17に送信する。ステップS33において履歴データの送信が終了したと判断したときはステップS34に進んでRAM23から履歴データをクリアし、再びステップS22に戻って計測周期の変数Nとして標準周期N0 をセットする。
【0069】以上により、白アリ食害の兆候がでてきたときには、計測頻度を多くすることにより、白アリ食害管理センター16において白アリ食害の進行程度をより正確に把握することができ、きめ細かな用心深い対策を早めに講じることができる。白アリ食害が急激に広がってしまうことを未然に防止することができる。
【0070】変形例として、AD値の変化率αの程度に応じて早める周期をN1とN2 との2段階(N1 >N2 )に切り換えるようにすることもできる。例えば、N1 として2日(48時間)を設定し、N2 として1日(24時間)を設定すればよい。この場合、図12のステップS29からステップS30までを図13のステップS29aからステップS30bまでのように変更すればよい。ただし、図12のステップS27は、N=N1 またはN=N2 の判断とする。しきい値Th1′はTh1 よりも大きい。
【0071】また、AD値の変化率αのいかんで計測周期を早めるかどうかを決める代わりに、変化率差分βに応じて計測周期を早めるようにしてもよい。図14に、AD値と変化率αと変化率差分βとの関係の一例を示す。(a)は変動が小さい場合であり、(b)は変動が大きい場合である。変化率差分βでみると、急激な変化点を見つけやすいという利点がある。
【0072】変化率差分βのいかんによって計測周期を可変する場合の制御は、図12に対しては図15が該当し、図13に対しては図16が該当する。図15においては、ステップS28の次に、算出した変化率αをRAM23にストアするステップS28aと、今回の変化率と前回の変化率の差分を変化率差分βとして算出するステップS28bが付け加えられている。また、ステップS29は変化率差分βが所定のしきい値よりも大きくなったかどうかを判断するようにしている。
【0073】〔実施の形態3〕実施の形態3にかかわる白アリ食害計測端末装置100は、AD値の変化率αのしきい値として第1のしきい値Th1 とこれより大きい第2のしきい値Th2とをもち(Th1 <Th2 )、変化率αが第1のしきい値Th1 よりも大きいが第2のしきい値Th2 以下のときには計測周期を早めるようにし、さらに変化率αが大きくなって第2のしきい値Th2 よりも大きくなったときには、白アリ食害の進行程度が相当に大きいものとして、AD値の測定の繰り返しを中断し、直ちにそれまで蓄積していた履歴データをホストコンピュータ17に送信するように構成したものである。
【0074】まず、あらかじめ、白アリ食害管理センター16のホストコンピュータ17から公衆電話回線網14を介して白アリ食害計測端末装置100に対して、標準周期N0 のデータと早めるときの計測周期N1 のデータと第1のしきい値Th1 および第2のしきい値Th2 のデータとを送信し、図17に示すように、RAM23の管理テーブル23aに設定しておく。
【0075】実施の形態3の白アリ食害計測端末装置100の動作を図18のフローチャートに基づいて説明する。このフローチャートは、図12のフローチャートにおいて、そのステップS28とステップS29との間にステップS28cを付け加えたものである。ステップS28cにおいてAD値の変化率αが第2のしきい値Th2 よりも大きいかどうかを判断し、以下であるときはステップS29に進んで実施の形態2の場合と同様に変化率αが第1のしきい値Th1 よりも大きいかどうかを判断する。
【0076】そのあとの動作は実施の形態2の場合と同様である。しかし、ステップS28cにおいて変化率αが第2のしきい値Th2 よりも大きいときは、ステップS29やステップS30やステップS31をスキップしてステップS32の処理に進むのである。すなわち、定期送信時刻が到来するのを待つのではなく、直ちに、ステップS32に進んでRAM23にストアしている履歴データおよびID番号データをモデム34から公衆電話回線網14を介して白アリ食害管理センター16のホストコンピュータ17に送信するのである。
【0077】すなわち、AD値の変化率αが第2のしきい値Th2 を超えるような事態にあっては、次の定期送信時刻まで待っていると白アリ食害の進み具合が深刻になるおそれがあるので、どのようなレベルの白アリ食害状況であるかを直ちに確認するために、白アリ食害管理センター16に履歴データを送信したうえ、白アリ食害管理センター16で早期診断を行うのである。
【0078】なお、図18のフローチャートに図13の各ステップを合成してもよいことはもちろんであり。また、AD値の変化率αではなく変化率差分βで判断するときには、図19のフローチャートに従って制御すればよい。この場合にも、図16の各ステップを合成してもよい。
【0079】〔実施の形態4〕実施の形態4にかかわる白アリ食害計測端末装置100は、季節によって計測周期を早めたり遅くしたりするものである。白アリは暖かい季節ほど活発であり、寒くなると活動が鈍くなるので、当然に白アリ食害も暖かい季節ほど発生しやすいことになるが、地域の条件や年々の気候変動によっても暖かい時期と寒い時期は変化する。
【0080】そこで、まず、白アリ食害管理センター16のホストコンピュータ17から公衆電話回線網14を介して白アリ食害計測端末装置100に対して、暖季の開始日W1 と終了日W2 のデータと暖季標準周期NW のデータと寒季の開始日C1 と終了日C2 のデータと寒季標準周期NC のデータを他のデータとともに送信し、図20に示すように、RAM23の管理テーブル23aに設定しておく。ここでは、例えば4月から8月にかけては白アリの活動が活発であり、9月から翌年の3月にかけては活動が鈍くなるものとし、W1 を4月1日に設定し、W2 を8月31日に設定し、C1 を9月1日に設定し、C2 を3月31日に設定するものとする。また、暖季標準周期NW として例えば3日(72時間)を設定し、寒季標準周期NC として例えば10日(240時間)を設定するものとする。
【0081】実施の形態4の白アリ食害計測端末装置100の動作を図21のフローチャートに基づいて説明する。このフローチャートは、図18のフローチャートにおいて、そのステップS21とステップS22との間にステップS21aとステップS21bとステップS21cとを付け加えたものである。ステップS21aにおいてCPU21はそのカレンダ機能を用いて現在の季節が4月1日(W1 )から8月31日(W2 )までの間にあるかどうかを判断し、判断が肯定的となるときはステップS21bに進んでRAM23の管理テーブル23aから暖季標準周期NW (3日)を読み出して、これを計測周期として設定し、ステップS22へ進む。また、9月1日(C1 )から3月31日(C2 )までの間にあるときはステップS21cに進んで管理テーブル23aから寒季標準周期NC (10日)を読み出して、これを計測周期として設定し、ステップS22へ進む。ステップS23の計測時刻になったかどうかの判断は、前回の計測時刻から現在設定されている計測周期の時間が経過したかどうかによって行う。その他は実施の形態3の場合と同様である。
【0082】図22のフローチャートのように動作させてもよい。このフローチャートは図19のフローチャートに対応したものであり、上記と同様にステップS21a,S21b,S21cを付け加えたものである。
【0083】寒季標準周期NC が設定されている期間においては、白アリ食害センサー200の抵抗値のAD値データの計測の間隔が長い。つまり、スイッチングトランジスタQ1をONにして、コレクタ抵抗r3およびセンサー抵抗r4に電流を流す機会(頻度)が少ない。したがって、電源電池71の電流消費が大幅に抑制され、電池寿命を延ばすことができる。なお、白アリ食害管理センター16においては、地域差やある期間の気象状況を勘案して、必要に応じて、暖季の開始日W1、終了日W2 、暖季標準周期NW 、あるいは寒季の開始日C1 、終了日C2 、寒季標準周期NC を適宜に設定変更するものとする。
【0084】変形例として、寒季に該当するときには白アリ食害センサー200による計測を停止するようにプログラムを組んでもよい。この場合は、図21、図22で鎖線の矢印で示すように、ステップS21aの判断が否定的のときはステップS21に戻るようにすればよい。
【0085】ところで、図21および図22のフローチャートにおいて、変化率αや変化率差分βがかなり大きいときに直ちに履歴データをホストコンピュータ17に送信するルーチンを省略してもよいし、変化率αや変化率差分βがある程度に大きいときに計測周期を早めるルーチンを省略してもよいことは勿論である。
【0086】〔実施の形態5〕白アリ食害により白アリ食害センサー200が断線状態になるとその抵抗値は無限大となり、そのAD値は最大となる。しかし、白アリ食害センサー200と入力端子43およびアース端子43aを接続する長い配線のいずれかの箇所で断線が生じると、同様にAD値が最大となる。AD値が最大となったことが、白アリ食害センサー200の高度の食害によるものなのか、それとも配線の断線によるものかは、図3の回路構成の場合には分からない。
【0087】実施の形態5にかかわる白アリ食害計測端末装置100は、入力端子43およびアース端子43aと白アリ食害センサー200とを接続するラインの断線検査についてのものであり、図23には断線検査回路90とその周辺の回路構成を示している。この断線検査回路90は、第1の切換スイッチ91と第2の切換スイッチ92とダイオード93とを備えている。第1の切換スイッチ91のノーマリクローズ端子Ncと第2の切換スイッチ92のノーマリオープン端子Noとが接続され、その接続点が入力端子43に接続されている。
【0088】第1の切換スイッチ91のノーマリオープン端子Noと第2の切換スイッチ92のノーマリクローズ端子Ncとが接続され、その接続点がアース端子43aに接続されている。第1の切換スイッチ91のコモン端子は切換スイッチ53aのノーマリクローズ端子Ncに接続され、第2の切換スイッチ92のコモン端子はグランドGNDに接続されている。第1の切換スイッチ91と第2の切換スイッチ92とはCPU21からの制御信号S2 によって同時的に切り換え制御されるようになっている。白アリ食害センサー200の一端と入力端子43とが配線94を介して接続され、他端とアース端子43aとが配線95を介して接続されている。すなわち、図4の2つの電極端子86に配線94,95が接続されている。これらの配線94,95は長いものである。白アリ食害センサー200の近傍において白アリ食害センサー200に並列にダイオード93が接続されている。白アリ食害管理センター16のホストコンピュータ17は、毎月決まった日に公衆電話回線網14を介して白アリ食害計測端末装置100に断線検査の命令を与える。あるいは断線検査の開始日と周期(例えば30日)のデータを送信し、RAM23にストアさせておく。そこで、断線検査の命令を受信したとき、あるいは、断線検査時刻になったときに断線検査割り込みがかかることになる。
【0089】断線検査割り込みの動作を図24のフローチャートに基づいて説明する。CPU21はステップS41において制御信号S2 を出力して断線検査回路90の第1の切換スイッチ91および第2の切換スイッチ92をそれぞれノーマリオープン端子No側に切り換え接続する。ステップS42においてスイッチングトランジスタQ1をONにして、直流電源Vccからの電流をスイッチングトランジスタQ1→コレクタ抵抗r3→切換スイッチ53a→第1の切換スイッチ91のノーマリオープン端子No→アース端子43a→ダイオード93→入力端子43→第2の切換スイッチ92のノーマリオープン端子No→グランドGNDの経路で流す。センサー抵抗r4はダイオード93によって短絡状態となるから、センサー抵抗r4は無関係になる。配線94,95が断線してないときはA/D変換器51の入力端子がダイオード93を介してグランドGNDに接続されることになるため、AD値は最小となる。しかし、この状態でもし配線94,95のいずれかの箇所が断線していると、AD値は最大となる。
【0090】CPU21はステップS43においてA/D変換器51によるAD値データを入力し、ステップS44においてAD値が最大値かどうかによって配線94,95に断線が発生しているかどうかを判断する。AD値が最大値のときはステップS45に進んで断線フラグFcを“1”にセットし、AD値が最大値でないときはステップS46に進んで断線フラグFcを“0”にセットする。次いで、ステップS47においてスイッチングトランジスタQ1をOFFにし、ステップS48において制御信号S2 を反転して第1の切換スイッチ91と第2の切換スイッチ92をノーマリクローズ端子Nc側に戻す。ステップS49において断線フラグFcが“1”にセットされているかどうかを判断し、“1”のときはステップS50に進んで断線コードとID番号データとを公衆電話回線網14を介してホストコンピュータ17に送信し、断線フラグFcが“0”のときはステップS51に進んで非断線コードとID番号データとをホストコンピュータ17に送信し、ステップS52において割り込み前のステップにリターンする。そして、断線コードを受け取った白アリ食害管理センター16は、メンテナンス要員をユーザー宅に派遣して修理を行う。
【0091】なお、上記の実施の形態では白アリ食害センサー200(抵抗r4)を1つだけとしているが、白アリ食害監視対象11である木造住宅等の周囲に複数個の白アリ食害センサーを配置することが好ましい。その場合に、各白アリ食害センサーを1つずつA/D変換器を介してCPUに接続するのがよい。ただし、複数個の白アリ食害センサーをすべて直列に接続して、それらを1つのA/D変換器に接続するのでもよい。
【0092】上記の実施の形態では白アリ食害の計測端末装置として説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、白アリ以外の昆虫による食害、鹿などの動物による食害の計測端末装置としても実施可能である。食害の状況に応じて変化する抵抗値をA/D変換したAD値で監視するようにしたが、抵抗値ではなく電流値や電圧値のAD値で監視するようにしてもよい。
【0093】
【発明の効果】本発明にかかわる請求項1の食害計測端末装置によれば、食害状況を電気的すなわち自動的に捕捉するから、専門家による経験や勘に頼る必要がなく、きわめて容易に食害状況を把握することができる。周期的に計測した食害進行にかかわる履歴データを蓄積し、定期的に通信回線を介して食害管理センターのホストコンピュータに送信するもので、ホストコンピュータを用いて食害の発生の兆候や食害の進行状況を効率良くかつ高精度に診断することを通じて早期のうちに食害の兆候を発見することができる。食害の早期発見により駆除費用および修繕費用を大幅に軽減もしくは無料化することができる。食害管理センターにとっては、遠隔監視であるから検査員を現地に派遣する必要がなく、人件費と時間と労力を軽減することができるし、多数の食害監視対象を一括管理できる。
【0094】本発明にかかわる請求項2の食害計測端末装置によれば、食害の兆候がでてきたときには計測頻度を多くするので、ホストコンピュータにおいて食害の進行程度をより正確に把握することができ、きめ細かな用心深い対策を早めに講じることができる。本発明にかかわる請求項3の食害計測端末装置によれば、食害の進行程度がかなり大きくなっている場合には、直ちに履歴データをホストコンピュータに送信することを通じて、さっそくに駆除を実施することにより、食害が急激に広がってしまうことを未然に防止することができる。
【0095】本発明にかかわる請求項4の食害計測端末装置によれば、計測周期を常に一定にするのではなく、食害が進みにくい季節・時期は計測周期を長くして計測頻度を少なくするので、電力消費を抑えることができ、電源として電池を用いるものでは電池寿命を長くすることができる。本発明にかかわる請求項5の食害計測端末装置によれば、AD値が異常になったときに断線検査回路を駆動することにより、AD値の異常がセンサー手段の完全食害によるものか配線の断線によるものかの区別をつけることができる。
【出願人】 【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月25日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
【公開番号】 特開平11−239440
【公開日】 平成11年(1999)9月7日
【出願番号】 特願平10−43312