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【発明の名称】 鳥類の忌避方法および忌避装置
【発明者】 【氏名】仲村 重信

【要約】 【課題】カラスやヒヨドリ、ハトなどの鳥類を果物その他の農作物などから忌避させて、食害を防止したり、ハトの糞公害などを防止する方法および装置に関し、薬剤を用いないで、しかも他に悪影響を与えることなしに、鳥類を忌避可能な方法および装置を実現することを目的とする。

【解決手段】螺旋状をした人造の又は自然の線材の少なくとも一端を、地上の物体や空中の浮遊物体などに支持し、該螺旋状線材が風などで揺れたり、動いたりできるようにすることで、鳥類を忌避させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 螺旋状をした人造の又は自然の線材の少なくとも一端を、地上の物体や空中の浮遊物体などに支持し、該螺旋状線材が風などで揺れたり、動いたりできるようにすることを特徴とする鳥類の忌避方法。
【請求項2】 前記の螺旋状の部分の少なくとも一端が、曲がっていることを特徴とする請求項1に記載の鳥類の忌避方法。
【請求項3】 前記の螺旋状の線材を複数個用い、しかもそれぞれの螺旋状部の形状や大きさなどが一定していないことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鳥類の忌避方法。
【請求項4】 螺旋状をした人造の又は自然の線材の少なくとも一端を、地上の物体や空中の浮遊物体などに支持し、該螺旋状線材が風などで揺れたり、動いたりできるようにしたことを特徴とする鳥類の忌避装置。
【請求項5】 螺旋状をした人造の又は自然の線材を放置し、該螺旋状線材が風などで揺れたり、動いたりできるようにすることを特徴とする鳥類の忌避方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラスやヒヨドリ、ハトなどの鳥類を果物その他の農作物などから忌避させて、食害を防止したり、ハトの糞公害などを防止する方法および装置に関する。航空機のエンジンに鳥が飛び込んだりするのを防ぐのにも適している。なお、本発明における鳥類には、コウモリのように空中を飛ぶ動物全てが含まれるものとする。
【0002】
【従来の技術】鳥類を忌避させる手段としては、例えば特開昭53−101531号公報などのように薬物を用いる方法が最も多いが、特開昭54−130370号公報のように特定波長の光を吸収する顔料や染料を含有した合成樹脂組成物を用いたり、特開平3−65132号公報のように磁石を用いる方法、特開平4−36139号公報のように忌避音を発する方法、特開平5−173738号公報のように微細繊維状物を張る方法、特開平8−9863号公報のように光を反射させる方法などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、鳥類を忌避させる方法として多種の方法が提案されているが、何れも決定的な効果が得られず、未だに目的を達成できていない。また、薬剤を用いる方法が最も多いが、高価であることや、薬害などの恐れがあり、問題が多い。音を発する方法は、騒音の要因となる。
【0004】本発明の技術的課題は、このような問題に着目し、薬剤を用いないで、しかも他に悪影響を与えることなしに、鳥類を忌避可能な方法および装置を実現することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の技術的課題は次のような手段によって解決される。請求項1は、螺旋状をした人造の又は自然の線材の少なくとも一端を、地上の物体や空中の浮遊物体などに支持し、該螺旋状線材が風などで揺れたり、動いたりできるようにする鳥類の忌避方法である。
【0006】このように、螺旋状をした人造の又は自然の線材を支持し、風などで揺れたり、動いたりできるようにすると、鳥類が、螺旋状の線材が動いているのを見ると、足や羽がからまって飛べなくなると思うのだろうか、鳥類が近寄らなくなる。しかも、慣れてくるということもなく、以後、全く飛来しなくなる。螺旋状体を風船などに支持して、空中に放出し浮遊させると、鳥が近寄らなくなるので、航空機のエンジンに鳥が吸い込まれるのを防止できる。
【0007】請求項2は、請求項1に記載の螺旋状の部分の少なくとも一端が、曲がっていることを特徴とする鳥類の忌避方法である。
【0008】このように、螺旋状の部分だけにするのでなく、または螺旋状の部分の端部を直線状にするのでなく、螺旋状の部分の一端または両端から、曲がった部分が延びていると、鳥類の忌避効果がより大きいことが確認された。
【0009】請求項3は、請求項1または請求項2に記載の螺旋状の線材を複数個用い、しかもそれぞれの螺旋状部の形状や大きさなどが一定していないことを特徴とする鳥類の忌避方法である。
【0010】螺旋状の線材は、鳥類が来そうな場所に分散配置することがよいが、この場合、全く同じような線材を用いるのではなく、それぞれ形状や大きさなどが異なる物を用いるのが、鳥類から見た場合に目立ちやすいのであろうか、より効果的である。
【0011】請求項4は、螺旋状をした人造の又は自然の線材の少なくとも一端を、地上の物体や空中の浮遊物体などに支持し、該螺旋状線材が風などで揺れたり、動いたりできるようにした鳥類の忌避装置である。
【0012】この請求項は、請求項1の方法を実施する装置の発明であり、螺旋状体を地上の物体や空中の浮遊物体などに支持した構成にすると、螺旋状体による鳥類の忌避作用により、鳥類の到来を効果的に防止できる。
【0013】請求項5は、螺旋状をした人造の又は自然の線材を放置し、該螺旋状線材が風などで揺れたり、動いたりできるようにする鳥類の忌避方法である。
【0014】前記のように、螺旋状体を吊るしたりして支持するのが有効であるが、場所によっては、支持することが困難な場合もある。そのような場合は、地上や建造物の屋根などの上に、放置するだけでもよい。螺旋状体は円形をしており、風力などでも容易に転動できるので、目立ち易く、鳥類の忌避効果が実現できる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に本発明による鳥類の忌避方法および忌避装置が実際上どのように具体化されるか実施形態を説明する。図1は本発明による螺旋状体を果樹などに吊るした実施形態である。
【0016】1は本発明による螺旋状体であり、果樹の枝に吊るされている。吊るし方は、螺旋状体1aのように、その一端を枝1に取り付け、他端を自由にしてもよく、螺旋状体1bのように、螺旋状部の中間を線材3で吊るし、螺旋状体1bの両端を自由にしてもよい。
【0017】また、各螺旋状体1を1本ずつ別々に枝などに取り付けるのでなく、予め複数の螺旋状体が取り付け支持されている線材を、果樹の幹や枝に取り付けることもできる。
【0018】果樹などのように、螺旋状体1を取り付ける手段が存在しない場合は、図2のように、複数のポール4を立て、螺旋状体1cのように、ポール4に取り付けてもよい。あるいは、各ポール4間に張った線材5に、螺旋状体を吊り下げてもよい。この場合も、1aのように螺旋状体の一端を吊るしてもよく、1bのように螺旋状部を吊るし、両端はフリーにしてもよい。
【0019】なお、各ポール4間に張った線材5に吊るす場合は、先に線材5を張ってから、螺旋状体1a、1bを吊るしてもよいが、予め線材5に各螺旋状体1a、1bを取り付けておき、螺旋状体1a、1bの付いた線材5を、各ポール4間に張ってもよい。
【0020】図1、図2のように、螺旋状体を空中に吊るすことができない場合は、図3のように、螺旋状体1を単に放置することもできる。この場合、螺旋状体1eのように、各螺旋状体が独立してもいてもよい。
【0021】あるいは、螺旋状体1fのように、隣接する螺旋状体1fの間が線材6で連結されていてもよい。このように、連結されている場合は、螺旋状体1fを形成している線材6で、所定の間隔をおいて、線材6の部分と螺旋状体1fの部分を一体に製造するのがよい。また、各螺旋状体1fを連結している線材6の部分は、直線状ではなく、野生のかずらなどのように、ランダムに曲がっているのがよい。
【0022】上空を飛んでいる鳥類に目立ち易いようにするには、図4のように、風船やしゃぼん玉などのような補助手段を用いてもよい。すなわち、(1)は風船7に線材8を取り付け、この線材8を、ポール4や図1のような木の枝などに連結しておく。線材8には、予め複数の螺旋状体1が吊るされている。なお、風船7が透明体の場合は、その中にも螺旋状体1を入れておくこともできる。
【0023】この風船7は、線材8で地上の物体につないでおくのでなく、空中に放出し、浮遊させるのも有効である。この場合の風船は、線材8でつながれている風船7と違って、自由に浮遊できるので、いずれは行方不明になるが、用途によっては効果的である。例えば、空港周辺で航空機のエンジンに鳥が吸入されるのを防止するのに効果的である。
【0024】図4(2)は、強度の強いしゃぼん玉9の中に螺旋状体1を入れて浮遊させる例である。石鹸水を使用するしゃぼん玉と異なり、粘性の高い合成樹脂などからなる、容易に破裂しないしゃぼん玉も知られているので、これを用いると容易に実現できる。
【0025】このようなしゃぼん玉を形成するには、発泡性の水溶液に、蜂蜜、卵白、黒糖、グリセリン、ポリビニールアルコールなどのような粘性物質を添加して混練し、石鹸水の代用とする。そして、しゃぼん玉を形成する要領で、気体を封入する。このように、分解性の高い材料からなるしゃぼん玉は、空中に放出後、破裂したりして地上に落下しても、容易に分解するので、公害の原因となることもない。
【0026】風船7やしゃぼん玉9の中に、温度の高い空気を入れたり、ヘリウムなどのような軽い気体を入れると、落下を防止することができる。
【0027】この場合、しゃぼん玉9の中に螺旋状体1を入れてもよく、また図示のように吊り下げてもよい。このように、空中に放出して浮遊させる場合は、後述する植物性の螺旋状体を用いるのがよい。
【0028】図5は螺旋状体の各種実施形態であり、(1)のように、螺旋状体1の両端は、真っ直ぐでない方がよい。また、一端1gのように、くねくねと曲がっているのもよい。螺旋状部の径は、大体一定していてもよいが、(2)の螺旋状体1hのように、径が一定していない形状でもよい。
【0029】また、螺旋状体1は、真っ直ぐでなく、適度に屈曲している方が、より効果的である。螺旋状のピッチは一定でもよいが、むしろ一定していない方がよい。図は、多少引き延ばした状態で表現されているので、図示のピッチより短い部分が混在しているのもよい。
【0030】また、(3)のように、線材10に、所定の間隔をおいて、複数の螺旋状体1を連結しておくと、図1や図2のように、樹木やポールなどに取り付ける作業が容易になる。また、(4)のように、二股状に分岐していてもよい。
【0031】螺旋状体1を構成する線材の太さは一定していてもよいが、一定していなくてもよい。
【0032】次に、螺旋状体1は人工的に製造してもよいが、森林などに自生している蔓草などを採取して来て、その螺旋状部を利用してもよい。しかしながら、野生のものでは需要を満たせないであろうから、人工的に量産する必要がある。その場合は、釣り糸用のテグスと同様な合成樹脂の線材を螺旋状に巻いて製造する。
【0033】材料は、合成樹脂のほか、金属などでもよく、螺旋状に形成できるものであれば、材質は特に限定されない。あるいは、澱粉を練って、そーめん状(線材状)に延ばし、丸い棒に巻き付けて製造することもできる。丸棒から外すのは、粘土状のままでもよいが、乾燥させてから外すのもよい。このように植物性の材料で構成した螺旋状体は、放置しておいても、分解し消失するので、環境にやさしい。したがって、上空に放出する場合に適している。
【0034】メリケン粉などを練って、螺旋状に形成した後、ポップコーンや粟おこし、おかきなどを作るのと同じ要領で無数の気泡を発生させ、多孔性にすることで軽量化できる。あるいは、オブラードと同じ材質の材料を用いることも可能である。これらの利点は、植物性で、かつ発泡によって軽量化できるため、大気中に放出する場合に適している。蔓草の螺旋状部を枯らして軽量化したものを利用してもよい。
【0035】なお、合成樹脂製の材料を用いる場合、発泡スチロールを代用することも可能である。
【0036】合成樹脂の皮膜で被覆された針金で螺旋状体1を形成し、図5(3)のように多数を枝状に連結し、果樹に支持し這わせたところ、ヒヨドリや鳩、こうもりが飛来しなくなった。
【0037】畑地の場合は、竹の棒を立て、その上端に取り付け吊り下げて、風になびかせると、鳥が飛来しなくなった。二日間は餌を蒔いて、鳥をおびき寄せた後、三日めに螺旋状体1を吊り下げた場合も、以後、鳥が到来しなくなった。
【0038】畑地に螺旋状体1を放置した場合も、野鳩は、2m程度までは歩いて近寄るが、螺旋状体1に警戒感を示している様子で、それ以上近寄らず、次第に到来しなくなった。
【0039】なお、螺旋状体のみが鳥類に対する忌避効果が得られるのであって、棒などに線材を螺旋状に巻いたままでは、忌避効果がなかった。
【0040】
【発明の効果】請求項1のように、螺旋状をした人造の又は自然の線材を、地上の物体や空中の浮遊物体などに支持し、風などで揺れたり、動いたりできるようにすると、鳥類が、螺旋状の線材が動いているのを見ると、足や羽がからまって飛べなくなると思うのだろうか、鳥類が近寄らなくなる。しかも、慣れて来るということもなく、全く飛来して来なくなる。
【0041】螺旋状の部分だけにするのでなく、または螺旋状の部分の端部を直線状にするのでなく、請求項2のように、螺旋状の部分の一端または両端から、曲がった部分が延びていると、鳥類の忌避効果がより大きい。
【0042】螺旋状の線材は、鳥類が来そうな場所に分散配置するのがよいが、この場合、全く同じような線材を用いるのではなく、請求項3のように、それぞれ形状や大きさなどが異なる物を用いるのが、鳥類から見た場合に目立ちやすいのであろうか、より効果的である。
【0043】請求項4によると、螺旋状体による鳥類の忌避作用により、鳥類の到来を効果的に防止でき、請求項1の方法を効果的に実施できる。
【0044】螺旋状体を支持することが困難な場合は、請求項5のように、地上や建造物の屋根などの上に、螺旋状体を放置するだけでも鳥類の到来を防止できる。螺旋状体は、円形をしており、風力などでも容易に転動できるので、鳥類の忌避効果が実現できる。
【出願人】 【識別番号】598021188
【氏名又は名称】仲村 重信
【出願日】 平成10年(1998)1月31日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】福島 康文
【公開番号】 特開平11−215946
【公開日】 平成11年(1999)8月10日
【出願番号】 特願平10−33805