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【発明の名称】 野菜用乗用管理機に装着する薬液散布装置
【発明者】 【氏名】水野 英之

【要約】 【課題】野菜乗用管理機に装着した既存のブームスプレヤによる薬液散布では作物の葉の上面への付着には優れているが、葉の裏側あるいはキャベツのように入り組んだ葉では付着が劣る。これは農家経営の問題として、農薬のコストの増大や作業効率の低下を招いている。このため、構造が簡単で、葉の表にも裏にも付着のよい、野菜用乗用管理機を利用した薬液散布法の開発が求められている。

【解決手段】野菜用乗用管理機に装着するブームスプレヤの下向きに噴霧する噴口と併せて、ブームの畝間にあたる部位から下方にパイプ等で薬液を導きパイプ等の下端部分に進行方向に対して左右に噴口を配置することにより、作物の上方と併せて左右両側からも薬液を散布する事が可能となり、葉の表にも裏にも薬液を十分に付着させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】野菜用乗用管理機に装着するブームスプレヤの下向きに噴霧する噴口と併せて、ブームの畝間にあたる部位から下方にパイプ等で薬液を導きパイプ等の下端部分に進行方向に対して左右に噴口を配置することにより、作物の上方と併せて左右両側からも薬液を散布する装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一定の条間(畝幅)で作付けされた作物への防除作業に利用できる。
【0002】
【従来の技術】露地野菜等の栽培での殺虫剤等の農薬の散布は、従来、薬液タンクやポンプを農道に置き重いホースを引きずりながら手作業で行っていたが、近年ではブームスプレヤを搭載することのできる野菜用乗用管理機が市販され普及しつつある。しかし、既存のブームスプレヤによる薬液散布法では、作物の上部から下方の作物に向かって薬液を噴霧する(図1)ため、作物の葉の上面への付着には優れているが葉の裏側あるいはキャベツのように入り組んだ葉では付着が劣る。
【0003】このため、農家ではより多くの農薬を散布することにより防除効果を得ている。これは農家の経営上の問題としては、農薬のコストの増大や作業効率の低下を招き、また環境問題としては、近隣環境への農薬飛散の増大、河川湖沼等の水質汚染の原因となっている。
【0004】作物の葉の裏側へ効率よく薬液を付着させる散布(噴霧)機には、特開平2−237672号、実開昭59−48771号、実開平3−22563号などに記載された先例があるが、これらは葉裏への薬液の付着を促進するために送風機をあわせ持つなど構造が複雑であったり、逆に構造を単純にしたため水平方向からだけの噴霧であるなどの問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このため、構造が簡単で、葉の表にも裏にも付着のよい、野菜用乗用管理機を利用した薬液散布法の開発が求められている。
【0006】
【課題を解決するための手段】野菜用乗用管理機に装着して使用するブームスプレヤに延長ノズルを装着することにより、作物の上からと併せて水平方向の両側からも薬液を散布(図2)を行い、葉の表にも裏にも薬液を十分に付着させる。
【0007】
【作用】野菜用乗用管理機に装着して使用する既存のブームスプレヤの噴口は全て下向きであるが、ブームの畝間にあたる部位から下向きに作物の側面にあたる高さまでパイプ等で延長し、パイプの下端部左右に噴口を配置することにより、作物の上方及び水平方向両側から薬液を散布する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0009】1は、前部にエンジン、後部に薬液タンク2及び動力噴霧機3を搭載する野菜用乗用管理機で、その車体最前部には平行リンク4が装着され、パワーシリンダ5により平行リンクの遊端6が上下動し得るようになっている。平行リンクの遊端6と左右に長いブーム主枠7にはそれぞれヒッチが設けられ、脱着自在に連結される。ブーム主枠7の左右両端にはピン8を中心に上後方へ自由に回転する可動枠9が連結され、可動枠9及び可動枠9に固定されている左右のブーム10はパワーシリンダ11の動きによってをそれぞれ上後方へ折りたたむことができる。ブーム主枠7の前方にはセンターブーム12が取り付けられ、センターブーム12及び左右のブーム10には上方の噴口13と延長ノズル14が互い違いに螺着される。
【0010】延長ノズル14は延長パイプ15、ブームへの取り付けナット16、左右の噴口17により構成される。
【0011】薬液タンク2の中の薬液は、ホースにより連結された動力噴霧機3によって加圧され運転者の手元のコックを通り、左右及びセンターのブームへホースによって導かれ、センターブーム12及び左右のブーム10に設けられた作物の上方の噴口13から噴霧される一方、延長パイプ15を通り作物の左右の噴口17から噴霧される。
【0012】
【発明の効果】本発明を試作し、定植後45日目のキャベツ畑で水を散布したところ、従来のブームスプレヤによる上方からのみの散布より統計的に明らかに葉の裏側への付着が向上する事が確認されると同時に、葉の表側へは従来と同様に良好な付着があることが確認された。
【0013】また、作業幅が同じで、動力噴霧機の吐出圧が同じならば、噴口の数が増えることから単位時間当たりの噴霧薬液量が多くなり、作業速度を速くすることが可能で、さらに作業の効率化を図ることができる。
【0014】なお、農家が既に購入使用しているブームスプレヤであっても、畝の谷にあたる部位の噴口を本発明の延長ノズルに付け代えることにより容易に実施できる。
【出願人】 【識別番号】000116622
【氏名又は名称】愛知県
【出願日】 平成9年(1997)7月11日
【代理人】 【氏名又は名称】馬杉 晶爾
【公開番号】 特開平11−28042
【公開日】 平成11年(1999)2月2日
【出願番号】 特願平9−220583