| 【発明の名称】 |
釣用餌の収容用材、収容容器、収容体および保護部材、ならびに、釣用の集魚装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】林 幸男
【氏名】池 典泰
【氏名】澤村 淳二
【氏名】遠藤 恭範
【氏名】森澤 純
【氏名】清藤 幸雄
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| 【要約】 |
【課題】釣用餌の取扱いを容易にし、目的とする撒き餌などの機能が良好に発揮できるようにする。
【解決手段】水中に投入されたときに時間をおいて水解する水解性部11を有する収容用材12で構成された収容容器に、粒塊状をなす釣用乾燥餌14が分散状態で収容された釣用餌の収容体10を用いることで、使用するまでの持ち運び取り扱いが容易になり、釣りに使用したときには、水中の所望の深度まで沈んでから収容用材12が水解して釣用餌14を水中に拡散させることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】水中に投入されたときに時間をおいて水解する水解性部を有する釣用餌の収容用材。 【請求項2】前記水解性部が、水解性を有する紙と水溶性樹脂との積層体からなる請求項1に記載の釣用餌の収容用材。 【請求項3】前記水解性部が、水解性を有する可食材料からなる請求項1に記載の釣用餌の収容用材。 【請求項4】前記水解性部の一部のみに積層された非水解性部を有する請求項1〜3の何れかに記載の釣用餌の収容用材。 【請求項5】前記非水解性部が、前記水解性部の表面に塗工されたサイズ剤層である請求項1〜4の何れかに記載の釣用餌の収容用材。 【請求項6】粒塊状をなす釣用乾燥餌が分散状態で収容される釣用餌の収容容器であって、前記請求項1〜5の何れかに記載の収容用材からなり、密閉可能な容器状をなす釣用餌の収容容器。 【請求項7】前記収容用材が、容器状をなす水解性部と、水解性部の一部のみに積層され、水解性部が水解した状態でも容器形態を維持する非水解性部とを有する請求項6に記載の釣用餌の収容容器。 【請求項8】請求項6または7に記載の収容容器と、前記収容容器に分散状態で収容された粒塊状をなす釣用乾燥餌とを含む釣用餌の収容体。 【請求項9】非水解性材料からなり、釣糸への取付手段を有し、内外を連通する通水空間を有する外容器と、前記外容器の内部に収容された前記請求項8に記載の釣用餌の収容体とを備える釣用の集魚装置。 【請求項10】釣糸に備えた釣針に取り付けられた釣用餌を保護する部材であって、前記請求項1〜3の何れかに記載の釣用餌の収容用材からなり、筒状をなし、前記釣用餌の外周に被せて前記釣糸に取り付けられる釣用餌の保護部材。 【請求項11】前記筒状の軸方向に沿って間隔をあけて円周方向に延びる切断容易な切離部を有する請求項10に記載の釣用餌の保護部材。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、釣用餌の収容用材、釣用餌の収容容器、釣用餌の収容体、釣用の集魚装置および釣用餌の保護部材に関し、詳しくは、釣りの際に餌を収容して水中に投入される収容用材と、このような収容用材を用いて作製される釣用餌の収容容器と、収容容器に釣用餌が収容された釣用餌の収容体と、釣糸に取り付けられて釣用餌を水中に散布するビシあるいはコマセとも呼ばれる釣用の集魚装置と、釣針に取り付けられた釣用餌を保護する保護部材とに関する。 【0002】 【従来の技術】釣りの技術として、オキアミ等の餌をコマセカゴやビシなどと呼ばれる容器に詰めた状態で釣糸の途中に取り付けておき、水中に投入されたときに、容器の隙間や貫通部分から餌を水中にまき散らせて周辺の魚を集め、魚を釣り易くする技術が知られている。 【0003】また、水面上から餌をばらまいて、上記同様の集魚効果をねらう技術も知られている。餌は、生餌や乾燥餌を赤土や海水等と練り混ぜてダンゴ状にすることで、水中への投入を容易にしたり、水中での分散のしかたを調整したりすることが行われている。このような技術は撒き餌あるいは寄せ餌などと呼ばれている。上記した寄せ餌の取扱いを容易にする技術として、実用新案登録第3014584号公報に開示された技術がある。この技術では、乾燥させた寄せ餌に発泡剤を混合した状態で固形に圧縮成形し、その外周を水溶性樹脂膜でコーティングしておく。圧縮成形された固形物を樹脂膜でコーティングしているので、持ち運びや取扱いが容易になり、水中に投入されたときには水溶性樹脂膜が溶解し、発泡剤の作用で餌が拡散したり発泡音を発生したりすることで集魚効果を高めるとされている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】前記したコマセやビシの技術では、釣糸に取り付けられた餌の収容容器が水中に投入されると同時に、容器から水中への餌の拡散が生じる。そのため、目的の魚が存在する領域いわゆる棚の近くに到達するまでに、大量の餌が失われてしまうという欠点がある。棚の近くで十分な撒き餌の効果を果たすには、散逸する量を考慮して必要以上に過剰の餌を容器に詰め込んでおけなければならない。これは、大量の餌を無駄に消費することで不経済であるとともに、大量の餌を捨てることで自然環境の汚染を引き起こす。水面上から撒き餌や寄せ餌を使用した場合も、上記同様に、必要以上の餌をまき散らしてしまうという問題がある。 【0005】また、釣りの現場で、コマセやビシの容器に生の餌を詰め込んだり、寄せ餌となるダンゴを作ったりする作業は、強い臭いがすることや、手が汚れることなど、釣りを楽しもうとする人にとって、歓迎されない作業である。しかも、予め冷凍された状態の生餌を解凍したり、乾燥餌に水を加えて練ったりする作業は、ある程度の量をまとめて行わなければ面倒であるため、実際に使用する量よりも大量の餌を予め作ってしまう傾向が強く、使用しなかった餌は現場に捨てられてしまうことが多いため、釣り場に放棄されて悪臭を発生したりして釣り場の環境を損なってしまうという問題もある。 【0006】前記実用新案登録公報に示された技術は、予め固形化された餌を用いるので、取扱いは行い易いが、水中に投入したときに餌が十分に拡散し難いという欠点がある。すなわち、圧縮成形された餌は、外周の水溶性樹脂が溶けて表面に水が接触したとしても、表面部分の餌が徐々に水中に溶け出す程度であり、圧縮成形されて隙間のない餌の中心部分まで水が浸透することは難しい。そのため、餌の全体が水中に溶け出すには長い時間がかかってしまう。餌に含まれる発泡剤も水が接触しなければその機能は発現されないから、発泡剤が膨張して餌を崩壊させる作用も直ぐには期待できない。餌が長い時間をかけてゆっくりと水中に溶け出すのでは、水中の広い範囲に餌が拡散されることも生じ難い。さらに、固形化された餌が発泡剤で崩壊する時間を正確に設定することが難しいので、所望の深さの棚で初めて餌が拡散するような調整が難しい。 【0007】本発明の課題は、前記した撒き餌などの釣用餌の取扱いを容易にするとともに目的とする撒き餌などの機能が良好に発揮できるようにすることである。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明にかかる釣用餌の収容用材は、水中に投入されたときに時間をおいて水解する水解性部を有するシート材からなる。各構成要件について具体的に説明する。 〔釣用餌〕通常の釣用餌が用いられる。但し、少なくとも水解性部と接触する部分には、乾燥状態の餌が配置されるようにする。通常の乾燥餌は、オキアミやサナギ、アミ、イワシ油、桜エビの粉などの動物性の餌やマッシュポテト、澱粉などの植物性の餌、あるいは多糖類等の高分子からなる合成材料等を乾燥し、必要に応じて粉砕して得られる。したがって、乾燥餌は、細かな粉体状あるいは粒状、さらには片状、棒状その他の塊状をなしているか、これらの形態が異なる餌の混合物である。上記のような形態を総称して粒塊状と呼ぶ。 【0009】なお、後述する釣用餌の保護部材と組み合わせて用いる釣用餌については、乾燥餌である必要はなく、生きたオキアミ、昆虫、小魚等、通常の釣糸に取り付けて用いられる餌を用いることができる。 〔収容用材〕釣用餌を販売流通に供給する際に包装しておいたり、釣りで釣用餌を水中に投入するときに収容しておくのに用いる物品を構成する材料である。収容用材を用いて、釣用餌の包装袋や包装パック、包装箱を構成する。また、ビシやコマセの容器の全体あるいは一部を構成する。釣用餌が目的とする魚以外の魚に食われるのを防ぐ保護部材を構成する。 【0010】収容用材は、平坦なシート材を折り曲げたり切り貼りしたりして目的の構造を組み立ても良いし、予め立体形状に成形されたものであってもよい。収容用材の全体が水解性部であってもよいし、収容用材の一部が水解性部であってもよい。収容用材のうち、水解性部以外の部分は非水解性部となる。 〔水解性部〕釣りの際に、海や川あるいは湖などの水中に投入されたときに時間をおいて水解する性質を有する。水解とは、水に完全に溶解してしまう場合だけでなく、少なくとも一部の構成成分が水に溶けることで構造全体がバラバラに崩壊してしまう場合をも含めている。例えば、紙の場合、紙を構成する個々の繊維は水に溶けなくても、繊維同士を結合している成分が水に溶けることで繊維がバラバラになって崩壊する。 【0011】時間をおいて水解とは、水中に投入されると同時に水解するのではなく、水中に投入されても、しばらくの間は水解を起こさずに元の形態を維持していて、一定の時間が経過したあとで水解を起こすことを意味する。水中に投入されてから水解を起こすまでの時間は、使用目的や釣りの種類などの条件によっても異なるが、通常は水中投入後、1〜60秒程度ののちに水解を起こすものが好ましい。ビシやコマセとして利用する場合、比較的深い棚の魚を釣る場合には30〜60秒程度で水解させ、比較的浅い棚の魚を釣る場合には5〜15秒程度で水解させるのが好ましく、水面上から水面近くの水中にばらまく撒き餌の場合には5秒以下で水解させることもできる。但し、釣りに使用する前に、湿気や水がかかった程度では直ちに水解しないものが好ましい。 【0012】水解性部を構成する材料の種類や厚みなどを調整することで、水解を起こすまでの時間を設定することができる。水解性部を構成する材料としては、紙あるいは水溶性樹脂のフィルムやシートが用いられる。澱粉を原料とするオブラートも使用できる。紙は、広葉樹パルプあるいは針葉樹パルプなどの木材パルプ、その他のセルロース繊維からなるものが用いられる。水溶性樹脂として、パオゲン、PVA等が用いられる。自然環境に放出されたときに環境汚染を引き起こし難い安全性の高い材料が好ましい。紙と水溶性樹脂との複合体も用いられる。紙の片面あるいは両面に水溶性樹脂を塗工し乾燥させたものが使用でき、紙と水溶性樹脂との性質を相乗的に発揮させて、取扱い時の強度が高く適度な柔らかさを有しているとともに、目的とする水解性を持たせることができる。 【0013】水解性部を構成する材料として、トウモロコシや小麦、米、大豆などの穀物を水で溶いてペースト状にしたものを成形固化させてなる可食性材料が使用できる。具体的には、ソフトクリームやアイスクリームの収容に使用されているコーン容器の材料や、シュークリームや最中や饅頭などの皮を構成する材料、麸の材料などが使用できる。豆腐を乾燥させたものも使用できる。これらの材料は、成形型を用いて成形し、乾燥あるいは焼成することで、紙では形成し難い複雑な凹凸や曲面形状を有するシートや容器が製造できる。また、添加材料や配合、乾燥あるいは焼成の処理条件によって、水解性を付与したり、水解性の程度を調整したりすることができる。また、上記のような可食性材料は、製造条件によっては、実質的に水解性を有しない状態にもなり、後述する非水解性部の材料にも利用できる。 【0014】可食性材料で形成された収容用材は、収容用材そのものが魚の餌として利用できる。水中に放出されても、海中生物に捕食されたり海中微生物によって分解されたりしてしまうので、水中環境の汚染が防止できる。 〔非水解性部〕水解性部に比べて水解性に乏しく、水中に投入しても少なくとも釣りを行っている間は水解しない材料が用いられる。完全な耐水性を有する材料ではなくてもよい。 【0015】非水解性部は水解性部の片面あるいは両面あるいは内部に積層されてシート材を構成することができる。但し、非水解性部は水解性部の一部のみに積層され、シート材のうち少なくとも一部は水解性部のみで構成される。非水解性部を構成する材料として、非水溶性樹脂や塗料材料、印刷インク材料などが用いられる。紙に強度や耐水性を付与するサイズ剤を用いることもできる。このような非水解性部となる材料の薬剤を、水解性部で構成されるシート材の表面に塗工したりシート材に含浸させたりして乾燥させておけば、非水解性部が設けられる。シート材に塗工する非水解性部のパターンや配置形状は、非水解性部の利用目的に合わせて適宜に設定できる。 【0016】非水解性部として、天然あるいは合成の繊維や糸、織布、不織布、フィルムなどを用いることができる。前記した可食材料のうち実質的に非水解性であるものを用いることもできる。収容用材あるいは後述する収容容器や保護部材の一部を構成する非水解性部が、水解性部が完全に水解した後でも非水解性部だけで元の形態を維持することのできる構造を有しておくことができる。具体的には多数の穴を有する面状の非水解性部やネット状あるいは網状、格子状をなす非水解性部が採用できる。 〔収容容器〕釣用餌を前記した撒き餌等として使用するときに収容しておく容器であり、収容用材で構成される。 【0017】水中に投入されたときに釣用餌に直かに水が接触しないように密閉可能な容器状をなしていれば、収容容器の具体的な形状構造は特に限定されない。シート材から構成される通常の各種包装容器などの構造が採用できる。筒状、箱状、袋状などの容器が用いられる。より具体的には、通常のビシやコマセカゴと同様の円筒形、円錐形、球形などの立体図形状およびこれらの立体図形を組み合わせた形状が採用できる。シート材を折り畳んで構成した折り畳み容器が用いられる。シート材などを立体形状に成形したものであってもよい。既知のティーバック容器やテーブルシュガー容器、パック飲料容器などの構造を転用することができる。 【0018】容器の一部に開閉自在な蓋片を有していたり、容器を互いに嵌合自在な蓋体と容体とに分割構成しておいて、釣用餌を収容したあとで嵌合密閉することもできる。容器を組み立てたり蓋をする際には、接着剤や熱融着、縫合などの接合手段を適用することができる。複数の容器部分が連設されていて、容器部分の中間をミシン目などで切り離し可能にしておけば、持ち運びが容易であるとともに、使用時には個々の容器部分毎に分離して使用できる。 【0019】収容容器に釣用餌を収容しておくときに、粒塊状をなす釣用乾燥餌を分散状態で収容しておくことで、水中で収容容器が水解したときに釣用餌の全体に素早く水が接触して釣用餌が水中の広い範囲に迅速に拡散することができる。収容容器が、シート材からなり、容器状をなす水解性部と、水解性部の一部のみに積層され、水解性部が水解した状態でも容器形態を維持する非水解性部とを有していれば、水中に投入して水解性部が水解したあと、非水解性部が従来のコマセカゴや金網ビシのような形態で釣用餌を保持しておくことができる。 【0020】収容容器には、釣糸への取付手段を備えておくことができる。具体的には、収容容器の一部に釣糸が挿通される取付穴や係止用の凹凸構造を設けておくことができる。収容容器に釣用餌が収容された状態の収容体を、予め工場などで製造しておき、販売流通に供するようにすれば、使用者は、釣用餌に直接は触れることなく取扱いおよび釣りの作業が行える。従来、釣用餌はその取扱いが難しいことや臭いが敬遠されて販売者が限られていたが、前記した収容体の形態であれば、コンビニエンスストア等で一般の商品と同じように販売することもできる。 【0021】収容体を販売流通に供するときには、収容体を耐水性のあるフィルムや容器に収容しておけば、取扱い中に水がかかったり湿気が多くても、収容体が水解してしまうことが防げる。収容体の外周に剥離可能な耐水フィルムを被覆しておくこともできる。 〔集魚装置〕通常のビシやコマセカゴと同様に、釣糸の途中に取り付けて、水中に撒き餌を散布するのに使用される。 【0022】外容器は、従来のビシやコマセカゴと同じ構造が採用され、市販製品をそのまま使用することも可能である。外容器を構成する材料は、合成樹脂、金属、合成繊維、天然繊維などが用いられる。外容器には、釣糸に取り付けるために、釣糸を挿通する穴や釣糸を巻き付け固定する突起などの取付手段を備えておく。外容器には、全体あるいは少なくとも一部に容器の内外を連通する通水空間を有する必要がある。 【0023】外容器の内部に、前記釣用餌の収容体が収容される。したがって、収容体あるいは収容容器の外形状を、外容器に収容可能な形状にしておく。外容器に、釣用餌の収容体を出し入れするために、一部が開口していたり、互いに嵌合自在な容体と蓋体とからなる嵌合構造を備えていたりすることができる。 〔保護部材〕釣糸の釣針に取り付けられた釣用餌が、水中の所定の位置まで到達する前に目的外の魚に食われたり、水中で釣糸から外れたりするのを防ぐ部材である。 【0024】前記収容用材を筒状に組み立てて構成される。釣針あるいはそこに取り付けられた釣用餌の外形よりも大きな内径と、釣針の上部付近で釣糸に取り付けたときに釣用餌の下部までを覆う長さを有している。保護部材を構成する収容用材は、全体が水解性部で構成されていればよい。保護部材として、使用時に必要な長さの複数個分の全長を有し、軸方向に沿って間隔をあけて円周状の切断容易な切離部を有するものが用いられる。切離部は、いわゆるミシン目構造が採用できる。流通販売あるいは持ち運び時には、長い状態で取扱い、使用時に必要な長さ分だけを切り離して用いる。 【0025】 【発明の実施の形態】〔釣用餌の収容体〕図1に示す収容体10は、収容用材からなる収容容器12と、収容容器12に収容された釣用餌14とで構成される。収容容器12は茶筒状をなし、全体が水解性部11で構成されるシート材からなる収容用材を用いて密閉容器状に作製されている。釣用餌14は、市販の乾燥餌が分散状態のままで収容されている。したがって、収容容器12の内部で釣用餌14はバラバラの状態である。 【0026】このような収容体10は、工場等で製造され、この状態で販売あるいは流通に供せられる。釣りに携帯する際にも、収容体10のままで持ち運ぶ。但し、水濡れや吸湿を防止するために、収容体10を耐水性の袋や容器に収容しておくこともできる。図2に示すように、収容体10を使用するときには、釣糸Wに取り付けられた外容器20の内部に収容体10を収容して用いる。外容器20は、全体が合成樹脂の成形体からなる市販のビシ容器をそのまま使用している。外容器20には多数の貫通孔22や隙間があいており、水が自由に内外を流通することができる。 【0027】収容体10が収容された外容器20を釣糸Wに取り付けた状態で、釣糸Wを水中に投入すると、水は外容器20の貫通孔22等から内部に浸入して収容体10の収容容器12が水と接触する。全体が水解性部11からなる収容容器12は、水と接触しても一定時間は形態を維持している。収容容器12が形態を維持している間に、釣竿から繰り出された釣糸Wの釣針や錘は、所定の深さ位置まで沈む。収容体10も釣針の位置よりも少し上方の所定位置に沈み、この状態で収容容器12が水解する。実際には、これよりも少し前の段階から水解が始まっていてもよい。 【0028】釣りの動作として、釣糸を急速に一定量だけ引き上げて、ビシ容器を上下に動かして餌の拡散を促進したり、釣針を上下させて魚の食い付きをさそう、いわゆる「しゃくり」と呼ばれる動作があり、このような動作を行うことで、収容容器12の水解を開始させたり促進させたりすることができる。収容容器12が水解すると、内部の釣用餌14が水と接触し、釣用餌14は外容器20の貫通孔22等から水中に拡散していき、いわゆる撒き餌として機能する。その後、釣糸Wを上下させたりして、釣用餌14の拡散を加減したりする操作が行え、通常の釣りと同じような操作が可能である。 【0029】前記外容器20としては、ステンレス製ビシを用いたり、金属網製のビシやコマセカゴ、テグス製のコマセカゴなどを用いることもできる。 〔収容用材の製造例〕木材パルプを約30分間かけてビーターあるいはパルパーにて離解する。叩解は行わない。離解された木材パルプおよびレーヨン繊維を、円網抄紙機、長網抄紙機、コンビネーション抄紙機のいずれかを用いて抄紙する。紙の坪量は、30〜50g/m3の範囲が好ましい。水解を開始する時間を調整するために、さらに坪量を多くすることもできる。 【0030】パオゲンなどの水溶性樹脂をメタノール等の溶剤に溶かし、前記抄紙された原紙に塗工して複合化する。複合紙を、ヤンキードライヤーで100〜130℃で乾燥処理する。紙の表面に水溶性樹脂がフィルム状に溶融結合したシート材が得られる。シート材は、柔軟性があり、表面は平滑であり、乾燥状態では表面の強度も十分にある。 【0031】このような収容用材に、前記した乾燥状態の釣用餌14を包み込んで、接着剤を用いて密閉すれば、収容体10が得られる。 〔非水解性部を有する収容体〕図3および図4に示す実施形態は、収容容器に釣用餌が収容された収容体であるとともに、収容容器を構成する収容用材の一部に非水解性部を有する。 【0032】収容体10は収容容器12と釣用餌14とで構成されている。収容容器12の全体形状は前記実施形態と同様の円筒状をなしており、内部に釣用餌14が密閉状態で収容されている。図4に詳しく示すように、収容容器12は、水解性の材料からなるシート材すなわち水解性部11で全体が構成されているとともに、水解性部11の外面に非水解性部13を有している。図3に示すように、非水解性部13は、収容容器12の外面に縦横の格子状あるいは網状を呈するように配置されている。 【0033】上記のような構造の収容体10は、比較的に強度のある非水解性部13を有しているので機械的強度が高まり、販売流通などの取扱いが容易になる。釣りに使用するときには、収容体10は、前記実施形態と同様に外容器20に入れて使用する。水中に投入された収容体10は、前記同様に所定時間後に所定の深さ位置で、非水解性部13が配置されていない部分の水解性部11が水解して、釣用餌14が水中に放出される。しかし、格子のカゴ状あるいは網袋状をなす非水解性部13は元の形態を維持しているので、釣用餌14はカゴあるいは網袋に収容された状態になり、釣用餌14が水中に過剰に拡散してしまうことが防げる。 【0034】収容容器12の表面に占める非水解性部13の割合を適宜に設定することで、釣用餌14の拡散速度や拡散量を調整することができる。非水解性部13の割合が多ければ、釣用餌14の拡散は遅くなる。 〔外容器を使用しない収容体〕図5に示す実施形態は、前記実施形態のような外容器を使用しない。 【0035】収容体10は、前記実施形態と同様に、水解性材料からなるシート状の収容用材で形成された円筒状の収容容器12と、収容容器12に収容された釣用餌14を備える。収容容器12を構成する水解性のシート材からなる水解性部11外面には、非水解性部13が積層されている。非水解性部13は、収容容器12のほぼ全面にわたって積層されているが、収容容器12の外側面には、非水解性部13が配置されていない孔部15が一面に多数配置されている。この孔部15では、内面側の水解性シート材からなる水解性部11が露出している。 【0036】収容容器12の上端面には三角形状に突出する取付片16を有する。取付片16の上部中央には取付孔17が貫通している。上記構造の収容体10は、販売流通に供するときには取付片16を収容容器12の上端面に折り畳んだ状態で取り扱うことができる。収容体10を釣りに使用するときは、収容体10を釣糸Wにそのまま取り付けて使用する。前記実施形態のような外容器は使用しない。すなわち、釣糸Wを収容体10の取付片16に有する取付孔17に挿通して縛っておく。収容体10そのものを、通常のビシやコマセ容器のように取り付けておく。 【0037】釣糸Wを水中に投入すると、収容体10は一定の深さまで沈んで、孔部15に露出する水解性部11が水解する。その結果、釣用餌14は孔部15から水中に拡散していく。水解性部11が水解した状態の収容容器12は、従来知られているコマセカゴやビシ網などと共通する構造となり、釣用餌14を保持しながら徐々に水中へと放出していくことになる。 【0038】収容体10から釣用餌14が放出されてしまえば、釣糸Wから収容体10を取り外し、新たな収容体10に交換することができる。使用済の収容体10すなわち収容容器12は、シート状の収容用材からなるので、小さく折り畳んで回収することができる。紙等を主体する収容用材は、焼却や埋め立てによる廃棄処分に適している。 〔撒き餌となる収容体〕図6に示す実施形態は、水面上から水中に投入される撒き餌として利用される収容体10を表す。 【0039】収容体10は、直径数cm〜10cm程度の球形をなし、全体が水解性部11で構成された収容容器12に、釣用餌14が収容されている。収容容器12は、水解性材料からなるシート材料を、半球状に成形したあと、半球の内部に釣用餌14を収容し、一対の半球を組み合わせ接合して球形にしたものである。収容体10の大きさは、通常のダンゴ状をなす撒き餌と同じ程度に設定される。 【0040】収容容器12を、アイスクリーム用コーン容器の原料である可食材料液を用いて製造することができる。前記可食材料液を半球状の焼型に流して加熱焼成すれば、半球状の容器半体が得られる。この2個の半球状容器を組み合わせれば球状の収容容器12が得られる。このような球形の収容体10は、水面上から水中に投入すると、水面あるいは水中で徐々に収容容器12が水解し、内部の釣用餌14が水中に放出される。バラバラの分散状態で収容されていた釣用餌14は、直ちに拡散して水中に拡がっていく。 【0041】球形の収容体10は、手に持って投げ易いので、岸や船上から任意の距離だけ離れた水面位置に投入することができる。 〔釣用餌の保護部材〕図7(A) (B) に示す実施形態は、釣針に取り付けられた餌の保護部材である。図7(B) に示すように、前記した水解性のシート材からなる収容用材すなわち水解性部11で構成された長い筒状体32を用いる。筒状体32は軸方向に等間隔で筒状体32の円周に沿ったミシン目状の切離部34が設けられている。切離部34で区切られた個々の部分が保護部材30となる。 【0042】保護部材30を使用する際には、筒状体32の適宜の切離部34で切り離し使う。図7(A) に示すように、釣糸Wの先端に有する釣針Aには、エビ等の生き餌Fが取り付けられている。保護部材30は、餌Fの外周を覆うように被せられ、保護部材30の上端を釣針Aの上部から釣糸Wに捩じり付けることで、保護部材30を釣糸Wに取り付ける。 【0043】この状態で、釣糸Wを水中に投入する。釣針Aは所定の深さまで沈む。保護部材30は一定の時間たってから水解する。したがって、保護部材30が水解するまでの間は、餌Fが保護部材30で覆われた状態であり、水中で、目的する魚以外の小魚などが餌Fを食べてしまうことが防げる。水中に投入されたときの水面での衝撃や水流による衝撃などが餌Fに直接加わらず保護部材30で緩衝されるので、釣針Aから餌Fが外れたりすることも防げる。 【0044】水中で一定時間後に保護部材30が水解してしまえば、餌Fが直接に水中に露出するので、目的とする魚の食い付きには何ら悪影響は生じない。 〔収容用材の具体例〕下記表1に示す紙材を製造し、その水解性等の性能を評価した。表中、パルプ比は針葉樹:広葉樹の%比を表す。種別のうち、加工紙は水溶性樹脂を溶剤で溶解させた液を紙加工機で含浸加工したことを意味し、g数値は坪量を表す。各性能値は、対応するJIS規格に準じて測定した。水解性は、JIS−P4501(トイレットペーパー 4.5ほぐれやすさ)に準じて測定した。 【0045】 【表1】 ────────────────────────────── 紙 材 料 坪 量 厚さ 密度 パルプ比−種別 g/m2 mm g/cm3 ────────────────────────────── 製造例1 50:50−原紙(薄) 15.56 0.043 0.36 製造例2 50:50−原紙(厚) 43.26 0.092 0.47 製造例3 70:30−原紙(薄) 25.14 0.056 0.45 製造例4 70:30−原紙(厚) 47.86 0.097 0.49 製造例5 50:50−30g 加工紙 32.80 0.070 0.47 製造例6 50:50−35g 加工紙 39.32 0.081 0.49 製造例7 50:50−40g 加工紙 47.82 0.094 0.51 製造例8 70:30−30g 加工紙 35.21 0.076 0.46 製造例9 70:30−35g 加工紙 40.68 0.083 0.49 製造例10 70:30−40g 加工紙 51.24 0.100 0.51 ──────────────────────────────【0046】 【表2】 ─────────────────────────────── (乾)引張強さ 破裂強さ 引裂強さ 水解性 縦/横 kgf kg/cm3 縦/横 gf 秒 ─────────────────────────────── 製造例1 0.22/0.12 − 17.5/− − 製造例2 0.87/0.64 0.13 35.4/36.4 − 製造例3 0.40/0.25 − 18.0/18.9 − 製造例4 0.85/0.57 0.11 26.7/29.2 − 製造例5 1.52/0.82 0.36 41.9/57.5 18.2 製造例6 1.71/0.97 0.47 52.4/(67.1) 19.0 製造例7 2.03/1.19 0.55 57.0/75.4 30.5 製造例8 1.58/0.81 0.31 40.8/56.3 12.8 製造例9 1.79/0.97 0.40 42.8/55.3 15.6 製造例10 2.12/1.25 0.57 56.9/78.4 31.0 ───────────────────────────────上記製造例のうち、製造例1〜4は、水解性がなく本発明の水解性部としては使用できない。製造例5〜10から、紙の材質および坪量によって水解性を調整できることが判る。 〔使用評価試験〕図1に示す構造の釣用餌の収容体を製造し、図2に示す集魚装置を用いて、海釣りに使用し、性能を評価した。表中、収容用材の欄に示す数値は、針葉樹パルプ:広葉樹パルプの構成比%と、水溶性樹脂を含浸させた加工紙の坪量g/m2を表す。水中深度で示す深さまで集魚装置を沈めて、釣糸を少し引き上げる、いわゆるしゃくり動作を行ったときに、釣用餌が十分に水中に放出されたか否かを、結果の欄で評価した。 【0047】 【表3】 ──────────────収容用材 深度 m 結果──────────────70:30-35 5 良好50:50-35 10 良好50:50-35 30 良好50:50-35 60 良好50:50-40 60 良好──────────────以上の結果、本発明にかかる釣用餌の収容体あるいは集魚装置は、釣用餌を任意の深度まで沈めて良好に拡散させることができた。 【0048】次に、釣用餌の保護部材を製造し、その使用性能を評価した。収容用材(70:30−35)および収容用材(50:50−35)を用いて、図7に示す保護部材を製造し、釣針に取り付けた刺エサを保護部材で覆って釣りを行った。釣針が所定の深度まで沈んだ段階で、前記しゃくり動作を行ったところ、刺エサを覆っていた保護部材が水解して、刺エサが水中に露出した。保護部材は、刺エサが所定深度まで沈むまでの間、十分に保護機能を発揮していた。 【0049】 【発明の効果】本発明にかかる収容用材は、釣用餌を収容した状態で水中に投入されたときに、一定の時間をおいてから水解するので、釣用餌が水中に露出したり拡散したりする時期を調整することができる。すなわち、釣用餌を食べさせたい魚がいる位置までは釣用餌が無駄に消費されることが防げ、無駄に消費される餌で水質汚染が生じることも防止できる。収容用材からなる収容容器に釣用餌を収容した状態で販売流通や持ち運びに供すれば、取扱いが容易になり、取扱い中に釣用餌がこぼれて無駄になることも防げる。集魚用の外容器に収容体を収容して使用すれば、外容器に釣用餌をいちいち詰め込む手間が省け、手が汚れることが防げ、釣り場で外容器から釣用餌がこぼれて無駄になったり環境を汚したりすることも防げる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591039425 【氏名又は名称】高知県 【識別番号】598043951 【氏名又は名称】清藤 幸雄
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)6月8日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】松本 武彦
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| 【公開番号】 |
特開平11−341940 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)12月14日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−159686 |
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