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【発明の名称】 重心移動式ルアー
【発明者】 【氏名】渋木 英一

【要約】 【課題】水中での音の発生を防止した重心移動式ルアーを提供する。

【解決手段】本体2の内部に、錘7を前後方向に移動可能に収容する錘移動空間5が形成され、本体2の後端部側を前方へ向けて投げられると、錘7が慣性によって錘移動空間5内を前端部側から後端部側へ移動すると共に、着水すると錘7が前端部側へ戻って保持されるように構成された重心移動式ルアー1において、錘移動空間5内の、錘7が保持される前端部近傍の領域に、錘7と少なくともその左右2箇所で当接可能な軟質材でできた筒状の消音部材11を設けたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 本体の内部に、錘を前後方向に移動可能に収容する錘移動空間が形成され、本体の後端部側を前方へ向けて投げられると、錘が慣性によって錘移動空間内を前端部側から後端部側へ移動すると共に、着水すると錘が前端部側へ戻って保持されるように構成された重心移動式ルアーにおいて、前記錘移動空間内の、少なくとも前記錘が保持される前端部近傍の領域に、前記錘とその少なくとも左右2箇所で当接可能な軟質材でできた消音部材を設けたことを特徴とする重心移動式ルアー。
【請求項2】 前記消音部材は、前記錘移動空間の前端部近傍の領域を形成するように設けられた筒状の部材であることを特徴とする請求項1記載の重心移動式ルアー。
【請求項3】 前記消音部材は、前記錘移動空間全体を形成するように設けられた筒状の部材であることを特徴とする請求項1記載の重心移動式ルアー。
【請求項4】 前記消音部材は、前記錘移動空間の前端部側で保持される前記錘の左右に位置しかつ前後方向に延びるように設けられた左右の板状の部材であることを特徴とする請求項1記載の重心移動式ルアー。
【請求項5】 本体の内部に、錘を前後方向に移動可能に収容する錘移動空間が形成され、本体の後端部側を前方へ向けて投げられると、錘が慣性によって錘移動空間内を前端部側から後端部側へ移動すると共に、着水すると錘が前端部側へ戻って保持されるように構成された重心移動式ルアーにおいて、前記錘の下側の左右2箇所を支持して錘を前記錘移動空間内で前後方向に案内する案内レールを備え、該案内レールのうち、前記錘移動空間内の前端部近傍の領域内で錘を案内する前側レール部を、前後方向に平行に延びかつ前端側へ向かって下り傾斜にしたことを特徴とする重心移動式ルアー。
【請求項6】 前記案内レールのうち、前記前側レール部に連続する後側レール部を、後端側へ向かって下り傾斜にすると共に、そのレール幅が前側レール部のレール幅から錘移動空間の後端部或いはその近傍まで次第に広がるようにしたことを特徴とする請求項5記載の重心移動式ルアー。
【請求項7】 本体の内部に、錘を前後方向に移動可能に収容する錘移動空間が形成され、本体の後端部側を前方へ向けて投げられると、錘が慣性によって錘移動空間内を前端部側から後端部側へ移動すると共に、着水すると錘が前端部側へ戻って保持されるように構成された重心移動式ルアーにおいて、前記錘の下側の左右2箇所を支持して錘を前記錘移動空間内で前後方向に案内する案内レールを備え、該案内レールを、前記錘移動空間内の前端部近傍の領域内で前後方向に平行に延びかつ横揺れに対し錘を安定して保持するようなレール間隔の大きい前側レール部と、該前側レール部に連続して前記錘移動空間内の後端部まで平行に延びかつレール間隔が前側レール部のレール間隔より小さい後側レール部とで構成したことを特徴とする重心移動式ルアー。
【請求項8】 前記案内レールの、前側レール部全体及び後側レール部の一部が同一面内で延びており、そして、後側レール部は途中から後方へ向かって上り傾斜になっていることを特徴とする請求項7記載の重心移動式ルアー。
【請求項9】 本体の内部に、錘を前後方向に移動可能に収容する錘移動空間が形成され、本体の後端部側を前方へ向けて投げられると、錘が慣性によって錘移動空間内を前端部側から後端部側へ移動すると共に、着水すると錘が前端部側へ戻って保持されるように構成された重心移動式ルアーにおいて、前記錘の下側の左右2箇所を支持して錘を錘移動空間内で前後方向に案内する案内部材を備え、該案内部材には、錘移動空間の前端部から後端部までの全領域にわたってV字形の案内面が形成されていることを特徴とする重心移動式ルアー。
【請求項10】 前記V字形の案内面が前記錘移動空間の前端部から後端部へ向かって上り傾斜になっていることを特徴とする請求項9記載の重心移動式ルアー。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚型の疑似餌いわゆるルアーに関し、特に前後方向に移動可能な錘を本体の内部に有する重心移動式ルアーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の重心移動式ルアーとして、例えば、本体の内部に、金属等でできた球状の錘を前後方向に移動可能に収容する錘移動空間が形成され、本体の後端部側を前方へ向けて投げられると、錘が慣性によって保持を解除されて錘移動空間内を前端部側から後端部側へ移動し、着水すると錘が前端部側へ戻って磁石により保持されるように構成したものが知られている。このような従来例の他に、本体内に形成された前後方向に延びる空間内にラトルと呼ばれるガラスや真鍮等でできた複数の球状の錘を収容し、ルアーが水中で左右に揺れると、錘が錘移動空間を形成する壁部に当たって音を発生させるように構成された重心移動式ルアーが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記前者の従来例では、錘移動空間を形成する壁部と錘との間に隙間があるので、水中を進む際にルアーが左右に揺れると、錘が壁部に当たって音が発生してしまう。一方、上記後者の従来例では、音で魚の注意を引いて釣果を上げるために、ルアーが揺れたときに音を積極的に発生させるようにしている。しかしながら、これらの従来例では、実際の釣りの現場では釣り人が多いため、音の発生は神経質になった魚にとって逆効果となり、釣果を上げることができなくなる虞があった。
【0004】本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、その課題は水中での音の発生を防止した重心移動式ルアーを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、本体の内部に、錘を前後方向に移動可能に収容する錘移動空間が形成され、本体の後端部側を前方へ向けて投げられると、錘が慣性によって錘移動空間内を前端部側から後端部側へ移動すると共に、着水すると錘が前端部側へ戻って保持されるように構成された重心移動式ルアーにおいて、錘移動空間内の、少なくとも錘が保持される前端部近傍の領域に、錘とその少なくとも左右2箇所で当接可能な軟質材でできた消音部材を設けたことを特徴とする。
【0006】かかる構成によれば、水中でルアーが例えば左右に揺れて錘移動空間内の前端部側で保持された錘が左右に移動すると、錘の少なくとも左右2箇所のいずれかが前端部近傍に配置した軟質樹脂でできた消音部材に当接するので、音の発生を防げる。
【0007】また、請求項2に係る発明は、消音部材は、錘移動空間の前端部近傍の領域を形成するように設けられた筒状の部材であることを特徴とする。かかる構成によれば、水中でのルアーの揺れにより錘移動空間内の前端部側で保持された錘が左右や上下に移動したとき、錘が筒状体で形成される消音部材に当接する。そのため、音の発生が左右移動に加えて上下移動に対しても消音効果が得られ、より一層音の発生を防げることができる。
【0008】また、請求項3に係る発明は、消音部材は、錘移動空間全体を形成するように設けられた筒状の部材であることを特徴とする。かかる構成によれば、水中でのルアーの揺れによる音の発生を錘移動空間の全領域において防げる。また、消音部材が錘移動空間全体を形成するので、錘移動空間を形成する壁部を本体内に設ける必要がなく、簡単な構成でかつ低コストで音の発生を防げる。
【0009】また、請求項4に係る発明は、消音部材は、錘移動空間の前端部側で保持される錘の左右に位置しかつ前後方向に延びるように設けられた左右の板状の部材であることを特徴とする。かかる構成によれば、水中でルアーが左右に揺れて錘移動空間内の前端部側で保持された錘が左右に移動すると、錘が板状の部材である左右の消音部材のいずれかに当接するので、音の発生を防げる。
【0010】また、請求項5に係る発明は、本体の内部に、錘を前後方向に移動可能に収容する錘移動空間が形成され、本体の後端部側を前方へ向けて投げられると、錘が慣性によって錘移動空間内を前端部側から後端部側へ移動すると共に、着水すると錘が前端部側へ戻って保持されるように構成された重心移動式ルアーにおいて、錘の下側の左右2箇所を支持して錘を錘移動空間内で前後方向に案内する案内レールを備え、該案内レールのうち、錘移動空間内の前端部近傍の領域内で錘を案内する前側レール部を、前後方向に平行に延びかつ前端側へ向かって下り傾斜にしたことを特徴とする。かかる構成によれば、前側レール部上にある錘は、そのレール部の傾斜により錘移動空間内の前端部側に保持されると共に、前後方向に平行に延びる前側レール部により錘は左右への移動を阻止されるので、水中でルアーが左右に揺れても、錘は錘移動空間内で左右に移動せず、音の発生を防げる。そして、前側レール部のレール間隔を適宜設定することにより、音の発生をより確実に防げる。
【0011】また、請求項6に係る発明は、案内レールのうち、前側レール部に連続する後側レール部を、後端側へ向かって下り傾斜にすると共に、そのレール幅が前側レール部のレール幅から錘移動空間の後端部或いはその近傍まで次第に広がるように構成したことを特徴とする。かかる構成によれば、前側レール部上にある錘が、慣性力によりそのレール部の後端すなわち頂部を越えて後側レール部上に移動すると、この後側レール部の傾斜により錘移動空間の後端部側へ移動してこの後端部側に保持される。したがって、錘が後側レール部の傾斜により錘移動空間の後端部側に保持され易くなり、キャスティング時におけるルアーの姿勢が安定する。
【0012】また、請求項7に係る発明は、本体の内部に、錘を前後方向に移動可能に収容する錘移動空間が形成され、本体の後端部側を前方へ向けて投げられると、錘が慣性によって錘移動空間内を前端部側から後端部側へ移動すると共に、着水すると錘が前端部側へ戻って保持されるように構成された重心移動式ルアーにおいて、錘の下側の左右2箇所を支持して錘を錘移動空間内で前後方向に案内する案内レールを備え、該案内レールを、錘移動空間内の前端部近傍の領域内で前後方向に平行に延びかつ横揺れに対し錘を安定して保持するようなレール間隔の大きい前側レール部と、該前側レール部に連続して錘移動空間内の後端部まで平行に延びかつレール間隔が前側レール部のレール間隔より小さい後側レール部とで構成したことを特徴とする。かかる構成によれば、前側レール部上にある錘は、前後方向に平行に延びかつ横揺れに対し錘を安定して保持するようなレール間隔の大きい前側レール部によって横揺れに対して安定して保持されるので、水中でルアーが左右に揺れても、錘は錘移動空間内で左右に移動せず、音の発生を防げる。そして、前側レール部と後側レール部との間に段差部ができ、この段差部により錘が係止されるので、錘が錘移動空間の前端部側に保持され易くなる。
【0013】また、請求項8に係る発明は、案内レールの、前側レール部全体及び後側レール部の一部が同一面内で延びており、そして、後側レール部はその途中から後方へ向かって上り傾斜になっていることを特徴とする。かかる構成によれば、錘移動空間の後端部側にある錘に前方へ移動させる慣性力が作用すると、錘は後側レール部の傾斜により前側レール部全体及び後側レール部の一部内に移動して保持されるので、錘が錘移動空間内の前端部側に保持され易くなる。
【0014】また、請求項9に係る発明は、本体の内部に、錘を前後方向に移動可能に収容する錘移動空間が形成され、本体の後端部側を前方へ向けて投げられると、錘が慣性によって錘移動空間内を前端部側から後端部側へ移動すると共に、着水すると錘が前端部側へ戻って保持されるように構成された重心移動式ルアーにおいて、錘の下側の左右2箇所を支持して錘を錘移動空間内で前後方向に案内する案内部材を備え、該案内部材には、錘移動空間の前端部から後端部までの全領域にわたってV字形の案内面が形成されていることを特徴とする。かかる構成によれば、錘移動空間の前端部側に保持されている錘はV字形の案内面によって左右への移動を阻止されるので、水中でルアーが左右に揺れても、錘は錘移動空間内で左右に移動せず、音の発生を防げる。また、そのV字形の案内面のなすV字の角度を適宜設定することにより、音の発生をより確実に防げる。さらに、ルアーが左右に大きく揺れて錘が左右に移動しても、V字形の案内面の傾斜により錘が中央の位置に戻される。
【0015】また、請求項10に係る発明は、V字形の案内面が錘移動空間の前端部から後端部へ向かって上り傾斜になっていることを特徴とする。かかる構成によれば、V字形の案内面が錘移動空間の前端部から後端部へ向かって上り傾斜になっているので、この傾斜により錘は錘移動空間の前端部側に保持され易くなる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る重心移動式ルアーを示す側面図、図2は図1の重心移動式ルアーの主要部を示す縦断面図、図3は図1の重心移動式ルアーで用いる消音部材を示す横断面図である。図1及び図2に示すように、重心移動式ルアー(以下、単にルアーという)1は、魚型のもので、魚に似た細長い流線形状の本体2を有する。この本体2の内部には、その頭部3側から尾部4側へ前後方向に延びる錘移動空間5が壁部6により形成されている。錘移動空間5内には2つの錘7が前後方向に移動可能に収容されている。両錘7は、ガラス、真鍮、鉛等でできた球体であり、壁部6の前端部に設けた磁石8により引き付けられて錘移動空間5の前端部側(図1の左端部側)で保持されるようになっている。本体2は、魚に似た細長い流線形状を縦に2分割した左右一対の成型品、例えば樹脂成型品であり、左右一対の成型品の接合面を接着や溶着等により一体化して作られている。前記壁部6は、磁石8が装着される前端壁部9と、錘移動空間5を形成する空間形成壁部10とからなる。
【0017】錘移動空間5内の、両錘7が磁石8により保持されて位置する前端部近傍の領域には、両錘7と当接可能な筒状の消音部材11が配置されている(図2及び図3参照)。この消音部材11は、軟質のゴム、塩化ビニール等の軟質樹脂等の軟質材でできており、本例では塩化ビニールパイプである。また、消音部材11は、錘移動空間5の前端部側で保持される両錘7の周囲全体を覆うように配置され、錘移動空間5の前端部近傍の領域を形成している。すなわち、消音部材11は、空間形成壁部10の前端部内側に嵌合させる等の方法で固定されており、消音部材11の内周面は空間形成壁部10に設けた傾斜部12の傾斜面を介して空間形成壁部10の内周面と連続している。これによって、空間形成壁部10と消音部材11とにより、本体2の底部とほぼ平行に前後方向に真っ直ぐに延びた錘移動空間5が形成され、この錘移動空間5内を両錘7が円滑に前後方向に転動して移動できる。
【0018】このような構成を有する第1の実施の形態に係る重心移動式ルアー1では、本体2の後端部側(尾部4側)を前方へ向けて投げられると、両錘7が慣性によって磁石8による保持を解除されて錘移動空間5内を前端部側(頭部3側)から後端部側へ移動すると共に、着水すると、本体2の頭部3に設けた不図示のリップに水圧が加わって前端部側が下がることによって、両錘7が前端部側へ戻って磁石8により保持される。
【0019】着水後に不図示のリールを巻くと、ルアー1の重心が前端部側に戻っているので、不図示のリップに水圧が加わって尾部4を魚のように揺らしながら水中を進む。水中を進む際に、ルアー1が任意の方向に例えば左右或いは上下に揺れると、錘移動空間5内の前端部側で保持された両錘7がその空間5内で左右或いは上下に移動し、前端部近傍の領域に配置した筒状の消音部材11に当接するので、音の発生を防げる。したがって、第1の実施の形態によれば、水中での音の発生を防止することができる。
【0020】また、第1の実施の形態によれば、水中でのルアー1の揺れにより錘移動空間5内の前端部側で保持された両錘7が任意の方向に例えば左右或いは上下に移動しても、両錘7がそれぞれ筒状の消音部材11に当接するので、両錘7により音が発生する可能性を最小にすることができる。また、前端部側で保持された両錘7の周囲に筒状の消音部材11を設けるだけでよいので、簡単な構成でかつ低コストで音の発生を防ぐことができる。
【0021】図4は上記第1の実施の形態に係るルアー1の変形例を示す側面図、図5は図4のルアー1の主要部を示す縦断面図である。この変形例では、壁部6の空間形成壁部13は本体2の底部とほぼ平行に真っ直ぐに延びていると共に、その壁部13の内側に、錘移動空間5全体を形成する筒状の消音部材14が嵌合させる等の方法で固定されている。この消音部材14は、前記消音部材11と同様の軟質材でできている。なお、空間形成壁部13を設けずに、壁部6として、消音部材14の前端に当接しかつ磁石8が装着される前側壁部と、消音部材14の後端に当接する後側壁部とを設けると共に、これら両壁部間に消音部材14を配置するように構成しても良い。
【0022】この変形例によれば、筒状の消音部材14が錘移動空間5全体を形成しているので、水中でのルアー1の揺れによる音の発生を錘移動空間5の全領域において防ぐことができる。また、消音部材14が錘移動空間5全体を形成するので、消音部材14を前記前側壁部と後側壁部との間に配置するように構成すれば、空間形成壁部13を本体2内に設ける必要がなくなり、簡単な構成でかつ低コストで音の発生を防ぐことができる。
【0023】図6は、上記第1の実施の形態に係るルアー1の別の変形例の主要部を示す縦断面図である。この変形例では、壁部6が、錘移動空間5の前端を閉塞する前端壁部15と、本体2の底部とほぼ平行に延びた水平壁部16と、この壁部16から斜め上方へ傾斜した傾斜壁部17とから構成されている。そして、水平壁部16の内側に筒状の消音部材18が嵌合等の方法で固定されている。この消音部材18が錘移動空間5の前端部近傍の領域を形成していると共に、消音部材18の内周面と傾斜壁部17の内面とが円滑に連続している。これによって、消音部材18と傾斜壁部17とにより錘移動空間5が形成され、本体2の後端部側を前方へ向けて投げられると、両錘7が慣性によって消音部材18内から傾斜壁部17内を上って後端部側へ移動すると共に、着水すると両錘7が傾斜壁部17内を下って消音部材9内に戻って錘移動空間5の前端部側で保持されるようになっている。
【0024】この変形例によれば、上記第1の実施の形態と同様に、水中を進む際に、ルアー1が任意の方向例えば左右或いは上下に揺れると、筒状の消音部材18内にあって錘移動空間5の前端部側で保持された両錘7が左右或いは上下に移動し、消音部材18に当接するので、水中での音の発生を防止することができる。また、この変形例によれば、磁石8を用いずに両錘7を錘移動空間5の前端部側で保持できるので、その分だけ部品を削減でき、製造コストを低減することができる。
【0025】次に、本発明の第2の実施の形態に係るルアー1を図7及び図8に基づいて説明する。図7はこのルアー1の主要部を示す縦断面図、図8は図7のA−A矢視断面図である。このルアー1では、壁部6の空間形成壁部19は、前記本体2の底部とほぼ平行に真っ直ぐに延びており、この空間形成壁部19が錘移動空間5全体を形成している。また、前記消音部材11と同様の軟質材でできた消音部材20は、錘移動空間5の前端部側で磁石8により引き付けられて保持される両錘7の左右両側に位置しかつ前後方向に延びるように設けられた左右の板状の部材である。
【0026】このような構成を有する第2の実施の形態によれば、水中でルアー1が左右に揺れて錘移動空間5の前端部側で磁石8により保持された両錘7がその空間5内で左右に移動すると、両錘7が左右の板状の消音部材20のいずれかに当接するので、水中での音の発生を防ぐことができる。また、前端部側で保持された両錘7の左右に板状の消音部材20を設けるだけでよいので、簡単な構成でかつ低コストで音の発生を防ぐことができる。
【0027】図9は上記第2の実施の形態の変形例に係るルアー1を示す図で、図8と同様の断面図である。図8に示す第2の実施の形態では、空間形成壁部19の底部21が平面になっているのに対し、この変形例では、空間形成壁部19の底部22が下方へ凸の曲面に形成されている。この変形例によれば、両錘7が曲面に形成された底部22の中央に位置するようになっているので、ルアー1の左右への揺れが小さい場合には、この揺れにより左右に移動する両錘7は左右の板状の消音部材20に当たらずに中央に戻る。したがって、水中での音の発生をより一層防ぐことができる。
【0028】次に、本発明の第3の実施の形態に係るルアー1を図10〜図13に基づいて説明する。図10はこのルアー1の主要部を示す横断面図、図11はその主要部を示す縦断面図、図12は図11のB−B矢視断面図である。このルアー1では、錘7の下側の左右2箇所を支持して錘7を錘移動空間5内で前後方向に案内する案内レール23が設けられている。この案内レール23のうち、錘移動空間5内の前端部近傍の領域内で錘7を案内する前側レール部24は、前後方向に平行に延びかつ前端側へ向かって下り傾斜になっている。これによって、両錘7が磁石8及び前側レール部24の傾斜によって錘移動空間5内の前端部側で保持されるようになっている。
【0029】また、案内レール23のうち、前側レール部24に連続する後側レール部27は、後端側へ向かって下り傾斜になっていると共に、そのレール幅が前側レール部24のレール幅から錘移動空間5の後端部の近傍まで次第に広がっている。すなわち、後側レール部27は、前側レ−ル部24の間隔から壁部6の左右側壁に当たる位置まで後端側へ向かうにつれてその間隔が次第に広がっている。このような後側レール部27を設けたことによって、両錘7が案内レール23の頂部26と錘移動空間5の後端部との間で円滑に移動できるようになっている。
【0030】このような構成を有する第3の実施の形態によれば、前側レール部24上にある錘7は、そのレール部24の傾斜により錘移動空間5内の前端部側に保持されると共に、前後方向に平行に延びる前側レール部24により錘7は左右への移動を阻止されるので、水中でルアー1が左右に揺れても、錘7は錘移動空間5内で左右に移動せず、音の発生を防げる。そして、前側レール部24のレール間隔を適宜設定することにより、音の発生をより確実に防げる。
【0031】また、第3の実施の形態によれば、前側レール部24上にある錘7が、慣性力によりそのレール部24の後端すなわち頂部26を越えて後側レール部27上に移動すると、錘7はこの後側レール部27の傾斜及びそのレール間隔の広がりにより錘移動空間5の後端部側へ移動してこの後端部側に保持される。したがって、錘7が錘移動空間5の後端部側に保持され易くなり、キャスティング時におけるルアー1の姿勢が安定する。
【0032】次に、図13〜図15に基づいて上記第3の実施の形態に係るルアー1の変形例を説明する。図13はこの変形例に係るルアー1を示す横断面図、図14は図13のルアー1を示す縦断面図、図15は図14のCーC矢視断面図である。この変形例では、錘7の下側の左右2箇所を支持して錘7を錘移動空間5内で前後方向に案内する案内レール28が設けられている。案内レール28は、錘移動空間5内の前端部近傍の領域内で前後方向に平行に延びかつ横揺れに対し錘7を安定して保持するようなレール間隔の大きい前側レール部29と、該前側レール部29に連続して錘移動空間5内の後端部まで平行に延びかつレール間隔が前側レール部29のレール間隔より小さい後側レール部30とで構成されている。また、案内レール28の、前側レール部29全体及び後側レール部30の一部(前側レール部29側の近傍)が同一面内で延びており、そして、後側レール部30はその途中から後方へ向かって上り傾斜になっている。
【0033】この変形例によれば、前側レール部29上にある錘7は、前後方向に平行に延びかつ横揺れに対し錘7を安定して保持するようなレール間隔の大きい前側レール部29によって横揺れに対して安定して保持されるので、水中でルアー1が左右に揺れても、錘7は錘移動空間5内で左右に移動せず、音の発生を防げる。そして、前側レール部29と後側レール部30との間に段差部32ができ、両錘7の下側の一部が前側レ−ル部29間に落ち込むと、両錘7が壁部6の前端壁部31と段差部32との間に挟まれて錘移動空間5内の前端部側で保持される。
【0034】また、この変形例によれば、錘移動空間5の後端部側にある錘7に前方へ移動させる慣性力が作用すると、錘7は後側レール部30の傾斜により前側レール部29全体及び後側レール部30の一部内に移動して保持されるので、錘7が錘移動空間5内の前端部側に保持され易くなる。
【0035】次に、図16及び図17に基づいて上記第3の実施の形態に係るルアー1の別の変形例を説明する。図16はこの変形例に係るルアーを示す縦断面図、図17は図16のDーD矢視断面図である。この変形例では、錘7の下側の左右2箇所を支持して錘7を錘移動空間5内で前後方向に案内する案内部材35が設けられている。この案内部材35には、錘移動空間5の前端部から後端部までの全領域にわたってV字形の案内面36が形成されていることを特徴とする。また、V字形の案内面36は、錘移動空間5の前端部から後端部へ向かって上り傾斜になっている。
【0036】この変形例によれば、錘移動空間5の前端部側に磁石8によって保持されている錘7はV字形の案内面36によって左右への移動を阻止されるので、水中でルアー1が左右に揺れても、錘7は錘移動空間5内で左右に移動せず、音の発生を防げる。また、そのV字形の案内面36のなすV字の角度を適宜設定することにより、音の発生をより確実に防げる。さらに、ルアー1が左右に大きく揺れて錘7が左右に移動しても、V字形の案内面36の傾斜により錘が中央の位置に戻される。また、この変形例によれば、V字形の案内面36が錘移動空間5の前端部から後端部へ向かって上り傾斜になっているので、この傾斜により錘7は錘移動空間5の前端部側に保持され易くなる。
【0037】なお、上記各実施の形態及び各変形例のルアー1では、球状の錘7を用いているが、円柱状の錘7を用いてもよい。また、上記各ルアー1において、錘7の数は2に限られず、その数は1以上であればよい。
【0038】さらに、錘7を錘移動空間5の前端部側で保持する方法は、上記各実施の形態及び各変形例で説明したものに限定されない。例えば、錘移動空間5内に収容された複数の錘のうち、最も後端部側にある錘が落ち込む凹部を前記壁部6の底壁に設け、最も後端部側にある錘が凹部に落ち込むことにより、複数の錘が錘移動空間5の前端部側で保持されるように構成してもよい。
【0039】
【発明の効果】以上のように、請求項1に係る発明によれば、水中での音の発生を防止することができる。
【0040】また、請求項2に係る発明によれば、音の発生が左右移動に加えて上下移動に対しても消音効果が得られ、より一層音の発生を防止することができる。
【0041】また、請求項3に係る発明によれば、水中でのルアーの揺れによる音の発生を錘移動空間の全領域において防止することができる。また、錘移動空間を形成する壁部を本体内に設ける必要がなく、簡単な構成でかつ低コストで水中での音の発生を防止することができる。
【0042】また、請求項4に係る発明によれば、錘が板状の部材である左右の消音部材のいずれかに当接するので、水中での音の発生を防止することができる。
【0043】また、請求項5に係る発明によれば、水中でルアーが左右に揺れても、錘は錘移動空間内で左右に移動せず、音の発生を防止することができる。そして、前側レール部のレール間隔を適宜設定することにより、水中での音の発生をより確実に防止することができる。
【0044】また、請求項6に係る発明によれば、錘が後側レール部の傾斜により錘移動空間の後端部側に保持され易くなり、キャスティング時におけるルアーの姿勢が安定する。
【0045】また、請求項7に係る発明によれば、水中でルアーが左右に揺れても、錘は錘移動空間内で左右に移動せず、水中での音の発生を防止することができる。そして、前側レール部と後側レール部との間に段差部ができ、この段差部により錘が係止されるので、錘が錘移動空間の前端部側に保持され易くなる。
【0046】また、請求項8に係る発明によれば、錘が錘移動空間内の前端部側に保持され易くなる。
【0047】また、請求項9に係る発明によれば、水中でルアーが左右に揺れても、錘は錘移動空間内で左右に移動せず、水中での音の発生を防止することができる。また、そのV字形の案内面のなすV字の角度を適宜設定することにより、音の発生をより確実に防止することができる。さらに、ルアーが左右に大きく揺れて錘が左右に移動しても、V字形の案内面の傾斜により錘が中央の位置に戻されるので、キャスティング時などにおけるルアーの姿勢が安定する。
【0048】また、請求項10に係る発明によれば、V字形の案内面が錘移動空間の前端部から後端部へ向かって上り傾斜になっているので、この傾斜により錘は錘移動空間の前端部側に保持され易くなる。
【出願人】 【識別番号】396015035
【氏名又は名称】株式会社タックルハウス
【出願日】 平成10年(1998)6月1日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 明博 (外1名)
【公開番号】 特開平11−341936
【公開日】 平成11年(1999)12月14日
【出願番号】 特願平10−151678