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【発明の名称】 水生動物感染症の予防又は治療方法
【発明者】 【氏名】冨田 守

【氏名】早澤 宏紀

【氏名】加藤 良

【氏名】鈴木 潔

【氏名】土井 豊彦

【氏名】中村 浩彦

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 養殖されている水生動物の感染症を予防又は治療する方法であって、水生動物にラクトフェリン類、ラクトフェリン類の加水分解物、該加水分解物から分離されるペプチド、該ペプチドと同一の合成されたペプチド又はこれらの2以上の混合物を有効成分として含有する飼料を給餌し、水生動物が養殖されている用水に電解水を添加し、水生動物を飼育することを特徴とする水生動物感染症の予防又は治療方法。
【請求項2】 飼料が、少なくとも0.001%(重量)の割合の有効成分を含有する請求項1に記載の水生動物感染症の予防又は治療方法。
【請求項3】 ラクトフェリン類の加水分解物から分離されるペプチドが、配列番号1乃至配列番号31に記載のペプチドである請求項1又は請求項2のいずれかに記載の水生動物感染症の予防又は治療方法。
【請求項4】 ラクトフェリン類の加水分解物から分離されるペプチドと同一の合成されたペプチドが、配列番号1乃至配列番号31に記載のペプチドである請求項1又は請求項2のいずれかに記載の水生動物感染症の予防又は治療方法。
【請求項5】 電解水の添加が、用水から一部の用水を採取し、採取した用水に電解水を添加し、電解水を添加した用水を採取前の用水に戻すことにより行われる請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の水生動物感染症の予防又は治療方法。
【請求項6】 電解水が、ナトリウムイオン濃度が200ppm以下である請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の水生動物感染症の予防又は治療方法。
【請求項7】 電解水が、塩化ナトリウムを含有しない水に塩酸を添加し、塩酸添加水を無隔膜電解槽に通水し、通水した塩酸添加水を電気分解して得られる請求項6に記載の水生動物感染症の予防又は治療方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、養殖魚介類、観賞用魚類、両生類、爬虫類等の水生動物が羅患する物各種感染症を予防又は治療する方法に関するものである。詳しくは、本発明は、ラクトフェリン類、ラクトフェリン類の加水分解物、該加水分解物から分離されるペプチド、該ペプチドと同一の合成されたペプチド又はこれらの2以上の混合物を有効成分とする飼料を水生動物に給餌し、かつ水生動物を養殖している用水に電解水を添加し、水生動物を飼育することを特徴とする水生動物感染症の予防又は治療方法、に関する。
【0002】本明細書において、百分率は、特に断りのない限り重量による値であり、抗菌活性は、細菌、酵母、真菌、ウイルス等の微生物を静菌又は殺菌する作用である。
【0003】
【従来の技術】水生動物は、本来広い水域に生息しているものであるが、観賞魚類、養殖魚介類等は、その経済性の観点から、狭い範囲の水域において高密度で養殖されている。このような環境下では、いったん伝染性の感染症が発生した場合、飼育群全体に蔓延し、水生動物が全滅するほどの致命的な被害を招来する場合もある。更に、水生動物を養殖するための用水(以下、単に用水と記載することがある。)を循環させる方式を採用している複数の飼育場においては、被害が全ての飼育場に蔓延し、その根絶が極めて困難な状態となっている。特に、魚介類仔稚においては感染に対する防御力が脆弱なので、感染症の発生には細心の注意が必要とされている。
【0004】水産動物に関しては、その感染症を原因別に分類すれば、(a)ウイスルによる感染症、(b)病原性細菌による感染症、(c)真菌による感染症、(d)原虫による感染症、(e)寄生虫による感染症等に分類できる(引用文献45)。
【0005】例えば、サケ・マス類であれば、前記(a)は伝染性膵臓壊死症、伝染性造血器壊死症等、前記(b)は細菌性腎臓病、ビブリオ病、冷水病等、前記(c)はミズカビ病、イクチオホヌス病、前記(d)はイクチオボド症、武田微胞子虫症等、前記(e)はテトラオンクス症、吸虫性白内症等が知られている(引用文献45)。
【0006】また鰻の場合には、前記(a)は鰓うっ血症、前記(b)はパラコロ病、カラムナリス病等、前記(c)はミズカビ病、前記(d)はミキシジウム病、べこ病等、前記(e)はシュ−ドダクチロギルス症、アンギリコラ症等が知られている(引用文献45)。
【0007】その他、クルマエビでは、前記(a)のバキュロウイルス性中腸線壊死症、前記(c)のフサリウム症等が知られており、アカウニでは、前記(b)の棘抜け症が知られている(引用文献45)。
【0008】特に、前記(e)の感染症の原因となる寄生生物としては、コスティア、クリプトリア、トリコディナ等の鞭毛虫類、キロドネラ、エピスティルス、白点等の繊毛虫類、エクソボルス、グルギア等の胞子虫類、ギロダクチルス、ダクチロギルス等の吸虫類等を例示することができる。
【0009】従来、病原性細菌による水生動物の感染症に対しては、種々の抗生物質が使用され、また、水生動物の原虫、寄生虫等の寄生による感染症の治療には、従来、次の方法が知られていた。
■淡水浴法及び濃塩水浴法(引用文献1)
■ホルマリン、氷酢酸等による薬浴法(引用文献2)
■過酸化水素による浴治療法(引用文献3)
■塩過酸化物による浴治療法(引用文献4及び5)
■トリフェニルメタンの誘導体、アクリジンの誘導体等の殺生物性又は防腐性の活性染料による浴治療法(引用文献6の「従来の技術」欄に開示)
■サルファ剤(引用文献7)
■ニトロフラゾン製剤(引用文献7)
■有機リン製剤(引用文献7)
■キノリン誘導体、第4級アンモニウム塩、銀の塩、銅の塩、金属コロイド、ニトロフラゾン類、ニトロチアゾール類等の抗寄生生物活性物質による浴治療法(引用文献6の「従来の技術」欄に開示)一方、哺乳動物の乳汁に含有されているラクトフェリンには、抗菌活性があり、各種微生物に対して静菌作用、殺菌作用を呈することが公知であって、飲食品、医薬品、化粧品、飼料等に利用されており(引用文献8〜16)、養殖水生動の病原菌感染予防又は治療にも使用されている(引用文献17)。
【0010】また、各種の生理的効果を有するペプチドが知られており、微生物に対する抗菌作用を有するペプチドも、多数知られている(引用文献18〜35)。
【0011】本発明者らも、ラクトフェリンを蛋白分解酵素で加水分解した分解物、この分解物から単離したペプチド及びこのペプチドと同一の合成したペプチドが、各種微生物に対する抗菌活性を有することを見い出し、既に特許出願している(引用文献36〜40)。また、水生動物の寄生生物性疾患に対する予防及び治療剤としても特許出願している(引用文献41)。
【0012】一方、近年、種々の溶液を電気分解して得られる電解水が知られており、このような電解水の応用技術の確立が急がれている(引用文献42)。従来の電解水は、例えば、食塩を添加した水を隔膜付きの電解槽に通水し、これを電気分解し、陽極側に生成する強酸性水を電解水として取得する技術により製造されるものであった(引用文献43。以下、従来技術1と記載する。)。この技術においては、電解水のpHは1.5以上3.2以下であり、単なる低pH液に比して殺菌効果が高いとされている。
【0013】また、塩化ナトリウムを添加した水と、塩酸を添加した水とを混合し、これを無隔膜電解槽によって電気分解する技術(引用文献44。以下、従来技術2と記載する。)によって製造される電解水も知られている。この場合の塩化ナトリウムは、電解する際の電解効率を上げるために不可欠の添加物とされている。
【0014】また、本発明者らは、実質的にナトリウムを含まない電解水を製造する技術に関し、既に特許出願を行っている(特願平8−309920号。以下、この技術により製造された電解水を、先願の電解水と記載する。)。
【0015】以上のような各種の電解水を添加した水は、例えば、次亜塩素酸ソ−ダを水に添加した場合に比して、低塩素濃度であっても殺菌等の効果が高く、また、毎回使用する度に細かい濃度調整を行なう必要がない点で優れている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水生動物に抗生物質を経口投与する技術にあっては、抗生物質は、食品衛生法の規定によりその使用が制限され、魚体内の残留が認められないので、出荷前に一定の休薬期間を設ける等の処置を採用せざるを得ない。
【0017】また、水生動物の原虫、寄生虫等に対抗する前記従来技術には、次の問題があった。
a)前記■について:処理水の塩濃度が用水と異なり、魚の生態に望ましくない影響がある。
b)前記■について:持続時間が短く、薬剤使用量の許容範囲が狭く、かつ使用する薬剤に毒性がある。
c)前記■及び■について:用水がアルカリ性を呈し、海水に難溶性であり、使用時危険である。
d)前記■について:皮膚中及び内部の寄生虫に無効であり、多量の物質が必要であり、用水が着色する。
e)前記■及び■について:観賞魚類にのみ適用でき、大規模な養殖には適用できない。
f)前記■について:劇薬であり、他の物質との併用を避ける必要がある。
g)前記■について:皮膚中及び内部の寄生虫に無効であり、多量の物質が必要である。
【0018】以上のような従来技術の現状から、水生動物の感染症を予防又は治療することは、水産業界及びペット業界にとって極めて重要であり、それらのために更に有効な方法が、待望されていたのである。
【0019】本発明者らは、ラクトフェリン及び既に特許出願した各種ペプチドの用途について鋭意研究を行っていたが、これらの物質と、電解水とを併用することが、水生動物の感染症の予防又は治療に、極めて有効であることを見出し、本発明を完成した。
【0020】尚、ラクトフェリン、その加水分解物、その加水分解物から分離されるペプチド、又はそのペプチドと同一の化学的に合成されたペプチドを有効成分として含有する飼料と、電解水とを併用する水生動物の感染症予防治療方法は、従来知られておらず、そのような事実を記載した刊行物は皆無である。
【0021】本発明の目的は、水生動物の感染症に有効な予防治療方法を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発明は、養殖されている水生動物の感染症を予防又は治療する方法であって、水生動物にラクトフェリン類、ラクトフェリン類の加水分解物、該加水分解物から分離されるペプチド、該ペプチドと同一の合成されたペプチド又はこれらの2以上の混合物を有効成分として含有する飼料を給餌し、水生動物が養殖されている用水に電解水を添加し、水生動物を飼育することを特徴とする水生動物感染症の予防又は治療方法であり、飼料が、少なくとも0.001%(重量)の割合の有効成分を含有すること、ラクトフェリン類の加水分解物から分離されるペプチドが、配列番号1乃至配列番号31に記載のペプチドであること、ラクトフェリン類の加水分解物から分離されるペプチドと同一の合成されたペプチドが、配列番号1乃至配列番号31に記載のペプチドであること、電解水の添加が、用水から一部の用水を採取し、採取した用水に電解水を添加し、電解水を添加した用水を採取前の用水に戻すことにより行われること、電解水が、ナトリウムイオン濃度が200ppm以下であること、及び、電解水が、塩化ナトリウムを含有しない水に塩酸を添加し、塩酸添加水を無隔膜電解槽に通水し、通水した塩酸添加水を電気分解して得られること、を望ましい態様としてもいる。
【0023】次に本発明について詳述する。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明において、水生動物として、ウナギ、フナ、ブリ(ハマチ)、マダイ、クロダイ、ヒラメ、ギンザケ、ニジマス、コイ、アユ、マアジ、シマアジ、フグ、カンパチ、ティラピア、スズキ、アマゴ、ヤマメ、イワナ、ドジョウ、カワハギ等の養殖魚類、エビ、カニ等の甲殻類、錦鯉、金魚、熱帯魚等の観賞魚類、ホタテ、アワビ、カキ、アコヤ貝、タニシ、アサリ、ハマグリ等の養殖貝類、スッポン等の爬虫類、食用ガエル等の両生類等を例示することができる。
【0025】また、本発明の予防又は治療方法を実施するための「飼料」としては、通常の飼料の形態で水生動物に給餌されるものの他に、水生動物用の薬剤として投与されるものも含まれる。例えば、水生動物が魚類であれば、魚類を手にとって強制的に経口投与する等、実質的に薬剤の形態で投与するものも、本発明における「飼料」の範囲に包含されるのである。
【0026】本発明に使用するラクトフェリンは、市販のラクトフェリン、哺乳動物(例えば、ヒト、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ウマ等)の初乳、移行乳、常乳、末期乳等、又はこれらの乳の処理物である脱脂乳、ホエー等から常法(例えば、イオン交換クロマトグラフィー等)により分離したラクトフェリン、それらを塩酸、クエン酸等により脱鉄したアポラクトフェリン、それらを鉄、銅、亜鉛、マンガン等の金属でキレートさせた金属飽和ラクトフェリン、各種飽和度で金属を飽和したラクトフェリン又はそれらの2種以上の任意の混合物(以下これらをまとめてラクトフェリン類と記載することがある)のいずれであってもよいが、牛乳から分離された市販のラクトフェリンが、最も安価に得られるので、好適である。
【0027】本発明に使用するラクトフェリン類の加水分解物は、前記ラクトフェリン類を、常法により酸又は蛋白分解酵素により加水分解して得られるペプチド混合物であり、製造の態様を例示すれば、次のとおりである。
【0028】酸による加水分解は、ラクトフェリン類を0.1〜20%、望ましくは5〜15%、の濃度で水又は精製水等に溶解し、得られた溶液に塩酸、リン酸等の無機酸、又はクエン酸等の有機酸を添加し、溶液のpHを1〜4、望ましくは2〜3、に調整する。得られた溶液は、調整されたpHに応じて、適当な温度で所定時間加熱して加水分解する。例えば、pHが1〜2に調整された場合には80〜130℃、望ましくは90〜120℃で、pH2〜4に調整された場合には100〜130℃、望ましくは100〜120℃で、それぞれ1〜120分間、望ましくは5〜60分間、加熱する。
【0029】酵素により加水分解する場合には、ラクトフェリン類を0.5〜20%、望ましくは5〜15%、の濃度で水、精製水等に溶解し、得られた溶液を使用される酵素の至適pHに調整して加水分解する。
【0030】使用する酵素には特に制限がなく、市販の酵素、例えば、モルシンF(商標。盛進製薬社製。至適pH2.5〜3.0)、豚ペプシン(和光純薬社製。至適pH2〜3)スミチームAP(商標。新日本化学社製。至適pH3.0)、アマノM(商標。アマノ製薬社製。至適pH3.0)、アマノA(商標。アマノ製薬社製。至適pH7.0)、トリプシン(ノボ社製。至適pH8.0)等を単用又は任意に併用するが、特に豚ペプシン、スミチームAPが望ましい。前記の酵素の他に、例えば、市販のエキソペプチダーゼを含有する醤油酵素(田辺製薬社製)を組み合わせて使用することもできる。使用する酵素の量は、基質に対して0.1〜5.0%の範囲、特に0.5〜3.0%、が望ましい。
【0031】ラクトフェリン類溶液のpHを、使用する蛋白質分解酵素の至適pHに調整し、所定量を添加し、得られた溶液の温度を15〜55℃、望ましくは30〜50℃で、30〜600分間、望ましくは60〜300分間、保持してラクトフェリンを加水分解する。次いで溶液をそのまま又は中和した後、酵素を常法により加熱失活する。
【0032】前記の方法によって得られた反応液を、常法により冷却し、必要に応じて中和、脱塩、脱色し、得られた溶液をそのまま、濃縮して液状の濃縮製品、又は濃縮後乾燥して粉末製品とすることができる。
【0033】前記の加水分解条件は、厳密なものではなく、製造コスト、例えば、温度、時間、酸又は酵素の種類及び量、反応装置(加圧の有無)等を考慮して適宜設定できる。
【0034】以上の方法によって得られたラクトフェリン類の加水分解物は、種々の分子量を有するペプチドの混合物であり、加水分解の分解率は、ホルモール滴定法により測定した分解度が6〜20%、特に7〜15%、の範囲が望ましい。
【0035】本発明に使用するラクトフェリン類の加水分解物から分離されるペプチド及びラクトフェリン類の加水分解物から分離されるペプチドと同一の合成されたペプチド(以下これらをまとめてペプチド類と記載することがある)は、前記引用文献36〜40と同一の方法により製造することができる。その一例を示せば、次、のとおりであり、同様の方法により配列表記載の各ペプチドを分離又は合成することができる。
【0036】1)ラクトフェリン類加水分解物からの分離(以下分離例と記載することがある)市販の牛ラクトフェリン(シグマ社製)50mgを精製水0.9mlに溶解し、0.1規定の塩酸でpHを2.5に調整し、のち市販の豚ペプシン(シグマ社製)1mgを添加し、37℃で6時間加水分解した。次いで0.1規定の水酸化ナトリウムでpHを7.0に調整し、80℃で10分間加熱して酵素を失活させ、室温に冷却し、15,000rpmで30分間遠心分離し、透明な上清を得た。この上清100μlをTSKゲルODS−120T(東ソ−社製)を用いた高速液体クロマトグラフィ−にかけ、0.8ml/分の流速で試料注入後10分間0.05%TFA(トリフルオロ酢酸)を含む20%アセトニトリルで溶出し、のち30分間0.05%TFAを含む20〜60%のアセトニトリルのグラジエントで溶出し、24〜25分の間に溶出する画分を集め、真空乾燥した。この乾燥物を2%(W/V)の濃度で精製水に溶解し、再度TSKゲルODS−120T(東ソー社製)を用いた高速液体クロマトグラフィーにかけ、0.8ml/分の流速で試料注入後10分間0.05%TFAを含む24%アセトニトリルで溶出し、のち30分間0.05%TFAを含む24〜32%のアセトニトリルのグラジエントで溶出し、33.5〜35.5分の間に溶出する画分を集めた。前記の操作を25回反復し、真空乾燥し、ペプチド約1.5mgを得た。
【0037】前記のペプチドを6規定の塩酸で加水分解し、アミノ酸分析計を用いて常法によりアミノ酸組成を分析した。同一の試料を気相シ−クェンサ−(アプライド・バイオシステムズ社製)を用いて25回のエドマン分解を行ない、25個のアミノ酸残基の配列を決定した。またDTNB(5,5−ジチオ−ビス(2−ニトロベンゾイック・アシド))を用いたジスルフィド結合分析法[アナリティカル・バイオケミストリ−(Analytical Biochemistry )、第67巻、第493頁、1975年]によりジスルフィド結合が存在することを確認した。
【0038】その結果、このペプチドは、25個のアミノ酸残基からなり、3番目と20番目のシステイン残基がジスルフィド結合し、3番目のシステイン残基からN−末端側に2個のアミノ酸残基が、20番目のシステイン残基からC−末端側に5個のアミノ酸が、それぞれ結合した配列番号26に記載のアミノ酸配列を有していることが確認された。
【0039】尚、前記の分離方法において、採取する画分を変更することにより種々のペプチドを取得することができる。
【0040】2)ペプチド類の化学的合成(以下合成例と記載することがある)
ペプチド自動合成装置(ファルマシアLKBバイオテクノロジ−社製。LKBBiolynx4170)を用い、シェパ−ド等[ジャ−ナル・オブ・ケミカル・ソサイエティ−・パ−キンI(Journal of Chemical Society Perkin I)、第538頁、1981年]による固相ペプチド合成法に基づいてペプチドを次のとおり合成した。
【0041】アミン官能基を9−フルオレニルメトキシカルボニル基で保護したアミノ酸に、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミドを添加して所望のアミノ酸の無水物を生成させ、このFmoc−アミノ酸無水物を合成に用いた。ペプチド鎖を製造するためにC−末端のアスパラギン残基に相当するFmoc−アスパラギン無水物を、そのカルボキシル基を介し、ジメチルアミノピリジンを触媒としてウルトロシンA樹脂(ファルマシアLKBバイオテクノロジ−社製)に固定する。次いでこの樹脂をピペリジンを含むジメチルホルムアミドで洗浄し、C−末端アミノ酸のアミン官能基の保護基を除去する。のちアミノ酸配列のC−末端から2番目に相当するFmoc−アルギニン無水物を前記C−末端アミノ酸残基を介して樹脂に固定されたアルギニンの脱保護アミン官能基にカップリングさせた。以下同様にして順次グルタミン、トリプトファン、グルタミン、及びフェニルアラニンを固定した。全部のアミノ酸のカップリングが終了し、所望のアミノ酸配列のペプチド鎖が形成された後、94%TFA、5%フェノ−ル、及び1%エタンジオ−ルからなる溶媒でアセトアミドメチル以外の保護基の除去及びペプチドの脱離を行ない、高速液体クロマトグラフイ−によりペプチドを精製し、この溶液を濃縮し、乾燥しペプチド粉末を得た。
【0042】前記のペプチドについてアミノ酸分析計を用いて常法によりアミノ酸組成を分析し、配列番号10に記載のアミノ酸配列を有することを確認した。
【0043】尚、前記の合成方法において、アミノ酸の種類及び結合させるアミノ酸の数を変更することにより、種々のペプチドを化学的に合成することができる。
【0044】以上のようにして得られたラクトフェリン類の加水分解物及びペプチド類は、加水分解されていないラクトフェリンに比して、熱及びpHの変化に対して極めて安定であり、そのまま、賦形剤又は他の薬剤と混合して使用することができる。
【0045】本発明においては、前記のラクトフェリン類、ラクトフェリン類の加水分解物、ペプチド類又はこれらの2種以上を任意に混合して使用することもでき、0.001〜5.0%、望ましくは0.01〜3.0%、の濃度で含有させ、本発明の水生動物感染症の予防又は治療方法を実施するための飼料として、使用することができる。
【0046】本発明の水生動物感染症の予防又は治療方法において給餌する飼料は、充填剤及び増量剤(例えば、糖、でんぷん等)、結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン等)、含湿剤(例えば、グリセロール等)、膨化剤(例えば、寒天、炭酸カルシウム等)、溶解遅延剤(例えば、パラフィン等)、吸収促進剤(例えば、4級アンモニウム化合物等)、表面活性剤(例えば、グリセロールモノステアレート、アセチルアルコール等)、吸着剤(例えば、カオリン等)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸カルシウム等)等の薬学的組成物に通常使用される希釈剤とともに、ラクトフェリン類、その加水分解物及び/又はペプチド類を公知の方法によりゲル剤、ペースト剤、乳剤、シロップ剤、粒剤、粉剤等に製剤化されたものであっても良い。また、ラクトフェリン類、その加水分解物及び/又はペプチド類を、他の薬効のある公知の薬剤と併用することも可能である。
【0047】本発明の水生動物感染症の予防又は治療方法のために使用される飼料は、前記製剤化したもの、前記製剤化したものを一般飼料に混入したものの他、ラクトフェリン類、その加水分解物及び/又はペプチド類を、通常水生動物の飼料として用いられる各種成分とともに、ペレット飼料、顆粒飼料、粉末飼料、錠剤化飼料、粉砕飼料、押出飼料、膨脹飼料、ペースト状飼料、懸濁液状飼料、ゲル状飼料、フィルム状飼料、微粒子飼料、フロック飼料、アスピック飼料等の各種の形態に、常法により加工されたものであっても良い。尚、ラクトフェリン類は、加熱により変性するので、加熱工程後に混合し、ラクトフェリン類の加水分解物及びペプチド類は、加熱変性しないので、いずれの工程でも使用することができる。
【0048】本発明の水生動物感染症の予防又は治療方法は、以上の飼料を水生動物に給餌することを第一の特徴としているのである。
【0049】また、本発明の水生動物感染症の予防又は治療方法は、水生動物が養殖されている用水に電解水を添加することを第二の特徴としている。
【0050】本発明において電解水は、水、又は水に種々の化学物質を溶解した液に電流を印加して電気分解したものであり、例えば前記従来技術1又は2によって製造されたものを例示することができるが、水に種々の化学物質を溶解していない先願の電解水がより望ましい。
【0051】比較的大量に貯留された用水に電解水を添加する場合には、貯留された用水に電解水を直接添加することができる。また、小さな水槽の場合等、少量の用水に電解水を添加する場合には、予め適宜の濃度に水で希釈した電解水をそのまま用水として使用することもできる。また、新しい水を流入させて排水する連続流水形式の用水にあっては、流入する用水に予め電解水を添加することも可能である。
【0052】用水は、淡水又は海水のいずれであっても良く、要は水生動物を養殖するための水の全てを包含するのである。添加する電解水の濃度又は量、添加する時期、電解水添加後の用水の塩素濃度等は、水生動物の種類、ふ化後日数、疾病の種類等に応じて、適宜設定することができる。
【0053】電解水を添加する望ましい態様としては、最初に用水の一部を採取し、次いで採取した用水に、電解水を添加し、添加した用水を戻すのが望ましい。これらの操作は、次のとおり連続的に行うことが可能である。
【0054】例えば、ポンプを配設した配管を準備し、この配管の先端及び末端を各々用水の中に開口し、この状態でポンプを稼働すれば、用水の循環ラインが形成される。この循環ラインに電解水を注入することにより、本発明の方法を連続的に実施することができるのである。
【0055】本発明の方法において使用する電解水は、ナトリウムイオン濃度が200ppm以下の範囲の電解水(先願の電解水)であることが望ましい。即ち、前記従来技術1及び2により得られる電解水とは異なる電解水を使用することが、より望ましい。
【0056】その理由は、次のとおりである。即ち、第一に、前記従来技術1は有隔膜電解槽を使用する方法であるため処理能力が低く、特に、本発明の方法のように電解水を大量に消費する場合には能力が不足する傾向があるためである。第二に、前記従来技術1及び2により製造された電解水は、いずれも食塩を含有しているので、用水に添加した場合には、用水の成分組成が変化する可能性があるためである。この点は、特に用水が淡水である場合には、大きな問題となる。
【0057】これに対して、本発明の望ましい態様である先願の電解水は、前記従来技術1又は2とは異なり、ナトリウムイオン濃度が、一般的な上水の水質基準である200ppm以下、より好ましくは10ppm以下の電解水である。
【0058】従って、本発明の望ましい態様は、前記従来技術1又は2に比して、用水に添加しても用水の成分を変化させることがなく、また殺菌作用が強力であるため、長時間、細菌の増殖を抑制することができるのである。
【0059】また、このような電解水を添加した後の用水は(電解水自体を用水として使用する場合も含めて)、pHが4.5〜6.8の範囲であることが望ましい。
【0060】このような電解水は、望ましくは次の手順で製造される。即ち、実質的に塩化ナトリウムを含有しない水に塩酸を添加し、塩酸添加水を調整する。ここに「水」とは、水道水、地下水、伏流水、脱塩水、蒸留水、精製水(RO水、膜処理水)、これらの混合水等であって、実質的に塩化ナトリウムを含有しないものを意味している。「実質的に塩化ナトリウムを含有しない」の意味は、人為的に塩化ナトリウムを添加することがないということである。尚、本発明においては、塩化ナトリウムのみならず、全般的にアルカリ金属塩化物は添加しないことが望ましい。
【0061】前記の塩酸添加水を無隔膜電解槽に通水し、電気分解する。無隔膜電解槽であるため、電気分解した後に陰極水及び陽極水が分離されることがなく、一括して電解水として取得することができる。従って、無隔膜電解槽であれば大量製造が可能であり、低い製造費により製造が可能である。
【0062】また、この電解水には、当然のことながら塩化ナトリウムは全く添加されておらず、換言すれば、ナトリウムイオン濃度が、前記「水」に含有されていたナトリウムイオン濃度を越えることがない。即ち、ナトリウムイオン濃度200ppm以下となるのである。
【0063】以上の操作としては、例えば、市販の電解水製造装置であるピュアスタ−(商標。森永エンジニアリング社製。以下同じ。)に、21%濃度又は3%濃度の塩酸を貯留したタンクを設置し、前者の場合は21%濃度の塩酸と水とを混合して無隔膜電解槽に通水し、後者の場合には3%濃度の塩酸のみを無隔膜電解槽に通水し、連続的に電気分解することにより電解水を製造することが可能である。
【0064】このようにして得られた電解水は、塩化ナトリウムが実質的に添加されておらず、前記従来技術1又は2による電解水に比して、より自然水に近い物性を有しているのである。
【0065】また、このような電解水は、水又は用水により希釈した後に用水に添加することも可能である。この場合は、希釈後のpHを中性付近に調整することが望ましい。
【0066】尚、このような電解水は、有効塩素濃度が1ppm〜2ppmの濃度範囲まで希釈されたとしても殺菌効果が消失することがない。即ち、水生動物に安全な濃度範囲でありながら殺菌効果を発揮することができるのである。
【0067】次に試験例を示して本発明を詳述する。
試験例1この試験は、本発明の方法の、マダイの白点病に対する予防又は治療効果を調べるために行った。
【0068】1)試験対象マダイ1才魚(魚体重40〜70g)200尾を用いた。
【0069】2)試験方法毎年白点病が多発する池を4区画(各2m3 )に仕切り、前記マダイを50尾ずつ4群に分け、各区画に放泳した。尚、個々の区画は相互に水が混合することがなく、完全に独立してマダイを飼育できる状態に仕切を設置した。
【0070】後記実施例1と同一のピュアスタ−PS−01を設置し、前記4区画のうち2つの区画には、1日6回、10lづつ電解水を添加し、試験区画とした。尚、添加した電解水は有効塩素濃度が30ppm、ナトリウムイオン濃度が98ppm、pH値が6.1であった。他の2つの区画には、電解水を添加せず、対照区画とした。
【0071】また4つの区画のうち、試験区画及び対照区画それぞれ1区画には次の通常飼料を乾燥重量でそれぞれ1日当たり魚体重の0.4%の割合で給餌し、他の2区画には次の試験用飼料を、同様の割合で給餌した。
【0072】通常飼料 :市販のウナギ養殖用飼料(中部飼料社製)
試験用飼料:市販のウナギ養殖用飼料(中部飼料社製)に1.0%の割合で市販のラクトフェリン(森永乳業社製)を添加。
【0073】前記4区画を、各々次の条件で対照群1〜3並びに試験群として設定し、水温約24℃で1か月間マダイを飼育した。
【0074】対照群1:用水に電解水を添加せず、通常飼料を給餌した群。
【0075】対照群2:用水に電解水を添加し、通常飼料を給餌した群。
【0076】対照群3:用水に電解水を添加せず、試験用飼料を給餌した群。
【0077】試験群 :用水に電解水を添加し、試験用飼料を給餌した群。
【0078】飼育開始後15日、20日、25日及び30日に各群の白点病による斃死尾数を計数して試験した。
【0079】3)試験結果この試験の結果は、表1に示すとおりである。表1から明らかなとおり、対照群1の斃死尾数は、25日から急増し、30日では全部が斃死したのに対して、対照群2及び対照群3のそれは、いずれの飼育日数においても5尾及び2尾であり、対照群1と比較して顕著に斃死尾数が減少した。更に、試験群においては、斃死尾数は一貫して0であった。
【0080】この試験の結果、水性動物へのラクトフェリンの給餌と、用水への電解水の添加とを併用した場合には、マダイの白点病の予防又は治療に対する効果が、顕著に増大することが立証された。
【0081】尚、電解水の有効塩素濃度、pH等を種々変更して同様の試験を行い、また他の感染症について、また他の水生動物種についても同様の試験を行ったが、ほぼ同様の結果が得られた。更に、他のラクトフェリン類の加水分解物及びペプチド類についてもほぼ同様な結果が得られた。
【0082】
【表1】

【0083】試験例2この試験は、水生動物感染症の治療に有効な量を決定するために行った。
【0084】1)試験対象マダイ当才魚(魚体重20〜40g)550尾を用いた。
【0085】2)試験方法前記マダイを50尾ずつ11群に分け、各群にそれぞれマーカーを付した白点病感染魚数尾を加えて白点病に感染させるとともに、11基の水槽(各2m3 )に各々放泳させた。
【0086】次の飼料を、乾燥重量でそれぞれ1日当たり魚体重の1.0%の割合で給餌し、水温約24℃で1か月間飼育した。尚、この試験に使用した市販のウナギ養殖用飼料及びラクトフェリンは、試験例1と同一のものである。
第1 群(対照群):市販飼料第2 群:市販飼料に0.0005%の割合でラクトフェリンを添加。
第3 群:市販飼料に0.001%の割合でラクトフェリンを添加。
第4 群:市販飼料に0.01%の割合でラクトフェリンを添加。
第5 群:市販飼料に0.1%の割合でラクトフェリンを添加。
第6 群:市販飼料に1.0%の割合でラクトフェリンを添加。
第7 群:市販飼料に2.0%の割合でラクトフェリンを添加。
第8 群:市販飼料に3.0%の割合でラクトフェリンを添加。
第9 群:市販飼料に4.0%の割合でラクトフェリンを添加。
第10群:市販飼料に5.0%の割合でラクトフェリンを添加。
第11群:市販飼料に6.0%の割合でラクトフェリンを添加。
【0087】飼育中には、試験例1と同一のピュアスタ−PS−01を設置し、各水槽に1日1回、各1lの電解水を添加した。尚、添加した電解水は有効塩素濃度が30ppm、ナトリウムイオン濃度が98ppm、pH値が6.1であった。
【0088】飼育開始後5日、10日、15日及び20日に各群の斃死尾数を計数して試験した。
【0089】3)試験結果この試験の結果は、表2に示すとおりである。表2から明らかなとおり、飼育20日後の斃死尾数が、第1群では10尾であるのに対して第2群では8尾であり、対照である第1群とほぼ同等であった。これに対して第4群〜第8群における飼育20日後の斃死尾数は、顕著に減少し、第3群、第9群及び第10群における飼育20日後の斃死尾数は、第4群〜第8群のそれらよりも若干多いが、第1群及び第2群のそれらよりも斃死尾数が顕著に少なかった。又、第11群における飼育20日後の斃死尾数は、第3群のそれとほぼ同等であり、ラクトフェリン添加量の増加による斃死尾数の減少は、認められなかった。
【0090】この結果から、電解水を併用した場合には、0.001〜5.0%の割合でラクトフェリンを含む飼料が、マダイの白点病の治療に有効であることが認められた。尚、他のラクトフェリン類の加水分解物及びペプチド類についてもほぼ同様な結果が得られた。
【0091】
【表2】

【0092】試験例3この試験は、ラクトフェリン加水分解物及びペプチド類と電解水とを併用した場合における水生動物感染症に対する治療効果を調べるために行った。
【0093】1)試験対象Streptococcus sp.(1×105 CFU/100g)を腹腔内に接種したブリ稚魚(魚体重40〜50g)300尾を用いた。
【0094】2)試験方法前記ブリ稚魚を50尾ずつ6群に分け、その中の4群(次の第1群〜第4群)について、次の飼料を、それぞれ1日当たり魚体重の1.0%の割合で給餌し、水温約20℃で10日間飼育した。尚、使用した市販飼料はブリ用ペレット飼料(三菱油化社製)である。
第1群:市販飼料に1.0%の割合で配列番号26のペプチド(前記分離例と同一の方法によりラクトフェリン加水分解物から分離した)を添加。
第2群:市販飼料に1.0%の割合で配列番号28のペプチド(前記分離例と同一の方法によりラクトフェリン加水分解物から分離した)を添加。
第3群:市販飼料に1.0%の割合で配列番号10のペプチド(前記合成例と同一の方法により合成した)を添加。
第4群:市販飼料に1.0%の割合でラクトフェリン加水分解物(前記と同様の方法によりラクトフェリンを加水分解物した)を添加。
【0095】また、飼育中には、試験例1と同一のピュアスタ−PS−01を設置し、前記第1群〜第4群のブリを飼育している水槽に、1日1回、各10lの電解水を添加した。尚、添加した電解水は有効塩素濃度が30ppm、ナトリウムイオン濃度が98ppm、pH値が6.1であった。
【0096】また、残りの2群のうち1群(次の第I群)については、用水に何の処置もせず、即ち電解水を添加せず、かつ市販飼料のみで飼育した。また1群(次の第II群)については、前記第1〜4群と同様に用水に電解水を添加したが、市販飼料のみで飼育した。
【0097】以上の各群の飼育条件を整理すれば、次のとおりである。
第I群(対照群1):用水に電解水を添加せず、市販飼料で飼育した群。
第II群(対照群2):用水に電解水を添加し、市販飼料で飼育した群。
第1群(試験群1):用水に電解水を添加し、配列番号26に記載のペプチド添加飼料で飼育した群。
第2群(試験群2):用水に電解水を添加し、配列番号28に記載のペプチド添加飼料で飼育した群。
第3群(試験群3):用水に電解水を添加し、配列番号10に記載のペプチド添加飼料で飼育した群。
第4群(試験群4):用水に電解水を添加し、ラクトフェリン加水分解物添加飼料で飼育した群。
試験開始後10日目に各群の斃死尾数を計測し、生残率を算出した【0098】3)試験結果この試験の結果は、表3に示すとおりである。表3から明らかなとおり、飼育後10日の生残率が、第I群では30%であり、第II群では75%であるのに対して、電解水とラクトフェリンの加水分解物及びペプチド類とを併用した第1群〜第4群のそれは100%であり、生残率の顕著な上昇が認められた。
【0099】この結果から、電解水とラクトフェリンの加水分解物及びペプチド類とを併用した場合、ブリの連鎖球菌症の治療に極めて有効であることが判明した。尚、他のラクトフェリン類の加水分解物及びペプチド類、並びに他の感染症についてもほぼ同様な結果が得られた。
【0100】
【表3】

【0101】次に実施例を示して本発明を、更に詳述するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0102】
【実施例】実施例11)飼育池最初に、本発明の方法において使用する電解水の製造装置の一例を説明する。電解水生成システムであるピュアスタ−PS−01は、無隔膜電解槽と、塩酸供給管路及び電解水管路を備えている。塩酸供給管路の先端は、3%濃度の塩酸が貯留された塩酸容器に開口しており、末端は無隔膜電解槽に連結されている。また、塩酸供給管路の中間部分には定量ポンプが設けられている。電解水管路は、無隔膜電解槽の排出側に設けられており、電解水を排出する機能を有する。この電解水管路の末端には電解水吐出口が形成されている。
【0103】以上の構造を備えたピュアスタ−PS−01を、次のとおり、錦鯉の飼育池に設置した。15尾の錦鯉の稚魚を飼育している飼育池(広さ25m2 、深さ50cm、水深35cm)には、用水を濾過するために、次の循環式濾過システムが設けられている。
【0104】即ち、前記飼育池の濾過システムは、用水を汲み上げ、かつ戻す揚水ポンプを備えており、この揚水ポンプが汲み上げ、また戻す用水が、第一の濾過槽、第二の濾過槽、及び沈殿槽を通過して濾過される。この濾過システムの管路の末端に、前記ピュアスタ−の電解水吐出口を連結し、循環される用水に電解水を添加する構造とした。
【0105】2)飼料の調製ラクトフェリン(森永乳業社製)5g、ウナギ用粉末飼料(中部飼料社製)1kg及びミンチした冷凍魚1kgを、均一に混合し、グランイダー(三菱電機社製)を用いて造粒し、混合型モイストペレット飼料約2kgを得た。
【0106】3)方法前記濾過システムを通常どおり稼働させた上で、ピュアスタ−を次のように稼動させた。
【0107】ピュアスタ−PS−01においては、3%濃度塩酸を貯留した塩酸タンクから塩酸供給管路を介して流量110ml/hで無隔膜電解槽に塩酸を流し、この状態で、無隔膜電解槽に4.5Aの条件で通電して塩酸を電気分解した。電気分解した後の電解水は、定量ポンプにて電解水管路を介して排出され、ガス分離器により不要な水素ガスを除去したのち、前記飼育池の濾過システムの管路に添加した。尚、添加前の電解水のナトリウムイオン濃度は112ppmであり、電解水を添加後の用水の有効塩素濃度が1.0ppmになったときに電解水の添加を中止した。
【0108】以上の操作を4日間隔で反復実施しながら、前記飼料を毎日調製して給餌し、15尾の錦鯉の稚魚を体長6cmになるまで2か月間飼育したが、15尾全てが何の異常もなく成長した。
【0109】実施例21)飼育池前記実施例1と同一の飼育池を使用した。
【0110】2)飼料の調製次の方法により得たアポラクトフェリンを用いたことを除き、実施例1と同一の方法により混合型モイストペレット飼料約2kgを得た。
【0111】ラクトフェリン(森永乳業社製)100gを2lの脱イオン水に溶解し、透析チューブに入れ、40lの0.1Mクエン酸溶液(pH2.2)に対して、4℃で36時間透析し、更にクエン酸を除去するため、20倍量の脱イオン水に対して、4℃で24時間透析(途中、2回脱イオン水を交換)し、透析内液を凍結乾燥し、アポラクトフェリン約97gを得た。
【0112】3)方法前記飼料を毎日調製して給餌し、前記実施例1と同一の条件にて電解水を添加し、錦鯉の稚魚を2か月間飼育したが、全てが何の異常もなく成長した。
【0113】実施例31)飼育池前記実施例1と同一の飼育池を使用した。
【0114】2)飼料の調製ウナギ用粉末飼料(中部飼料社製)2kgに、ラクトフェリン(森永乳業社製)8gを添加し、0.2lの水を加えて均一に混練し、ラクトフェリン添加ウナギ用飼料約2.2kgを得た。
【0115】3)方法前記飼料を毎日調製して給餌し、前記実施例1と全く同一の条件にて電解水を添加し、鯉の稚魚を2か月間飼育したが、全てが何の異常もなく成長した。
【0116】実施例41)飼育池前記実施例1と同一の飼育池を使用した。
【0117】2)飼料の調製前記分離例と同一の方法により製造したラクトフェリン分解物(森永乳業社製)を用いたことを除き、実施例3と同一の方法によりラクトフェリン分解物添加ウナギ用飼料を得た。
【0118】3)方法前記飼料を毎日調製して給餌し、前記実施例1と全く同一の条件にて電解水を添加し、鯉の稚魚を2か月間飼育したが、全てが何の異常もなく成長した。
【0119】実施例51)飼育池前記実施例1と同一の飼育池を使用した。
【0120】2)飼料の調製ラクトフェリン(森永乳業社製)50mg、及び前記分離例と同一の方法により分離した配列番号26のペプチド10mgを、精製水10mlに溶解し、アユ用クランブル飼料(日本水産社製)1kgに均一に噴霧し、風乾して吸着させ、アユ用飼料約1kgを得た。
【0121】3)方法前記飼料を毎日調製して給餌し、前記実施例1と全く同一の条件にて電解水を添加し、アユの成魚20尾を2か月間飼育したが、全てが何の異常もなく成長した。
【0122】実施例61)飼育池前記実施例1と同一の飼育池を使用した。
【0123】2)飼料の調製実施例2と同一の方法により得たアポラクトフェリン50mg、及び前記合成例と同一の方法により合成した配列番号10に記載のペプチド10mgを用いたことを除き、実施例5と同一の方法により、アユ用飼料1kgを得た。
【0124】3)方法前記飼料を毎日調製して給餌し、前記実施例1と全く同一の条件にて電解水を添加し、アユの成魚20尾を2か月間飼育したが、全てが何の異常もなく成長した。
【0125】実施例71)電解水の調製前記実施例1に示したピュアスタ−PS−01により、電解水を製造した。得られた電解水を水で希釈し、有効塩素濃度2ppm、pH6に調整した。尚、この電解水のナトリウムイオン濃度は121ppmであった。
【0126】2)飼料の調製精製水10lに、実施例6と同一の配列番号10に記載のペプチド50gを溶解し、除菌フィルター(日本ミリポア工業社製)で瀘過し、100mlずつ無菌的に容器に充填し、水生動物感染症治療剤を得た。
【0127】3)方法前記電解水30lを水槽に貯留し、赤斑病(細菌感染症)に羅病した錦鯉(体長22cm)1尾を入れ、30分間薬浴させた。尚、この錦鯉は、腹部及び尾びれに、赤斑病特有の症状である赤い出血斑が見られた。また、薬浴の際に、前記水生動物感染症治療剤をゾンデにより錦鯉に経口投与した。以上の薬浴及び経口投与を、1日に2回、1週間継続した。
【0128】その結果、1週間後には、体表の赤い出血斑は完全に消失し、赤斑病が完全に治癒していることが確認された。
【0129】実施例81)電解水の調製前記実施例7と同一の電解水を調製した。
【0130】2)飼料の調製精製水10lに、実施例6と同一の配列番号10に記載のペプチド25g及び実施例5と同一の配列番号26に記載のペプチド25gを溶解し、80℃で15分間加熱殺菌し、100mlずつ無菌的に容器に充填し、水生動物感染症治療剤を得た。
【0131】3)方法前記治療剤を使用したことを除き、前記実施例7と全く同一の条件で、赤斑病に羅病した錦鯉に対し、薬浴及び経口投与を行った。
【0132】この結果、1週間後には、実施前に認めれた体表の赤い出血斑は完全に消失し、赤斑病が完全に治癒していることが確認された。
【0133】
【発明の効果】以上詳細に説明したとおり、本発明は、水生動物感染症の予防又は治療方法に関するものであり、本発明によって奏せられる効果は、次のとおりである。
1)水生動物の感染症を効果的に予防又は治療することができる。
2)長期間施しても水生動物及びその棲息環境に悪影響を与えない。
3)特別な設備、繁雑な操作を必要とせず、通常の養殖と同様に実施できる。
4)水生動物を飼育する人に無害である。
5)休薬期間を設ける必要がなく、何時でも任意に実施できる。
【0134】
【配列表】配列番号:1配列の長さ:11配列の型:アミノ酸トポロジ−:直鎖状配列の種類:ペプチド配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド配列:Lys Xaa Xaa Xaa Xaa Gln Xaa Xaa Met Lys Lys1 5 10(上記配列において、Xaa はCys を除く任意のアミノ酸残基を示す)
【0135】配列番号:2配列の長さ:11配列の型:アミノ酸トポロジ−:直鎖状配列の種類:ペプチド配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド配列:Lys Xaa Xaa Xaa Xaa Gln Xaa Xaa Met Arg Lys1 5 10(上記配列において、Xaa はCys を除く任意のアミノ酸残基を示す)
【0136】配列番号:3配列の長さ:6配列の型:アミノ酸トポロジ−:直鎖状配列の種類:ペプチド配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド配列:Arg Xaa Xaa Xaa Xaa Arg1 5(上記配列において、Xaa はCys を除く任意のアミノ酸残基を示す)
【0137】配列番号:4配列の長さ:6配列の型:アミノ酸トポロジ−:直鎖状配列の種類:ペプチド配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。下記配列において、Xaa はCys を除く任意のアミノ酸残基を示す。
配列:Lys Xaa Xaa Xaa Xaa Arg1 5【0138】配列番号:5配列の長さ:6配列の型:アミノ酸トポロジ−:直鎖状配列の種類:ペプチド配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。下記配列において、Xaa はCys を除く任意のアミノ酸残基を示す。
配列:Lys Xaa Xaa Xaa Xaa Lys1 5【0139】配列番号:6配列の長さ:6配列の型:アミノ酸トポロジ−:直鎖状配列の種類:ペプチド配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。下記配列において、Xaa はCys を除く任意のアミノ酸残基を示す。配列:Arg Xaa Xaa Xaa Xaa Lys1 5【0140】配列番号:7配列の長さ:5配列の型:アミノ酸トポロジ−:直鎖状配列の種類:ペプチド配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。下記配列において、Xaa はCys を除く任意のアミノ酸残基を示す。
配列:Arg Xaa Xaa Xaa Arg1 5【0141】配列番号:8配列の長さ:5配列の型:アミノ酸トポロジ−:直鎖状配列の種類:ペプチド配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。下記配列において、Xaa はCys を除く任意のアミノ酸残基を示す。
配列:Lys Xaa Xaa Xaa Arg1 5【0142】配列番号:9配列の長さ:5配列の型:アミノ酸トポロジ−:直鎖状配列の種類:ペプチド配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。下記配列において、Xaa はCys を除く任意のアミノ酸残基を示す。配列:Arg Xaa Xaa Xaa Lys1 5【0143】配列番号:10配列の長さ:6配列の型:アミノ酸トポロジ−:直鎖状配列の種類:ペプチド配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。
配列:Phe Gln Trp Gln Arg Asn1 5【0144】配列番号:11配列の長さ:5配列の型:アミノ酸トポロジ−:直鎖状配列の種類:ペプチド配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。
配列:Phe Gln Trp Gln Arg1 5【0145】配列番号:12配列の長さ:4配列の型:アミノ酸トポロジ−:直鎖状配列の種類:ペプチド配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。配列:Gln Trp Gln Arg1【0146】配列番号:13配列の長さ:3配列の型:アミノ酸トポロジ−:直鎖状配列の種類:ペプチド配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。
配列:Trp Gln Arg1【0147】配列番号:14配列の長さ:5配列の型:アミノ酸トポロジ−:直鎖状配列の種類:ペプチド配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。配列:Arg Arg Trp Gln Trp1 5【0148】配列番号:15配列の長さ:4配列の型:アミノ酸トポロジ−:直鎖状配列の種類:ペプチド配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。
配列:Arg Arg Trp Gln1【0149】配列番号:16配列の長さ:4配列の型:アミノ酸トポロジ−:直鎖状配列の種類:ペプチド配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。
配列:Trp Gln Trp Arg1【0150】配列番号:17配列の長さ:3配列の型:アミノ酸トポロジ−:直鎖状配列の種類:ペプチド配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。
配列:Gln Trp Arg1【0151】配列番号:18配列の長さ:6配列の型:アミノ酸トポロジ−:直鎖状配列の種類:ペプチド配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。
配列:Leu Arg Trp Gln Asn Asp1 5【0152】配列番号:19配列の長さ:5配列の型:アミノ酸トポロジ−:直鎖状配列の種類:ペプチド配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。
配列:Leu Arg Trp Gln Asn1 5【0153】配列番号:20配列の長さ:4配列の型:アミノ酸トポロジ−:直鎖状配列の種類:ペプチド配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。
配列:Leu Arg Trp Gln1【0154】配列番号:21配列の長さ:3配列の型:アミノ酸トポロジ−:直鎖状配列の種類:ペプチド配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。
配列:Arg Trp Gln1【0155】
配列番号:22 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含む ペプチド。下記配列において、2番の Cysと19番の Cysがジ スルフィド結合している。
配列: Lys Cys Arg Arg Trp Gln Trp Arg Met Lys Lys Leu Gly Ala Pro 1 5 10 15 Ser Ile Thr Cys Val 20 【0156】
配列番号:23 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含む ペプチド。下記配列においてCys*は、ジスルフィド結合の形成 を防止するため、チオ−ル基を化学的に修飾したシステインを 示す。
配列: Lys Cys* Arg Arg Trp Gln Trp Arg Met Lys Lys Leu Gly Ala Pro 1 5 10 15 Ser Ile Thr Cys* Val 20 【0157】
配列番号:24 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含む ペプチド。下記配列において、2番の Cysと19番の Cysがジ スルフィド結合している。
配列: Lys Cys Phe Gln Trp Gln Arg Asn Met Arg Lys Val Arg Gly Pro 1 5 10 15 Pro Val Ser Cys Ile 20 【0158】
配列番号:25 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含む ペプチド。下記配列においてCys*は、ジスルフィド結合の形成 を防止するため、チオ−ル基を化学的に修飾したシステインを 示す。
配列: Lys Cys* Phe Gln Trp Gln Arg Asn Met Arg Lys Val Arg Gly Pro 1 5 10 15 Pro Val Ser Cys* Ile 20 【0159】
配列番号:26 配列の長さ:25 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含む ペプチド。下記配列において、3番の Cysと20番の Cysがジ スルフィド結合している。
配列: Phe Lys Cys Arg Arg Trp Gln Trp Arg Met Lys Lys Leu Gly Ala 1 5 10 15 Pro Ser Ile Thr Cys Val Arg Arg Ala Phe 20 25 【0160】
配列番号:27 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含む ペプチド。
配列: Lys Thr Arg Arg Trp Gln Trp Arg Met Lys Lys 1 5 10 【0161】
配列番号:28 配列の長さ:38 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含む ペプチド。下記配列において、16番の Cysと33番の Cysと がジスルフィド結合している。
配列: Lys Asn Val Arg Trp Cys Thr Ile Ser Gln Pro Glu Trp Phe Lys 1 5 10 15 Cys Arg Arg Trp Gln Trp Arg Met Lys Lys Leu Gly Ala Pro Ser 20 25 30 Ile Thr Cys Val Arg Arg Ala Phe 35 【0162】
配列番号:29 配列の長さ:32 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含む ペプチド。下記配列において、10番の Cysと27番の Cysと がジスルフィド結合している。
配列: Thr Ile Ser Gln Pro Glu Trp Phe Lys Cys Arg Arg Trp Gln Trp 1 5 10 15 Arg Met Lys Lys Leu Gly Ala Pro Ser Ile Thr Cys Val Arg Arg 20 25 30 Ala Phe 【0163】
配列番号:30 配列の長さ:47 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含む ペプチド。下記配列において、配列の長さ36であって9番、 26番、及び35番に Cysを有するペプチドの、9番の Cysと 26番の Cysとがジスルフィド結合し、上記配列の長さ36の ペプチドの35番の Cysが、配列の長さ11であって46番に Cysを有するペプチドの46番の Cysとがジスルフィド結合し ている。
配列: Val Ser Gln Pro Glu Ala Thr Lys Cys Phe Gln Trp Gln Arg Asn 1 5 10 15 Met Arg Lys Val Arg Gly Pro Pro Val Ser Cys Ile Lys Arg Asp 20 25 30 Ser Pro Ile Gln Cys Ile 35 Gly Arg Arg Arg Arg Ser Val Gln Trp Cys Ala 40 45【0164】配列番号:31配列の長さ:5配列の型:アミノ酸トポロジ−:直鎖状配列の種類:ペプチド配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラグメントとして含むペプチド。下記配列において、 Xaaは Cysを除く任意のアミノ酸残基を示す。
配列:Lys Xaa Xaa Xaa Lys 1 5<引 用 文 献>1)江草周三著、「魚の感染症」、第468ページ及び第472ページ、恒星社厚生閣、昭和59年2)小華和忠ら編、「動物用医薬品・飼料添加物・新飼料の有用性評価法」、第60ページ、フジ・テクノシステム、昭和52年3)特開平1−317346号公報4)小華和忠ら編、「動物用医薬品・飼料添加物・新飼料の有用性評価法」、第59ページ、フジ・テクノシステム、昭和52年5)魚病研究、第1巻、第2号、第48ページ〜53、1967年6)特開平4−235912号公報7)沢田実ら編、「1991年版 動物用医薬品用具要覧」、社団法人日本動物薬事協会、1991年8)特開平3−330130号公報9)特開昭61−83131号公報10)ジャパンフードサイエンス、第27巻、第1号、第25ページ〜第34ページ、1988年11)サイエンス(Science) 、第197巻、第263ページ〜第265ページ、1977年12)エー・エフ・ウイリアムス及びジェー・ディー・バウム(A. F. Williams& J. D. Baum) 編、ヒューマンミルク・バンキング」(Human Milk Banking)、ネッスル・ニュートリション・ワークショップ・シリーズ、第5巻(Nestl() Nutrition Workshop Series Volume 5)、第133ページ〜第143ページ、レーベン・プレス・ブックス社(Reven Press Books Ltd.)、1984年13)デイリー・サイエンス・アブストラクツ(Dairy Science Abstracts) 、第30巻、第9号、第500ページ[3210]、1968年14)日本小児科学会雑誌、第88巻、第7号、第1581ページ〜第1582ページ、「A−43」、1984年15)ザ・ジャーナル・オブ・インフェクシャス・ディージス(The Journal ofInfectious Diseases)、第153巻、第2号、第232ページ〜第237ページ、1986年16)フランス国特許第2,596,986号明細書、1987年17)特開平5−92927号公報18)特開昭57−106689号公報19)特開昭58−13594号公報20)特開昭58−213744号公報21)特開昭59−51247号公報22)特開昭60−130599号公報23)特開昭60−172998号公報24)特開昭61−251699号公報25)特開昭63−44598号公報26)特開昭62−22798号公報27)特開昭62−51697号公報28)特開昭63−17897号公報29)特開平2−53799号公報30)特表平2−500084号公報31)特開平3−261717号公報32)プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナルアカデミー・オブ・ザ・サイエンス・オブ・ユナイテッド・ステーツ・オブ・アメリカ(Proceedingsof the National Academy of the Science of United States of America) 、第84巻、第5449ページ〜第5453ページ、1987年33)フィミヤ・プリロードヌフ・ソエジェニェーニ(Khimiya Prirodnykh Soedinenij) 、第1号、第130ページ〜第133ページ、1978年34)特開平2−53799号公報35)特開平2−234684号公報36)特開平5−92994号公報37)特開平5−78392号公報38)特開平5−148295号公報39)特開平5−148296号公報40)特開平5−148297号公報41)特開平7−145069号公報42)芝紀代子ら著、「強電解水ハンドブック」、医学情報社、平成7年43)特開平1−180293号公報44)特許第2627100号公報45)室賀清邦ら編、「魚病学概論」、第2〜8ペ−ジ、恒星社厚生閣、1996年
【出願人】 【識別番号】000006127
【氏名又は名称】森永乳業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)4月3日
【代理人】 【氏名又は名称】工藤 力
【公開番号】 特開平11−285329
【公開日】 平成11年(1999)10月19日
【出願番号】 特願平10−108756