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【発明の名称】 延縄巻上装置
【発明者】 【氏名】常磐 支征生

【要約】 【課題】スリップによってロ−ルへ回転力を伝達できないような不具合が生じた場合でも、簡単に修復することができる延縄巻上装置の提供【解決手段】 この発明の延縄巻上装置は、従来のように、筒体の中空部に皿を嵌着させ、ロ−ルに回転力を伝達させるような伝達機構の不具合を解消するために、回転軸1に固定した駆動盤9を摩擦材からなるパッドA、A’を介して、ロ−ル2の鍔3側に押し当て、駆動盤9とロ−ル2を結合させ、ロ−ル2に回転力を伝達できるようにし、スリップ発生時においては、パッドA、A’の取替えによって、修復できるようにしている。

【解決手段】この発明の延縄巻上装置は、従来のように、筒体の中空部に皿を嵌着させ、ロ−ルに回転力を伝達させるような伝達機構の不具合を解消するために、回転軸1に固定した駆動盤9を摩擦材からなるパッドA、A’を介して、ロ−ル2の鍔3側に押し当て、駆動盤9とロ−ル2を結合させ、ロ−ル2に回転力を伝達できるようにし、スリップ発生時においては、パッドA、A’の取替えによって、修復できるようにしている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ■回転軸(1)に緩く装着したロ−ル(2)の片方の鍔(3)にド−ナツ状の第一円盤(4)を固定していること、■前記第一円盤(4)に対峙して、ド−ナツ状の第二円盤(5)を前記回転軸(1)に緩く装着していること、■前記第一円盤(4)と第二円盤(5)に回動可能に係止した爪(6)によって、前記第一円盤(4)と第二円盤(5)を連係させ、前記爪(6)の先端部(7)を、前記回転軸(1)の突設部(8)に当接していること、■前記第一円盤(4)と前記第二円盤(5)の間に位置する前記回転軸(1)に駆動盤(9)を固定していること、■前記第一円盤(4)と前記駆動盤(9)の間にパッド(A)、前記第二円盤(5)と前記駆動盤(9)の間にパッド(A’)を介在させていること、■前記回転軸(1)の突設部(8)の他端を、前記回転軸(1)に緩く装着したド−ナツ状の板体(B)に回転自在に当接させ、前記ド−ナツ状の板体(B)と軸受け(C)の間に隙間調節部材(D)を前記回転軸(1)に着脱可能に緩く装着していること、■前記ロ−ル(2)を前記第二円盤(5)側に強制的に移動させたとき、前記爪(6)の腹部(10)が前記第二円盤(5)を前記第一円盤(4)側に押し進め、前記駆動盤(9)を、前記パッド(A、A’)を介して、前記第一円盤(4)と前記第二円盤(5)によって挾みつけ、前記回転軸(1)の回転力を前記ロ−ル(2)に伝達させること、を特徴とする延縄巻上装置
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は延縄漁船の縄巻上装置に係り、詳しくは縄を巻取るロ−ルへの回転力の伝達機構の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来は、図5〜図6に示すように、ロ−ルaの一方の鍔bに中空状の筒体cを固定し、この筒体cの中空部dに、回転軸eに固定した皿fを嵌着させることによって、ロ−ルaに回転力を伝達させていた。図4は皿fが筒体cの中空部dから離脱し、ロ−ルaに回転力が伝達されていない状態を示している。皿fを筒体cの中空部dに嵌着させるには、ロ−ルaを図5において、右方向に移動させて行っているが、これは、鋸状に噛み合ったカップリングg、g’の一方に取り付けたハンドルhを適宜角だけ回転させると、噛み合いがずれて、図6に示すように、カップリングg’がロ−ルaの他方の鍔b’にベアリングを介して回転自在に当接している盤iを右方向に押し、ロ−ルaを右側に強制的に移動させ、筒体cの中空部dに皿fを嵌着させ、ロ−ルaに回転力を伝達している。なお、図5〜図6において、jはプリ−である。要するに、従来の延縄巻上装置は、筒体cの中空部dに皿fを嵌着させることにより、ロ−ルaを回転軸eに結合させ、ロ−ルaに回転力を伝達するという機構であったので、筒体cの内壁や皿fの上面が磨耗した場合には、スリップを生じ、ロ−ルaに回転力を伝達できなくなるという不具合が生じ、これを修復すには、旋盤、溶接機器などの特殊装置類を備えた専門工場でなければ、修理は不可能であり、したがって、海上での操漁中、前記不具合が発生した場合には、延縄を破棄しなければならないという欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は従来の技術で記述した欠点を解消するためになされたもので、スリップによってロ−ルへ回転力を伝達できないような不具合が生じた場合でも、簡単に修復することができる延縄巻上装置の提供を目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明の延縄巻上装置は、従来の技術で記述したような筒体cの中空部dに皿fを嵌着させ、ロ−ルaに回転力を伝達させるような伝達機構の不具合を解消するために、回転軸に固定した駆動盤を摩擦材からなるパッドを介して、ロ−ルの鍔側に押し当て、駆動盤とロ−ルを結合させ、ロ−ルに回転力を伝達できるようにし、スリップ発生時においては、前記パッドの取替えによって、修復できるようにしている。
【0005】
【発明の実施の形態】この発明の実施の一例を図面を参照しながら説明するに、図1〜図3において、1は回転軸で、図示は省略したモ−タ−で駆動される。2は延縄を巻取り、巻戻すロ−ルで、回転軸1には緩く装着されており、このままの状態では、回転軸1からの回転力の伝達は受けない。3はロ−ル2の片方の鍔で、ド−ナツ状の第一円盤4が溶接、ネジ止めなどによって、固定されている。5はド−ナツ状の第二円盤で、第一円盤4と対峙し適宜間隔を置いて、回転軸1に緩く装着されている。6は第一円盤4と第二円盤5とを連結する爪で、着脱可能なピン11、11’によって、第一円盤4と第二円盤5に回動可能に係止されている。爪6の先端部7は回転軸1の突設部8に当接しており、図1〜図3において、ロ−ル2を、従来のやり方によって、強制的に右方向に移動させたとき、爪6の先端部7は回転軸1の突設部8に当接し、静止しているので、その反力として、爪6の腹部10が左側に移動し、第二円盤5を左方向に押しやるようになっている。
【0006】9は駆動盤で、回転軸1に刻設したキ−溝にキ−12で着脱可能に固定されており、第一円盤4と第二円盤5の間に装着されている。第一円盤4と駆動盤9の間に石綿などの摩擦材からなるパッドA、第二円盤5と駆動盤9の間に石綿などの摩擦材からなるパッドA’を介在している。なお、パッドAは第一円盤4に、パッドA’は第二円盤5に着脱可能に取り付けられている。図1〜図2の状態では、第一円盤4、第二円盤5、駆動盤9とは互いに間隔を有し、パッドA、A’が締付けられていないので、回転軸1を回転させても、その回転力は駆動盤9を経由ロ−ル2には伝達しない。
【0007】回転軸1の突設部8の他端は、回転軸1に緩く装着したド−ナツ状の板体Bにベアリングなどを介して、回転自在に当接しており、ド−ナツ状の板体Bと軸受けCの間には、隙間調節部材Dが回転軸1に着脱可能に緩く装着されている。隙間調節部材Dは、例えば、図4に示すように、クサビ型の半筒体をボルト13で連結しており、ボルト13を締めると、前記クサビ型の半筒体が接近し、回転軸1の突設部8を、図1〜図3において、左方向に押し、それに連動して爪6の先端部7が左方向に押され、その反力として、爪6の腹部10が第二円盤5を左方向に押し、パッドA’を駆動盤9に押し付けるようになっている。
【0008】実施に際しては、従来のやり方で、鋸状に噛み合ったカップリングg、g’のハンドルhを適宜に回転させ所定位置に係止し、噛み合いをずらせて、ロ−ル2を右方向に強制的に移動させると、図3に示したように、第一円盤4が駆動盤9の方向へ移動すると同時に、爪6の腹部10によって、第二円盤5が駆動盤9側に押され、パッドA、A’を介して、第一円盤4と第二円盤5が、駆動盤9をきつく挾みつけ、第一円盤4、駆動盤9、第二円盤5の三者が結合する。ついで、モ−タ−を駆動させ、回転軸1を回転させると、その回転力は駆動盤9を経由してロ−ル2に伝達する。なお、パッドA、A’の締付け具合の調節は隙間調節部材Dのボルト13の締付け量の調整によって行うことができる。
【0008】ロ−ル2の回転を停止させるには、鋸状に噛み合ったカップリングg、g’のハンドルhを逆方向に回転させ、カップリングg、g’を元通りに噛み合せ、ロ−ル2を軽く左方向に押すと、第一円盤4、駆動盤9、第二円盤5の結合が解け、ロ−ル2は停止する。
【0009】出漁中に、パッドA,A’が擦り減り、スリップが生じた場合には、回転軸1から隙間調節部材Dを取り除き、図1〜図3において、回転軸1を隙間調節部材Dの隙間分だけ右側に移動させ、ついで第二円盤5を右側に移動させ、第一円盤4と駆動盤9及び第二円盤5と駆動盤9との隙間を広げ、擦り減ったパッドA、A’を除去し、新しいパッドA、A’に取替えたのち、回転軸1を元の位置に戻し、隙間調節部材Dを取り付けることによって修復できる。したがって、予備のパッドを備えておけば、どこでも簡単に修復することができる。
【0010】
【発明の効果】この発明は以上のように構成されているので、予備のパッドさえ備えておけば、出漁中に、スリップ事故が生じても、船上で直ちに、新たな予備のパッドと簡単に取替え、修復ができるので、従来のような延縄破棄という最悪事態を回避することができる。
【出願人】 【識別番号】598043641
【氏名又は名称】有限会社長洲鉄工所
【出願日】 平成10年(1998)3月17日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 光則
【公開番号】 特開平11−262350
【公開日】 平成11年(1999)9月28日
【出願番号】 特願平10−89526