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【発明の名称】 釣り針及びその製造方法
【発明者】 【氏名】中川 明紀

【要約】 【課題】溶融鉛の型への流し込み以外の手法でもって、塊状のシンカーを形成し得るようにした釣り針及びその製造方法を提供することにある。

【解決手段】直状の軸部1と、前記軸部1の先端側に一連に形成されたフック状の針先曲成部2とからなる針本体3の前記軸部1に塊状のシンカーを設けた釣り針において、前記シンカー15を半割り構造とし、一対のシンカー半体16,17の接合面18,19間に前記針本体3の軸部1を挟み込んだ状態で前記シンカー半体16,17を接着固定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 軸部と、前記軸部の先端側に一連に形成されたフック状の針先曲成部とを備えた針本体の軸部に塊状のシンカーを設けたものにおいて、前記シンカーを分割構造とし、複数のシンカー分割片の接合面間に針本体の軸部を挟み込んだ状態でシンカー分割片を接着固定したことを特徴とする釣り針。
【請求項2】 前記分割構造のシンカーは、各シンカー分割片を連結する連接部を有することを特徴とする請求項1記載の釣り針。
【請求項3】 前記シンカー分割片の接合面に相互に嵌合する凹凸部を形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の釣り針。
【請求項4】 前記シンカー分割片の接合面に、針本体の軸部を嵌入させるための凹部を形成したことを特徴とする請求項1乃至3記載の釣り針。
【請求項5】 軸部と、前記軸部の先端側に一連に形成されたフック状の針先曲成部とからなる針本体の軸部に塊状のシンカーを取り付ける方法であって、前記シンカーを分割構造とした複数のシンカー分割片の接合面間に針本体の軸部を挟み込み、その後、前記シンカー分割片の接合面間に接着剤を介在させることによりシンカー分割片を接合一体化することを特徴とする釣り針の製造方法。
【請求項6】 前記分割構造のシンカーは、各シンカー分割片を連結する連接部を有することを特徴とする請求項5記載の釣り針の製造方法。
【請求項7】 前記シンカー分割片の接合面に相互に嵌合する凹凸部を形成したことを特徴とする請求項5又は6記載の釣り針の製造方法。
【請求項8】 前記シンカー分割片の接合面に、針本体の軸部を嵌入させるための凹部を形成したことを特徴とする請求項5乃至7記載の釣り針の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は釣り針及びその製造方法に関し、詳しくは、バス釣りや海の底物釣り等に利用されるシンカー付き釣り針及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、バス釣りや海の底物釣り等に利用される釣り針としてシンカー付き釣り針がある。この種の釣り針は、図9(a)(b)に示すようにステンレス製の軸部1と、その直状な軸部1の先端側に一連に形成されたフック状の針先曲成部2とからなる針本体3の軸部1に塊状のシンカー4(錘)が設けられている。尚、軸部1の基端部には屈曲部5が形成され、更に、その末端には取付け用環状部6が形成されている。
【0003】このシンカー4は一般的に鉛製のものであり、図10(a)(b)に示すような型7,8を使用して以下の要領でもって製作されている。即ち、衝合面にシンカー用凹部9,10が形成された半割り構造の型7,8を用意し、一方の型7に針本体3の軸部1をセッティングした後、他方の型8を衝合して針本体3の軸部1を挟み込んだ状態とする。
【0004】その状態から、型7,8内の凹部9,10により形成されたキャビティ11と連通する小孔12から溶融鉛を注入してキャビティ11内に充填する。このようにして、針本体3の軸部1に鉛製のシンカー4を形成するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述したように針本体3の軸部1に設けられたシンカー4は、鉛の融点が低いことから、溶融した鉛を型7,8に流し込むことにより容易に製作しているが、以下のような問題があった。
【0006】即ち、溶融した鉛を製造するためには、鉛金属を溶融させるための前処理工程が必要であり、また、残存した溶融鉛を廃液する等の後処理工程も必要であり、溶融鉛を取り扱う上で公害問題の原因となる虞があってその使用が困難となったきた。
【0007】そこで、鉛以外の金属、例えば鉄を溶融させて製作する手法も考えられる。しかしながら、鉄の融点が高いことから、熱処理された針本体をセッティングした型に、高温の溶融鉄を流し込んだ場合、針本体の熱処理が損なわれることになって好適な手段ではない。
【0008】これらのことから、本発明は前述した問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、溶融鉛の型への流し込み以外の手法でもって、塊状のシンカーを形成し得るようにした釣り針及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明に係る釣り針は、軸部と、前記軸部の先端側に一連に形成されたフック状の針先曲成部とからなる針本体の軸部に塊状のシンカーを設けたものにおいて、前記シンカーを分割構造とし、複数のシンカー分割片の接合面間に針本体の軸部を挟み込んだ状態でシンカー分割片を接着固定したことを特徴とする。
【0010】また、本発明に係る釣り針の製造方法は、軸部と、前記軸部の先端側に一連に形成されたフック状の針先曲成部とからなる針本体の軸部に塊状のシンカーを取り付ける方法であって、前記シンカーを分割構造とした複数のシンカー分割片の接合面間に針本体の軸部を挟み込み、その後、前記シンカー分割片の接合面間に接着剤を介在させることによりシンカー分割片を接合一体化することを特徴とする。
【0011】以上のような手段によれば、溶融鉛の型への流し込みによる手法を用いることなく、簡単な手法でもって塊状のシンカーを針本体の軸部に形成することができる点で好適である。
【0012】尚、本発明では、各シンカー分割片を連結する連接部を設けたり、シンカー分割片の接合面に相互に嵌合する凹凸部を形成したり、或いは、シンカー分割片の接合面に、針本体の軸部を嵌入させるための凹部を形成したりすることが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を以下に詳述する。尚、図9と同一又は相当部分には同一参照符号を付す。本発明は、以下に詳述する実施形態におけるシンカー形状と異なる形状についても適用可能である。
【0014】図1に示す実施形態の釣り針は、例えば熱処理(例えば焼入れ及び焼戻し処理など)により強靭性が付与された金属製の軸部1と、例えば直状の軸部1の先端側に一連に形成された針先曲成部2とからなる針本体3の軸部1に塊状のシンカー15〔図3(a)(b)参照〕を設けたものである。尚、軸部1の基端部には屈曲部5が形成され、更に、その末端には取付け用環状部6が形成されている。
【0015】このシンカー15は、比重が大きく成形性が良好で、公害問題を惹起しないような材質、例えば鉛以外の金属(合金を含む)又は樹脂や、金属粉を混入した樹脂などの材質からなる分割(半割り)構造を有し、一対のシンカー分割片(以下、シンカー半体と称す)16〔図2(b)参照〕と17〔図2(a)参照〕は、それぞれの接合面18,19に、針本体3の軸部1(末端の取付け用環状部6及び針先曲成部2を除いて屈曲部5を含めた部分)が嵌入する凹部20,21が形成されている。尚、ここではシンカー15を2分割した場合について説明するが、本発明はこれに限定されることなく、3分割以上の複数分割も可能である。
【0016】この実施形態の釣り針は、以下の要領でもって製造される。
【0017】まず、前述したように針本体3の軸部1及び取付け用環状部6を除く屈曲部5が嵌入する凹部20,21が形成された一対のシンカー半体16,17を用意する。
【0018】そして、一方のシンカー半体16の接合面18に形成された凹部20に針本体3の軸部1(屈曲部5を含む)を嵌入させ、その上から他方のシンカー半体17を被せてその接合面19に形成された凹部21にも針本体3の軸部1を嵌入させ、両方のシンカー半体16,17を衝合する〔図3(a)(b)参照〕。
【0019】この時、少なくとも一方のシンカー半体16,17の接合面18,19に接着剤(図示せず)を塗布し、その上で、前述したように針本体3の軸部1を接合面18,19の凹部20,21に嵌入させてその軸部1を両方のシンカー半体16,17間に挟み込んだ状態で、両方のシンカー半体16,17を重ね合わせて接着すれば、軸部1にシンカー半体16,17を固着一体化してシンカー15を形成することができる。
【0020】尚、この実施形態では、一対のシンカー半体16,17がそれぞれ独立分離したものであるが、図4(a)(b)に示すように2つのシンカー半体16,17が連接部22により連結されたものも可能であり、この連接部22を中心に折り曲げて2つのシンカー半体16,17を重ね合わせる。このように2つのシンカー半体16,17間に連接部22を設けることにより、2つのシンカー半体16,17がバラバラになることなく、両者の接合が容易に行えて作業効率が向上する。尚、前述した連接部22を設ける位置については任意であり、図4(b)に示すように同図(a)のものと反対側で、それぞれのシンカー半体16,17の凹部20,21の端部を除く周囲に連接部22を設けることも可能である。
【0021】また、図5に示す他の実施形態のように針本体3の取付け用環状部6の一部をシンカー15内に埋入させた構造のものにも適用可能である。この場合、図6(a)(b)に示すように2つのシンカー半体16,17の凹部20,21の端部には、前述の取付け用環状部6の一部が嵌まり込む拡開部25,26が形成される。また、前述の図4(a)(b)に示す場合と同様、図7(a)(b)に示すように2つのシンカー半体16,17を連接部22により連結することも可能である。
【0022】更に、図8に示すように独立分離した一対のシンカー半体16,17の各接合面18,19に相互に嵌合する凹凸部23,24を形成するようにしてもよい。即ち、一方のシンカー半体16の接合面18に所定形状の凹部23を形成し、他方のシンカー半体17の接合面19の前述の凹部23と対向する部位にその凹部23に嵌まり込む所定形状の凸部24を形成する。このようにすれば、2つのシンカー半体16,17の接合時にそれぞれの位置合わせが簡単にできて、相互の位置ずれが生じることはなく、作業性だけでなく品質の向上も図れる。尚、前述した凹凸部を設けるのは、シンカー半体16,17の接合面18,19について部分的又は全体的のいずれであってもよい。
【0023】このようにすれば、従来のような溶融鉛の型への流し込みによる手法を用いることなく、簡単な手法でもって塊状のシンカー15を軸部1に形成することができて好適である。しかも、釣り人等のユーザが、ウエイトの異なるシンカーから所望のものを選択して、あるタイプの針本体に独自に取り付けることもできる。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、シンカーを分割構造とし、複数のシンカー分割片の接合面間に針本体の軸部を挟み込んだ状態でシンカー分割片を接着剤で接合一体化したことにより、従来のような溶融鉛の型への流し込みによる手法を用いることなく、簡単な手法でもって塊状のシンカーを針本体の軸部に形成することができるので、公害問題の原因を引き起こすことなく、環境の保全を図る上で好適な釣り針を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】392013316
【氏名又は名称】株式会社カツイチ
【出願日】 平成10年(1998)3月18日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】江原 省吾 (外3名)
【公開番号】 特開平11−262345
【公開日】 平成11年(1999)9月28日
【出願番号】 特願平10−68540