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【発明の名称】 魚釣用スピニングリ−ル
【発明者】 【氏名】松田 和之

【要約】 【課題】ドラグ制動機構が収容された対向部材内への水の侵入を防止して安定したドラグ性能が得られ、作動不良の発生を防止したこと。

【解決手段】スプ−ルからなる対向部材1の前部にドラグ制動機構Aが収容される凹部1aと、前側の防水用摺接部材2A の取り付け用凹部1bと、中心にスプ−ル軸3の前側小径部3cが挿通される貫通孔1cとが形成されている。前側の防水用摺接部材2A はゴムや柔軟性を有する合成樹脂でリング状の本体2aと弾性変形可能な摺接部2bとで形成され、摺接部2bは筒部2cから径方向の外側に突出した鍔部2dとで形成されてスプ−ル軸3の先端にネジ部3eにドラグ制動ノブ4内のナット15が螺合されてドラグ制動ノブ4の筒部4aの外側に凹部で構成される防水用摺接部4bが形成されて前側の防水用摺接部材2A の摺接部2bが挿入され、防水用摺接部4b内の外側の摺接面aに鍔部2dが摺接されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】釣糸が巻回されるスプ−ルにドラグ制動力を掛けるドラグ制動ノブと該ドラグ制動ノブと対向する対向部材の何れか一方に防水用摺接部を形成し、他方に防水用摺接部材を取り付け、前記防水用摺接部材に前記防水用摺接部の摺接面に摺接する弾性変形可能な摺接部を設けたことを特徴とする魚釣用スピニングリ−ル。
【請求項2】前記防水用摺接部材に弾性変形可能な摺接部を設けて該摺接部は前記防水用摺接部の径方向に突出して該防水用摺接部の摺接面に摺接する鍔部で形成されていることを特徴とする請求項1記載の魚釣用スピニングリ−ル。
【請求項3】釣糸が巻回されるスプ−ルにドラグ制動力を掛けるドラグ制動ノブと該ドラグ制動ノブと対向する対向部材の何れか一方に防水用摺接部を形成し、他方に防水用摺接部材を取り付け、前記防水用摺接部材に前記防水用摺接部の摺接面に摺接する弾性変形可能な摺接部を設けると共に、前記対向部材を挟んで前記ドラグ制動ノブとは反対側位置のスプ−ル軸外周に他の防水用摺接部材を防水支持し、該他の防水用摺接部材と対向する前記対向部材に防水用摺接部を設け、前記他の防水用摺接部材に前記防水用摺接部の摺接面に摺接する摺接部を設け、前記対向部材内に設けたドラグ制動機構を軸方向の前後間で防水したことを特徴とする魚釣用スピニングリ−ル。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ドラグ制動機構を収容したスプ−ルやリ−ル本体からなる対向部材内を防水した魚釣用スピニングリ−ルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来魚釣用スピニングリ−ルのスプ−ルは、中心にスプ−ル軸が挿通される貫通孔と前側にドラグ制動機構が収納される凹部が形成され、貫通孔に挿通されたスプ−ル軸にドラグ制動ノブが螺合構造で取り付けられている。従ってスプ−ルの前側と後側から水が侵入してドラグ制動機構が腐食等で安定したドラグ性能が得られず、作動不良になる不具合があった。水の侵入による不都合を解決するために例えば実開平3−67562 号公報や実開平3−91776 号公報等で見られるように、スプ−ルとドラグ制動ノブの間に防水処理を施した提案がある。
【0003】しかし、前記前者の公報の構造では、水の侵入を阻止する環状突起はドラグ制動機構を保持対応する部材に一体に形成されているから硬質材料となって防水効果が得られないと共にドラグ制動力の調整に不都合となる。前記後者の公報の構造では、弾性シ−ルの周溝の間にゴミや砂等が侵入すると、ドラグ制動調節によって弾性シ−ルが押圧されると、弾性シ−ルと対向する当接面との当りが不均一になって隙間が発生する欠点がある。前記前者及び後者の公報の構造ともスプ−ル後側は、リ−ルが水の中に漬けられた時はスプ−ル内に浸水することになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題点は、スプ−ル内に浸水してドラグ制動機構が腐食等で安定したドラグ性能が得られず、作動不良になる不具合が発生することである。
【0005】本発明の目的は前記欠点に鑑み、ドラグ制動機構が収容された対向部材内への水の侵入を防止して安定したドラグ性能が得られ、作動不良の発生を防止した魚釣用スピニングリ−ルを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1に係わる本発明は、釣糸が巻回されるスプ−ルにドラグ制動力を掛けるドラグ制動ノブと該ドラグ制動ノブと対向する対向部材の何れか一方に防水用摺接部を形成し、他方に防水用摺接部材を取り付け、前記防水用摺接部材に前記防水用摺接部の摺接面に摺接する弾性変形可能な摺接部を設けたことを要旨とするものである。
【0007】請求項2に係わる本発明は、前記防水用摺接部材に弾性変形可能な摺接部を設けて該摺接部は前記防水用摺接部の径方向に突出して該防水用摺接部の摺接面に摺接する鍔部で形成されていることを要旨とするものである。
【0008】請求項3に係わる本発明は、釣糸が巻回されるスプ−ルにドラグ制動力を掛けるドラグ制動ノブと該ドラグ制動ノブと対向する対向部材の何れか一方に防水用摺接部を形成し、他方に防水用摺接部材を取り付け、前記防水用摺接部材に前記防水用摺接部の摺接面に摺接する弾性変形可能な摺接部を設けると共に、前記対向部材を挟んで前記ドラグ制動ノブとは反対側位置のスプ−ル軸外周に他の防水用摺接部材を防水支持し、該他の防水用摺接部材と対向する前記対向部材に防水用摺接部を設け、前記他の防水用摺接部材に前記防水用摺接部の摺接面に摺接する摺接部を設け、前記対向部材内に設けたドラグ制動機構を軸方向の前後間で防水したことを要旨とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】請求項1の本発明により、防水用摺接部材2A 〜2J にゴミや砂等が付着しても、摺接部2b、2f、2jが摺接面a、bから離脱することがないから確実に防水される。
【0010】請求項2の本発明により、前後の防水用摺接部材2A 〜2J に弾性変形可能な摺接部2b、2f、2jを設け、摺接部2b、2f、2jに防水用摺接部1h、1k、1n、1r、1u、4b、4e、5fの径方向に突出する鍔部2d、2h、2kを設けて摺接面a、bに摺接させたから、鍔部2d、2h、2kと摺接面a、bが相対的に移動しても確実に防水される。防水用摺接部1h、1k、1n、1r、1u、4b、4e、5fにゴミや砂等が付着しても、径方向に突出する鍔部2d、2h、2kの移動でゴミや砂等は剥ぎ落とされて鍔部2d、2h、2kが摺接面a、bから離脱することがないから確実に防水される。
【0011】請求項3の本発明により、前側の防水用摺接部材2A 、2C 、2E 、2G 、2H の鍔部2d、2kが防水用摺接部1k、1n、4b、4eの摺接面aに摺接され、後側の他の防水用摺接部材2B 、2D 、2F 、2I 、2J の鍔部2hが防水用摺接部1h、1r、1u、5fの摺接面bに摺接されていると、リ−ルを水に漬けても対向部材1、5とドラグ制動ノブ4、4′の中に水の侵入が防止される。
【0012】
【実施例】以下、図示の実施例によって本発明を説明すると、図1から図3は第1実施例で、図1は魚釣用スピニングリ−ルの断面側面図、図2はスプ−ルからなる対向部材の要部拡大断面側面図、図3は(a)前側の防水用摺接部材の斜視図で(b)後側の他の防水用摺接部材の斜視図である。
【0013】第1実施例はフロントドラグ方式の魚釣用スピニングリ−ルで、スプ−ルからなる対向部材1は、前部中心に深い凹部1aと、前部の凹部1a外側に前側の防水用摺接部材2A の取り付け用浅い凹部1bと、中心に貫通孔1cと、外周に釣糸10が巻回される釣糸巻回胴部1dと、前側の鍔部1eと、後側の大径の筒部1fと、内側の後側に軸筒部1gと軸筒部1gの外側周囲の凹部で構成される防水用摺接部1hとで形成されている。凹部1a内には軸線方向に2条の溝部1iと、凹部1a内の前側内周の周方向に該内周より径方向外方に凹部からなる係止周溝1jとが形成されている。凹部1a内にはドラグ制動機構Aの摩擦板11と制動板12、13が収容されて係止周溝1jに係合された止め輪14で抜け止めされている。制動板12の外周に形成された凸部が2条の溝部1iに係合されて回り止めされている。
【0014】前側の防水用摺接部材2A はゴムや柔軟性を有する合成樹脂でリング状の本体2aと弾性変形可能な摺接部2bとで形成され、摺接部2bは筒部2cと筒部2cから径方向の外側に突出した鍔部2dとで形成されている。本体2aは浅い凹部1bに嵌合固定されている。
【0015】スプ−ルからなる対向部材1の中心貫通孔1cに挿入されるスプ−ル軸3は太径部3aと太径部3aに段部3bで先端側に小径部3cと小径部3cの外周には回り止め部3dと、小径部3cの先端にネジ部3eが形成されている。貫通孔1cにはスプ−ル軸3の前側小径部3cが挿通されている。凹部1a内の小径部3c外周にはドラグ制動機構Aの摩擦板11と制動板12、13が嵌合され、回り止め部3dに制動板13が回り止めされている。小径部3cの先端のネジ部3eにはドラグ制動ノブ4内に埋設されたナット15が螺合されている。ドラグ制動機構Aは摩擦板11と制動板12、13と前側の制動板12の前側の摩擦板11とその前の押し板16とドラグ制動ノブ4内のコイル状の発条17で構成されている。
【0016】ドラグ制動ノブ4は中心にナット15が埋設されてその外側に筒部4aが形成され、筒部4aの外側に凹部で構成される防水用摺接部4bが形成されている。筒部4aの内周に押し板16が挿入可能で、ナット15の外周と筒部4aの内周の間にコイル状の発条17が挿入されている。凹部で構成される防水用摺接部4bには前側の防水用摺接部材2A の摺接部2bが挿入され、凹部で構成される防水用摺接部4b内の外側の摺接面aに鍔部2dが摺接されている。摺接面aの開口部に径方向内方に突出する小径の鍔状周壁a′が形成されている。
【0017】スプ−ルからなる対向部材1の軸筒部1gの後側のスプ−ル軸3の小径部3c外周にはスペ−サ18と後側の他の防水用摺接部材2B とクリック歯車19が嵌合されて軸筒部1gと段部3bの間に挟み込まれている。後側の他の防水用摺接部材2B は円板状の本体2eと弾性変形可能な摺接部2fとで形成され、摺接部2fは筒部2gと筒部2gから径方向の内側に突出した鍔部2hとで形成されている。鍔部2hは軸筒部1gの外周の凹部で構成される防水用摺接部1h内の内側の摺接面bに摺接されている。
【0018】前記のように前後の防水用摺接部材2A 、2B に弾性変形可能な摺接部2b、2fを設け、摺接部2b、2fに凹部で構成される防水用摺接部4b、1hの径方向に突出する鍔部2d、2hを設けて摺接面a、bに摺接させたから、鍔部2d、2hと摺接面a、bが相対的に移動しても確実に防水される。前記のように前後の防水用摺接部材2A 、2B に弾性変形可能な摺接部2b、2fを設け、摺接部2b、2fに凹部で構成される防水用摺接部4b、1hの径方向に突出する鍔部2d、2hを設けて摺接面a、bに摺接させたから、凹部で構成される防水用摺接部4b、1hにゴミや砂等が付着しても、径方向に突出する鍔部2d、2hの移動でゴミや砂等は剥ぎ落とされて鍔部2d、2hが摺接面a、bから離脱することがなく、確実に防水される。
【0019】前記のように前側の防水用摺接部材2A の鍔部2dが筒部4aの外側の凹部で構成される防水用摺接部4bの摺接面aに摺接され、後側の他の防水用摺接部材2B の鍔部2hが軸筒部1gの外周の凹部で構成される防水用摺接部1h内の内側の摺接面bに摺接されていると、リ−ルを水に漬けてもスプ−ルからなる対向部材1の凹部1aと貫通孔1c内への水の侵入が防止される。摺接面aの開口部に径方向内方に突出する小径の鍔状周壁a′が形成されていると、内部に異物侵入を更に確実に防止できる。
【0020】スプ−ル軸3はリ−ル本体5の前側から突出されている。リ−ル本体5内の両側壁に駆動歯車20の回転軸20a が図示しない軸受で軸支され、回転軸20a の中心多角形孔にハンドル21が固定されたハンドル軸22が左右交換自在に挿入嵌合されている。リ−ル本体5の前部には軸受23で回転軸筒24が回転自在に軸受されると共に前側に突出されている。軸受23より前側の回転軸筒24の外周に逆転防止爪車25とロ−タ6が回り止め嵌合されてナット26で固定されている。回転軸筒24の基端は軸受部5aで回転自在に軸承され、基端の前側に一体的に形成されたピニオン24a に駆動歯車20が噛合されてロ−タ6はハンドル21の回転に連動して回転されるように支持されている。
【0021】回転軸筒24の中心孔には先端にスプ−ルからなる対向部材1が取り付けられたスプ−ル軸3の太径部3aが前後往復動可能に摺動自在に挿入され、スプ−ル軸3の後端部3fには摺動子27が係止板28で取り付けられている。リ−ル本体5内の回転軸筒24のピニオン24a より前側に連動歯車29が回転軸筒24に回り止め嵌合されている。
【0022】リ−ル本体5内にはスプ−ル軸3と平行に摺動機構のトラバ−スカム軸30が軸受部5aとリ−ル本体5の後側にビス31で取り付けられた支持部材7の透孔7aに挿入されて支承されている。支持部材7の後側にはネジ筒7bが形成されてキャップ32が螺合されている。トラバ−スカム軸30の先端には小歯車33が回り止め嵌合されて小歯車33は前記連動歯車29に噛合されている。トラバ−スカム軸30には摺動子27が嵌合されて摺動子27に設けた係合子34の爪がトラバ−スカム溝に係合されている。逆転防止爪車25には逆転防止爪35が係脱自在に臨まされている。リ−ル本体5に回動自在に取り付けられた操作杆36の前側に逆転防止カム37が取り付けられ、リ−ル本体5の後側外部に突出した操作杆36に操作ツマミ38が取り付けられている。
【0023】ロ−タ6は筒部6aで回転軸筒24に取り付けられ、筒部6aと前壁6bと大径の筒部6cと大径の筒部6cの基部6d、6eの外周から前方に向けて突出された一対の支持腕6f、6gとで形成されている。一対のベ−ル支持腕6f、6gの先端部外側に一方のベ−ル支持部材39と他方のベ−ル支持部材40がビス41、42で釣糸巻取位置と釣糸放出位置に反転自在に軸承されている。一方のベ−ル支持部材39には釣糸案内ロ−ラ43の取付部44が取り付けられている。他方のベ−ル支持部材40と釣糸案内ロ−ラ43の取付部44の間にベ−ル45が取り付けられている。
【0024】一方の支持腕6f内には、ト−ションバネ46が設けられて一端が支持腕6f内に、他端がベ−ル支持部材39に係止されて一方のベ−ル支持部材39と他方のベ−ル支持部材40と釣糸案内ロ−ラ43の取付部44とベ−ル45を釣糸巻取位置と釣糸放出位置に振分け付勢するように構成され、ト−ションバネ46はビス47で固定されたカバ−48で覆われている。他方のベ−ル支持腕6g内には、一方のベ−ル支持部材39と他方のベ−ル支持部材40と釣糸案内ロ−ラ43の取付部44とベ−ル45を釣糸放出位置から釣糸巻取位置側に反転させるL字形の反転機能レバ−49が載せられている。ベ−ル支持腕6g内で反転機能レバ−49はビス50で固定されたカバ−51で覆われている。
【0025】反転機能レバ−49の一端はベ−ル支持部材40の穴40a に挿入され、他端49a は下向きに形成されて基部6eに形成された透孔6hに挿入されている。反転機能レバ−49の他端49a はリ−ル本体5に設けられたカム5bに衝接可能に臨まされている。
【0026】ドラグ制動力が調節される時は、ドラグ制動ノブ4が回動されると、ナット15でコイル状の発条17が圧縮されて凹部1a内のドラグ制動機構Aが押圧されてドラグ制動力が調節される。この時ドラグ制動ノブ4が回動前進されると、筒部4aの外側の凹部で構成される防水用摺接部4bの摺接面aに摺接された前側の防水用摺接部材2A の鍔部2dが摺接されたまま筒部4aが前進される。ドラグ制動力に抗して釣糸10の引っ張り力でスプ−ルからなる対向部材1が回動されると、前側の防水用摺接部材2A の鍔部2dは筒部4aの外側の凹部で構成される防水用摺接部4bの摺接面aに摺接されながら、後側の他の防水用摺接部材2B の鍔部2hは軸筒部1gの外周の凹部で構成される防水用摺接部1h内の内側の摺接面bに摺接されながらスプ−ルからなる対向部材1は回動される。
【0027】前記魚釣用スピニングリ−ルの動作は、一方のベ−ル支持部材39と他方のベ−ル支持部材40が釣糸巻取位置にあって、釣糸10がスプ−ルからなる対向部材1に巻回される方向にハンドル21が回転されると、駆動歯車20が回転されてピニオン24a を介して回転軸筒24とロ−タ6が正回転される。更に連動歯車29と小歯車33を介してトラバ−スカム軸30が連動回転されて摺動子27とスプ−ル軸3とスプ−ルからなる対向部材1が前後に往復動される。ロ−タ6が逆回転防止される時は、操作ツマミ38と操作杆36と逆転防止爪35が回動されて逆転防止爪35が逆転防止爪車25に係合される。ロ−タ6が逆回転防止されて釣が行われ、獲物の引きで釣糸10が引かれてスプ−ルからなる対向部材1が逆回転されると、スプ−ルからなる対向部材1とスプ−ル軸3の間でドラグ制動力が働く。
【0028】仕掛が投擲されて釣糸10が遠方へ放出される際は、ベ−ル支持部材39、40が釣糸放出位置に反転されて釣竿が勢いよく振り下ろされる。ベ−ル支持部材39、40が釣糸放出位置に反転されると、反転機能レバ−49の他端49a は前進される。この反転機能レバ−49の他端49a の前進でリ−ル本体5に設けられたカム5bに対し衝接位置に臨まされる。仕掛の投擲後釣糸10がスプ−ルからなる対向部材1に巻回される方向にハンドル21が回転されると、駆動歯車20が回転されてピニオン24a を介して回転軸筒24とロ−タ6が正回転される。ロ−タ6が正回転されると、反転機能レバ−49の他端49a がリ−ル本体5のカム5bに衝接されて後方に押し込まれてベ−ル支持部材39、40が釣糸巻取位置に自動的に反転される。
【0029】魚釣用スピニングリ−ルが前記のように構成されると、防水用摺接部材2A 、2B にゴミや砂等が付着しても、摺接部2b、2fが摺接面a、bから離脱することがないから確実に防水される。前後の防水用摺接部材2A 、2B に弾性変形可能な摺接部2b、2fを設け、摺接部2b、2fに凹部で構成される防水用摺接部4b、1hの径方向に突出する鍔部2d、2hを設けて摺接面a、bに摺接させたから、鍔部2d、2hと摺接面a、bが相対的に移動しても確実に防水される。凹部で構成される防水用摺接部4b、1hにゴミや砂等が付着しても、径方向に突出する鍔部2d、2hの移動でゴミや砂等は剥ぎ落とされて鍔部2d、2hが摺接面a、bから離脱することがないから確実に防水される。
【0030】前側の防水用摺接部材2A の鍔部2dが筒部4aの外側の凹部で構成される防水用摺接部4bの摺接面aに摺接され、後側の他の防水用摺接部材2bの鍔部2hが軸筒部1gの外周の凹部で構成される防水用摺接部1h内の内側の摺接面bに摺接されていると、リ−ルを水に漬けてもスプ−ルからなる対向部材1の凹部1aと貫通孔1c内への水の侵入が防止される。
【0031】図4、図5は第2実施例で、図4はスプ−ルからなる対向部材の要部拡大断面側面図、図5は(a)前側の防水用摺接部材の斜視図で(b)後側の他の防水用摺接部材の斜視図である。
【0032】第2実施例では、前側の防水用摺接部材2C の鍔部2dは第1実施例の防水用摺接部材2A の鍔部2dと、後側の他の防水用摺接部材2D の鍔部2hは第1実施例の防水用摺接部材2B の鍔部2hとは夫々逆向きに形成されている。他の構成は前記第1実施例と略同一である。
【0033】図6は第3実施例で、図6はスプ−ルからなる対向部材の要部拡大断面側面図である。
【0034】第3実施例では、スプ−ルからなる対向部材1の前部の凹部1a外側に凹部で構成される防水用摺接部1kが形成されている。ドラグ制動ノブ4の筒部4aの外側に前側の防水用摺接部材2A の取り付け用浅い凹部4cが形成されている。浅い凹部4cには前側の防水用摺接部材2A の本体2aが嵌合固定されている。凹部で構成される防水用摺接部1kには前側の防水用摺接部材2A の摺接部2bが挿入され、凹部で構成される防水用摺接部1k内の外側の摺接面aに鍔部2dが摺接されている。他の構成は前記第1実施例と略同一である。
【0035】図7、図8は第4実施例で、図7はスプ−ルからなる対向部材の要部拡大断面側面図、図8はスプ−ルメタル部材の側面図である。
【0036】第4実施例では、スプ−ルからなる対向部材1の前部の凹部1a外側に前側に向けて筒部1mが突出され、筒部1mの外周に凹部で構成される防水用摺接部1nが形成されている。ドラグ制動ノブ4の筒部4aの後端面4dに前側の防水用摺接部材2E が固定されている。前側の防水用摺接部材2E は円板状に形成されて本体2iがドラグ制動ノブ4の後端面4dにワッシャ52と図示しないビスで固定されている。前側の防水用摺接部材2E の弾性変形可能な摺接部2jが凹部で構成される防水用摺接部1nに向けて突出され、先端に鍔部2kが形成されている。凹部で構成される防水用摺接部1nの外側の摺接面aに鍔部2kが摺接されている。
【0037】スプ−ルからなる対向部材1の中心には前記貫通孔1cより大径の貫通孔1oと後側に凹部1pが形成されて貫通孔1oにスプ−ルメタル部材8が挿入されている。凹部1pの外側は筒部1qに形成されて筒部1qの外側に凹部で構成される防水用摺接部1rが形成されている。凹部で構成される防水用摺接部1rの外側内周にはクリツク用の歯部1sが形成されている。スプ−ルメタル部材8は中心にスプ−ル軸3の小径部3cが挿入される貫通孔8aが穿設され、外周部8bに回り止め部8cと、外周部8bの中間に周溝8dと、一端に太径の鍔部8eと、段部で中径部8fが形成されている。スプ−ル軸3の小径部3cの後側には周溝3gが形成されてOリング53が嵌合されている。
【0038】スプ−ルメタル部材8の前側外周には押し板54とドラグ制動機構Aの摩擦板55と制動板56、57とが嵌合され、回り止め部8cに制動板57が回り止めされている。周溝8dにはOリング58が嵌合されてOリング58より後側のスプ−ルメタル部材8外周と筒部1q内にボ−ルベアリング59、59が嵌合されている。ボ−ルベアリング59の後側の外周部8bにはスペ−サ60と円板状支持部材61が嵌合されている。中径部8f外周には有底円筒体62が嵌合され、有底円筒体62にクリック発条63が支持されている。
【0039】クリック発条63の爪部63a はクリツク用の歯部1sに係合されている。支持部材61の外周には本体のない後側の他の防水用摺接部材2F の弾性変形可能な摺接部2fが固定されている。摺接部2fの鍔部2hは凹部で構成される防水用摺接部1rの摺接面bに摺接されている。他の構成は前記第1実施例と略同一である。支持部材61と後側の他の防水用摺接部材2F を一体に形成してもよい。
【0040】図9は第5実施例で、図9は魚釣用スピニングリ−ルの断面側面図である。
【0041】第5実施例では、スプ−ルからなる対向部材1の前部の凹部1a外側に前側の防水用摺接部材2G の取り付け用浅い凹部1bが形成されている。ドラグ制動ノブ4の筒部4aの外側が防水用摺接部4eで外周面を摺接面aとする。浅い凹部1bには前側の防水用摺接部材2G の本体2aが嵌合固定され、防水用摺接部材2G の弾性変形可能な摺接部2jの先端に鍔部2kが形成されている。前側の防水用摺接部材2G の摺接部2jはドラグ制動ノブ4の筒部4aの外側に挿入され、防水用摺接部4eの外周の摺接面aに鍔部2kが摺接されている。スプ−ルからなる対向部材1の後側は大径の筒部1f内背面1tから突出された軸筒部1gと軸筒部1gの外側周囲の防水用摺接部1uで外周面を摺接面bとする。軸筒部1gの後側のスプ−ル軸3の小径部3c外周には前記第1実施例と同一のスペ−サ18と後側の他の防水用摺接部材2B とクリック歯車19が嵌合されて軸筒部1gと段部3bの間に挟み込まれている。他の構成は前記第1実施例と略同一である。
【0042】図10から図14は第6実施例で、図10は魚釣用スピニングリ−ルの断面側面図、図11はリア側リ−ル本体とドラグ制動ノブの拡大断面側面図、図12は制動メタル部材の側面図、図13は押圧部材の背面図、図14はスプ−ルの断面側面図である。
【0043】第6実施例はリアドラグ方式の魚釣用スピニングリ−ルで、リ−ル本体からなる対向部材5の後側壁5cから後方に向けて筒部5d、5eが突出されている。筒部5dの外側に凹部で構成される防水用摺接部5fが形成されて外周面を摺接面bとする。後側壁5cには透孔5gが穿設されて制動メタル部材8′の一端が嵌合されている。筒部5d内には軸線方向に2条の溝部5hが形成されると共にネジ部5iが形成されている。筒部5dの開口端側には軸線方向と直交する貫通孔5jが形成されている。後側壁5cの前部には凹部5kが形成されて防水用摺接部材2H が嵌合固定されている。この防水用摺接部材2H の弾性変形可能な薄肉内周面に、スプ−ル軸3の外周が回転かつ前後動可能に摺接している。
【0044】制動メタル部材8′の中心には回り止め貫通孔8gが穿設され、外周部8hに鍔部8iと、鍔部8iより後側に回り止め部8jとが形成されている。スプ−ル軸3は第1実施例の後端部3fから更に後方に延長部3hが形成されて延長部3h外周に回り止め部3iが形成され、延長部3hは回り止め貫通孔8gに前後に移動自在に嵌合されている。鍔部8iより前側の外周部8hにドラグ制動機構Aの摩擦板64が密着嵌合され、鍔部8iより後側の外周部8hに摩擦板64と制動板65、66が嵌合され、回り止め部8jに制動板66が回り止めされている。制動板65の外周に形成された凸部が2条の溝部5hに係合されて回り止めされている。後側の制動板65には押圧リング67と発条17が当てられ、押圧リング67と発条17にネジ部5iに螺合された押圧部材8″が当てられている。
【0045】押圧部材8″は外周にネジ部8kが形成された大径筒部8mと、外側と内側の段部8n、8oで中径の筒部8pと、筒部8p内周のネジ部8qと、筒部8p後側に段部で小径部8rと、この段部位置に係合凸部8sと、筒部8p後端に段部でOリング68の保持部8tとで形成されている。係合凸部8sは図13のように円周上に後側に向けて複数の突起状に形成されている。小径部8rの外周にはドラグ制動ノブ4′の内側筒部4fが嵌合されている。
【0046】ドラグ制動ノブ4′は内側筒部4fと、内側筒部4fの先端に形成された係合凹部4gと、内側筒部4fに連結された外側筒部4hと、外側筒部4hの内周に形成されたクリック歯部4iと、外側筒部4hの前側先端外周に形成された凹部4jとで形成されている。係合凹部4gは係合凸部8sに係合されている。Oリング68はネジ部8qに螺合されたネジ栓9の鍔部9aで押圧されると共に筒部5d内が防水されている。
【0047】ネジ栓9は鍔部9aと、筒部9bと、筒部9bの外周のネジ部9cとで形成されている。貫通孔5jにはクリック発条63の爪部63a が挿入されて爪部63a はクリック歯部4iに係合されている。係合凹部4jには防水用摺接部材2I の弾性変形可能な摺接部2fが嵌合固定されている。摺接部2fの鍔部2hは凹部で構成される防水用摺接部5fの摺接面bに摺接されている。
【0048】スプ−ル軸3の先端側は、小径部3cの前側に周溝3jと、傾斜面3kで台形部3mとが形成されている。小径部3cはスプ−ル1′の中心貫通孔1tに嵌合固定された軸受スリ−ブ69に回動自在に嵌合されて周溝3jと発条70で抜け止めされている。発条70は2本の平行の折曲部と円周部がクリップ状に一体に形成されている。スプ−ル軸3の太径部3aには段部3bで先端小径部3cと、その外周に回り止め部3dと、周溝3gと、傾斜面3hで台形部3iが、後端部3fには前記のように延長部3hと回り止め部3iが形成されている。
【0049】スプ−ル1′は釣糸巻回胴部1dと前側鍔部1eと後側の大径の筒部1fと筒部1f内の背面1tと前側の凹部1vとで形成されている。更に小径部3cにラチェット歯車71とワッシャ−72が嵌合されて段部3bとスプ−ル1′の背面1tで挟まれている。スプ−ル1′の背面1tには係止体73が軸74で回動自在に支持されている。係止体73の側部には度当りピン75が固定されて係止体73に一端が係止された発条76の他端は度当りピン75に係止されて係止体73は発条76で度当りピン75側に付勢されている。係止体73の先端はラチェット歯車71に係脱自在に係止されてラチェット歯車71はスプ−ル1′に巻回される釣糸10の繰出し方向への回転を阻止する機能を有する。
【0050】スプ−ル1′の前側には凹部1vが形成されて前記発条70が周方向に遊動可能に挿入されると共にワッシャ−77が挿入され、凹部1vの雌ネジにキャップ78の雄ネジが螺合されている。前記キャップ78の筒孔78a 内には押ボタン79が前後に進退自在に嵌合されている。キャップ78の筒孔78a 内一側には数条の軸方向の溝からなる係止部78b が形成されている。押ボタン79は外周筒部79a が筒孔78a 内に嵌合され、筒部79a に係合部79b が突出形成されて係止部78b に係合されている。押ボタン79の後部には円筒部79d が突出形成され、円筒部79d の上下に傾斜面79e 、79e で尖頭部79f が形成されている。尖頭部79f の先端は前記発条70の2本の平行の折曲部の間隔より狭く形成されている。
【0051】リ−ル本体からなる対向部材5内のスプ−ル軸3と平行に設けられた摺動機構は前記第1実施例と略同一である。
【0052】第6実施例でドラグ制動力が調節される時は、ドラグ制動ノブ4′が回動されると、押圧部材8″が軸方向に前進後退されて前進された時に、ドラグ制動機構Aの摩擦板64と鍔部8kと摩擦板64と制動板65、66と押圧リング67とコイル状の発条17が押圧されて制動力が増大調節される。更にドラグ制動ノブ4′が回動されると、防水用摺接部材2I の弾性変形可能な摺接部2fの鍔部2hは凹部で構成される防水用摺接部5fの摺接面bに摺接されて前進後退される。スプ−ル1′がスプ−ル軸3から外される時は、押ボタン79が押し込まれて尖頭部79f の前側の傾斜面79e 、79e で発条70が押し広げられて離脱可能になる。第6実施例では、リ−ル本体からなる対向部材5の筒部5dとドラグ制動ノブ4′の中に水の侵入が防止される。
【0053】図15は第7実施例で、図15はリア側リ−ル本体とドラグ制動ノブの拡大断面側面図である。
【0054】第7実施例では、ドラグ制動ノブ4′の外側筒部4hの前側先端内周に凹部4kが形成されている。凹部4kには防水用摺接部材2J の弾性変形可能な摺接部2fが嵌合固定されている。リ−ル本体からなる対向部材5の後側壁5cから後方に向けて筒部5dが突出されている。筒部5dの外側に段部で構成された防水用摺接部5fが形成されて外周面を摺接面bとする。摺接部2fの鍔部2hは筒部5dの外側の防水用摺接部5fの摺接面bに摺接されている。他の構成は前記第6実施例と略同一である。
【0055】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0056】防水用摺接部材にゴミや砂等が付着しても、防水用摺接部材の摺接部が摺接面から離脱することがないから確実に防水される。
【0057】前後の防水用摺接部材に弾性変形可能な摺接部を設け、摺接部に防水用摺接部の径方向に突出する鍔部を設けて摺接面に摺接させたから、鍔部と摺接面が相対的に移動しても確実に防水される。防水用摺接部にゴミや砂等が付着しても、径方向に突出する鍔部の移動でゴミや砂等は剥ぎ落とされて鍔部が摺接面から離脱することがないから確実に防水される。
【0058】前側の防水用摺接部材の鍔部が防水用摺接部の摺接面に摺接され、後側の他の防水用摺接部材の鍔部が軸筒部の外側の防水用摺接部の摺接面に摺接されていると、リ−ルを水に漬けても対向部材とドラグ制動ノブの中に水の侵入が防止される。
【出願人】 【識別番号】000002495
【氏名又は名称】ダイワ精工株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月26日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−239437
【公開日】 平成11年(1999)9月7日
【出願番号】 特願平10−62048