| 【発明の名称】 |
人工漁礁用ブロック |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤 忠邦
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| 【要約】 |
【課題】耐塩水性が高く、耐久性があり、原材料が容易に入手でき、安価に製造、供給でき、海藻の付着、育成に適した人工漁礁用ブロックを提供する。
【解決手段】安価で耐久性に富んだ人工漁礁として海中に投下されて漁礁を形成するコンクリートブロックに、酸化鉄及び酸化鉄化合物を30vol%乃至80vol%含有させた人工漁礁用ブロックを用いる。更に、必要に応じて、酸化鉄及び酸化鉄化合物として、焼結体、フェライト焼結体、または、鉄鉱石を所定量混合して成形したコンクリートブロックを人工漁礁用ブロックとして用いる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 海中に投下されて漁礁を形成するコンクリート製人工ブロックで、酸化鉄及び酸化鉄化合物を30vol%乃至80vol%含有することを特徴とする人工漁礁用ブロック。 【請求項2】 酸化鉄及び酸化鉄化合物が焼結体であることを特徴とする請求項1記載の人工漁礁用ブロック。 【請求項3】 酸化鉄化合物がフェライト焼結体であることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の人工漁礁用ブロック。 【請求項4】 酸化物及び酸化物化合物が鉄鉱石であることを特徴とする請求項1記載の人工漁礁用ブロック。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、人工の構造物で、海中に投下されて漁礁を形成する人工漁礁用ブロックに関する。 【0002】 【従来の技術】海洋沿岸では、磯やけ等と称して、海藻等が消失する環境破壊が問題となって久しい。その一因として、ダム建設等により山地からの鉄成分の流入が減少して、沿岸が石灰化していることがあげられている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】この対策として、人工漁礁として石を入れた鉄製の網を海中に投入すると、その鉄の部分には海草が良く付着、生育することが確認されている。この方法は、人工で、安価に、漁礁を形成できる。しかしながら、塩水で鉄を錆らせているようのものであるから、鉄の減耗が著しく、長寿命化は困難である。 【0004】一方、耐塩水性材料として、鉄の酸化物を原料としたフェライト製タイルを海中に投下した実験例があり、人工漁礁としての有効性と耐久性が確認されている。しかしながら、大型のフェライト製タイルを製造することは、極めて高価となり、実用化は困難な状況にある。 【0005】従って、本発明の課題は、耐塩水性が高く、耐久性があり、原材料が容易に入手でき、安価に製造、供給できる人工漁礁用ブロックを提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、上述の課題を解決した、安価で耐久性に富んだ人工漁礁であり、海中に投下されて漁礁を形成するコンクリートブロックで、酸化鉄及び酸化鉄化合物を30vol%乃至80vol%含有する人工漁礁用ブロックである。 【0007】コンクリートブロック中に含まれる酸化鉄及び酸化鉄化合物の体積比率が、30vol%以上では、海中での海藻の付着、生育が明らかに認めらるからであり、80vol%以上では、コンクリートブロックの強度が著しく低下し、実用性に欠けるためである。 【0008】鉄成分は、塊状等の酸化物として分散しているため、ブロックの全体に海藻の付着、生育が認められ、また耐久性も鉄線に比べ著しく向上し、人工漁礁としての寿命は、鉄成分の消失ではなく、コンクリート中のセメント部分の海蝕で決定されることになり、長寿命となる。 【0009】また、塊状の酸化鉄及び酸化鉄化合物を使用する場合は、硬く、加工が容易でないので、粉末成形後、焼結した物を使用する。即ち、本発明は、燒結体の酸化鉄及び酸化鉄化合物を必要に応じて使用した人工漁礁用ブロックである。 【0010】このことにより、コンクリートブロック中に分散するのに適度な形状を容易に得ることができる。また、これらを必要に応じて、粗砕機等により小粒度化することができ、必要な寸法の酸化鉄及び酸化鉄化合物が得られる。酸化鉄及び酸化鉄化合物の粒度としては、1乃至100mm程度が好ましい。 【0011】また、本発明は、酸化鉄化合物として、磁性材料等として工業化されているフェライト焼結体を使用した人工漁礁用ブロックである。従って、工業用に多量消費される磁性材料などの不良品や廃材も流用することができる。 【0012】また、本発明は、酸化鉄及び酸化鉄化合物として、鉄鉱石(例えば、磁鉄鉱、赤鉄鉱等)を使用した人工漁礁用ブロックである。原材料の入手が容易で、同様の効果が得られる。 【0013】また、酸化鉄及び酸化鉄化合物をコンクリートブッロク中に分散させるのは、一種類の化合物である必要はなく、何種類を混合して使用しても、人工漁礁としての効果が現れる。 【0014】 【発明の実施の形態】上述したように、本発明の実施の形態は、安価で耐久性に富んだ人工漁礁として海中に投下されて漁礁を形成するコンクリートブロックに、酸化鉄及び酸化鉄化合物を30vol%乃至80vol%含有させた人工漁礁用ブロックを用いる。 【0015】更に、必要に応じて、酸化鉄及び酸化鉄化合物として、焼結体、フェライト焼結体、または、鉄鉱石を所定量混合して成形したコンクリートブロックを人工漁礁用ブロックとして用いる。 【0016】 【実施例】以下、実施例を用いて、本発明を説明する。 【0017】(実施例1)原料粉末を混合した後、成形し、800乃至1500℃で焼成して得られたFe2O3、Fe3O4、Mn―Zn系フェライト(約51mol%Fe2O3)、Ni系フェライト(約50mol%Fe2O3)、Mn―Mg系フェライト(約51mol%Fe2O3)、Ba系フェライト(約85mol%Fe2O3)、Sr系フェライト(約85mol%Fe2O3)の焼結体を、それぞれ約50mm以下に粉砕した。 【0018】次に、上記の酸化鉄及び酸化鉄化合物のコンクリート中の体積比率が、40乃至60vol%となるようにセメントと混合した後、成形し、一辺が約100cmの立方体状コンクリートブロックを作製した。 【0019】また、比較のために、酸化鉄及び酸化鉄化合物を混合しない比較例のブロックを作製した。 【0020】次に、これらブロックを海中(深度約5m)に約1年間、漬浸し、海藻の付着・成育状態を調べた。その結果を表1に示す。 【0021】
【0022】比較例に対し、本発明の酸化鉄および酸化鉄化合物を含有したコンクリートブロックからなる人工漁礁用ブロックへの海藻の付着、成育は、著しく良好であった。従って、これらを魚礁用ブロックとして使用することは有用である。 【0023】(実施例2)実施例1と同様にして、Mn―Zn系フェライト及びBa系フェライト粗砕体を得た後、コンクリート中の体積比が、0,10,20,30,40,50,60,70,80vol%となるように、コンクリートブロックを作製し、海中における海藻の成育状態を調べた。その結果を、表2に示す。 【0024】
【0025】コンクリートブロックにおける海藻の付着、成育状況は、フェライトの体積比が30vol%以上で明らかに向上し、漁礁用ブロックとして使用することが有用であるといえる。一方、フェライトの体積比が80vol%に達すると、ブロックの強度が明らかに低下する傾向が見られている。従って、工業的には、ブロックにおけるフェライトの体積比は、30乃至70vol%が、特に望ましいといえる。 【0026】(実施例3)実施例1と同様にして、磁鉄鉱及び赤鉄鉱を使用し、コンクリートブロックを作製し、海中における海藻の成育状態を調べた。その結果、コンクリートブロック上に海藻の付着、成育状態が、良好であることを確認した。従って、塊状の磁鉄鉱及び赤鉄鉱等の鉄鉱石を分散したコンクリートブロックは、人工漁礁として有用である。 【0027】 【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれば、海藻類の付着・成育の良い、耐塩水性があり、耐久性が高く、原材料が容易に入手でき、安価に製作できるコンクリート製の人工漁礁用ブロックが提供できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000134257 【氏名又は名称】株式会社トーキン
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月25日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平11−239428 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)9月7日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−62310 |
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