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【発明の名称】 釣り・スポーツ用品用部材およびその製造方法
【発明者】 【氏名】鈴江 浩康

【氏名】菅谷 英二

【氏名】西川 太

【要約】 【課題】本発明は、軽量で、しかも優れた外観を有する釣り・スポーツ用品用部材を提供することを目的とする。

【解決手段】母材と強化材とを含む部材本体の、母材と強化材とが混在する外側面、または硬質部分と軟質部分とを含む部材本体の、硬質部分と軟質部分とが混在する外側面を、面一の鏡面状に形成してなることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 母材と強化材とを含む部材本体の、母材と強化材とが混在する外側面を、面一の鏡面状に形成してなることを特徴とする釣り・スポーツ用品用部材。
【請求項2】 硬質部分と軟質部分とを含む部材本体の、硬質部分と軟質部分とが混在する外側面を、面一の鏡面状に形成してなることを特徴とする釣り・スポーツ用品用部材。
【請求項3】 前記母材と強化材とが混在する、または前記硬質部分と軟質部分とが混在する外側面は、凹凸形状を有し、この凹凸形状を保持しつつ面一の鏡面状に形成してなることを特徴とする請求項1または2に記載の釣り・スポーツ用品用部材。
【請求項4】 部材本体と、この部材本体の外側面に形成され、母材と強化材とが混在する、または硬質部分と軟質部分とが混在する被膜とを具備し、前記被膜の表面を、面一の鏡面状に形成してなることを特徴とする釣り・スポーツ用品用部材。
【請求項5】 前記鏡面状に形成した前記部材本体または被膜の表面粗度は、略1μm以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかの項に記載の釣り・スポーツ用品用部材。
【請求項6】 前記鏡面状に形成した前記部材本体の外側面または被膜の表面に、更に10μm以下の厚さの薄膜を形成したことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかの項に記載の釣り・スポーツ用品用部材。
【請求項7】 母材と強化材とを含む部材本体の、母材と強化材とが混在する外側面、または硬質部分と軟質部分とを含む部材本体の、硬質部分と軟質部分とが混在する外側面を、化学研磨法により弾性研磨部材を当接して研磨することにより、面一の鏡面状に形成することを特徴とする釣り・スポーツ用品用部材の製造方法。
【請求項8】 母材と強化材とを含む部材本体の、母材と強化材とが混在する外側面を、面一の鏡面状に形成してなり、前記母材に対する強化材の体積比Vfが、前記部材本体内部の単位面積における面積比により算出して、55%以上であることを特徴とする釣り・スポーツ用品用部材。
【請求項9】 前記鏡面状に形成した前記部材本体の外側面に、更に干渉光薄膜、光輝性薄膜、又は透明若しくは半透明薄膜を形成したことを特徴とする請求項8に記載の釣り・スポーツ用品用部材。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、釣り用品用、またはゴルフ用品、スキー用品、テニス用品等のスポーツ用品用の部材に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】釣り用品や、ゴルフ用品、スキー用品、テニス用品等のスポーツ用品には、その機能や特性を向上させると共に、その強度を維持しつつ、軽量化を図る傾向にある。
【0003】一方、上記釣り用品やスポーツ用品には、使用者の趣味に訴えるために、様々な装飾が施される。このため、これらの部材には、優れた外観を示すように、種々の塗装等が施される。近年、釣り用品やスポーツ用品の軽量化に伴い、部材重量における塗装層の割合が大きくなってきている。具体的には、釣り竿においては、竿管重量における塗装層の重量が5〜10%以上を占める程度に上がってきている。このため、塗装層や装飾層は、上述した釣り用品やスポーツ用品の軽量化を妨げる大きな原因となっている。
【0004】従来の、軽量化と強度の向上を図った技術として、特開平6−327380号に開示されているものがある。これは、強化繊維に合成樹脂を含浸させた繊維強化合成樹脂プリプレグを巻装した竿管表面に、樹脂が露出する部分と連続した強化繊維が露出する部分とを形成した釣竿に係る技術である。このようにして、部材の軽量化と強度の向上を図ることが出来る。
【0005】例えば、図8に示すように、軸長方向繊維層43上に周方向繊維層44を設けることにより構成され、それぞれの繊維層43,44は、強化繊維45に樹脂46を含浸してなる釣竿では、その外側面は粗表面であって、光は乱反射してしまう。そのため、外観がわるく、厚い塗装が必要となる。
【0006】また、図9に示すように、表面をサンダーベルト等により研磨すると、軟質の樹脂46の部分が大きく削られ、凹部47が形成されるとともに、硬質の強化繊維45が凸部48となり、しかもその表面は粗面となる。このように、表面を研磨したとしても、優れた外観は得られない。
【0007】従って、これまでの技術では、軽量化・強度の向上と外観の向上とを両立させることは、困難であった。本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、軽量で、しかも優れた外観を有する釣り・スポーツ用品用部材を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、母材と強化材とが混在する外側面を有する釣り・スポーツ用品用部材につき、鋭意研究を重ねた結果、外側面を面一に鏡面状に形成することにより、軽量化を図ることが出来るとともに、装飾性が向上することを見出し、本発明をなすに至った。
【0009】即ち、本発明(請求項1)は、母材と強化材とを含む部材本体の、母材と強化材とが混在する外側面を、面一の鏡面状に形成してなることを特徴とする釣り・スポーツ用品用部材を提供する。
【0010】また、本発明(請求項2)は、硬質部分と軟質部分とを含む部材本体の、硬質部分と軟質部分とが混在する外側面を、面一の鏡面状に形成してなることを特徴とする釣り・スポーツ用品用部材を提供する。
【0011】また、本発明(請求項3)は、上述の釣り・スポーツ用品用部材(請求項1、2)において、前記母材と強化材とが混在する、または前記硬質部分と軟質部分とが混在する外側面は、凹凸形状を有し、この凹凸形状を保持しつつ面一の鏡面状に形成してなることを特徴とする。
【0012】また、本発明(請求項4)は、部材本体と、この部材本体の外側面に形成され、母材と強化材とが混在する、または硬質部分と軟質部分とが混在する被膜とを具備し、前記被膜の表面を、面一の鏡面状に形成してなることを特徴とする釣り・スポーツ用品用部材を提供する。
【0013】また、本発明(請求項5)は、上述の釣り・スポーツ用品用部材(請求項1〜4)において、前記鏡面状に形成した前記部材本体または被膜の表面粗度は、略1μm以下であることを特徴とする。
【0014】また、本発明(請求項6)は、上述の釣り・スポーツ用品用部材(請求項1〜5)において、前記鏡面状に形成した前記部材本体の外側面または被膜の表面に、更に10μm以下の厚さの薄膜を形成したことを特徴とする。
【0015】また、本発明(請求項7)は、母材と強化材とを含む部材本体の、母材と強化材とが混在する外側面、または硬質部分と軟質部分とを含む部材本体の、硬質部分と軟質部分とが混在する外側面を、化学研磨法により弾性研磨部材を当接して研磨することにより、面一の鏡面状に形成することを特徴とする釣り・スポーツ用品用部材の製造方法を提供する。
【0016】また、本発明(請求項8)は、母材と強化材とを含む部材本体の、母材と強化材とが混在する外側面を、面一の鏡面状に形成してなり、前記母材に対する強化材の体積比Vfが、前記部材本体内部の母材と強化材の単位面積における面積比により算出して、55%以上であることを特徴とする釣り・スポーツ用品用部材を提供する。
【0017】また、本発明(請求項9)は、上述の釣り・スポーツ用品用部材(請求項8)において、前記鏡面状に形成した前記部材本体の外側面に、更に干渉光薄膜、光輝性薄膜、又は透明若しくは半透明薄膜を形成したことを特徴とする。
【0018】本発明において、「鏡面状」とは、鏡やレンズのように光を特定方向に反射するような面はもちろんのこと、必ずしもこれらに限らず、表面に光沢を生ずる程度の平滑な状態をも意味する語である。
【0019】鏡面状に形成した面の表面粗さは、好ましくは1μm以下であり、より好ましくは0.5μm以下である。更によりきれいな鏡面状表面を得るには、0.2μm以下であるのが最も好ましい。
【0020】表面粗さは、JISB0601に規定する測定法により測定される。表面の山と谷が連続している場合には、10点平均粗さRzにより測定する。また、表面の山と谷の数が少なく、Rzにより測定しくい場合には、Ryを用いることも可能である。
【0021】なお、本発明の釣り・スポーツ用品用部材の表面の形状は任意であり、芯金に合成樹脂を含浸させた繊維強化プリプレグを巻回し、緊締テープで緊締し、加熱成形したときに発生するテープ跡である凹凸形状を残したり、成形型の外形や機械加工等により凹凸や模様等を形成し、これらの表面を鏡面状にすると、一層好ましい外観にすることが出来る。
【0022】また、本発明において、「面一」とは、物性の異なる材料または性質が混在する表面の両部分にわたって平滑さが保たれていることを意味する。例えば、「面一の鏡面状に形成」とは、研磨により硬度の高い部分のみが山になったり、硬度の低い部分のみが谷になったりすることなく、どの部分も平滑となっていることを意味する。
【0023】本発明において、鏡面状の表面は、化学研磨法、特にケミカル・バフ(CB)研磨法により研磨することにより形成することが出来る。また、スポンジ研磨法とケミカル・バフ研磨法との組合せにより行うことも可能である。
【0024】ケミカル・バフ研磨法とは、研磨助剤の化学的な作用による化学研磨と、物理的研磨力を生かしたバフ研磨とを複合させた湿式研磨法である。このケミカル・バフ研磨法では、弾性研磨部材として、適量の研磨剤を、フェルト、麻等の不織布、織布、または軟質の発泡体等に含浸させたものが用いられる。ここでいう適量とは、経済性、作業姓、研磨力等を考慮すると、10〜100cc/分が望ましい。
【0025】本発明では、特に、低い樹脂含量または高い繊維体積比率の繊維層にケミカル・バフ研磨法を施すことにより、極めて優れた外観を得ることが出来る。ケミカル・バフ研磨法により優れた外観を提供する繊維層中の繊維の体積比Vfは、55%以上であり、60%以上であることが好ましく、65〜90%であることがより好ましい。また、研磨した表面の(表面から見たときの)繊維体積比Vf´は、70%以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは85%以上にするとよい。
【0026】このように、高い繊維体積比率の繊維層とケミカル・バフ研磨法との組合せにより、塗装をすることなく素材のみでも優れた外観を得ることが出来、更に軽量化を図ることが出来る。素材のみで塗装を施さないことにより、傷が付きにくいという効果も得られる。
【0027】なお、ケミカル・バフ研磨法を施す繊維層の樹脂含量が低ければ低い程、特に30重量%以下の樹脂含量の繊維層の場合に、優れた光沢の表面を得ることが可能である。
【0028】ケミカル・バフ研磨法では、被研磨体および弾性研磨部材を回転させながら研磨を行うが、それらの回転数は、被研磨体が30〜120回転/分、弾性研磨部材のホイールが350回転/分程度である。
【0029】なお、研磨は、被研磨体表面を荒らした状態で行っても、荒らさなくてもよい。被研磨体表面を荒らす場合には、まず最初に、#240〜#800程度の不織布研磨材等で粗研磨を行った後、#2000〜#8000程度の不織布研磨材等で研磨を施し、その後、ケミカル・バフ研磨法による研磨を行うのが好ましい。このように、段階的に研磨目を微細にしていく複数工程の研磨により、能率的に所望の鏡面状の表面を得ることが出来る。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の種々の実施の形態について、図面を参照してより具体的に説明する。
(第1の実施形態)図1は、本発明の一実施形態に係る釣り・スポーツ用品用部材の、部材本体をなす管状体の斜視図である。管状体1は、炭素繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、アラミド繊維等の強化繊維にエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル等の合成樹脂やAl、Mg等の金属等のマトリクス材料を含浸させた繊維強化プリプレグ(FRP)、繊維強化金属(FRM)、または粒子や短繊維等の強化材を含有する成型体により構成されている。なお、管状体1の形状・寸法は、特に制限されない。
【0031】図2は、FRPからなる管状体1の一部の断面図である。図2に示すように、管状体1は、周方向繊維層2上に軸長方向繊維層3を設け、更にその上に周方向繊維層4を設けることにより構成される。それぞれの繊維層2〜4は、強化繊維部分5と樹脂部分6とからなり、周方向繊維層4の表面は、面一に鏡面状とされている。即ち、周方向繊維層4の表面の強化繊維部分5も樹脂部分6も、ともに平滑または鏡面とされている。
【0032】以上のように構成される管状体1において、周方向繊維層2の樹脂含量は、好ましくは40重量%以下、より好ましくは35重量%以下であり、軸長方向繊維層3の樹脂含量は、好ましくは24重量%以下、よりより好ましくは22重量%以下であり、周方向繊維層4の樹脂含量は、好ましくは40重量%以下、より好ましくは35重量%以下である。
【0033】なお、樹脂含量が多い周方向繊維層2の層厚と周方向繊維層4の層厚の和は、全層厚の和の1/3であるのが好ましく、1/4以下であるのがより好ましい。即ち、大部分が樹脂含量の少ない軸長方向繊維層3により構成されるのが好ましい。
【0034】図2に示す管状体1は、次のようにして製造することができる。例えば、繊維強化プリプレグを巻回して、周方向繊維層2、軸長方向繊維層3、および周方向繊維層4を順次形成した後、周方向繊維層4の表面を強化繊維部分5が露出するように研磨する。このとき、強化繊維5の表面はかなり粗い状態となる。次いで、この管状体1の表面を、ケミカル・バフ研磨法により研磨する。
【0035】研磨は、最初にスポンジ研磨法を施し、次いでケミカル・バフ研磨法により行う。スポンジ研磨法は、#1200の研磨材で4〜5回通し、次いで#1500の研磨材で4〜5回通すことにより行う。ケミカル・バフ研磨法は、フェルト回転数350rpmで、約20分間の研磨時間で行う。
【0036】このようにして、強化繊維部分5が露出した状態で、強化繊維部分5も樹脂部分6も面一の鏡面状に形成された面を得ることが出来る。面一の鏡面状に形成された研磨面を有する周方向繊維層4における強化繊維部分5の体積比Vfは、55%以上であるのが好ましい。このように、周方向繊維層4中の強化繊維部分5の割合を高くすることにより、研磨により優れた外観を得ることが可能である。なお、周方向繊維層4における強化繊維部分5の体積比Vfは、周方向繊維層4の研磨面に現われる強化繊維部分5と樹脂部分6の単位面積における面積比を算出することにより、求めることが出来る。
【0037】このように、管状体の外側面を、体積比が多い強化繊維が密着した状態で平滑に研磨し、面一の鏡面状に形成することにより、軽量であるとともに、優れた外観をも有する釣り・スポーツ用品用部材を得ることが出来る。
(第2の実施形態)図3は、本発明の他の実施形態に係る釣り・スポーツ用品用部材を示す断面図である。図3において、管状体1は、第1の実施形態で用いたものと同様であり、その説明は省略する。
【0038】この実施形態に係る釣り・スポーツ用品用部材では、面一の鏡面状に形成された管状体1の表面に、10μm以下の厚さの薄膜7が形成されている。この薄膜7は、単層でも複数層でもよいが、複数層の場合には合計で10μm以下であれば、軽量化を図ることが出来、比強度を向上させることが可能である。
【0039】薄膜7を構成する材料としては、Cr,Ni,Ti,Al等の金属、TiO2,SiC等のセラミックス等を挙げることができる。例えば、薄膜7の材料として前記金属やセラミックスを用いることにより、部材全体に光輝性を付与することができ、前記材料からなる薄膜7により本体を隠蔽することができ、外観を向上させると共に、本体を紫外線から保護できる。また、特に、薄膜7の厚さを数μm以下にすることにより、干渉色を得ることができる。
【0040】薄膜7を形成する方法としては、薄膜の厚さ等を考慮すると、イオンプレーティング、スパッタリング等の物理的蒸着法、塗装法、メッキ法等を用いることができる。
【0041】このように、面一の鏡面状に形成された管状体1の表面に、10μm以下の厚さの薄膜7を形成することにより、重量を増加させることなく、管状体1の表面の保護とともに、装飾性の向上を図ることが出来る。特に、管状体1の表面は面一の鏡面状に形成されているため、極薄の薄膜7により、光反射が一層顕著となるとともに、素地の鏡面を表した優れた美観の外観を得ることが出来る。
【0042】図3では、管状体1上に直接薄膜7を形成した場合について説明しているが、本実施形態はこれに限定されず、管状体1上に、シリコン酸化膜等の非電食層、金属層や合成樹脂からなるバインダー層等の中間層を介して薄膜7を形成した場合にも適用することができる。また、管状体1上に直接または中間層を介して薄膜7を形成し、さらにその上にTiO,TiN等をイオンプレーティングにより被着してなる着色層、SiO等をイオンプレーティングにより被着してなる保護層、TiとSiのような少なくとも2つの元素をイオンプレーティングにより同時に被着してなる混合(化合)層等を形成しても良い。さらに、最外層に透明または半透明状の金属、セラミックス、または合成樹脂等からなる保護層を形成しても良い。
(第3の実施形態)図4は、本発明の他の実施形態に係る釣り・スポーツ用品用部材の、FRPからなる管状体の一部の断面図である。図4において、管状体は、軸長方向繊維層13上に周方向繊維層14を設けることにより構成され、それぞれの繊維層13,14は、強化繊維部分15と樹脂部分16とからなる。
【0043】周方向繊維層14の表面は、テープピッチの目残りの凹凸形状となっている。即ち、周方向繊維層14の表面には凹部14aと凸部14bとがあり、いずれの表面も強化繊維部分15が露出している。露出する強化繊維部分15と樹脂部分16とは、いずれも面一に鏡面状に形成されている。この場合、露出する強化繊維部分15の大部分が平滑であり、かつ繊維の1/2程度以下の範囲で研磨されている。即ち、表面のみのわずかな量が研磨されている。
【0044】このように、強化繊維が露出した状態で面一の鏡面状に形成することにより、軽量であるとともに、優れた外観をも有する釣り・スポーツ用品用部材が得られる。特に、表面がテープピッチの目残りの凹凸形状を有し、凹部および凸部のいずれもが平滑な鏡面状の表面を有しているため、装飾性に優れた釣り・スポーツ用品用部材を得ることが出来る。
【0045】なお、管状体の繊維層、特に周方向繊維層14中の強化繊維部分15の比率をVf55%以上、好ましくは60%以上、更に好ましくは65〜90%にするのがよい。これらの範囲のVfは、周方向繊維層14(表面層)の場合、軸長方向繊維層13との界面部分を除く、周方向繊維層14内における値である。また、研磨した表面の(表面から見たときの)強化繊維部分の比率Vf´は、70%以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは85%以上にするとよい。
(第4の実施形態)図5は、本発明の他の実施形態に係る釣り・スポーツ用品用部材の、FRPからなる管状体の一部の断面図である。図5において、管状体は、繊維層の合成樹脂の比率を更に高くしたことを除いて、第3の実施形態で用いたものと同様である。
【0046】このように、繊維層の合成樹脂の比率を高くすることにより、特に凸部に合成樹脂のみからなる領域14cを形成することが出来、第3の実施形態とは異なる美観を示す釣り・スポーツ用品用部材を得ることが出来る。
(第5の実施形態)図6は、本発明の他の実施形態に係る釣り・スポーツ用品用部材の管状体の表面部分を示す断面図である。図6において、管状体表面は、硬質部分または強化部分21と、軟質部分または母材部分22とから構成され、表面が面一の鏡面状に形成されている。なお、図では、硬質部分または強化部分21と軟質部分または母材部分22とが規則的に配列されているが、両者がランダムに混在していてもよい。
【0047】具体例としては、粒子を含有する塗料を塗布することにより形成された塗膜、粒子や短繊維等を含有する成型体等が挙げられる。このように、硬質部分または強化部分と軟質部分または母材部分とが露出した状態で面一の鏡面状に形成することにより、軽量であるとともに、優れた外観をも有する釣り・スポーツ用品用部材を得ることが出来る。
(第5の実施形態)図7は、本発明の他の実施形態に係る釣り・スポーツ用品用部材の管状体の一部の断面図である。図7において、管状体31は、強化材を混入した合成樹脂成型体、又は強化材を混入した金属成型体であり、その表面は、凹凸状とされている。凹部32および凸部33は、いずれも面一の鏡面状に形成されている。
【0048】このように、強化材が露出した状態で面一の鏡面状に形成することにより、軽量であるとともに、優れた外観をも有する釣り・スポーツ用品用部材を得ることが出来る。
【0049】なお、強化材を混入しない合成樹脂成型体の表面を凹凸状に形成し、凹部および凸部を面一の鏡面状に形成することも可能である。更に、成型体とせずに、強化材を混入した、または混入しない合成樹脂の被膜を形成し、この被膜表面を面一の鏡面状に形成しても、優れた外観を有する釣り・スポーツ用品用部材を得ることが出来る。更にまた、かかる被膜上に、第2の実施形態で用いた薄膜を形成することも可能である。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の釣り・スポーツ用品用部材は、母材と強化材とを含む部材本体の、母材と強化材とが混在する外側面、または硬質部分と軟質部分とを含む部材本体の、硬質部分と軟質部分とが混在する外側面が、面一の鏡面状に形成されているため、強度または硬度を維持しつつ、軽量であるとともに、優れた外観をも有している。
【0051】また、面一の鏡面状に形成された表面に更に薄い薄膜を形成することにより、重量の増加を防止しつつ、更に優れた外観を得ることが出来る。更に、本発明の釣り・スポーツ用品用部材の製造方法によると、化学研磨法、特にケミカル・バフ研磨法を用いることにより、強度または硬度を維持しつつ、軽量であるとともに、優れた外観をも有する釣り・スポーツ用品用部材を、効率良く製造することが可能である。
【出願人】 【識別番号】000002495
【氏名又は名称】ダイワ精工株式会社
【出願日】 平成10年(1998)1月30日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
【公開番号】 特開平11−215935
【公開日】 平成11年(1999)8月10日
【出願番号】 特願平10−18940