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【発明の名称】 夏期・冬期切換縦断換気鶏舎及び該鶏舎の換気方法
【発明者】 【氏名】安田 勝彦

【氏名】今村 芳敬

【要約】 【課題】夏期及び冬期における鶏舎内の入気口と排気口付近ができるだけ均一の温度となるようにして、鶏舎内部の換気の切換を円滑に行なうようにする。

【解決手段】入気口3及び3aに必要に応じてクーリングパッド4を取付けると共に、鶏舎の長手方向両側壁2の上部内側に外気に通じる空気道8を設け、空気道に入気口9及び補助入気口10を設け、それぞれ入気調整機構を設けた。これらの入気調整機構を、それぞれの入気口及び補助入気口の近傍に設置されたセンサからの感知温度によって開閉調整するように構成し、夏期には、入気口9と10を完全に閉じて入気口3,3aの必要時に用いられるクーリングパッドによって冷却された入気のみとし、冬期には、入気口3,3aを完全に遮断し、入気口9と10の入気のみとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 鶏舎の一方の妻面に設けた入気口から外気を取入れ、他方の妻面の排気口に取付けた排気ファンから排出する縦断換気鶏舎において、一方の妻面及び又は該妻面に接続する側面に入気口を設けると共に、鶏舎の長手方向両側壁の上部内側に、上記一方の妻面の入気口の近傍から、排気口に近いケージ列の端部に対応する部分に延びる外気に通じる空気道を設け、該空気道に、上記一方の妻面の入気口寄りに入気口を設け、更に該入気口より排気口寄りに補助入気口を設け、これらの両側壁上部の空気道に設けられた入気口及び補助入気口にそれぞれ入気調整機構を設け、これらの入気調整機構を、それぞれの入気口及び補助入気口の近傍に設置されたセンサからの感知温度によって開閉調整するように構成したことを特徴とする夏期・冬期切換縦断換気鶏舎。
【請求項2】 一方の妻面及び該妻面に接続する側面に設けられた入気口に、クーリングパッドを取付けたことを特徴とする請求項1記載の夏期・冬期切換縦断換気鶏舎。
【請求項3】 前記鶏舎に天井を備え、天井裏の空間に、両側壁上部の入気口及び又は屋根に設けた小屋根から外気を導入して空気道を形成し、該天井に、長手方向に沿って入気口及び補助入気口としてのスリットを設け、各スリットに入気調整機構を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の夏期・冬期切換縦断換気鶏舎。
【請求項4】 夏期には、両側壁上部の空気道に設けられた入気口及び補助入気口を完全に閉じ、一方の妻面の入気口又は該妻面に接続する側面の入気口又はこれらの両入気口からの入気のみによって鶏舎内を換気し、冬期には、一方の妻面の入気口及び該妻面に接続する側面の入気口を完全に遮断し、両側壁上部の空気道に設けられた入気口及び補助入気口からの入気のみによって鶏舎内を換気することを特徴とする夏期・冬期切換縦断換気鶏舎の換気方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、養鶏用の鶏舎において、一方の妻面に設けた入気口から取入れた外気を、鶏舎を縦断する方向に流して換気する縦断換気鶏舎(トンネル換気鶏舎ともいう。)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の縦断換気鶏舎では、例えば内部に収容するケージ列の長さが70〜80m程度以下の場合は、一方の妻面から導入した空気を他方の妻面の方向の流し、ケージ列がさらに長い場合は、長手方向両側壁のほぼ中央部から導入した空気を両妻面の方向に流して鶏舎内の換気を行ってきた。
【0003】この種の縦断換気鶏舎は、設備コストが安く(ウィンドレス電気工事の大きな比重を占める換気関係電気工事のコストダウンが可能で、また天井をなくすことが可能)、ランニングコストが安く(トンネル風速効果により羽当り総換気量が少くてすみ、夏場の換気扇電気代が少い)、デッドスポット(舎内空気の部分的なよどみ)がなく、且つ舎内風速が出しやすいため夏場に強い鶏舎として、特にクーリングパッドを使用する鶏舎に多く使用されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の縦断換気鶏舎では、鶏舎内に導入された空気は、ケージ内の鶏の体温で次第で暖められながら流れるので、入気口付近と排気口付近とでは温度差が生じ、特に冬場の鶏舎前部と後部の温度差が大きく、外気温が0℃前後の場合、10〜20℃差が生じ、鶏の飼育管理の点から見て好ましくない環境状態となっていた。
【0005】上記のような問題点に対処するために、本出願人は、先に、入気口から排気口までの距離のほぼ中央部から下流の長手方向両側壁上部まで延びる補助入気口を設け、その補助入気口の出口の入気調整板の開閉及び開度を、補助入気口の前後(上流及び下流)の鶏舎内に設けた温度センサーからの信号により調整し、ここから鶏舎内に取入れられた空気量を調整する作用を行うようにしたトンネル換気鶏舎を開発した(特開平9−102号公報参照)。
【0006】しかしながら、上記した本出願人によって開発されたものも、夏期と冬期の両時期における換気の切換え操作、特に、冬期における温度の均一化が必ずしも円滑に行われないという問題点があった。
【0007】本発明は、上記した従来技術の問題点並びに本出願人が先に開発したものの問題点を解決し、特に冬期及び夏期、特に冬期における鶏舎内の入気口と排気口付近ができるだけ均一の温度となるようにして鶏舎内部の換気を円滑に切換えることができるようにした、夏期・冬期切換縦断換気鶏舎及び該鶏舎の換気方法を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために本発明による夏期・冬期切換縦断換気鶏舎は、鶏舎の一方の妻面に設けた入気口から外気を取入れ、他方の妻面の排気口に取付けた排気ファンから排出する縦断換気鶏舎において、一方の妻面及び又は該妻面に接続する側面に入気口を設けると共に、鶏舎の長手方向両側壁の上部内側に、上記一方の妻面の入気口の近傍から、排気口に近いケージ列の端部に対応する部分に延びる外気に通じる空気道を設け、該空気道上に、上記一方の妻面の入気口寄りに入気口を設け、更に該入気口より排気口寄りに補助入気口を設け、これらの両側壁上部の空気道に設けられた入気口及び補助入気口にそれぞれ入気調整機構を設け、これらの入気調整機構を、それぞれの入気口及び補助入気口の近傍に設置されたセンサからの感知温度によって開閉調整するように構成したことを特徴としている。
【0009】また、上記縦断換気鶏舎の夏期と冬期の切換え換気方法は、夏期には、両側壁上部の空気道に設けられた入気口及び補助入気口を完全に閉じ、一方の妻面の入気口又は該妻面に接続する側面の入気口又はこれらの両入気口からの入気のみによって鶏舎内を換気し、冬期には、一方の妻面の入気口及び該妻面に接続する側面の入気口を完全に遮断し、両側壁上部の空気道に設けられた入気口及び補助入気口からの入気のみによって鶏舎内を換気することを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を、図面に記載した実施例を用いて説明する。
【0011】図1は、本発明の一実施形態を示す夏期・冬期切換縦断換気鶏舎の内部の概略平面図、図2は図1の鶏舎の(a)は入気口側の妻面の正面図、(b)は排気口側の妻面の正面図、図3は図1の III− III線による概略断面図である。
【0012】図1においては、80m、4列のケージ列1が鶏舎内に長手方向に配置され、図の左側の妻面に入気口3が、また長手方向両側壁2の妻面寄りの一部には入気口3aがそれぞれ設けられており、入気口3及び3aはクーリングパッド4で覆われ遮光されている。クーリングパッド4は、紙や不織布のような水を吸収できる材料でつくられているので、その上方から水を流下又は滴下することにより全体を水で含浸させれば、入気口3から自然に導入される空気は、これを通過する間に冷却されその温度を低下することができるようになっている。
【0013】上記ケージ列1が配置された鶏舎の図の右側の妻面には、排気口5が設けられ、該排気口5には排気ファン6が取付けられている。
【0014】一方、長手方向両側壁2の上部と屋根7との間の内側に、上記一方の妻面の入気口3aの近傍から、排気口5に近いケージ列1の端部1aに対応する部分に延びる外気に通じる空気道8を設け、該空気道8に、上記一方の妻面の入気口3a寄りに入気口9を設け、更に該入気口9より排気口寄りに補助入気口10を設け、これらの両側壁上部の空気道8に設けられた入気口9及び補助入気口10にそれぞれ、下端部を軸として開閉する入気調整板12のような入気調整機構を設け、これらの入気調整機構を、それぞれの入気口4及び補助入気口10の近傍に設置された図示しないセンサからの感知温度によって開閉調整するように構成されている。
【0015】次に、作用について説明すると、夏期には、両側壁2の上部空気道8に設けられた入気口9及び補助入気口10を完全に閉じ、一方の(図で左側の)妻面の入気口3又は該妻面に接続された側面の入気口3a又はこれらの両入気口から、クーリングパッド4によって冷却された入気のみが鶏舎内に吸気され、他方の(図で右側の)妻面の排気口5の排気ファン6によって強制的に外部の大気中に放出されるので、この間、各ケージ列1の通路11での通過風速が上昇し、鶏の体感温度を下げ、夏場対策として効果を上げることができる。
【0016】一方、冬期には、クーリングパッド4を備えた入気口3及び3aを完全に遮断し、代って両側壁2の上部の空気道8に設けられた入気口9及び補助入気口10が開口され、ここからの入気のみとし、これらの入気口9及び補助入気口10にそれぞれ設けられた入気調整板12のような入気調整機構を、これらの両入気口9,10の近傍に設置された図示しないセンサからの感知温度によって開閉調整することによって、入気口9からの空気が鶏の体温によって温度が上昇する流路の後半部分において、補助入気口10からの空気によって冷却されるので、鶏舎内の入気口付近と排気口付近の空気温度を均一に近かづけることができる。
【0017】また、夏期と冬期の中間期においては、妻面及びそれに接続される側面の入気口3及び3aと、両側壁2の上部の空気道8に設けられた入気口9及び補助入気口10を併用することもある。
【0018】上記した実施形態(実施例)において、妻面部の入気口3及び3aにクーリングパッド4を取付けた構造について説明したが、地域や環境により夏期でもクーリングパッド4を設けないこともある。
【0019】上記した実施形態(実施例)において、鶏舎の棟の下方に垂直壁面を設けて鶏舎内を長手方向の2室に分けることにより、通常の鶏舎と同様に、成育度合いの異なる鶏をそれぞれの室に収容し、効果的な換気を行うことができる。
【0020】また両側壁2上部の空気道8に設けられた入気口9及び補助入気口10は、鶏舎全体の長さに対し、3ないしそれ以上の部分に区分し、この場合、妻面寄りの一つを入気口9とし、排気口寄りの複数個を補助排気口10として用いられる。このようにして鶏舎全体の温度分布を、より均一な温度分布にすることができる。
【0021】また、図3に示すように、ケージ列上に整流板13を垂下したり、図示していないが、前記鶏舎に天井を備え、天井裏の空間に、両側壁上部の入気口及び又は屋根に設けた小屋根から外気を導入して空気道を形成し、該天井に、長手方向に沿って入気口及び補助入気口としてのスリットを設け、各スリットに入気調整機構を設けて、ケージ列内に空気を供給しやすいようにすることもできる。
【0022】なお、上記した側壁2上部の空気道8に設けられた入気口9と補助入気口10の入気調整機構として、下端を軸支(ヒンジ)された開閉可能の入気調整板12について説明したが、これに限らないことは勿論であり、また、入気口3及び3aに取付けられるクーリングパッドの代りに、スプレーパッドのような他の型式の蒸散式冷却装置を用いることも勿論可能である。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、鶏舎の一方の妻面に設けた入気口から外気を取入れ、他方の妻面の排気口に取付けた排気ファンから排出する縦断換気鶏舎において、一方の妻面及び又は該妻面に接続する側面に入気口を設けると共に、鶏舎の長手方向両側壁の上部内側に、上記一方の妻面の入気口の近傍から、排気口に近いケージ列の端部に対応する部分に延びる外気に通じる空気道を設け、該空気道に、上記一方の妻面の入気口寄りに入気口を設け、更に該入気口より排気口寄りに補助入気口を設け、これらの両側壁上部の空気道に設けられた入気口及び補助入気口にそれぞれ入気調整機構を設け、これらの入気調整機構を、それぞれの入気口及び補助入気口の近傍に設置されたセンサからの感知温度によって開閉調整するように構成し、夏期には、両側壁上部の空気道に設けられた入気口及び補助入気口を完全に閉じ、一方の妻面の入気口又は該妻面に接続する側面の入気口又はこれらの両入気口からの入気のみによって鶏舎内を換気し、冬期には、一方の妻面の入気口及び該妻面に接続する側面の入気口を完全に遮断し、両側壁上部の空気道に設けられた入気口及び補助入気口からの入気のみによって鶏舎内を換気することにより、夏期には、妻面部の入気口からの空気の通過風速を高めて鶏の体感温度を下げ、また冬期には、側壁上部の入気口からの空気の温度が鶏の体温によって上昇する流路の後半部分において、補助入気口から導入される空気によって冷却されるので、夏期及び冬期において鶏舎内の入気口付近と排気口付近の空気温度を均一に近付けるという顕著な効果を奏することができる。
【出願人】 【識別番号】390030661
【氏名又は名称】東洋システム株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月2日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】八木田 茂 (外3名)
【公開番号】 特開平11−215926
【公開日】 平成11年(1999)8月10日
【出願番号】 特願平10−21214