トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 グリップ部およびこのグリップ部を有する釣竿
【発明者】 【氏名】矢作 光啓

【要約】 【課題】左右いずれの巻き方に対しても且つ個人差にも有効に対応可能なグリップ部を提供すること。

【解決手段】指掛け用のトリガー11を備えた釣竿のグリップ部10である。トリガー11をその取付位置が竿軸方向に調整可能になっている。トリガー11をその取付位置が竿軸方向にスポット的に調整可能になっている。トリガー11基部に弾圧係止部11aを設け、弾圧係止部11aを竿軸方向に沿って設けた凹部12に嵌入固定する。トリガー11の取付位置を位置調整可能にすることで、左右いずれの巻き方のベイトリールを搭載した場合でも有効かつ的確に対応することができ、しかもグリップの個人差にも対応可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 指掛け用のトリガーを備えた釣竿のグリップ部であって、指掛け用のトリガーの取付位置が竿軸方向に調整可能になっていることを特徴とするグリップ部。
【請求項2】 指掛け用のトリガーを備えた釣竿のグリップ部であって、指掛け用のトリガーの取付位置が竿軸方向にスポット的に調整可能になっていることを特徴とするグリップ部。
【請求項3】 トリガー基部に弾圧係止部を設け、この弾圧係止部を竿軸方向に沿って設けた凹部に嵌入固定するようになっていることを特徴とする請求項2に記載のグリップ部。
【請求項4】 トリガー基部を竿軸方向に沿って設けた凹部に嵌挿し、弾圧ピンにより係止固定するようになっていることを特徴とする請求項2に記載のグリップ部。
【請求項5】 指掛け用のトリガーを備えた釣竿のグリップ部であって、指掛け用のトリガーの取付位置が竿軸方向に連続的に調整可能になっていることを特徴とするグリップ部。
【請求項6】 トリガー基部を竿軸方向に沿って設けた案内溝にスライド可能に取り付け、適宜位置で止め具により係止固定するようになっていることを特徴とする請求項5に記載のグリップ部。
【請求項7】 トリガー基部を竿軸方向に沿って設けた支持軸にスライド可能に取り付け、適宜位置で止め具により係止固定するようになっていることを特徴とする請求項5に記載のグリップ部。
【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載のグリップ部を有することを特徴とする釣竿。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、釣竿に係り、特にグリップ部の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】釣具の主なリールとして、例えば、ベイトリール、スピニングリール等が知られている。これらのリール形式に対応して、釣竿も異なる形態のものを使用する。特にベイトリールにあっては、図9に示すように、トリガーと呼ばれる指掛け部11を有するグリップ部10が備えられ、このグリップ部10にリールが装着された竿が使われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ベイトリール自体において、ライン巻取用のハンドルの取り付け方向が右側か左側かによって、右巻き又は左巻きのものに分けられる。つまり、釣人の使い勝手に合わせて左右いずれの巻き方も用意されている。
【0004】従来では、ベイトリールの右巻きあるいは左巻き等の巻き方によって、それぞれの巻き方専用のグリップ部が用意されていた。そして右巻き或いは左巻き等の巻き方の違いに対して、グリップ部を左右対称にするだけでは不十分であり、右利きの釣人が右巻きのリールを使用するのか又は左巻きのリールを使用するのかの違いによって、トリガー位置が微妙に異なるのである。
【0005】特に、右利きの釣人にとって、左巻きベイトリールを使用するにおいては、トリガーは前よりに、又右巻きのベイトリールを使用するにおいてはトリガーを後ろよりに設けてある方が都合がよい。一方、釣人の個人差によって手の大きさやグリップ癖が異なることもあり、そのためグリップに違和感を生じる原因となる。このようにベイトリール用釣竿では、釣人の事情にあった使用し易いグリップ部が必要となる。
【0006】本発明はかかる技術的背景から考えられたものであり、左右いずれの巻き方に対しても且つ個人差にも有効に対応可能なグリップ部およびそのグリップ部を有する釣竿を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】しかして、本発明者等は、このような課題に対して、鋭意研究を重ねて結果、トリガー位置を調整可能とすることで左右いずれの巻き方にも対応し得ることを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成させたものである。
【0008】即ち本発明は、(1)、指掛け用のトリガーを備えた釣竿のグリップ部であって、指掛け用のトリガーの取付位置が竿軸方向に調整可能になっているグリップ部に存する。
【0009】そして、(2)、指掛け用のトリガーを備えた釣竿のグリップ部であって、指掛け用のトリガーの取付位置が竿軸方向にスポット的に調整可能になっているグリップ部に存する。
【0010】そしてまた、(3)、トリガー基部に弾圧係止部を設け、この弾圧係止部を竿軸方向に沿って設けた凹部に嵌入固定するようになっている(2)のグリップ部に存する。
【0011】そしてまた、(4)、トリガー基部を竿軸方向に沿って設けた凹部に嵌挿し、弾圧ピンにより係止固定するようになっている(2)のグリップ部に存する。
【0012】そしてまた、(5)、指掛け用のトリガーを備えた釣竿のグリップ部であって、指掛け用のトリガーの取付位置が竿軸方向に連続的に調整可能になっているグリップ部に存する。
【0013】そしてまた、(6)、トリガー基部を竿軸方向に沿って設けた溝部にスライド可能に取り付け、適宜位置で止め具により係止固定するようになっている(5)のグリップ部に存する。
【0014】そしてまた、(7)、トリガー基部を竿軸方向に沿って設けた支持軸にスライド可能に取り付け、適宜位置で止め具により係止固定するようになっている(5)のグリップ部に存する。
【0015】そしてまた、(8)、上記いずれかのグリップ部を有する釣竿に存する。
【0016】本発明によれば、指掛け用のトリガーを備えた釣竿において、トリガーの取付位置が竿軸方向に調整可能になっている。つまり、たとえばトリガー基部に弾圧係止部を設け、この弾圧係止部を竿軸方向に沿って独立して設けた複数の凹部に嵌入固定するようになっており、これによりトリガーを竿軸方向にスポット的に位置調整可能とする。或いはまた、トリガー基部を竿軸方向に沿って設けた案内溝にスライド可能に取り付けることで、トリガーの取付位置を竿軸方向に連続的に調整可能にする。
【0017】このようにトリガーの取付位置を位置調整可能にすることで、左右いずれの巻き方のベイトリールを搭載した場合でも、有効かつ的確に対応することができ、すなわち単一のグリップ部で巻き方の異なるベイトリールが使用可能となり、個人差にも対応できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき、本発明のグリップ部およびこのグリップ部を有する釣竿の好適な実施の形態を説明する。この実施形態において釣竿に本発明を適用するものとした。この釣竿はトリガーを有するグリップ部を備え、このグリップ部にリールが取り付けられている。
【0019】〔第1の実施の形態〕図1は、本実施の形態に係るグリップ部10の一部を概略的に示したものである。グリップ部10が竿管1の所定部位に固定されることで、該竿管1は肉厚部Lが形成される。そしてこの肉厚部Lに、指掛け用のトリガー11が備わっている。リール脚Rは、通常、トリガー11の取り付け位置より近くのリール脚取り付け部に装着されて取り付けられる。本発明によれば、この指掛け用のトリガー11の取付位置は後述のように竿軸方向に連続的又はスポット的に調整可能であり、この第1の実施形態では竿軸方向にスポット的に調整可能になっている。
【0020】図2のように、トリガー11の基部に弾圧係止部11aを設け、この弾圧係止部11aを竿軸方向に沿って設けた複数の凹部12に嵌入固定するようになっている。この弾圧係止部11aとしては、トリガー11の基部側にスリット11bが設けられ、1対の足部が形成されて、その一方にフック爪11a1が備わった構造となっている。このトリガー11の外側から適度な力を加え足部を弾性変形させることで、弾圧係止部11aの幅が広狭に弾性変化する。一方、凹部は、弾圧係止部11aを嵌入することができるような大きさに形成され、底部に足部のフック爪11a1に係止されるべき爪嵌合部12aを備えている。
【0021】第1の実施形態によれば、複数の凹部12のなかで適宜のものを選択して、図2のように弾圧係止部11aを押入することにより、トリガー11をグリップ部10に嵌入固定することができる。この場合、弾圧係止部11aは自身の弾性により、凹部12に対して弾圧的に嵌入保持され、しかもフック爪11a1が爪嵌合部12aに係止される。従って、トリガー11に掛けた指を強くも又は軽くも安定的に支持することができる。このようにトリガー11の取付位置が竿軸方向にスポット的に調整可能であるため、指の配置の自由度が増し、搭載した如何なるベイトリールに対しても有効に対応することができ、且つ握り方の個人差に対応できる。
【0022】〔第2の実施の形態〕次に、図3は第2の実施の形態を示したものである。上記第1の実施の形態と同じように、グリップ部10の肉厚部Lにおいて竿軸方向に沿って設けられた複数の各々凹部12に対し、指掛け用のトリガー11が嵌入固定するように設けられている。凹部12はやや傾斜して形成されており、トリガー11に指をかけて引いた場合に反力が生じ抜けにくいように配慮されている。凹部12に対し指掛け用のトリガー11が嵌入固定されるが、真っ直ぐに引き抜くことにより、取り外すことも可能である。
【0023】この例では、トリガー11の基部に弾性ピンPが設けられている。この弾性ピンPは、具体的には、トリガー11の深穴H1にスプリングSを介して取り付けられた構造とする。一方、グリップ部10の凹部12には、該弾性ピンPが係止されるべき係止穴H2が設けられている。従って、トリガー11を凹部12に挿入すると、弾性ピンPが係止穴H2に嵌まり込み両者は固定される。
【0024】トリガー11は、傾斜した状態でグリップ部10の凹部12に取り付けられているので、先述べたように、トリガー11に竿軸方向の引く力が加わっても、抜けることはない。トリガー11を取り外す場合は、それをグリップ部10の凹部12に沿って強く引けばよい。強く引くことにより、弾性ピンPか係止穴H2から外れて、トリガー11は凹部12から取り外すことができる。この実施の形態の場合も、グリップ部10に独立して凹部12が複数個配置されているので、この指掛け用のトリガー11の取付位置は竿軸方向にスポット的に自由に調整可能となる。
【0025】〔第3の実施の形態〕つぎに、本発明の第3の実施形態を説明する。この第3の実施形態は、指掛け用のトリガー11をその取付位置が竿軸方向に連続的に調整可能になった構造の例である。すなわち、図5のようにトリガー11の基部をグリップ部10の竿軸方向に沿って設けた案内穴13に嵌め込んでスライド可能に取り付けている。
【0026】そして、案内穴13に通じる横溝16を介して配設された止め具14によって、トリガー11の基部を適宜位置で係止固定するようになっている。止め具14としては、例えば、図6に示されるように、トリガー11の基部適所に螺合し得るボルト等が使用される。この場合、ボルトのグリップ部10に対する止め力を確実にするため、グリップ部の切欠底10Aに、ローレット加工等の摩擦部を付与しておき、ボルト頭部とグリップ部10の係止力を大きくすることが好ましい。
【0027】この第3の実施形態によれば、止め具14を緩めトリガー11を案内溝13に沿ってスライドさせることで、竿軸方向に沿って連続的に異なった位置に配置することができる。このようにスライド式にするにより、トリガー11は所望位置にしかも微調整が可能に配置固定される。尚、トリガー11の案内穴13に対する装着の仕方は、該案内穴13の端部に通じる図示しない空部を形成しておき、そこからトリガー11を装着して、その後、その空部を埋めておけばよい。
【0028】〔第3の実施の形態〕つぎに、本発明の第4の実施形態を説明する。この第4の実施形態では、図7および図8に示したようにトリガー11の基部をグリップ部10の竿軸方向に沿って設けた支持軸15にスライド可能に取り付け、止め具14によって適宜位置で係止固定するようになっている。この支持軸15はグリップ部10の縦溝13Aに沿って設けられており、トリガー11の基部は、この支持軸15に沿って案内移動される。止め具14は、先述した実施の形態における止め具とほぼ同じものが使用される。
【0029】例えば、図8に示されるように、トリガー11の基部に螺合し得るボルト等が使用される。この場合も、ボルトのグリップ部10に対する止め力を確実にするため、グリップ部の切欠底10Aに、ローレット加工等の摩擦部を付与しておくことがより好ましい。
【0030】この第4の実施形態によれば、縦溝13Aが第3の実施の形態の案内穴13のようにアンダーカット部がなく比較的成形し易い。またトリガー11を支持軸15に沿ってスライドさせることで、竿軸方向に沿って連続的に異なった位置で配置することができる。このようにスライド式にするにより、トリガー11を所望位置にしかも微調整可能に配置固定することができる。
【0031】以上、本発明を説明してきたが、本発明は実施形態にのみ限定されるものではなく、その本質から逸脱しない範囲で、他の色々な変形例が可能であることは言うまでもない。例えば、グリップ部において竿軸方向に沿って設けられる凹部の個数等は、上記実施形態に限定されるものではなく、適宜選定可能である。また、案内溝とトリガー基部との配設関係も、スライド可能であればよい。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、この種のグリップ部を有する釣竿において、トリガー基部を竿軸方向に沿って設けた凹部に嵌入固定し、あるいは溝部にスライド可能に取り付けることで、トリガーの取付位置を竿軸方向に連続的に調整可能にする。トリガーを所望位置に設定することで、左右いずれの巻き方のベイトリールを搭載した場合でも単一のグリップ部で対応することができ、しかも個人差にも有効に対応可能で、極めて使い勝手に優れた釣竿を実現することができる。
【出願人】 【識別番号】000128946
【氏名又は名称】マミヤ・オーピー株式会社
【出願日】 平成10年(1998)1月9日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】白崎 真二
【公開番号】 特開平11−196719
【公開日】 平成11年(1999)7月27日
【出願番号】 特願平10−13513