| 【発明の名称】 |
電動リールの制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】栗山 博明
【氏名】風呂本 儀幸
|
| 【要約】 |
【課題】電動リールの操作性及び使い勝手を向上させるような制御装置を提供する。
【解決手段】電動リールの制御系は、制御部とハンドル2とを備え、リール本体1の上面に設けられた表示部16と、リール本体1の内部に配置され外部電源25の電力によって動作するスプール回転用のモータ12とを制御する。制御部は、リール本体1に設けられ、第1無線受信部を有し、表示部16の表示制御及びモータ12の駆動制御を行う。ハンドル2は、スイッチSK2,PW2を有しており、第1無線送信部62を内蔵している。第1無線送信部62は、スイッチSK2,PW2の操作により、モータ12の駆動制御の信号を制御部の第1無線受信部に送信する。ハンドル2は、リール本体1に回転可能に装着されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】リール本体の上面に設けられた表示部と、前記リール本体の内部に配置され外部電源から供給された電力によって動作するスプール回転用のモータとを制御する電動リールの制御装置であって、第1無線受信部を有し、前記リール本体に設けられ、前記表示部の表示制御及び前記モータの駆動制御を行う制御部と、少なくとも1つのスイッチを有し、前記スイッチの操作によって前記モータの駆動制御の信号を前記第1無線受信部に送信する第1無線送信部を内蔵し、前記リール本体に回転可能に装着されるハンドル部と、を備えた電動リールの制御装置。 【請求項2】前記ハンドル部は、前記モータのオン・オフに関するオン・オフスイッチ及び前記モータの加減速に関する加減速スイッチを有している、請求項1に記載の電動リールの制御装置。 【請求項3】前記リール本体と前記外部電源との間に装着される電源ケーブルの途中に配置され前記モータを駆動するためのモータ駆動部をさらに備えた、請求項1又は2に記載の電動リールの制御装置。 【請求項4】前記モータ駆動部は、前記外部電源からの電圧を昇圧させる昇圧回路を有している、請求項3に記載の電動リールの制御装置。 【請求項5】前記制御部は前記モータ駆動部に信号を送信するための第2送信部を有し、前記モータ駆動部は前記第2送信部から送信された信号を受信するための第2受信部を有している、請求項3又は4に記載の電動リールの制御装置。 【請求項6】前記第2送信部から前記第2受信部への送信は無線によって行われる、請求項5に記載の電動リールの制御装置。 【請求項7】前記電源ケーブルは前記リール本体に着脱自在に装着され、前記リール本体の内部に設けられ前記制御部に電力を供給する内部電源をさらに備える、請求項3から6のいずれかに記載の電動リールの制御装置。 【請求項8】前記内部電源は充電機能を備えている、請求項7に記載の電動リールの制御装置。 【請求項9】前記内部電源は、前記電源ケーブルが前記リール本体から離脱されているときにのみ前記制御部に電力を供給する、請求項7又は8に記載の電動リールの制御装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電動リールの制御装置、特に、リール本体の上面に設けられた表示部と、リール本体の内部に配置され外部電源から供給された電力によって動作するスプール回転用のモータとを制御する電動リールの制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】巻き上げ時のスプールの回転をモータで行うことのできる電動リールは、たとえば、100m以上の水深を回遊する魚を船の上から釣るときによく使用される。この種の電動リールは、リール本体、リール本体の内部に配置されたスプール、スプールを回転させる手動のハンドル、スプールを駆動するモータ、スプールに釣り糸を均一に巻き付けるためのレベルワインド機構等を備えている。モータは、リールの小型化を図るため、たとえばスプール内に収納される。リール本体は、間にスプールが配置された1対の側板と、各側板の外側を覆う1対の側カバーと、側板間の前部を覆う前カバーとから成り、一方の側カバーにハンドルが回転自在に装着されている。レベルワインド機構は、スプールの前方でリール本体の側板間に装着されている。 【0003】リール本体の上面には、カウンタケースが装着されている。カウンタケースの内部には、表示部としての液晶ディスプレィやCPUを含む制御部が収納されている。制御部は、表示制御やモータ制御等の各種の制御を行う。一方、モータをたとえばPWM駆動するモータ駆動部は、FET等の駆動素子を有しており、ハンドル取付側と逆側の側板と側カバーとの間の空間に配置された防水構造のケースに収納されている。制御部とモータ駆動部とは配線で接続されており、各種センサやアクチュエータも配線で制御部やモータ駆動部と接続されている。 【0004】また、リール本体上面のカウンターケースの近傍には複数の操作キーが配置されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】電動リールでは、エサの付けかえをするときやアタリがあったときに電動巻き上げを行う。たとえば、シャクリなどのさそい動作中にアタリがあれば、操作キーによって電動巻き上げを開始する。このとき、電動巻き上げの高速に加えてハンドルを手動で回せば、いっそう巻き上げが早くなる。 【0006】しかし、左手で竿を持ち右手でハンドルを回していると、リール本体上面の操作キーを操作することが困難であり、巻き上げ速度を変更したいときや電動巻き上げをオフしたい場合に不便である。また、ハンドルを握ったままモータ制御に関する操作ができれば便利である。そこで、制御部からハンドルまで配線を伸ばしてハンドルにも操作キーを配することが考えられるが、制御部が収容されているリール本体に対してハンドルは相対回転可能なものであるため、ハンドルまで配線を伸ばすことは難しい。また、防水構造の観点からもハンドルまで配線を伸ばすことは困難である。 【0007】本発明の課題は、電動リールの操作性及び使い勝手を向上させるような制御装置を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】発明1に係る電動リールの制御装置は、リール本体の上面に設けられた表示部と、リール本体の内部に配置され外部電源から供給された電力によって動作するスプール回転用のモータとを制御する装置であって、制御部と、ハンドル部とを備えている。制御部は、リール本体に設けられ、表示部の表示制御及びモータの駆動制御を行う。また、制御部は第1無線受信部を有している。ハンドル部は、少なくとも1つのスイッチを有しており、第1無線送信部を内蔵している。第1無線送信部は、スイッチの操作によって、モータの駆動制御の信号を制御部の第1無線受信部に送信する。このハンドル部は、リール本体に回転可能に装着されている。 【0009】この制御装置では、ハンドル部のスイッチを操作することで、無線により制御部に指令を与え、モータの制御を行うことができる。これにより、手動で巻き上げを行っているときなどハンドル部を握っている状態においても、ハンドル部を握っているその手によってモータ制御の操作が可能である。ここでは、無線によってハンドル部から制御部への指令伝達(信号伝達)を行っているため、両者の間を有線接続する必要がなく、電動リールの構造が簡易である。そして、ハンドル部を握ったままでリール本体に設けられた制御部を動かすことができるため、電動リールが釣り人にとって使い勝手が良く操作性に優れたものとなる。 【0010】なお、制御部により制御されてモータが駆動すると、モータがスプールを糸巻き上げ方向に回転させる。スプールが回転すると、制御部が表示部を制御してたとえば水深表示が徐々に変化する。発明2に係る電動リールの制御装置は、発明1に記載の装置において、ハンドル部は、モータのオン・オフに関するオン・オフスイッチ及びモータの加減速に関する加減速スイッチを有している。 【0011】この制御装置では、オン・オフスイッチを操作することにより、ハンドル部を握ったままその手でモータの駆動を開始及び停止させることができる。また、加減速スイッチを操作することにより、ハンドル部を握ったままその手で巻き取り速度を変えることができる。発明3に係る電動リールの制御装置は、発明1又は2に記載の装置において、モータ駆動部をさらに備えている。モータ駆動部は、モータを駆動させるものであって、リール本体と外部電源との間に装着される電源ケーブルの途中に配置されている。なお、モータ駆動部の位置は、電源ケーブルの途中であればどこでもよく、たとえば、リール本体との接続部や外部電源との接続部にあってもよい。 【0012】ここでは、モータ駆動部が電源ケーブルの途中に設けられているので、リール本体にモータ駆動部を設ける必要がなくなり、リール本体を小型化することができる。これにより、電動リールが釣り人にとって小型で使い勝手が良いものとなる。発明4に係る電動リールの制御装置は、発明3に記載の装置において、モータ駆動部は昇圧回路を有している。昇圧回路は、外部電源からの電圧を昇圧させる回路である。 【0013】ここでは、モータを高速で回転させるための昇圧回路を、リール本体ではなく、電源ケーブルの途中に設けられているモータ駆動部に配しているので、リール本体を小型化することができる。これにより、電動リールが釣り人にとってさらに小型で使い勝手が良いものとなる。発明5に係る電動リールの制御装置は、発明3又は4に記載の装置において、制御部は第2送信部を有しており、モータ駆動部は第2受信部を有している。第2送信部は、モータ駆動部に信号を送信するため送信部である。第2受信部は、第2送信部から送信された信号を受信するため受信部である。 【0014】ここでは、制御部から送信された制御信号によりモータ駆動部を制御することができる。発明6に係る電動リールの制御装置は、発明5に記載の装置において、第2送信部から第2受信部への送信は無線によって行われる。ここでは、通信線を用いることなく簡単に制御部からモータ駆動部に制御信号を送信でき、モータ駆動部とリール本体との間のケーブルの本数を少なくすることができる。 【0015】発明7に係る電動リールの制御装置は、発明3から6のいずれかに記載の装置において、内部電源をさらに備えている。内部電源は、リール本体の内部に設けられており、制御部に電力を供給する。また、電源ケーブルはリール本体に着脱自在に装着される。ここでは、電源ケーブルを外した状態でも内部電源によって制御部が動作するので、表示部の表示制御等は行うことができ、電動リールを表示部付の手巻リールとして使用することができる。これにより、電動リールが釣り人にとって使い勝手の良いものとなる。 【0016】発明8に係る電動リールの制御装置は、発明7に記載の装置において、内部電源は充電機能を備えている。ここでは、内部電源が充電機能を備えているため、電源ケーブルが着けられているときに蓄えられた電力によって、電源ケーブルを外した状態でも表示部の表示制御等は行うことができる。 【0017】発明9に記載の電動リールの制御装置は、発明7又は8に記載の装置において、内部電源は、電源ケーブルがリール本体から離脱されているときにのみ制御部に電力を供給する。ここでは、電源ケーブルがリール本体に着けられているときには外部電源の電力によって制御部が動作するため、内部電源の電力消費を抑えることができる。これにより、電源ケーブルをリール本体から離脱した後の表示部の表示制御等を長時間持続させることができる。 【0018】 【発明の実施の形態】〔全体構成〕図1において、本発明の一実施形態を採用した電動リールは、糸繰り出し長さにより水深を表示するカウンターを有するリールである。電動リールは、釣り竿5に装着されるリール本体1と、リール本体1の側方に配置され握り部2aを有するスプール回転用のハンドル2と、ハンドル2のリール本体1側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ3とを主に備えている。リール本体1は、間隔を隔てて配置された側板6a,6bと、側板6a,6bの外方をそれぞれ覆う側カバー7a,7bと、側板6a,6b間の前部を覆う前カバー8とを有している。側板6a,6bは複数の連結部材9により連結されている。側カバー7a,7bは、それぞれ釣り竿の長手方向(前後方向)及び上下方向に沿って凸状に滑らかに湾曲する曲面で構成されている。ハンドル2と逆側の側カバー7aの上下方向の中央部には、後方にいくに連れて徐々に外方に膨らんだ膨出部7cが形成されており,この膨出部7cの後端面7dは、斜め外下方を向いている。この後端面7dには電源ケーブル11が着脱自在に接続される。また、ハンドル2側の側カバー7bにはクラッチ操作レバー19が揺動自在に設けられている。 【0019】リール本体1の内部には、ハンドル2に連結されたスプール10が回転自在に支持されている。スプール10の内部には、スプール10を糸巻き上げ方向に回転駆動する直流駆動のモータ12が配置されている。モータ12は、内部回路にポリマーPTC12aを内蔵している。ポリマーPTC12aは、温度が上昇するとその抵抗が増大する特性を有しており、モータ12や回路の発熱時には供給電流を自動的にカットしてモータ12を保護する回路を簡単かつ安価に構成することができる。また、リール本体1の内部には、ハンドル2の回転をスプール10に伝達する回転伝達機構やハンドル2の回転を増速するとともにモータ12の回転を減速する遊星歯車機構やスプール10に釣り糸を均一に巻き取るためのレベルワインド機構等が設けられている。 【0020】リール本体1の上部には、カウンター4が着脱自在に固定されている。カウンター4は、図1〜図3に示すように、内部に空洞13を有するカウンターケース14と、カウンターケース14内の空洞13に配置された液晶ディスプレイからなる表示部16と、カウンターケース14の上面15において表示部16の周囲に配置された複数のボタンからなる操作キー部17と、表示部16やモータ12を制御するための制御部18とを有している。上面15において窓部20や操作キー部17の周囲には、その機能等を示すための文字(図1にX印で図示)が書かれている。 【0021】カウンターケース14の上面15において表示部16に対向する位置には、表示部16を視認するための矩形の窓部20が形成されている。この窓部20には、湾曲した透明樹脂製のレンズカバー21が嵌め込まれている。カウンターケース14の上面15は窓部20を中心に凸状に湾曲している。このため、上面15は、リール本体1の前後方向及びそれと交差する方向(左右方向)に沿ってそれぞれ凸状に湾曲している。また、レンズカバー21は上面15の湾曲形状に対応する形状であり、上面15と滑らかに連続している。 【0022】カウンターケース14の下部には、表示部16や制御部18用の電源としての内部電池22を収納するための電池収納部23が形成されている。この内部電池22としては例えばボタン電池が使用される。電池収納部23は、前カバー8に嵌め込まれる電池カバー24により前面をカバーされている。この電池カバー24に内部電池22が略水平状態で保持され電池収納部23に収納される。 【0023】表示部16では、水深の表示、棚及び底設定値の表示及び表示モードの表示を含む複数の表示が可能である。ここで表示モードとは水深を水面からで表示する上からモードと底からで表示する底からモードとの2つのモードである。操作キー部17は、窓部20の図1右方に上下に並べて配置された速度調整操作体SK及びモータオンオフボタンPWと、窓部20の図1右方に上下に並べて配置されたさそいボタンIB、棚メモボタンTB及び底メモボタンSBとを有している。各ボタンは、上面15の曲面に沿って傾斜した傾斜面を上面に有している。速度調整操作体SKは、上下2つのスイッチからなるシーソー形のものであり、前方(図1上方)に舌状部を有している。速度調整操作体SKの前方部を押すとスプール10の巻き上げ速度が増加し、後方部を押す、もしくは前方の舌状部を引き上げると巻き上げ速度が減少する。そして速度調整操作体SKの操作をやめると調整された速度を維持する。モータオンオフボタンPWは、それを押し続ける時間に応じてモータ12を低速から高速に徐々に増速する。そして、ボタンPWを押すのをやめるとそのときの速度を維持する。さそいボタンIBは、仕掛けを棚近傍でさそい上げるさそいモードやその動作パターンを学習するさそい学習を行う際やそれらを解除するために使用されるボタンである。棚メモボタンTBは、棚位置を設定する際に使用され、底メモボタンSBは、底位置を設定する際に使用される。 【0024】ハンドル2の握り部2aには、図1及び図3に示すように、表面にサブ操作キー部(スイッチ)61があり、リール本体1側にサブ速度調整操作体SK2が、その外側にサブモータオンオフボタンPW2が配置されている。これらのサブ速度調整操作体SK2及びサブモータオンオフボタンPW2は、速度調整操作体SK及びモータオンオフボタンPWと同様の形状・動作のものであるが、速度調整操作体SK及びモータオンオフボタンPWに較べて大きさが少し小さい。また、握り部2aの内部には、後述する第1無線送信部62及び第1無線送信部62に電力を供給するボタン電池63が収容されている。ボタン電池63は、握り部2aに脱着可能な蓋64を外すと取り替えることができる。なお、サブ操作キー部61を有し、第1無線送信部62及びボタン電池63を内蔵するため、ハンドル2の握り部2aは従来のものに較べて大きなものとなっている。 【0025】図1に示すように、電源ケーブル11にはモータ12用の電源としての蓄電池からなる外部電源25が接続されている。電源ケーブル11の途中にはモータ12を駆動するためのモータ駆動部26が配置されている。 〔制御系の構成〕制御系は、図3に示すように、制御部18とモータ駆動部26とから構成されている。制御部18はカウンターケース14内に配置されたCPU,RAM,ROM,I/Oインターフェイス等を含むマイクロコンピュータを備えており、制御プログラムに沿って表示制御やモータ制御等の各種の制御動作を実行する。制御部18には、図3に示すように、スプール10の回転方向及び回転速度を検出するための1対のリードスイッチからなるスプール回転センサ30と、内部電池22とが接続されている。また、制御部18には、警報用のアラーム32と、表示部16と、クラッチオンオフ用のソレノイド33と、ハンドル2の握り部2a内の第1無線送信部62からの信号を受信する第1無線受信部35と、モータ駆動部26の後述する第2無線受信部52に信号を電波によって発信する第2無線送信部36と、他の入出力部とが接続されている。 【0026】ハンドル2の握り部2a内の第1無線送信部62は、サブ操作キー部61の操作を信号に変えて、その信号を制御部18の第1無線受信部35に送信する。モータ駆動部26は、図4に示すように、電子回路部43と、電源ケーブル11の途中に配置され電子回路部43を内部に収納する収納ケース44とを有している。電子回路部43は、モータ12をPWM(パルス幅変調)駆動するための駆動素子としてのFET41a、マイクロコンピュータ41b、及び他の素子を含む複数の電気素子41と、複数の電気素子41を配置して接続するための回路基板42とから構成されている。FET41aはアルミニウム製の冷却部材45を介して収納ケース44に取り付けられている。収納ケース44の冷却部材45取付部分には冷却用の開口44aが形成されている。 【0027】モータ駆動部26の電子回路部43は、図3に示すように、マイクロコンピュータ41bからなる駆動制御部50を備えている。駆動制御部50には、FET41aを含むモータ駆動用のPWM駆動回路51と、第2無線受信部52と、昇圧回路53とが接続されている。第2無線受信部52は、制御部18の第2無線送信部36からの信号を受信するためのものである。昇圧回路53は、外部電源25からの電圧を昇圧する回路であって、モータ12を高速回転させる場合に作動させるものである。 【0028】ここで、制御部18の第2無線送信部36からモータ駆動部26の第2無線受信部52に送信される信号は、モータオンオフボタンPWあるいはサブモータオンオフボタンPW2の操作によるモータ12のオンオフ信号、速度調整操作体SKあるいは速度調整操作体SK2の操作による増減速信号、巻き上げ停止信号等の各種モータ停止信号等である。 【0029】〔電動リールの動作〕次に、電動リールの動作について説明する。釣り糸をスプール10から繰り出すときには、釣り竿をたとえば左手で握って、クラッチ操作レバー19を操作しスプール10を自由回転状態にする。すると、仕掛けの自重によりスプール10が糸繰り出し方向に回転し釣り糸がスプール10から繰り出される。このとき、表示部16の水深表示が糸繰り出し量に応じて徐々に増加する。 【0030】そして、仕掛けが棚位置に到達するとクラッチ操作レバー19によりスプール10をハンドル2及びモータ12に連結する。すると、スプール10の繰り出しが停止する。また、棚メモボタンSBを押して棚位置を設定する。この棚位置を設定すると以降の糸繰り出し時に棚位置でソレノイドによりクラッチが自動的にオンし釣り糸の繰り出しが停止する。この状態で仕掛けに魚がかかる(アタリがある)と、モータオンオフボタンPWあるいはサブモータオンオフボタンPW2を押す。すると第2無線送信部36から第2無線受信部52にモータオン信号が送信されモータ12が糸巻取方向に回転する。この結果、スプール10が糸巻取方向に回転し釣り糸がスプール10に巻き取られる。このとき、表示部16の水深表示が糸巻取量に応じて徐々に減少する。このような電動巻き上げに加えてハンドル2を手動で回せば、いっそう巻き上げが早くなる。また、この途中で大物が仕掛けにかかり、モータ12の温度が上昇すると、モータ12の内部回路にあるポリマーPTCの抵抗が大きくなり、電流制限がかかる。これにより、モータ12の過負荷が防止され、モータ12の負荷に応じて発熱するモータ駆動部26内のFET41aの損傷を防ぐことができる。また、仕掛けが予め設定された船縁位置まで上昇すると、第2無線送信部36から第2無線受信部52に船縁で仕掛けを停止するための船縁信号が送信されてモータ12がオフする。 【0031】ここでは、ハンドル2のサブ操作キー部61を操作することで、無線により制御部18に指令を与え、モータ12の制御を行うことができる。これにより、手動で巻き上げを行っているときなどハンドル2の握り部2aを握っている状態においても、握り部2aを握っているその手によって巻き上げ速度の変更やモータ12のオン・オフの操作が可能である。 【0032】また、無線によってハンドル2の第1無線送信部62からリール本体1内の制御部18の第1無線受信部35へと信号伝達しているため、両者の間を有線接続する必要がない。また、第2無線送信部36から第2無線受信部52への送信も無線によって行われており、通信線を用いることなく簡単に制御部18からモータ駆動部26に制御信号を送信できる。このため、モータ駆動部26とリール本体1との間のケーブルの本数が少なくなっている。 【0033】また、モータ駆動部26を電源ケーブル11の途中に設けたので、リール本体1にモータ駆動部を設ける必要がなくなり、リール本体1が小型化している。また、モータ駆動部26がリール本体1の外部に配置されており、モータ駆動部26の冷却が容易である。また、昇圧回路53をリール本体1ではなくモータ駆動部26に配しているため、リール本体1が小型化している。 【0034】また、表示部16及び制御部18等に対しては内部電池22から電力が供給されるので、電源ケーブル11を外しても手巻の表示器付リールとして使用できる。また、従来では、バイメタル式のブレーカやFET等の発熱素子の温度を管理して電流制限を行い回路及びモータを保護しているが、本実施形態では、ポリマーPTCの特性を利用して同様の保護を行っている。これにより、別個にモータ保護回路を設ける必要がなくなっており、省スペース化及び低コスト化が図られている。なお、ここではポリマーPTC12aをモータ12に内蔵させているが、必ずしも内蔵させる必要はない。 【0035】〔他の実施形態〕 (a) 上記実施形態では、無線によってリール本体1の制御部18からモータ駆動部26へと信号を送信したが、図5に示すように、たとえばシリアル通信等の有線により信号を送信してもよい。この図5に示す実施形態では、制御部18にはシリアル送信部36aが接続され、駆動制御部50にはシリアル受信部52aが接続されている。また、リール本体1内には、表示部16や制御部18に電力を供給する内部電池が設けられていない。このため、電源ケーブル11は、表示部16及び制御部18に電力を供給するための電力供給ケーブル11aと、モータ12を駆動するための駆動ケーブル11bと、シリアル通信用の通信ケーブル11cとから構成されている。ここでは、電源ケーブル11は多くなるが、無線送受信部が不要であるので、モータ駆動部26や制御部18の構成を簡素化することができる。 【0036】(b) 上記実施形態では、表示部16及び制御部18等には内部電池22からのみ電力が供給されているが、図6に示すように、外部電源25からも電力を供給してもよい。この場合、内部電池22と制御部18との間に切換スイッチ22aを設け、これを電源ケーブル11接続時にオフするようにしてもよい。また、内部電池22を充電機能付きのものとし、電源ケーブル11接続時に内部電池22を充電するようにしてもよい。そして、電源ケーブル11離脱時にのみ内部電源22から制御部18に電力を供給するようにすれば、内部電源22の電力消費を抑えることができる。これにより、電源ケーブル11をリール本体1から離脱した後の表示部16の表示制御等を長時間持続させることができる。なお、この場合、電源ケーブル11は、電力供給ケーブル11aと駆動ケーブル11bとにより構成される。 【0037】(c) 上記実施形態では、ハンドル2の握り部2aに2つのスイッチ(サブ速度調整操作体SK2及びサブモータオンオフボタンPW2)を設けているが、この他に上記さそいボタンIBと同様のコマセタイマのスイッチを握り部2aに設けても良い。この場合、コマセタイマのスイッチを握り部2aから操作すれば、制御部18によりシャクリ制御が為され、モータ12を断続的に作動させる。 【0038】 【発明の効果】本発明によれば、ハンドル部のスイッチを操作することでモータの制御を行うことができため、手動で巻き上げを行っているときなどハンドル部を握っている状態においても、ハンドル部を握っているその手によってモータ制御の操作が可能であり、電動リールが釣り人にとって操作性に優れたものとなる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002439 【氏名又は名称】株式会社シマノ
|
| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月26日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小野 由己男 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開平11−187791 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月13日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−360770 |
|