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【発明の名称】 夜光性釣り餌
【発明者】 【氏名】立原 悟

【要約】 【課題】夜釣りにおいて、効果のある釣り餌の安定供給に関する。

【解決手段】先ず蓄光剤を、動植物油などのように水に不溶性の液体で濡らしたり、シリコーンのような撥水性の物質でコーティングして、水分と接触しないように処理をする。それをゲル化する溶液に分散した後、その溶液で生オキアミ等の釣り餌を被覆する。そしてその被覆溶液をゲル化させ、成形して出来る夜光性釣り餌。また処理を施した蓄光剤を人工釣り餌に配合し、成形して出来る夜光性釣り餌。
【特許請求の範囲】
【請求項1】水に不溶性の液体で濡らした蓄光剤を、ゲル化する溶液に分散せしめ、それを天然の釣り餌および人工の釣り餌に被覆した後、ゲル化して成形することを特徴とする夜光性釣り餌。
【請求項2】水に不溶性の液体で濡らした蓄光剤を、ゲル化する溶液に分散せしめ、そのままもしくは魚類の好む餌料、集魚効果のある誘因物質等を配合後ゲル化して成形することを特徴とする夜光性釣り餌。
【請求項3】水に不溶性の物質が溶けた液体で濡らした蓄光剤を、そのままもしくは乾燥後、ゲル化する溶液に分散せしめることを特徴とする請求項1及び請求項2記載の夜光性釣り餌。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然の釣り餌であるオキアミやエビなどの他、人工の釣り餌に対し、蓄光剤が配合されたアルギン酸カルシウム等のゲル皮膜で覆い、釣り餌全体に夜光性を持たせると共に、針持ち強度の向上、餌取り魚に対する耐久性の向上、比重の調整などをはかることにより、夜釣りの実績を高めようとするものである。更には、人工釣り餌には蓄光剤を配合してもよく、それを夜釣り用の釣り餌にしようとするものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、釣り関係の竿、仕掛け、浮き、針等の道具には蓄光剤が多々利用されている。しかし現在の蓄光剤は水分に弱く、水と接触すると蓄光能力は失われるので、プラスチック等に練り込むなどして利用されている。釣り餌に蓄光剤を応用し、夜光性釣り餌にとの発想はあっても、多くの釣り餌は水分を多量に含むので応用が難しく、水分が多量に存在する環境の中で蓄光剤を安定かつ長期保存出来るような技術は無かった。更に肉質が柔らかい生のオキアミ等は、針持ち強度が弱いため仕掛けを投げ込むときに針から外れたり、また餌取り魚の小魚に対しても簡単に餌を取られ目的とする魚の釣りにならないことが多い。そのため、ボイルするとか、細いナイロン糸等でオキアミ全体を巻き付けたり、薬品処理等で肉質を硬化させていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】夜釣りに於いて、夜光虫のような光を発する釣り餌があれば、夜釣りの成果が上がることは想像に難くない。現にルアー等の疑似餌には、蓄光剤の塗布後表面加工されたり、蓄光剤がプラスチック等に混練りされたものを塗布して使用されルアー釣りの成果を上げているところである。そこで夜釣り用として釣り餌に蓄光剤を応用しようとしても、現在の蓄光剤は水分に弱く、水と接触すると蓄光能力は失われるので、安定且つ長期の保存が出来なく、水分のある釣り餌への応用は難しかった。そのため夜釣り用の釣り餌は限られ、夜光性があると云われるゴカイや眼に輝きのある生きエビ等を使用するが、季節的に入手困難であったり高価でもある。さらに生き物のため保存も難しい。またオキアミ、特に生のオキアミは魚の食いつきが良く、釣りには絶好の餌であり多くの人が使用するが、肉質が非常に柔らかいので、針持ち強度が弱く仕掛けを投げ込むときに針から外れたり、また餌取り魚の小魚に対しても簡単に餌を取られ、目的とする魚の釣りにならないことが多い。
【0004】
【課題を解決するための手段】蓄光剤を先ず、水不溶性の液体、例えば食用油等で濡らす。そしてそれを、アルギン酸ナトリウムの水溶液に撹拌混合する。その結果、アルギン酸ナトリウムの水溶液は粘稠性があるため、界面活性剤を使用しなくても撹拌するだけで、蓄光剤は食用油と共にコロイド状微粒子となって均一に分散することを見いだした。界面活性剤を使用すると乳化するため透明性が損なわれるので出来るだけ使用しない方がよい。その溶液をオキアミ等に覆い塩化カルシウム溶液の中に投入すると、瞬時にアルギン酸カルシウムゲル皮膜となり蓄光剤も全身を覆うように固定される。さらに、ゲルにキラキラとする光反射材を配合すれば集魚効果の向上も図れる。水に不溶性の液体としては動植物油の他に、シリコーン油、流動パラフィン等もある。撥水性であるシリコーン樹脂などは、溶剤に溶かしそれを蓄光剤に噴霧し、乾燥後に使用してもよい。ゲル化するものとしてはアルギン酸カルシウムゲルの他、ポリビニールアルコール、カードラン、デンプン、ゼラチン、寒天、蒟蒻、キトザン、ムレインデキストラン、ペクチン、カラギーナンや、グアーガム、アラビアガムなどのガム類がある。
【0005】
【作用】蓄光剤を予め食用油等で濡らしたり、シリコーンなどで覆うことにより、水との接触を防ぐことが出来るので、水を含んだゲルと共にオキアミ等に被覆しても、蓄光効果を失う事なく長期の維持・保存が出来る。またアルギン酸ナトリウム溶液にそのままの蓄光剤を投入し撹拌すると固まりが出来、均一に分散しないと云う難点があったがそれも食用油等で濡らすことで解決出来た。更にオキアミ等をアルギン酸カルシウムゲルで覆うと、その皮膜は適度な固さのため針持ち強度や餌取り魚に対する耐久性が向上する。またアルギン酸カルシウムゲルで覆っても、アルギン酸カルシウムゲルはほとんど無色透明なためはっきりオキアミの形状として認識出来る。
【0006】
【実施例】植物油、例えばサラダ油で充分濡らした蓄光剤を、撹拌しながら2%アルギン酸ナトリウム溶液の中に入れると、徐々に微粒子化し均一に全体に分散される。そして生のオキアミを浸けて全体をアルギン酸ナトリウム溶液で覆った後10%塩化カルシウムの溶液の中に浸けると、瞬時にアルギン酸カルシウムのゲルを生成しオキアミを包み込んで皮膜化する。そして時間とともに適度な固さに硬化する。蓄光剤は均一に分散されており、暗闇ではオキアミ全体が発光したような感じで浮かび上がる。更にはキラキラとする光反射材を配合すれば魚に対し餌の認識をより一層高めることが出来る。また、アルギン酸ナトリウム溶液の中に砂糖のような物質を配合すれば、その量に応じてその餌の比重も変化させることも出来る。また、2%アルギン酸ナトリウム溶液の中に、サナギ粉、エビ粉、魚粉あるいはパン粉等の餌料の他、ニンニクエキスあるいはイカオイル等の集魚効果のある誘因物質を配合し、植物油等で充分濡らした蓄光剤を入れ分散させた後、適当な大きさ、形で10%塩化カルシウムの溶液の中に浸けると、瞬時に固化し夜光性の人工釣り餌となる。さらに、蓄光剤を油で濡らす代わりに、市販の撥水スプレーかけて撥水状態にした蓄光剤を利用しても効果は同じである。
【0007】
【発明の効果】水分に弱い現在の蓄光剤を、水分の多い釣り餌に応用する技術がなかった中で、鋭意研究を重ねた結果、このアイデア及び処方を見いだした。このようにして作成した夜釣り用の釣り餌は、蓄光効果が失われる事なく長期保存が可能となった。そして夜光性でないオキアミ等の天然の釣り餌や人工の釣り餌を夜光性にすることにより、安価で、そして確実に夜釣りの成果の向上が図れる釣り餌となる。またオキアミ等をアルギン酸カルシウムゲルで覆うことで、針持ち強度の向上、餌取り魚に対する耐久性の向上、さらには砂糖等を配合することで難しかった比重の調整が図れるなど、一石二鳥以上の効果となった。さらに、ゲルにキラキラとする光反射材等を配合すれば一層の集魚効果の向上が図れる。実際にこの餌で釣りを試みたが、課題を解決する満足した結果が得られた。
【出願人】 【識別番号】598008271
【氏名又は名称】豊津産業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)12月4日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−164640
【公開日】 平成11年(1999)6月22日
【出願番号】 特願平9−366570