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【発明の名称】 卵の処理装置
【発明者】 【氏名】山下 剛

【氏名】土井 栄二

【要約】 【課題】効率的に乾燥処理を行なうことのできる卵の処理装置を提供すること。

【解決手段】鶏卵(1) を回転させながら搬送経路に沿って搬送させるバーコンベア(13)と、鶏卵(1) の洗浄を行なう洗卵部(30)と、洗卵部(39)を通過した鶏卵(1) をバーコンベア(13)により搬送させながら乾燥させる乾燥部(31)とを備え、乾燥部(31)には、鶏卵(1) の表面に付着した水分を除去するための回転ブラシ(40,41,42)が備えられ、ブラシ(40,41,42)の毛先の作用方向が、鶏卵(1) の回転方向とは逆方向になるように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 卵を回転させながら搬送経路に沿って搬送させる搬送手段と、卵の洗浄を行なう洗卵部と、洗卵部を通過した卵を前記搬送手段により搬送させながら乾燥させる乾燥部とを備えた卵の処理装置において、前記乾燥部には、卵の表面に付着した水分を除去するためのブラシが備えられ、前記ブラシの毛先の作用方向が、卵の回転方向とは逆方向になるように構成されていることを特徴とする卵の処理装置。
【請求項2】 前記搬送手段は、卵を搭載して搬送するため所定ピッチで配置される複数のローラと、この複数のローラを搬送するための無端チェーンと、前記複数のローラの外周面に接触してローラを回転させるローラ回転部材とを備え、前記ローラの前記ローラ回転部材と接触する部分の外径を他の部分の外径よりも細くしたことを特徴とする請求項1に記載の卵の処理装置。
【請求項3】 前記乾燥部に卵が搬入される直前位置であって、かつ卵の搬送経路の上方位置に、卵の表面に付着した水分を吹き飛ばすエア吹き出し手段を備え、さらに、前記搬送経路の下方位置に卵の下側の水分を吸引するエア吸い込み手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の卵の処理装置。
【請求項4】 前記乾燥部に卵が搬入される直前位置であって、かつ卵の搬送経路の上方位置に、卵の表面に付着した水分を吹き飛ばす第1のエア吹き出し手段を備え、さらに、前記搬送経路の下方位置に卵の下側の水分を吹き飛ばす第2のエア吹き出し手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の卵の処理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、卵を回転させながら搬送経路に沿って搬送させる搬送手段と、卵の洗浄を行なう洗卵部と、洗卵部を通過した卵を前記搬送手段により搬送させながら乾燥させる乾燥部とを備えた卵の処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】鶏卵などの卵は、まず卵の表面の汚れを取り除くために洗卵部で洗浄され、引き続いて乾燥部にて乾燥される。そして、不良卵の検出、重量測定などの工程を経て所定の容器にパッキングされる。あるいは、割卵機に投入される。洗卵部では水や温水を利用しているが、洗卵後は洗浄に使用した水分が卵の表面に付着しており、卵のパッキングや割卵と言った処理を行なうときには、表面に付着した水分を完全に除去しておく必要がある。そのため乾燥部を設けて、例えばファンを設けてエアを卵に吹き付け、水分を吹き飛ばして乾燥させるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここで本発明の課題は、乾燥部における乾燥処理をできるかぎり短い時間でできるようにすることである。乾燥部における乾燥処理は卵を搬送させながら行なうことであり、乾燥処理が短時間で終了することができると言うことは、乾燥処理のための搬送経路を短くできることであり、卵の処理装置の大きさをコンパクトにできるという大きなメリットがある。従って、本発明の目的は、効率的に乾燥処理を行なうことのできる卵の処理装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための本発明に係る卵の処理装置は、乾燥部には、卵の表面に付着した水分を除去するためのブラシが備えられ、前記ブラシの毛先の作用方向が、卵の回転方向とは逆方向になるように構成されていることを特徴とするものである。これによると、ブラシの毛先の作用方向が、卵の回転方向とは逆方向であるから、同じ方向であるものに比べて、卵の表面の水分を強制的にかきとるように作用する。従って、卵表面の水分を非常に効率よく除去することができる。その結果、効率的に乾燥処理を行なうことができたのである。
【0005】本発明の好ましい実施形態として、前記搬送手段は、卵を搭載して搬送するため所定ピッチで配置される複数のローラと、この複数のローラを搬送するための無端チェーンと、前記複数のローラの外周面に接触してローラを回転させるローラ回転部材とを備え、前記ローラの前記ローラ回転部材と接触する部分の外径を他の部分の外径よりも細くしたものがあげられる。これによると、ローラの前記ローラ回転部材と接触する部分の外径を他の部分の外径よりも細くしているから、ローラの回転速度をあげることができる。つまり、卵の回転速度を上げることができる。したがって、卵の表面をより均等に乾燥できるから、乾燥処理をより効率よく行なうことができる。
【0006】さらに、乾燥部に卵が搬入される直前位置に次のような構成を採用することもできる。例えば、卵の搬送経路の上方位置に、卵の表面に付着した水分を吹き飛ばすエア吹き出し手段を備え、さらに、前記搬送経路の下方位置に卵の下側の水分を吸引するエア吸い込み手段を備えた構成である。これによれば、乾燥部の前工程で、卵の表面の水分をかなり除去できるので、乾燥部における乾燥工程の負担を軽減させることができる。その結果、さらに乾燥処理の効率が改善される。なお、上記エア吸い込み手段の代わりに、卵の下側の水分を吹き飛ばすエア吹き出し手段を備えても同じ効果が得られる。
【0007】本発明のその他の特徴と利点は、以下の図面を用いた実施形態の説明から明らかにされるだろう。
【0008】
【発明の実施の形態】[鶏卵の処理工程の概略説明]卵の1例である鶏卵1の処理工程の概略を図1により説明する。鶏舎から搬送されてきた鶏卵は、まず洗卵部30にて鶏卵1の表面の汚れを除去し、乾燥部31にて鶏卵1の表面の水分を除去し、オリエンター部32で鶏卵1の方向をそろえ、検卵部33にて不良卵の検出を行ない、単列コンベア34に移し替えられた後にパッキングステーション35にて所定の大きさの容器に収容される。
【0009】[洗卵部の構成]図2に洗卵部30の構成を示す。鶏卵1の搬送経路に沿って、上流側に洗卵部30が配置され、下流側に乾燥部31が配置されている。図2において、鶏卵1は右から左( 矢印A) へと搬送される。洗卵部30は、鶏卵1を所定のピッチを開けて搬送するための複数のローラ2及び、このローラ2を所定のピッチごとに多数連結したコンベアチェーン3とからなるバーコンベア12と、鶏卵1の搬送経路の上方に設けられた8個の回転ブラシ14と、これら回転ブラシ14( 矢印B方向に回転する) を取付け支持するブラシ支持板15と、回転ブラシ14の間に配置されブラシ支持板15に取付けられた下流側ノズル16と上流側ノズル17と、回転ブラシ14の下流側に配置された水切りブロア18と、鶏卵1の搬送経路のすぐ下部に設けられた樋19とを備えている。図2からわかるように、搬送経路は上流側よりも下流側のほうが高くなるように設定されている。図4にバーコンベア12の詳細を示すが、ローラ2とローラ2の間の空間に鶏卵1が位置するようになっている。樋19には、鶏卵1の形状にあわせて凹部19aが形成され洗浄水をスムーズに排水しやすいようにしている。
【0010】バーコンベア12のコンベアチェーン3は搬送経路の左右両側に一対設けられ、スプロケット20a,20b,20c,20dに巻回されて不図示のモータにより回転駆動される。樋19は搬送経路のほぼ全面にわたって設けられており、その搬送経路の下流側には、すのこ部21が水切りブロア18の直下に設けられている。バーコンベア12の下には第1受け皿22と第2受け皿23が設けられており洗浄に使用した温水を排水する。ここで、本実施形態に用いられる洗浄方式はワンウェイ式と呼ばれるもので、洗浄用液体としての水又は温水を利用した後は、再利用することなく排水する方式を言う。もう一つは循環式と呼ばれるもので、水又は温水をタンクなどで循環利用し、消耗した水量を補給する方式で、汚れはストレーナ、フィルターなどで処理するものである。本実施形態で循環式を用いることもできる。なお、温水の温度と供給量は不図示の給湯ボイラにより設定管理される。
【0011】[乾燥部の構成]次に乾燥部31の構成を図4により説明する。図4において、鶏卵1は右側から左側( 矢印A方向) へと搬送される。洗卵部30から乾燥部31へと鶏卵1の受け渡しをスムーズに行なうために渡り板8が設けられている。乾燥部31は、鶏卵1を所定のピッチを開けて搬送するための複数のローラ4及び、このローラ4を所定のピッチごとに多数連結したコンベアチェーン5とからなるバーコンベア13と、鶏卵1の搬送経路の上方と下方に設けられた回転ブラシ40,41,42,43,44と、ローラ4の外周面に接触するローラスラシ6とを備えている。ここで図示される回転ブラシ40〜44は5個であるが、適宜増減できるものである。各ブラシの構成は公知のものでよく、例えば多数の毛先を放射状に配置し、この毛先を鶏卵1の表面に接触させるものでよい。なお、搬送経路の上方に位置する回転ブラシ40,41,42はVベルト50により連動しており、いずれも時計周りに回転する。搬送経路の下方に位置する回転ブラシ43,44はVベルト51により連動しており、やはり時計周りに回転する。
【0012】バーコンベア13は、スプロケット24,25に巻回されておりモータ39により駆動される。回転ブラシ40〜44は、スプロケット26,27,28と、これらスプロケット26,27,28に巻回されるチェーン45と、スプロケット28に連結されたモータとを備え、さらに、チェーン45にテンションを掛けるためのテンションローラ46と、テンションローラ46を取付け支持し支軸48周りに回動可能な支持レバー47と、スプリング49とを備えている。また、図4には示されていないが回転ブラシ40〜44に付着した水分を除去するためのブロアが設けられている。
【0013】[バーコンベアの構成]図5は、バーコンベア13の斜視図である。ローラ4とローラ4の間にまたがるように鶏卵1が搭載される。この実施形態では鶏卵1は6列に並んだ状態に搬送され、鶏卵1を搭載するための凹部4aも6個所形成されている。凹部4aと凹部4aの間には連結部4bが設けられている。図5からもわかるように、コンベアチェーン5は搬送経路の左右両側に一対設けられている。
【0014】[ローラ回転機構の構成例]図7は、ローラ4を回転させる機構を示すものである。ローラ4の端部4cの外表面が装置に固定して設けられたローラースラシ6に接触するようにしている。ローラースラシ6は、スラシ保持台7に保持されている。これにより図4において、ローラ4が矢印A方向に進行すると、図6に示すようにローラ4は反時計周りに回転させられる。ローラ4が反時計周りに回転させられることにより、鶏卵1は時計周りに回転させられる。このように、鶏卵1は回転されながら搬送されていくのである。鶏卵1を回転させるのは、鶏卵1の外表面をまんべんなく均等に乾燥処理するためである。
【0015】[ローラ回転機構の変形例]図8は、ローラ4を回転させる機構の変形例である。図7の例では、端部4cの外径は連結部4bとほぼ同じであるが、図8の例ではローラ4の端部4dの外径が連結部4bよりも細くなっている。これにより、ローラ4の回転速度が高くなり乾燥効果がより発揮されると言う利点がある。
【0016】[動作説明]次に、上記実施形態の動作を説明する。矢印A方向に搬入されてきた鶏卵1はバーコンベア12に搭載されて、搬送経路に沿って搬送される。回転ブラシ14の間に設けられたノズル16,17から噴出される温水( 50℃前後) により鶏卵1は洗浄される。ノズル16,17から供給された温水は樋19の凹部19aに溜まり卵1の表面に潤いを与えそこに回転ブラシ14が作用し、卵1の表面( 上側) が洗浄される。また、搬送経路が傾斜しているので、凹部19aに溜まっている温水は卵1の上側および下側を通って上流側へ流れていく。これにより、汚れた温水はスムーズに上流側に流れて、ドレン穴19A、受け皿22,23を通って排水される。回転ブラシ14による洗浄が終ると、水切りブロア18により卵1の表面にエアが吹き付けられる。卵1に付着していた水は吹き飛ばされてすのこ部21を通って受け皿22に落ち、排水される。
【0017】水切りブロア部を通過すると、鶏卵1は渡り板8によりバーコンベア12からバーコンベア13へと受け渡され、乾燥部31に搬入される。乾燥部31では鶏卵1の表面に回転ブラシ40,41,42の毛先が次々と作用し、鶏卵1の表面の水分を完全に取り去る。ここで重要なのは、搬送経路における毛先の進行( 作用) 方向が鶏卵1の回転方向とは逆になるように毛先が作用することである。即ち、毛先が作用する方向のベクトルと、その毛先が作用している部分の鶏卵1の回転方向のベクトルは逆方向になっている。この構成を、毛先の進行方向が鶏卵1の回転方向と同じになるようにしたものと比較すると、水分の除去量が25〜37%改善されることを確認することができた。これにより、乾燥処理が早く終了する。また、回転ブラシ40,41,42の回転速度も大きくしたほうがより効果的である。鶏卵1から回転ブラシ40,41,42へ移った水分は不図示のブロアーにより乾燥される。搬送経路の下側の回転ブラシ43,44はローラ4の表面に作用し、ローラ4の表面に付着した水分や汚れを取り去る。
【0018】[水切りブロア部の変形例1]図2の実施形態では、洗卵部30を通過した鶏卵1の表面についた洗浄水は水切りブロア18により除去されるが、この水切りを効率よくするための変形例を図9から11により説明する。図9は側面図、図10は平面図、図11は図9のXI−XI断面図である。樋19の搬送経路下流端部には、すのこ部21が設けられており、鶏卵1の各列を仕切る太いパイプ60と、鶏卵1の下部を支える2本の細いパイプ61と、これらのパイプ60,61を支持するパイプ指示板62を備えている。鶏卵1の上方には水切りブロア63,64が設けられ、それぞれのエア吹き出し口63a,64aから高圧のエアを鶏卵1の表面に吹き付ける。吹き飛ばされた水分は第1受け皿22( 図2参照) により排出されるが、鶏卵1の下部に回り込む水分もあるので、これを吸引パイプ65,66により吸引するようにしている。これにより、乾燥部31における乾燥処理の負担を軽くすることができる。
【0019】[水切りブロア部の変形例2]図12から14に第2の変形例を示す。ここでは鶏卵1の下に回り込んだ水分を吸引するのではなく、吹き出しパイプ70,71により吹き飛ばすようにしている。エアの吹き出し方向は、鶏卵1の進行方向と逆になるようにしている。かかる構成でも、乾燥部31における乾燥処理の負担を軽くすることができる。
【0020】[用語の定義]バーコンベア13とローラスラシ6は、卵を回転させながら搬送経路に沿って搬送させる搬送手段として機能する。ローラスラシ6は、複数のローラ4の外周面に接触してローラ4を回転させるローラ回転部材として機能する。
【出願人】 【識別番号】000162238
【氏名又は名称】共和機械株式会社
【出願日】 平成9年(1997)12月2日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 薫
【公開番号】 特開平11−155413
【公開日】 平成11年(1999)6月15日
【出願番号】 特願平9−331393