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【発明の名称】 実験用小動物飼育装置
【発明者】 【氏名】村山 民樹

【氏名】喜多 義隆

【要約】 【課題】洗浄や滅菌が簡単に行える実験用小動物飼育装置を提供する。

【解決手段】実験用小動物を収容するケージ21を載置する棚12が多段に形成されたラック台車10と、そのラック台車10の背面に着脱自在に係合し、ラック台車10の各棚12を通して空気を吸引排気するチャンバユニット11とを備えたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 実験用小動物を収容するケージを載置する棚が多段に形成されたラック台車と、そのラック台車の背面に着脱自在に係合し、ラック台車の各棚を通して空気を吸引排気するチャンバユニットとを備えたことを特徴とする実験用小動物飼育装置。
【請求項2】 チャンバユニットは、前面にラック台車の背面の周囲を覆って吸引流を生じさせる排気室と、排気室の空気を吸引排気する吸引チャンバとからなる請求項1記載の実験用小動物飼育装置。
【請求項3】 ラック台車の各棚の前面には開閉扉が設けられると共に背面には棚を覆う背面板が設けられ、その背面板に、棚に応じて複数の排気口が設けられると共に開閉扉にその排気口の口径より小さな径の吸入口が複数設けられて、各棚が陰圧に保持される請求項1又は2記載の実験用小動物飼育装置。
【請求項4】 ラック台車には、各段の棚の前面を覆う透明扉が設けられると共にそのラック台車のラック本体の上面に透明扉と棚前面間に清浄空気を供給する吸引口が設けられる請求項1〜3いずれかに記載の実験用小動物飼育装置。
【請求項5】 チャンバユニットは、ラック台車を密接係合時に、そのラック前面に下方に向けてエアカーテンを形成する給気ユニットを有する請求項1〜3いずれかに記載の実験用小動物飼育装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マウス等の実験用小動物を飼育するための実験用小動物飼育装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、マウス等の多数の実験用小動物を飼育する飼育装置は、実公平3−13175号公報、特公平3−79963号公報、特公平4−2208号公報等に示されるように、実験用小動物を収容したケージを多段の棚に載せ、その棚の前面から空気を吸引して、後面から排気するようになっている。
【0003】このように常時一方向の空気流とすることで、各棚段間で空気が混ざることがなく空気感染を防ぐことができると共に同一棚内でも空気の拡散を抑えることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の飼育装置は、棚と空気循環のための装置が一体になっているため、洗浄・消毒が大変である。特に、小動物を飼育中には、空気循環装置を洗浄・消毒することは実質的にできない問題がある。
【0005】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、洗浄や滅菌が簡単に行える実験用小動物飼育装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1の発明は、実験用小動物を収容するケージを載置する棚が多段に形成されたラック台車と、そのラック台車の背面に着脱自在に係合し、ラック台車の各棚を通して空気を吸引排気するチャンバユニットとを備えた実験用小動物飼育装置である。
【0007】請求項2の発明は、チャンバユニットは、前面にラック台車の背面の周囲を覆って吸引流を生じさせる排気室と、排気室の空気を吸引排気する吸引チャンバとからなる請求項1記載の実験用小動物飼育装置である。
【0008】請求項3の発明は、ラック台車の各棚の前面には開閉扉が設けられると共に背面には棚を覆う背面板が設けられ、その背面板に、棚に応じて複数の排気口が設けられると共に開閉扉にその排気口の口径より小さな径の吸入口が複数設けられて、各棚が陰圧に保持される請求項1又は2記載の実験用小動物飼育装置である。
【0009】請求項4の発明は、ラック台車には、各段の棚の前面を覆う透明扉が設けられると共にそのラック台車のラック本体の上面に透明扉と棚前面間に清浄空気を供給する吸引口が設けられる請求項1〜3いずれかに記載の実験用小動物飼育装置である。
【0010】請求項5の発明は、チャンバユニットは、ラック台車を密接係合時に、そのラック前面に下方に向けてエアカーテンを形成する給気ユニットを有する請求項1〜3いずれかに記載の実験用小動物飼育装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適一実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0012】図1〜5は、本発明の実験用小動物飼育装置の第1の実施の形態を示したものである。
【0013】図1に示すように、本発明の実験用小動物飼育装置は、基本的にはラック台車10とチャンバユニット11とが分離され、ラック台車10がチャンバユニット11に着脱自在に係合するようになっている。
【0014】ラック台車10は、多段の棚12が形成されたラック本体13とそのラック本体13の底部の四隅に設けられたキャスタ14とから主に構成され、チャンバユニット11は、コ字状の枠体15間に、背面板16が設けられ、そのコ字状の枠体15間上部に吸引チャンバ17が設けられ、吸引チャンバ17上にHEPAフィルタ等のフィルタ18を有するフィルタボックス19が設けられ、そのフィルタボックス19の吸引口20に排風機等に接続されたダクト(図示せず)が接続される。
【0015】このラック台車10とチャンバユニット11をさらに詳しく説明する。
【0016】ラック本体13の各棚12上には、実験用小動物を収容するケージ21が、例えば、図2(b),(c)に示すように前後に2つ、幅方向に8つ収容できるようになっており、その前面にスライド式の透明な開閉扉22が設けられ、その各開閉扉22の上部に小径の吸引口23が、扉22に対して例えば3個穿設される。ラック本体13の背面を覆う背面板24には、前面の開閉扉22の吸引口23に対向し、かつ吸引口23より穴径が20〜80%大きい排気口25が穿設される。
【0017】チャンバユニット11は、図5に示すように、コ字状の枠体15の前面にシール枠27が設けられ、そのシール枠27にゴム等のパッキン28が貼設され、そのパッキン28がラック台車10の背面板24の周囲と密接して、背面板24とチャンバユニット11の背面板16間に吸引流を生じさせるための排気室30が形成される。
【0018】このシール枠27の上部は、吸引チャンバ17に開口し、排気室30と吸引チャンバ17とが連通し、吸引チャンバ17の吸引で、排気室30が負圧にされる。
【0019】また、枠体15の底部にはキャスタ31が設けられる。
【0020】ラック台車10とチャンバユニット11とは、その両側部上下に設けたジョイント金具32にて連結される。このジョイント金具32は、ラック本体13の棚12に位置して係合爪33が設けられ、チャンバユニット11の側部に係合爪33と着脱自在に係合すると共に係合時にラック台車10をチャンバユニット11側に引き寄せて、ラック台車10の背面板24をシール枠27のパッキン28に密接する係合レバー34とからなっている。
【0021】次に本発明の作用を述べる。
【0022】図1に示すように、チャンバユニット11から離れた状態のラック台車10を、そのチャンバユニット11の排気室30に移動して、ラック台車10の背面板24をシール枠27のパッキン28に当て、その状態で、係合レバー34の先端を係合爪33と係合することで密接し一体とすることができると共にそのジョイント金具32で脱着できるので、チャンバユニット11内の清掃が容易に行える。またラック台車10は、実験用小動物を収容したケージ21を移せば、そのままオートクレーブ(図示せず)で滅菌が行える。
【0023】ラック台車10をチャンバユニット11に装着した状態で、各棚12に実験用小動物を収容したケージ21を載せて飼育する際、フィルタボックス19から吸引チャンバ17内を介して、排気室30が負圧に保たれ、これにより図5に示すように、各棚12の各開閉扉22の吸引口23より棚12内に空気が吸い込まれ、棚12内を通って排気口25より排気室30に流れ、吸引チャンバ17よりフィルタボックス19を通って清浄化され排風機で排気される。
【0024】このように各棚12上には前後に向かう一方向の空気流が常に生じており、異なる棚12間での感染は勿論のこと、同一の棚12内でも感染の影響をなくすことが可能となると共に各棚12に常に同じ条件の空気を供給することができる。
【0025】また特に、背面の排気口25に対して、開閉扉22の吸引口23の穴径を小さく形成してあるため、棚12内が、飼育室内に対して常時陰圧に保たれており、開閉扉22を開けても、棚12内の空気が、その開口から外に出ることが防止されるため、二次感染などを確実に防止できる。
【0026】図6は、本発明の他の実施の形態を示したものである。
【0027】図1〜図5の実施の形態においては、チャンバユニット11は、ラック台車10と独立して走行できる例で説明したが、本実施の形態においては、図6(c)に示すようにラック台車10は、図1〜図5の実施の形態と同じであるが、チャンバユニット40は、独立で走行できる代わりに、ラック台車10に支持させるようにしたものである。
【0028】図6(a),(b)に示すように、チャンバユニット40は、ラック台車10の上面に、ジョイント金具32で脱着自在に設けられるプレフィルタユニット41を有する吸引チャンバユニット42と、ラック台車10の背面板24に、ジョイント金具32で脱着自在に設けられる排気チャンバユニット43とからなり、その吸引チャンバユニット42の吸引室と排気チャンバユニット43内に排気室とが、ラック台車10に装着することで連通し、図1〜図5の実施の形態と同様にラック台車10の各棚12に吸引空気流を生じさせる。
【0029】本形態においては、チャンバユニット40をラック台車10に装着するため、移動性がよく、かつチャンバユニット40も吸引チャンバユニット42と排気チャンバユニット43に分解できるので清掃・滅菌が容易となる。
【0030】図7は、本発明のさらに他の実施の形態を示したものである。
【0031】本形態では、チャンバユニット11は、図1〜図5の実施の形態のチャンバユニット11と同じであるが、ラック台車45を変形したものである。
【0032】本形態においては、ラック本体46の前面にガラス板等の透明板47からなる透明扉48,48を開閉自在に設けて、その棚12の前方に空間を設け、ラック本体46の上面前方にスリット状のフィルタ付き吸入口49を形成したものである。
【0033】この場合、透明扉48,48を開けると各段の棚12は全て開放状態となるため、図1〜図5に示した開閉扉22を設けておく。
【0034】本実施の形態においては、ラック本体46の前面が透明扉48,48で閉じられ、ラック本体46の上面前方に形成した吸入口49より空気を吸入して各棚12に清浄空気を流すため、人−動物間の相互汚染を防止することが可能となる。
【0035】図8は、本発明のさらに他の実施の形態を示したものである。
【0036】本形態では、ラック台車10は、図1〜図5の実施の形態のラック台車10と同じであるが、チャンバユニット50を変形したものである。
【0037】このチャンバユニット50は、基本的には図1〜図5の実施の形態のチャンバユニット11と同じであるが、吸引チャンバ17の前方にラック台車10の前面にエアカーテンとなる空気流を吹き出す給気ユニット51を取り付けたものである。
【0038】この給気ユニット51は、吸引チャンバ17の前方にそのチャンバ17内と隔離しかつチャンバ17から一体に前方に延びると共に前方下部に空気吹出口52を有する給気チャンバ53と、その給気チャンバ53の上面に設けられ清浄空気を給気チャンバ53内に供給する給気装置54とから構成される。
【0039】本形態では、ラック台車10の前面には常に下向きに向かう空気流を生じさせるため、これがエアカーテンとなり、人−動物間の相互汚染を防止することが可能となる。
【0040】以上本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上述の実施の形態に限定されることなく、種々の変形が行える。
【0041】例えば、図では、ラック台車10の棚12は4段の例で説明したが、3段でも5段以上でもよく、また開閉扉22は、スライド式の例で説明したが観音開き式でもよい、さらに枠体15の底部にキャスタ31を設ける例で説明したが、このキャスタ31は、必ずしも設ける必要はなく枠体15を直接床に設置するようにしてもよい。
【0042】また、図7の実施の形態においては、吸引口49を介して室内空気を直接吸引できる例で説明したが、吸引口49にダクトを接続し、このダクトを図8に示した給気装置54や空調機と接続し、空調され、清浄化された空気をラック台車10内に供給するようにしてもよい。
【0043】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、ラック台車とチャンバユニットが着脱自在のため、清掃・滅菌が容易に行える。また、ラック台車内を常に飼育室に対して陰圧に保持できる。
【出願人】 【識別番号】000150567
【氏名又は名称】株式会社朝日工業社
【出願日】 平成9年(1997)12月3日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】絹谷 信雄
【公開番号】 特開平11−155406
【公開日】 平成11年(1999)6月15日
【出願番号】 特願平9−333135