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【発明の名称】 卵の洗浄装置
【発明者】 【氏名】鷲田 大助

【要約】 【課題】卵の下部の洗浄用液体(温水) の流れをスムーズにし洗浄機能を改善する卵の洗浄装置を提供すること。

【解決手段】卵1を搬送経路に沿って搬送するバーコンベア12と、搬送経路の下流側から上流側へむけて温水を供給するためのノズル16,17と、搬送経路に沿って温水を導く樋19とを備え、この樋19に卵1の外形形状に対応した凹部19aが形成された卵の洗浄装置において、凹部19aの最下部または最下部近傍に溝M1,M2が形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 卵を搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、前記搬送経路の下流側から上流側へむけて洗浄用液体を供給するための洗浄手段と、前記搬送経路に沿って前記洗浄用液体を導く液体案内手段とを備え、この液体案内手段に卵の外形形状に対応した凹部が形成された卵の洗浄装置において、前記凹部の最下部または最下部近傍に溝が形成されていることを特徴とする卵の洗浄装置。
【請求項2】 前記溝は、前記卵の外形形状を構成する曲線よりも曲率の大きな線を複数組み合わせることにより形成されることを特徴とする請求項1に記載の卵の洗浄装置。
【請求項3】 前記曲率の大きな線は直線であることを特徴とする請求項2に記載の卵の洗浄装置。
【請求項4】 前記線と線の交差する部分を、当該線の曲率よりも小さな曲率を有する曲線でつないだことを特徴とする請求項2又は3に記載の卵の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、卵を搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、前記搬送経路の下流側から上流側へむけて洗浄用液体を供給するための洗浄手段と、前記搬送経路に沿って前記洗浄用液体を導く液体案内手段とを備え、この液体案内手段に卵の外形形状に対応した凹部が形成された卵の洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】かかる従来技術を図8,9,10により説明する。洗浄装置100は卵1を搬送するためのバー2と、このバー2を多数個連結したチェーン3とからなるバーコンベア12である。卵1は搬送経路に沿って図8の矢印A方向に搬送され、搬送経路の上方には温水を噴出するノズル4と、卵1の表面を洗浄する複数のブラシ5が備えられている。ブラシ5は、回転しながら卵1の外表面に接触してゴミなどの除去をしている。ノズル4の近傍に設けられたブロアー13により、高速エアーの吹き付けが行われ、卵殻面を洗浄した後の水切りが行われる。搬送経路の卵1のすぐ下には洗浄水を案内する手段として機能する樋6が設けられている。樋6は搬送経路の下流側のほうが上流側よりも高くなるように設定されている。これにより、ノズル4から噴出された温水が上流側に流れるようにしている。ノズル4の近くでは、温水は汚れてはいないが、上流側に流れて行った温水は、既に卵1の洗浄に使用された後なので若干汚れていることになる。つまり、洗浄装置100に搬入された直後から卵1は洗浄され、最初は若干汚れた状態の温水で予備的に洗浄することになるが、卵1が下流側に搬送されて行くにつれて新鮮な温水により洗浄されるのである。洗浄に使用された温水は、下方に落下してガイド7により容器8に貯留され、廃棄される。なお、卵1は不図示の鶏舎から、給卵部9へと運ばれて、コンベア10から渡り板11を介して洗浄装置100のバーコンベア12へと搬送される。搬送経路に直交する方向の樋6の断面図が図9に示されている。卵1は6列の状態で搬送されており、図9ではそのうち4列分が描かれている。樋6は卵1が搭載される搭載部と、搭載部の裏側に相当する断熱部とを備えている(不図示)。搭載部は卵1を受け入れる凹部6aを備えている。断熱部は断熱材で形成され温水(約50℃)の温度が低下しないようにしている。
【0003】図10は凹部6aの拡大図である。凹部6aの形状は単一の円弧6bで構成されており、その円弧6bの曲率は卵1の側部外形1bを構成する曲線の曲率よりも大きくなっている。そのため卵1の両側に空間S1,S2が形成される。この空間S1,S2は洗浄に使用した洗浄水を搬送経路に沿って流すために用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の課題は以下に説明する通りである。ノズル4から噴出される洗浄用温水は卵1の表面を洗浄した後、使用した温水は汚れているためスムーズに上流側へ送り排水する必要がある。これにより洗浄装置全体を清潔に保つようにしている。ことに、最近は各種の食材で食中毒問題がクローズアップされており、洗浄工程を清潔に保つことは重要である。しかしながら、従来技術の第10図の構造では、卵1の上側には十分に温水は供給されるものの下側は温水の流れが悪く、汚れた温水をスムーズに排水できるものとはいえなかった。特に、樋6の凹部6aの最下部又は最下部近傍は温水の流れが悪かった。このような問題点は、卵1の処理能力をあげる(例えば、1時間当たり25,000個を30,000個に上げる) とより顕著であった。
【0005】本発明は上記実情に鑑みて為されたものであって、その目的は、卵の下部の洗浄用液体(温水) の流れをスムーズにし洗浄機能を改善する卵の洗浄装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための本発明にかかる卵の洗浄装置は、卵を搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、前記搬送経路の洗浄用液体を供給するための洗浄手段と、前記搬送経路に沿って前記洗浄用液体を導く液体案内手段とを備え、この液体案内手段に卵の外形形状に対応した凹部が形成された卵の洗浄装置において、前記凹部の最下部または最下部近傍に溝が形成されていることを特徴とするものである。
【0007】この構成によると、凹部の最下部または最下部近傍に形成された溝を利用して洗浄用液体をスムーズに下流側から上流側へむけて供給することができる。したがって、汚れた洗浄用液体をスムーズに排水することができ、洗浄機能を改善することができた。
【0008】本発明の好ましい実施形態として、前記溝は、前記卵の外形形状を構成する曲線よりも曲率の大きな線を複数組み合わせることにより形成されるものがあげられる。たとえば、かかる線を二つ組み合わせると略三角形の凹部ができ、三角形の頂部が溝として機能する。三つ組み合わせると略台形の凹部ができ辺と辺の交差部分(2個所) が溝として機能する。もちろんもっと多数の線を組み合わせることも可能である。このように簡単な構成で溝を形成することができる。曲率の大きな線としては、曲線ではなく直線を選択すれば液体案内手段の製造が容易となるので好ましい。
【0009】前記線と線の交差する部分を、当該線の曲率よりも小さな曲率を有する曲線でつなぐのが好ましい。これは、線と線の交差する部分は洗浄用液体に含まれる固形分が沈着しやすく、清掃するのに手間がかかるが、かかる部分を曲線でつなぐことにより、固形分が沈着しにくくなるとともに、清掃も簡単にできると言う効果が生じる。
【0010】本発明のその他の特徴と利点は、以下の図面を用いた実施形態の説明から明らかにされるだろう。
【0011】
【発明の実施の形態】[実施形態の構成の説明]図1,2,3,4により本実施形態にかかる卵の洗浄装置の構成を説明する。図1は側面図、図2は上から見た平面図、図3はバーコンベアの斜視図、図4は樋の断面形状を示している。卵の洗浄装置は、卵1を所定のピッチを開けて搬送するための複数のローラ2及び、このローラを所定のピッチごとに多数連結したコンベアチェーン3とからなるバーコンベア12と、卵1の搬送経路の上方に設けられた8個の回転ブラシ14と、これら回転ブラシ14(矢印B方向に回転する) を取付け支持するブラシ支持板15と、回転ブラシ14の間に配置されブラシ支持板15に取付けられた下流側ノズル16と上流側ノズル17と、回転ブラシ14の下流側に配置された水切りブロア18と、卵1の搬送経路のすぐ下部に設けられた本願独特の構成を有する樋19とを備えている。図1からわかるように、搬送経路は上流側よりも下流側のほうが高くなるように設定されている。図3にバーコンベア12の詳細を示すが、バー2とバー2の間の空間に卵1が位置するようになっている。回転ブラシ14はブラシの消耗度にあわせて上下方向(矢印C) の位置を調整可能に構成されている。バーコンベア12のコンベアチェーン3は搬送経路の左右両側に一対設けられ、スプロケット20a,20b,20c,20dに巻回されて不図示のモータにより回転駆動される。樋19は搬送経路のほぼ全面にわたって設けられており、その搬送経路の下流側にはすのこ部21が水切りブロア18の直下に設けられている。バーコンベア12の下には第1受け皿22と第2受け皿23が設けられており洗浄に使用した温水を排水する。ここで、本実施形態に用いられる洗浄方式はワンウェイ式と呼ばれるもので、洗浄用液体としての水又は温水を利用した後は、再利用することなく排水する方式を言う。もう一つは循環式と呼ばれるもので、水又は温水をタンクなどで循環利用し、消耗した水量を補給する方式で、汚れはストレーナ、フィルターなどで処理するものである。本実施形態で循環式を用いることもできる。なお、温水の温度と供給量は不図示の給湯ボイラにより設定管理される。
【0012】[樋の構成の説明]樋19の構成について詳しく説明する。図4は搬送経路に直交する面で切った樋19の断面図である。卵1は6列状態で搬送され、図4に示されるような卵1が置かれる凹部19aも6列分形成されている。図2に示されるように、樋19の上流側の端部に6個所ドレン穴19Aが形成されており、使用した温水を排出する。凹部19aは三つの直線19b、19c、19dで構成され、さらに直線19b、19cの交点19eは半径の小さなRで結ばれている。直線19c、19dの交点19fもRで結ばれている。これにより、交点部分での固形分の付着を防止している。凹部19aの下部には2個所の溝M1,M2が形成される。
【0013】[卵の洗浄装置の作動説明]次に、本実施形態に係る洗浄装置100の作動を簡単に説明する。矢印A方向に搬入されてきた卵1はバーコンベア12に搭載されて、搬送経路に沿って搬送される。回転ブラシ14の間に設けられたノズル16,17から噴出される温水(50℃前後) により卵1は洗浄される。ノズル16,17から供給された温水は樋19の凹部19aに溜まり卵1の表面に潤いを与えそこに回転ブラシ14が作用し、卵1の表面(上側) が洗浄される。また、搬送経路が傾斜しているので、凹部19aに溜まっている温水は卵1の上側を通って上流側へ流れていくだけでなく、凹部19aの溝M1,M2により下側を通っても上流側へ流れていく。これにより、汚れた温水はスムーズに上流側に流れて、ドレン穴19a、受け皿22,23を通って排水される。溝M1,M2を通って流れる温水は卵1の下側部分を予備的に洗浄することも行う。また、樋19の凹部19aの交差部分19e,19fはRでつないでいるから、汚れた温水に含まれる固形分が付着しにくく、仮に付着しても清掃が容易である。回転ブラシ14による洗浄が終ると、水切りブロア18により卵1の表面にエアが吹き付けられる。卵1に付着していた水は吹き飛ばされてすのこ部21を通って受け皿22に落ち、排水される。洗浄装置100を通過した卵1は、引き続いて不図示の乾燥部に送り込まれ乾燥処理がされる。
【0014】[用語の定義]バーコンベア12は、卵を搬送経路に沿って搬送する搬送手段として機能する。ノズル16,17は、搬送経路の下流側から上流側へむけて洗浄用液体を供給するための洗浄手段として機能する。樋19は、搬送経路に沿って洗浄用液体を導く液体案内手段として機能する。
【0015】[変形例]次に樋19の凹部19aの形状に変形例を示す。図5は、二つの直線19g、19hにより構成したもので、最下部に溝M3が形成される。直線19g、19hの交点部分19iはRでつなぐ。なお、直線19g、19hを曲率の大きな曲線( 円弧) としてもよい。図6は、単一の円弧19jの最下部に溝M4を形成した例、図7は、単一の円弧19jの最下部近傍に二つの溝M5,M6を形成した例である。
【0016】洗浄用液体は、温水(湯) でなくとも常温の水でもよいが、温水を使用する理由は、まず、常温の水よりも温水のほうが、汚れが落ちやすいこと、それから次工程の乾燥工程では卵の表面温度をある程度高い状態に保つのが好都合であること、そして、卵殻からの雑菌の侵入を阻止することなどのためである。洗浄用液体としては殺菌効果のあるオゾン水を利用してもよい。
【出願人】 【識別番号】000162238
【氏名又は名称】共和機械株式会社
【出願日】 平成9年(1997)11月18日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 薫
【公開番号】 特開平11−146741
【公開日】 平成11年(1999)6月2日
【出願番号】 特願平9−316960