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【発明の名称】 縦断換気式鶏舎の排気粉塵除去装置
【発明者】 【氏名】今村 芳敬

【要約】 【課題】天候に左右されることなく網に付着した粉塵を除去しながら縦断換気式鶏舎の排気を行えるようにした縦断換気式鶏舎の排気粉塵除去装置及び、網による粉塵の捕捉では捕捉できなかった細かい粉塵までを捕捉することができるようにした縦断換気式鶏舎の排気粉塵除去装置を提供すること。

【解決手段】本発明に係る縦断換気式鶏舎の排気粉塵除去装置は、鶏舎(1)内に外気を取り入れる手段と、鶏舎(1)内へ取り入れた空気を鶏舎の長手方向端面の少なくとも一方の端面(2)から鶏舎外へ排気する排気ファン(3)とを備えた縦断換気式鶏舎の排気粉塵除去装置において、鶏舎(1)における排気ファン(3)が設けられた端面(2)に隣接して鶏舎の長手方向に沿って伸びる緩衝室(5)を設け、前記緩衝室(5)の上部に上方に向けて開口する排気開口(6)を設けると共に、前記緩衝室(5)内に、粉塵捕獲用の水を放水する放水手段(20;30)を設けたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 鶏舎内に外気を取り入れる手段と、鶏舎内へ取り入れた空気を鶏舎の長手方向端面の少なくとも一方の端面から鶏舎外へ排気する排気手段とを備えた縦断換気式鶏舎の排気粉塵除去装置において、鶏舎における排気手段が設けられた端面に隣接して鶏舎の長手方向に沿って伸びる緩衝室を設け、前記緩衝室の上部に上方に向けて開口する排気開口を設け、前記排気開口に、排気開口を覆い排気中の粉塵を捕捉する少なくとも一つの網状捕捉手段を設けると共に、前記網状捕捉手段の目詰まりを除去する手段を設けたこと特徴とする縦断換気式鶏舎の排気粉塵除去装置。
【請求項2】 前記網状捕捉手段の目詰まりを除去する手段が、網状捕捉手段に水を放水する放水手段から成ることを特徴とする請求項1に記載の縦断換気式鶏舎の排気粉塵除去装置。
【請求項3】 前記放水手段が、防臭材を含む水を放水することを特徴とする請求項2に記載の縦断換気式鶏舎の排気粉塵除去装置。
【請求項4】 前記網状捕捉部材が、傾斜した部分を含むことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の縦断換気式傾斜の排気粉塵除去装置。
【請求項5】 鶏舎内に外気を取り入れる手段と、鶏舎内へ取り入れた空気を鶏舎の長手方向端面の少なくとも一方の端面から鶏舎外へ排気する排気手段とを備えた縦断換気式鶏舎の排気粉塵除去装置において、鶏舎における排気手段が設けられた端面に隣接して鶏舎の長手方向に沿って伸びる緩衝室を設け、前記緩衝室の上部に上方に向けて開口する排気開口を設けると共に、前記緩衝室内に、粉塵捕獲用の水を放水する放水手段を設けたことを特徴とする縦断換気式鶏舎の排気粉塵除去装置。
【請求項6】 前記放水手段が、前記排気手段の排気方向に沿って水を霧状にして放水することを特徴とする請求項5に記載の縦断換気式鶏舎の排気粉塵除去装置。
【請求項7】 前記緩衝室における前記排気手段と対向する壁が、下方内側に向けて傾斜され、前記放水手段が、前記傾斜された壁に沿って水が流れるように水を放水することを特徴とする請求項5に記載の縦断換気式鶏舎の排気粉塵除去装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鶏舎内に外気を取り入れ、その外気を鶏舎を縦断させて、鶏舎の長手方向端面の少なくとも一方の端面から排気させることで鶏舎内の換気を行う、所謂縦断換気(「トンネル換気ともいう)鶏舎に適用する排気粉塵除去装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】縦断換気鶏舎は、建物や電気工事に要する設備費が安く、鶏舎内に部分的な空気のよどみであるデッドスポットを生じさせず、また舎内風速を出しやすく、クーリングパッド(紙や不織布のような水を吸収できる多孔性材料でつくられ、上方から水を滴下させて全体を水で含浸させ、これを通過する空気を冷却して取り入れるので舎内温度を低下できる)を取り付けやすいので、特に夏場には鶏舎内を良好な環境に保つのに有効であることは知られている。しかしながら従来の縦断換気式鶏舎では、鶏舎からほぼ水平に空気が排気されるため排気空気と共に鶏舎内の粉塵が鶏舎の外側に出やすいという問題があり、また、それ以外にも排気ファンの騒音がうるさいという問題もあった。この問題を解決するために本出願人は、先の出願(特願平8−283823号)で、鶏舎における排気ファンが設けられた端面に隣接して鶏舎の長手方向に沿って伸びる緩衝室を設け、この緩衝室の屋根相当部分に上方に向かって開口する煙突状の排気口を形成すると共に、前記煙突状の排気口に排気粉塵を捕捉する網をほぼ水平に設けた排気粉塵除去装置を提案した。この排気粉塵除去装置によれば、鶏舎からほぼ水平に排気される排気空気が、緩衝室の周囲壁に衝突して方向を変え上方の排気口に向かって流れる時にある程度の重量のある大きな粉塵は落下し、また、緩衝室の排気口から外部に排気される時に排気口に設けられた網で細かい粉塵も捕捉されるので上記した粉塵に関する問題点は解決され、また、排気ファンの周囲を緩衝室で覆うので騒音に関する問題も解決される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した本出願人の提案した排気粉塵除去装置は、排気粉塵を網で捕捉するように構成されていたため、長期間使用すると網の目に粉塵が詰まり排気効率が悪くなるという問題があり、特に、小さい粉塵を捕獲するために網の目を細かくすると網の目に粉塵が詰まり易くなってしまうという問題点があった。前記した網の目詰まりは雨により洗浄することができるので、降雨量の多い季節は大した問題にはならないが、降雨量の低い季節は雨による洗浄ができないため特に問題となり、このように排気効率や粉塵捕捉効率が天候に左右されるのは実用的ではない。また、網で粉塵を捕獲する構成では、網の目の目詰まりに関係なく、排気効率との関係で網の目を細かくするのにも限界があり、微細な粉塵までを捕捉することはできないという問題もあった。本発明は、上記した問題点を解決し、天候に左右されることなく網に付着した粉塵を除去しながら縦断換気式鶏舎の排気を行えるようにした縦断換気式鶏舎の排気粉塵除去装置及び、網による粉塵の捕捉では捕捉できなかった細かい粉塵までを捕捉することができるようにした縦断換気式鶏舎の排気粉塵除去装置を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成するために本発明の請求項1に係る縦断換気式鶏舎の排気粉塵除去装置は、鶏舎内に外気と取り入れる手段と、鶏舎内へ取り入れた空気を鶏舎の長手方向端面の少なくとも一方の端面から鶏舎外へ排気する排気手段とを備えた縦断換気式鶏舎の排気粉塵除去装置において、鶏舎における排気手段が設けられた端面に隣接して鶏舎の長手方向に沿って伸びる緩衝室を設け、前記緩衝室の屋根部分に上方に向けて開口する排気開口を設け、前記排気開口に、排気開口を覆い排気中の粉塵を捕捉する少なくとも一つの網状捕捉手段を設けると共に、前記網状捕捉手段の目詰まりを除去する手段を設けたこと特徴とするものである。また、本発明の請求項5に係る縦断換気式鶏舎の排気粉塵除去装置は、鶏舎内に外気を取り入れる手段と、鶏舎内へ取り入れた空気を鶏舎の長手方向端面の少なくとも一方の端面から鶏舎外へ排気する排気手段とを備えた縦断換気式鶏舎の排気粉塵除去装置において、鶏舎における排気手段が設けられた端面に隣接して鶏舎の長手方向に沿って伸びる緩衝室を設け、前記緩衝室の屋根部分に上方に向けて開口する排気開口を設けると共に、前記緩衝室内に、粉塵捕獲用の水を放水する放水手段を設けたことを特徴とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に示した幾つかの実施例を参照しながら本発明に係る縦断換気式鶏舎の排気粉塵除去装置(排気粉塵除去装置と称する。)の実施の形態について説明していく。始めに図1〜図3を参照して本発明に掛かる排気粉塵除去装置の第一の実施例及びその変形例について説明する。図1は本発明に係る排気粉塵除去装置が設けられた縦断換気式鶏舎の一部分の概略斜視図、図2は図1の鶏舎の概略正面図を各々示している。
【0006】図中、符号1は、内部に複数のケージ列(図示せず)が長手方向に並置された鶏舎を示している。この鶏舎1は所謂縦断換気方式を採用しており、その一方(本実施例では前側)の妻壁2に複数の排気ファン3が設けられ、不図示の他方(本実施例では後側)の妻壁又は左右の側壁4に空気導入口が設けられ、前記空気導入口から導入された空気が鶏舎1の内部を縦断方向(矢印A参照)に流れて排気ファン3から鶏舎1の外側に排気される。鶏舎1における排気ファン3が設けられた前側の妻壁2側には、それに隣接して排気粉塵除去装置が設けられている。この排気粉塵除去装置は、前側妻壁2に対して排気ファン3の排気能力に見合った間隔を開けて対向する前壁5aと、鶏舎1の左右側壁4に沿って前壁5aまで伸びる左右の側壁5b,5cと、上方を閉鎖する屋根5dとから成る緩衝室5を備え、前記屋根5dには上方に向かって延長する煙突状の排気ダクト6が形成されている。また、この排気ダクト6の内側の上端付近及び下端付近には、例えば、3〜30mm程度の粉塵捕捉網7及び8がほぼ水平に設けられ、さらに下側の粉塵捕捉網7の直ぐ上方には、粉塵捕捉網7に水を放水する放水管10が設けられている。前記放水管10にはタンク等の水供給源(図示せず)からポンプ等(図示せず)によって水が供給され、放水管10から放水され緩衝室5の底部に溜まった水は吸水管11を介して前記タンク等に回収され循環するように構成されている。
【0007】上記したように構成された排気粉塵除去装置の作用について簡単に説明する。鶏舎1内を通り前側妻壁2の排気ファン3からほぼ水平に排気される排気空気は、緩衝室5の周囲壁5a,5b,5cに当たって緩衝室5の屋根5dに向けて上向きに方向を変える。この時、排気空気中に含まれる粉塵のかなりの部分は緩衝室5の底面に落下し排気空気から除去される。前壁5aによって上向きに方向を変えた排気空気は、その大部分が緩衝室5の屋根5dに設けられた排気ダクト6を通って大気中に排気されるが、その一部は屋根5dに衝突し、その時、さらに粉塵を緩衝室5の底面に落下させて除去する。排気ダクト6を通る排気空気は、排気ダクト6に設けられた二枚の粉塵捕捉網7,8を通過する時に、これら粉塵捕捉網7,8によって細かい粉塵が除去される。前記放水管10からは、捕捉網7に向けて定期的に又は必要に応じて水が放水される。この水は粉塵捕捉網7に付着した粉塵を洗浄し緩衝室5の底面に落下して溜まる。また、洗浄の際に捕捉網7に付着した水滴や洗浄後に捕捉網7から緩衝室5の底面に落下する水滴に排気空気中の微細な粉塵が触れると、水滴がこれら微細な粉塵を捕捉して落下するので、これら洗浄用の水により捕捉網7で捕捉できない微細な粉塵が除去できるという付加的な効果も奏する。また、必要に応じてこの洗浄用の水の中に防臭効果のある菌や薬剤等を混入させれば、排気空気や緩衝室5に溜まった粉塵に対する防臭効果を高めることもできる。緩衝室5の底部に溜まった水は吸水管11を介して回収され、再び放水管10から放水される。また、洗浄用水は循環中にある程度蒸発するので、蒸発した分量だけ適当な時期に水が補充される。このように、粉塵捕捉網7に洗浄用の水を放水できる放水管を設けることにより、従来の排気粉塵除去装置のように粉塵捕捉網の洗浄が天候に左右されることなく、粉塵捕捉網の開口率を積極的に管理できるようになり、排気粉塵除去装置の排気効率を安定させることができる。また、洗浄用水が排気空気中の微細な粉塵を除去するという付加的な効果も得ることができるので、排気空気中の粉塵除去率も挙げることができる。
【0008】尚、上記第1実施例に係る排気粉塵除去装置では、上側の粉塵捕捉網8は予備的な捕捉網なので、これには放水管は設けていないが、これは上記第1実施例に限定されることなく必要に応じて上側の粉塵捕捉網8に対しても放水管を設けてもよい。また、粉塵捕捉網の形状、配置の仕方、及び放水管の配置は本実施例に限定されることなく、洗浄効率等を考慮して任意に決めることができ、例えば、図3に示すように構成してもよい。図3(a)〜(c)は上記した第1の実施例における粉塵捕捉網の形状及び配置と放水管の配置との別の実施例を示している。図3(a)〜(c)に示すように粉塵捕捉網を傾斜させて配置したり、また粉塵捕捉網自身が傾斜面を持つように屈曲した形状で形成されている場合は、放水管は粉塵捕捉網の上側部分に配置するのが好ましい。これにより放水管から放水された水が粉塵捕捉網に沿って流れるようになるので洗浄用水が粉塵捕捉網全体に効率良く行き渡り洗浄効率が良くなる。また、このように粉塵捕捉網全体に洗浄用水が行き渡るように構成することで前記した洗浄用水による微細粉塵の捕捉効率も高くなるという効果を奏する。また、粉塵捕捉網を傾斜させること、又は粉塵捕捉網7自身に傾斜面を形成することにより放水管を複数設ける必要がなくなるという効果も合わせて奏する。さらに、放水管の配置及び放水方法は上記した第1の実施例に限定されることなく、粉塵捕捉網を洗浄できるように構成されていれば任意の構成でよく、例えば、粉塵捕捉網の下方から噴水状に洗浄用水を浴びせかけるように構成してもよい。このように下方から噴水状に洗浄用水を浴びせかけると洗浄用水が拡がるので、広い範囲で排気空気と洗浄用水が接触するようになり微細粉塵の除去率が高まるという効果を奏する。また、第1の実施例では、網状捕捉手段の目詰まりを除去する手段として放水管を例に挙げているが、目詰まり除去手段は本実施例に限定されることなく、網状捕捉手段に付着した粉塵等を除去できる手段であれば任意の手段でよく、例えば、網状捕捉手段を振動させて付着した粉塵を除去するように構成してもよい。さらに、第1の実施例では、緩衝室5の屋根5dに上方に伸びる排気ダクト6を設け、この排気ダクト6内に粉塵捕捉網7,8及び放水管10を設けているが、緩衝室5における排気開口の形状は本実施例に限定されることなく、例えば、排気ダクトを有しない単なる開口でもよく、この場合には開口を覆うように粉塵捕捉網が設けられ、この粉塵捕捉網に対する目詰まり除去ができるように、例えば、放水管が設けられ得る。以上説明したよう本発明による排気粉塵除去装置の第1の実施例によれば、粉塵捕捉網の上方に放水管を設け、粉塵捕捉網の上面に水を放水することにより、粉塵捕捉網の上面に水膜を形成して粉塵除去効率を著しく向上させることができ、また、粉塵捕捉網を常時、又は定期的に洗浄することができるので粉塵捕捉網の開口率を天候等に左右されることなく常に一定に維持することができ、排気効率を安定させることができるという効果を奏する。
【0009】次に、図4及び図5を参照して、本発明の排気粉塵除去装置の第2及び第3の実施例について説明する。尚、以下に説明する第2及び第3実施例中、第1実施例と共通する部材については、図面に第1実施例と同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。図4(a)は、本発明に係る排気粉塵除去装置の第2の実施例を示す縦断換気式鶏舎の一部分の斜視図を、図4(b)は、図4(a)に示した縦断換気式鶏舎の側面図を示している。図4中、符号Aは、排気粉塵除去装置を示している。この排気粉塵除去装置Aは、第1実施例の排気粉塵除去装置と同様に、縦断換気式鶏舎1における排気ファン3が設けられた妻壁2に隣接して設けられる。この排気粉塵除去装置Aは、前側妻壁2に対して排気ファン3の排気能力に見合った間隔を開けて対向する前壁5aと、鶏舎1の左右側壁4に沿って前壁5aまで伸びる左右の側壁5b,5cと、上方を閉鎖する屋根5dとから成る緩衝室5を備え、前記屋根5dには上方に向かって延長する煙突状の排気ダクト6が形成されている。また、この排気粉塵除去装置Aは、前記妻壁2に設けられた複数の放水手段20を備え、該放水手段20は、排気ファン3の排気方向に沿って、緩衝室5の前壁5aに向けて、霧状の水を放水するように構成されている。これにより、排気ファン3からの排気空気に沿って霧状の水が流れ、霧状の水が排気空気中に含まれる微細な粉塵を捕捉する。粉塵を捕捉した水は、前壁5aに当たって、又は前壁5aに当たる前に下方に落下する。上記のような構成により、排気ファン3から排気された排気空気中に含まれるほとんどの粉塵を、排気ダクト6に達する前に緩衝室5の底面に落下させて除去することができるようになるという効果を奏する。
【0010】図5は、本発明に係る排気粉塵除去装置の第3の実施例を示す縦断換気式鶏舎の一部分の概略側面図を示している。図5中、符号Bは、排気粉塵除去装置を示している。この排気粉塵除去装置Bは、前側妻壁2に対して排気ファン3の排気能力に見合った間隔を開けて対向する前壁5aと、鶏舎1の左右側壁4に沿って前壁5aまで伸びる左右の側壁5cと、上方を閉鎖する屋根5dとから成る緩衝室5を備え、前記屋根5dには上方に向かって延長する煙突状の排気ダクト6が形成されている。前記前壁5aは、図面に示すように、下方内側に向けて傾斜されており、その上部には、前壁5aの表面に沿って水が流れるように水を放水する放水手段30が設けられている。このように構成された排気粉塵除去装置Bの作用について簡単に説明すると、鶏舎1内を通り前側妻壁2の排気ファン3からほぼ水平に排気される排気空気は、緩衝室5の周囲壁5a,5cに当たって緩衝室5の屋根5dに向けて上向きに方向を変える。この時、排気空気中に含まれる粉塵のかなりの部分は緩衝室5の底面に落下し排気空気から除去される。特に、排気空気が前壁5aに当たる時には、前壁5aの表面に沿って水が流れているため、排気空気中に含まれる微細な粉塵は、この水に捕捉される。上記のような構成により、排気ファン3から排気された排気空気中に含まれるほとんどの粉塵を、排気ダクト6に達する前に緩衝室5の底面に落下させて除去することができるようになるという効果を奏する。
【0011】尚、上記した第2及び第3の実施例では、放水手段20が排気ファン3の排気方向に沿って、緩衝室5の前壁5aに向けて、霧状の水を放水するように構成され、また、放水手段30が傾斜された前壁5aに沿って水が流れるように水を放水するように構成されているが、放水手段の構成は、上記した第2及び第3の実施例に限定されることなく、排気空気が緩衝室5の中を流れている間に、排気空気中の粉塵を水で捕捉できるように放水されていれば任意の構成でよく、例えば、緩衝室5の底面から水を吹き上げるように構成してもよく、緩衝室5の壁面の何れかから緩衝室5の内側に向けて水を放水するように構成してもよく、さらに、緩衝室5の側壁を下方内側に傾斜させて、その傾斜させた壁面に沿って水を放水するように構成していてもよい。また、上記した第2及び第3の実施例の説明では、第1実施例に示した粉塵捕捉網について触れていないが、第1〜第3の実施例を組み合わせて排気粉塵除去手段を構成してよいことは勿論であり、第1実施例に示した粉塵捕捉網と、排気空気中の粉塵を除去するための放水手段とを組み合わせて使用する場合には、排気空気中の粉塵を除去するための放水手段が粉塵捕捉網の洗浄も兼ねるように水を放水するように構成してもよい。
【0012】尚、本発明に係る排気粉塵除去装置が適用される鶏舎の形状は本実施例に限定されることなく、縦断換気式の鶏舎であれば任意の鶏舎に適用することができる。さらに、本実施例では、前壁5a、側壁5b,5c及び屋根5dにより水平断面が長方形になるように緩衝室5を形成しているが、防塵室5の形状は本実施例に限定されることなく、縦断換気式鶏舎からほぼ水平に排気される排気空気の流れの向きを変え、最終的に上方から放出することができる形状であれば任意の形状でよく、例えば、断面が半球径や三角形になるような形状でもよい。さらにまた、本実施例では、緩衝室5に屋根5dを設け、この屋根5dに排気ダクト6を設けているので、排気ダクト6が緩衝室5に対して絞られた構造になっているが、この排気ダクト6の構造は本実施例に限定されることなく、例えば、図6に示すように、緩衝室5に屋根5dを設けずに、前壁5a及び側壁5b,5cを垂直に上方に延長させて排気ダクト6を形成するように構成してもよい。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に係る縦断換気式傾斜の排気粉塵除去装置は、鶏舎内に外気と取り入れる手段と、鶏舎内へ取り入れた空気を鶏舎の長手方向端面の少なくとも一方の端面から鶏舎外へ排気する排気手段とを備えた縦断換気式鶏舎の排気粉塵除去装置において、鶏舎における排気手段が設けられた端面に隣接して鶏舎の長手方向に沿って伸びる緩衝室を設け、前記緩衝室の屋根部分に上方に向けて開口する排気開口を設け、前記排気開口に、排気開口を覆い排気中の粉塵を捕捉する少なくとも一つの網状捕捉手段を設けると共に、前記網状捕捉手段の目詰まりを除去する手段を設けているので、天候等に左右されることなく網状捕捉手段の目詰まりを除去して網状捕捉手段の開口率を一定に保つことができ、排気効率を安定させることができるという効果を奏し、また、このため、例えば、排気開口に排気ダクトを設ける場合等でも排気ダクトの形状が制限されないという効果を奏する。さらに、前記網状捕捉手段の目詰まりを除去する手段を網状捕捉手段に水を放水する放水手段で構成する場合には、放水した水により排気空気中の微細粉塵も除去することができるという付加的な効果を奏する。また、前記放水手段が防臭材を含む水を放水するように構成することにより、排気空気及び緩衝室中の粉塵に対する防臭効果を高めることができるという効果を奏する。さらにまた、前記網状捕捉部材に傾斜した部分を含めることにより、放水手段で放水した水が網状捕捉部材の全面に行き渡り易くなり洗浄効率を高めることができる。また、本発明の請求項5に係る排気粉塵除去装置は、鶏舎内に外気を取り入れる手段と、鶏舎内へ取り入れた空気を鶏舎の長手方向端面の少なくとも一方の端面から鶏舎外へ排気する排気手段とを備えた縦断換気式鶏舎の排気粉塵除去装置において、鶏舎における排気手段が設けられた端面に隣接して鶏舎の長手方向に沿って伸びる緩衝室を設け、前記緩衝室の屋根部分に上方に向けて開口する排気開口を設けると共に、前記緩衝室内に、粉塵捕獲用の水を放水する放水手段を設け、放水された水により排気空気中に含まれる粉塵を捕捉するように構成されているので、排気空気中に含まれる粉塵を微細なものまで捕捉することができ、粉塵除去効率を高めることができるという効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】390030661
【氏名又は名称】東洋システム株式会社
【出願日】 平成10年(1998)9月10日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】八木田 茂 (外1名)
【公開番号】 特開平11−146739
【公開日】 平成11年(1999)6月2日
【出願番号】 特願平10−256990