| 【発明の名称】 |
魚釣り用スピニングリール |
| 【発明者】 |
【氏名】岡田 厚人
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| 【要約】 |
【課題】スプールに釣糸が過剰な量で捲回されることを回避し、これに起因するパーマ現象を未然に防止し、更に、スカート部の小径化を図ってリール全体を小型・軽量化し、回転枠の動的吊り合いを容易にとることができ、しかも、回転枠、特に、その腕部の厚肉化を図り、その強度を向上することが可能な魚釣り用スピニングリールを提供する。
【解決手段】スピニングリールは、リール本体1の前部にハンドル2の回転により前後方向に往復動可能に設けられたスプール軸6と、その前端に設けられ、前後端に形成されたガイド部15とスカート部14との間に後端から前端に向けて漸次大径なテーパ状の釣糸捲回部13を形成したスプール4と、その釣糸捲回部13に釣糸を捲回しうるようにリール本体1の前部にハンドル2の回転により回動可能に設けられた回転枠3とを備えている。スカート部14の外周径と釣糸捲回部13の後端の外周径との差が、ガイド部15の外周径と釣糸捲回部13の前端の外周径との差よりも小さく又は同一になるように構成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 リール本体の前部にハンドルの回転により前後方向に往復動可能に設けられたスプール軸と、該スプール軸の前端に設けられると共に前後端に形成されたガイド部とスカート部との間に後端から前端に向けて漸次大径なテーパ状の釣糸捲回部を形成したスプールと、該スプールの釣糸捲回部に釣糸を捲回しうるように前記リール本体の前部にハンドルの回転により回動可能に設けられた回転枠とを備えた魚釣り用スピニングリールにおいて、前記釣糸捲回部の後端に形成したスカート部の外周径と該釣糸捲回部の後端の外周径との差が、釣糸捲回部の前端に形成したガイド部の外周径と釣糸捲回部の前端の外周径との差よりも小さく又は同一になるように形成したことを特徴とする魚釣り用スピニングリール。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、魚釣り用スピニングリール、特に、ガイド部とスカート部との間に後端から前端に向けて漸次大径なテーパ状の釣糸捲回部が形成されたスプールを備えた魚釣り用スピニングリールに関する。 【0002】 【従来の技術】従来の魚釣り用スピニングリールにおいては、リール本体の前部にスプールが前後動可能に設けられており、リール本体前部に回動可能に設けられた回転枠の先端に、ベールアームローラが釣糸捲取位置と釣糸解放位置とに回動切換可能に設けられている。このようなスピニングリールによれば、ベールアームローラを釣糸捲取位置に保持した状態で、回転枠を回転させながらスプールを前後方向に往復摺動させることによって、スプールの釣糸捲回部に釣糸を捲回することができ、一方、上記ベールアームローラを釣糸解放位置に保持することによって、スプールの釣糸捲回部に捲回された釣糸をスプールの前方に解放することができる。 【0003】このような魚釣り用スピニングリールに関して、実開平3−27967号公報には、軽い仕掛けを使用して殆どテンションのかからない状態で釣糸を捲回するルアー用等のリールに於いて、釣糸解放時にスプールに捲回されている釣糸が絡まった状態で前方に解放されるパーマ現象を防止すべく、釣糸捲回部の外周面を後部から前部に向けて漸次大径に形成して、解放される釣糸を当該解放される釣糸の前側に捲回されている釣糸に接触させながら解放することが提案されている(以下、「先行技術1」という)。 【0004】先行技術1のスプールではテンションの殆どかからない状態で捲回された釣糸の解放時に、解放される釣糸がその前側に捲回されている釣糸と共に絡まった状態で解放される傾向があることに鑑み、実用新案登録第3007531号公報においては、スプールの前端にガイド部を設けて、解放される釣糸をこのガイド部に接触させながら解放することによって、解放される釣糸とその前側に捲回されている釣糸の外周面との接触を回避し、先行技術1におけるような釣糸の絡まった状態での解放を防止するためのスピニングリールが提案されている(以下、「先行技術2」という)。 【0005】先行技術2のスピニングリールにおけるスプール16を図3を参照しながら以下に詳細に説明する。先行技術2のスピニングリールに採用されたスプール16は、釣糸捲回部17と、その後端に形成されたスカート部18と、その前端に形成されたガイド部19とから構成されている。 【0006】釣糸捲回部17は、その後端から前端に向けて漸次大径になるように傾斜度の小さいテーパ状に形成されており、換言すれば、釣糸捲回部17は、後端から前端に向けて先太の逆テーパ面を有する大径浅溝に形成されている。図3から明らかなように、釣糸捲回部17の後端は外周径(即ち、直径)Sdを有しており、一方、その前端は外周径(即ち、直径)Gdを有している。上述したように、釣糸捲回部17は、その後端から前端に向けて漸次大径になるようにテーパ状に形成されているので、その後端の外周径Sdはその前端の外周径Gdよりも小さい。尚、図3においては、簡略化するために、スプール16の中心軸線X2を中心とする上半部のみが示されており、従って、図3には釣糸捲回部17の後端における半径Sd/2及びその前端における半径Gd/2がそれぞれ示されている。又、図3におけるスカート部18及びガイド部19の寸法表示も、釣糸捲回部17におけると同様に、半分の値として示されている。 【0007】スカート部18は、釣糸捲回部17の後端に形成されており、軸線方向に均一な外周径(即ち、直径)Scを有している。スカート部18の外周径Scは釣糸捲回部17の後端の外周径Sdよりも大きい。 【0008】ガイド部19は釣糸捲回部17の前端に形成されている。ガイド部19は、その後端から前端に向けて漸次大径になるように傾斜度の大きいテーパ状に形成されており、最大部分において、外周径(即ち、直径)Gcを有している。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した先行技術2のスプール16においては、スカート部18の外周径Scと釣糸捲回部17の後端の外周径Sdとの差Dcの値は、ガイド部19の外周径Gcと釣糸捲回部17の前端の外周径Gdとの差Ddの値よりも大きい。 【0010】一方、スピニングリールのスプールに新しい釣糸を捲回する際には、通常、スカート部の前方壁における釣糸の捲回位置を基準に釣糸の捲回量を決定する傾向がある。従って、先行技術2のスプール16におけるスカート部18の前方壁における釣糸の捲回位置を確認しながら、スプール16に新しい釣糸を捲回すると、本来であれば、図3の二点鎖線L2で示された位置で、釣糸の捲回を終了すべきところを、スカート部18の外周径よりも僅かに内側の部分に到達するまで釣糸を捲回し、その結果、図3の二点鎖線L3で示された位置まで釣糸を過剰な量で捲回する虞がある。 【0011】このようにスプール16への釣糸の捲回量が過剰であると、釣糸の解放時に、釣糸がガイド部19に接触することなく解放されて、解放部分よりも前側に捲回されている釣糸と共に絡まった状態で解放され、パーマ現象を生ずる虞がある。 【0012】このような問題の解決策として、スカート部18の前方壁における点Pの位置に釣糸の最適な捲回量を示す目盛を設けることが考えられるが、通常のスプールへの釣糸捲回作業とは異なる、釣糸捲回部17における釣糸の捲回位置と目盛との確認作業を釣糸捲回作業者に強いる結果、同作業者に対する不要な注意喚起を余儀なくし、しかも、このような注意喚起を怠った場合には、上述したようなパーマ現象に関する問題が生ずる。 【0013】又、スカート部18の前方壁における中心軸線X2から二点鎖線L3までの距離と同中心軸線X2から二点鎖線L2までの距離との差DLの分だけスカート部18の半径を不必要に大きくしなければならず、その結果、このスカート部18の回りを回転する回転枠の大径化を余儀なくされ、従って、回転枠の回転モーメントが大きくなり、その動的吊り合いをとるための部品の製造及び組立における管理を極めて厳格に行なう必要があり、リール全体の小型・軽量化を図ることが出来ないという問題がある。 【0014】又、リールの小型・軽量化を図ると共に、回転枠の動的吊り合いをとるためには、回転枠をその回転軸心に可及的に近接させる必要があり、その結果、スカート部18の上述したDLの値の分だけ回転枠、特に、その腕部の薄肉化を図らなければならず、従って、回転枠の強度が低下するという問題が生ずる。 【0015】本発明の目的は、スプールに新しい釣糸を捲回する際に、釣糸が過剰な量で捲回されることを回避し、これに起因するパーマ現象を未然に防止し、更に、スプールのスカート部の小径化を図ってリール全体を小型・軽量化し、回転枠の動的吊り合いを容易にとることができ、しかも、回転枠、特に、その腕部の厚肉化を図り、その強度を向上することが可能な魚釣り用スピニングリールを提供することにある。 【0016】 【課題を解決するための手段】本発明は、リール本体(1)の前部にハンドル(2)の回転により前後方向に往復動可能に設けられたスプール軸(6)と、該スプール軸(6)の前端に設けられると共に前後端に形成されたガイド部(15)とスカート部(14)との間に後端から前端に向けて漸次大径なテーパ状の釣糸捲回部(13)を形成したスプール(4)と、該スプール(4)の釣糸捲回部(13)に釣糸を捲回しうるように前記リール本体(1)の前部にハンドル(2)の回転により回動可能に設けられた回転枠(3)とを備えた魚釣り用スピニングリールにおいて、前記釣糸捲回部(13)の後端に形成したスカート部(14)の外周径と該釣糸捲回部(13)の後端の外周径との差が、釣糸捲回部(13)の前端に形成したガイド部(15)の外周径と釣糸捲回部(13)の前端の外周径との差よりも小さく又は同一になるように形成したことを特徴としている。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態による魚釣り用スピニングリールを図1及び図2を参照して以下に説明する。 【0018】本発明の魚釣り用スピニングリールは、図1に示されるように、リール本体1と、ハンドル2と、スプール軸6と、回転枠3と、スプール4とから構成されている。 【0019】リール本体1はマスター歯車7等の動力伝達機構を内蔵しており、その上部に設けられた脚部5を介して釣竿(図示せず)に支持される。ハンドル2は、上記マスター歯車7を回転させるように、リール本体1の側面に回転可能に支持されている。 【0020】スプール軸6は、ハンドル2の回転に連動して前後方向に往復動するように、リール本体1の前部に設けられている。スプール軸6の前後方向の往復動はハンドル2の回転運動が後述するオシレーター11等を介し直線運動に変換されることにより生ずる。 【0021】回転枠3は、ハンドル2の回転に連動して周方向に回転するように、リール本体1の前部に設けられている。ハンドル2の軸にはハンドル2の回転と共に回転するマスター歯車7が取り付けられており、該マスター歯車7と噛み合う筒状のピニオン8がリール本体1の前部に回転可能に軸支され、該ピニオン8が回転枠3に連結されている。これにより、ハンドル2の回転はマスター歯車7及びピニオン8を介し回転枠3に伝達される。また、このピニオン8の中心孔を上記スプール軸6が前後方向に貫通し、該ピニオン8と噛み合う他のピニオン9を有する回転軸10がスプール軸6と平行に伸びている。回転軸10の後部にはトラバースカムのカム溝(図示せず)が設けられ、該カム溝にスプール軸6の後端に固定されたオシレーター11のピン(図示せず)が嵌まり込んでいる。これにより、上述のごとくハンドル2が回転し回転枠3が回転すると、同時にスプール軸6が前後動を生ずる。 【0022】回転枠3の先端側には、ベールアームローラ12が設けられる。ベールアームローラ12は釣糸捲取位置と釣糸解放位置の二位置間で切換え可能である。ベールアームローラ12を釣糸捲取位置に切換えて回転枠3を回転させると、前後方向に往復動するスプール軸6に取り付けられる後述するスプール4の釣糸捲回部13にベールアームローラー12が釣糸を巻き付ける。ベールアームローラ12を釣糸解放位置に切換えた場合は、スプール4の釣糸捲回部13に捲回された釣糸はスプール4の前方に放出可能になる。 【0023】上述したスプール軸6の前端に取り付けられるスプール4は、図2に示されるように、釣糸捲回部13と、その後端に形成されたスカート部14と、その前端に形成されたガイド部15とから構成されている。 【0024】釣糸捲回部13は、その後端から前端に向けて漸次大径になるように傾斜度の小さいテーパ状に形成されており、換言すれば、釣糸捲回部13は、後端から前端に向けて先太の逆テーパ面を有する大径浅溝に形成されている。図2から明らかなように、釣糸捲回部13の後端は外周径(即ち、直径)Sbを有しており、一方、その前端は外周径(即ち、直径)Gbを有している。上述したように、釣糸捲回部13は、その後端から前端に向けて漸次大径になるようにテーパ状に形成されているので、その後端の外周径Sbはその前端の外周径Gbよりも小さい。尚、図2においては、簡略化するために、スプール4の中心軸線X1を中心とする上半部のみが示されており、従って、図2には釣糸捲回部13の後端における半径Sb/2及びその前端における半径Gb/2がそれぞれ示されている。又、図2におけるスカート部14及びガイド部15の寸法表示も、釣糸捲回部13におけると同様に、半分の値として示されている。 【0025】スカート部14は、釣糸捲回部13の後端に形成されており、軸線方向に均一な外周径(即ち、直径)Saを有している。スカート部14の外周径Saは釣糸捲回部13の後端の外周径Sbよりも大きい。 【0026】ガイド部15は釣糸捲回部13の前端に形成されている。ガイド部15は、その後端から前端に向けて漸次大径になるように傾斜度の大きいテーパ状に形成されており、最大部分において、外周径(即ち、直径)Gaを有している。 【0027】上述したスプール4においては、スカート部14の外周径Saと釣糸捲回部13の後端の外周径Sbとの差Daの値が、ガイド部15の外周径Gaと釣糸捲回部13の前端の外周径Gbとの差Dbの値よりも小さくなるように構成されている。上述したように、釣糸捲回部13は、その後端から前端に向けて漸次大径になるようにテーパ状に形成されているので、上述した差Daと差Dbとの要件を満たすためには、スカート部14の外周径Saの値がガイド部15の外周径Gaの値よりも小さい必要がある。 【0028】上述した本発明の実施形態による魚釣り用スピニングリールにおいては、スプール4のスカート部14の外周径Saと釣糸捲回部13の後端の外周径Sbとの差Daの値が、ガイド部15の外周径Gaと釣糸捲回部13の前端の外周径Gbとの差Dbの値よりも小さくなるように構成されているものとして説明したが、スプール4のスカート部14の外周径Saと釣糸捲回部13の後端の外周径Sbとの差Daの値が、ガイド部15の外周径Gaと釣糸捲回部13の前端の外周径Gbとの差Dbの値と同一になるように構成してもよい。 【0029】 【発明の効果】本発明によれば、リール本体の前部にハンドルの回転により前後方向に往復動可能に設けられたスプール軸と、該スプール軸の前端に設けられると共に前後端に形成されたガイド部とスカート部との間に後端から前端に向けて漸次大径なテーパ状の釣糸捲回部を形成したスプールと、該スプールの釣糸捲回部に釣糸を捲回しうるように前記リール本体の前部にハンドルの回転により回動可能に設けられた回転枠とを備えた魚釣り用スピニングリールにおいて、前記釣糸捲回部の後端に形成したスカート部の外周径と該釣糸捲回部の後端の外周径との差が、釣糸捲回部の前端に形成したガイド部の外周径と釣糸捲回部の前端の外周径との差よりも小さく又は同一になるように形成したので、通常のスプールにおけると同様に、スプールにおけるスカート部の前方壁における釣糸の捲回位置を確認しながら、スプール16に新しい釣糸を捲回することによって、釣糸を最適な捲回量でスプールに捲回することができる。従って、スプールへの釣糸の捲回量が過剰であることに起因する、釣糸の解放時に生ずるパーマ現象を未然に防止することができる。 【0030】更に、スプールのスカート部の小径化を図ることができるため、回転枠の小径化を図ることができ、従って、回転枠の回転モーメントを小さくして、その動的吊り合いをとるための部品の製造及び組立における管理を厳格に行なう必要がなく、製造コストを低廉にすることができ、又、リール全体の小型・軽量化を図ることができる。 【0031】しかも、このように回転枠の回転モーメントを小さくすることができることに起因して、回転枠、特に、その腕部を厚肉化してその強度を向上させても、回転枠の小径化の為、回転枠の回転モーメントを大きく増加させることなく、適切な範囲内に維持することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006943 【氏名又は名称】リョービ株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月5日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】石川 泰男
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| 【公開番号】 |
特開平11−137135 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)5月25日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−302683 |
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