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【発明の名称】 釣用発信器及びそれを使用した報知装置
【発明者】 【氏名】和田 三生

【要約】 【課題】魚の掛かりの強さに対する作動感度の調整が可能で、魚の大きさや性質に適合した作動感度に設定することにより、誤作動や無駄な作動を防止できる釣用発信器を提供する。

【解決手段】釣用発信器S1のケース1には磁力スイッチが内蔵してある。磁力スイッチはマグネットとスイッチ管によりなる。マグネットとスイッチ管間には装着隙間10に挿着された磁力遮断板33が設けてある。磁力遮断板33は押え部材を止めネジ14で押し付けて固定できる。ケース1にはバネ収容部15が設けてある。バネ収容部15にはバネ取着具が移動調整可能に設けてある。バネ取着具にはトリガー3の引っ張りバネ31後部が固定してある。トリガー3は釣糸掛止具30、引っ張りバネ31、連結チェーン32、磁力遮断板33を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 魚の掛かりを感知して信号を発信する釣用発信器であって、発信手段と、上記発信手段の作動・不作動を制御するスイッチ装置と、魚が掛かったときの釣糸の引張力により上記スイッチ装置を作動させるトリガー手段と、を備えており、上記トリガー手段は、釣糸を掛止し、釣糸に所定の引張力以上の力が加わると釣糸の掛止を解除する釣糸掛止具と、上記釣糸掛止具を釣糸による引張方向とは逆方向へ引っ張る弾性伸縮部材と、釣糸の引張力によって初期位置から作動位置まで移動して上記スイッチ装置を作動させるスイッチ具と、上記釣糸掛止具と上記スイッチ具を連結しており、上記釣糸掛止具の動きに対して上記スイッチ具が直ちに反応することを防止する遊び要素を有し、釣糸に所定の引張力以上の力が加わったときに上記スイッチ具を作動位置まで移動させる連結部材と、を備えており、上記スイッチ具は上記スイッチ装置を作動させた後に停止して上記連結部材によって上記弾性伸縮部材が許容伸長長さを超えて伸びることがないようにしたことを特徴とする、釣用発信器。
【請求項2】 上記弾性伸縮部材は、固定位置が釣糸掛止具の移動方向に沿って調整できるようになっており、取着位置を調整することによって上記スイッチ具を作動位置まで移動させるのに要する釣糸掛止具の移動量の設定ができるようにしてあることを特徴とする、請求項1記載の釣用発信器。
【請求項3】 上記スイッチ具を初期位置において固定する固定手段を備えており、上記固定手段は固定力が調整できるようにしてあることを特徴とする、請求項1または2記載の釣用発信器。
【請求項4】 上記発信手段及びスイッチ装置を収容するケースを備えており、上記トリガーの上記弾性伸縮部材は、上記ケース内部に一部または全部が収容してあることを特徴とする、請求項1、2または3記載の釣用発信器。
【請求項5】 上記スイッチ装置が磁力スイッチであり、上記スイッチ具には移動方向へ下り傾斜した掛止斜面が設けてあり、上記スイッチ具は、移動方向へ移動したときに上記掛止斜面を上記固定手段に設けてある押圧部材に掛止させて停止するようにしてあることを特徴とする、請求項3または4記載の釣用発信器。
【請求項6】 魚の掛かりを感知して報知する報知装置であって、請求項1、2、3、4または5記載の釣用発信器と、上記釣用発信器からの信号を受信して報知する受信器と、を備えていることを特徴とする、報知装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は釣用発信器及びそれを使用した報知装置に関するものである。更に詳しくは、例えば魚の掛かりの強さに対する作動感度の調整が可能で、魚の大きさや性質に適合した作動感度に設定することにより、誤作動や無駄な作動を防止できる釣用発信器及びそれを使用した報知装置に関する。
【0002】
【従来技術】例えば、魚釣りにおいて、釣人が複数の釣竿を川岸や防波堤等に仕掛ける際には、魚の掛かりを感知して発信する発信器を釣竿に取り付け、離れた場所でその信号を受けて釣竿の監視ができるようにしたものが従来から使用されている。従来の釣用の発信器は、例えば特開平1−60322号公報や特開平2−299531号公報あるいは特開平3−172133号公報に開示してあるように、魚の掛かりによる釣糸やリールの動きによって発信スイッチが入るようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の釣用の発信器には、次のような課題があった。すなわち、魚の掛かりの強さに対する作動感度の調整ができるようにはなっていない。このため、魚が警戒して餌をついばんだり引っ張ったりして食い付きが十分でない場合や、流草や木枝あるいはビニル袋等が引っ掛ったり、強い風が吹いただけでも作動して発信してしまうことがあり、釣竿の掛かりの確認が無駄になることも多かった。また、釣糸のテンションの変化を直接感知できるように、感知手段には釣糸が引っ掛けてあるが、感知手段は釣糸のテンションにある程度追従したり、あるいは釣糸にテンションをかけることができる機能は備えていない。このため、水流や風による釣糸の様々な動きによって、釣糸が緩んで感知手段から外れてしまうことがあった。
【0004】本発明は上記課題を解消するもので、魚の掛かりの強さに対する作動感度の調整が可能で、魚の大きさや性質に適合した作動感度に設定することにより、誤作動や無駄な作動を防止できる釣用発信器及びそれを使用した報知装置を提供することを目的とする。また、水流や風等の自然条件による釣糸の様々な動きによって、釣糸が緩んでしまい感知手段から外れることを防止できる釣用釣用発信器及びそれを使用した報知装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために講じた本発明の手段は次のとおりである。第1の発明にあっては、魚の掛かりを感知して信号を発信する釣用発信器であって、発信手段と、上記発信手段の作動・不作動を制御するスイッチ装置と、魚が掛かったときの釣糸の引張力により上記スイッチ装置を作動させるトリガー手段と、を備えており、上記トリガー手段は、釣糸を掛止し、釣糸に所定の引張力以上の力が加わると釣糸の掛止を解除する釣糸掛止具と、上記釣糸掛止具を釣糸による引張方向とは逆方向へ引っ張る弾性伸縮部材と、釣糸の引張力によって初期位置から作動位置まで移動して上記スイッチ装置を作動させるスイッチ具と、上記釣糸掛止具と上記スイッチ具を連結しており、上記釣糸掛止具の動きに対して上記スイッチ具が直ちに反応することを防止する遊び要素を有し、釣糸に所定の引張力以上の力が加わったときに上記スイッチ具を作動位置まで移動させる連結部材と、を備えており、上記スイッチ具は上記スイッチ装置を作動させた後に停止して上記連結部材によって上記弾性伸縮部材が許容伸長長さを超えて伸びることがないようにしたことを特徴とする、釣用発信器である。
【0006】第2の発明にあっては、上記弾性伸縮部材は、固定位置が釣糸掛止具の移動方向に沿って調整できるようになっており、取着位置を調整することによって上記スイッチ具を作動位置まで移動させるのに要する釣糸掛止具の移動量の設定ができるようにしてあることを特徴とする、第1の発明に係る釣用発信器である。
【0007】第3の発明にあっては、上記スイッチ具を初期位置において固定する固定手段を備えており、上記固定手段は固定力が調整できるようにしてあることを特徴とする、第1または2の発明に係る釣用発信器である。
【0008】第4の発明にあっては、上記発信手段及びスイッチ装置を収容するケースを備えており、上記トリガーの上記弾性伸縮部材は、上記ケース内部に一部または全部が収容してあることを特徴とする、第1、第2または第3の発明に係る釣用発信器である。
【0009】第5の発明にあっては、上記スイッチ装置が磁力スイッチであり、上記スイッチ具には移動方向へ下り傾斜した掛止斜面が設けてあり、上記スイッチ具は、移動方向へ移動したときに上記掛止斜面を上記固定手段に設けてある押圧部材に掛止させて停止するようにしてあることを特徴とする、第3または第4の発明に係る釣用発信器である。
【0010】第6の発明にあっては、魚の掛かりを感知して報知する報知装置であって、第1、第2、第3、第4または第5の発明に係る釣用発信器と、上記釣用発信器からの信号を受信して報知する受信器と、を備えていることを特徴とする、報知装置である。
【0011】(作用)本発明の釣用発信器は、釣竿に取り付けられ、釣糸掛止具に釣糸を掛けて河岸等に仕掛られる。魚が掛かると釣糸に引張力がかかり、釣糸掛止具は釣糸により引っ張られる。スイッチ具は、連結部材の作用により釣糸掛止具の動きに直ちに反応することはなく、釣糸に所定の引張力以上の力が加わって連結部材が伸び切る位置まで釣糸掛止具が移動することにより操作される。そして、更にスイッチ具が所定の位置まで移動することによってスイッチ装置が作動して発信手段により信号が発信される。
【0012】スイッチ具は、移動方向へ移動してスイッチ装置を作動させた後で停止するようになっている。これにより、連結部材によってつながれた釣糸掛止具も停止するので、連結部材の長さを適正に設定することにより、弾性伸縮部材が許容伸長長さを超えて伸びることはなく、伸び切って使用不能となることを防止できる。
【0013】更に、釣用発信器を仕掛けた状態で水流や風等の自然条件による釣糸の様々な動きによって釣糸が緩む方向に動いても、弾性伸縮部材の作用により釣糸掛止具が釣糸の動きに追従し、釣糸に常時張力をかけるので、釣糸が釣糸掛止具から外れることを防止できる。
【0014】弾性伸縮部材が固定位置が釣糸掛止具の移動方向に沿って調整できるようになっているものは、取着位置を調整することによってスイッチ具を作動位置まで移動させるのに要する釣糸掛止具の移動量の設定ができる。これにより、釣用発信器は、釣糸の引張力に対する感度の調整も可能になり、引張力の強さに応じて発信手段を選択的に作動させることができる。
【0015】スイッチ具を初期位置において固定する固定手段を備えており、固定手段は固定力が調整できるようにしてあるものは、弾性伸縮部材の固定位置の調整と協働して、釣糸の引張力に対する感度をより確実に調整することが可能になる。
【0016】発信手段及びスイッチ装置を収容するケースを備えており、トリガーの弾性伸縮部材は、ケース内部に一部または全部が収容してあるものは、ケース外部に張り出さない部分がある分だけ弾性伸縮部材が邪魔にならない。また、弾性伸縮部材として一般的に採用されるコイルバネの場合、コイルバネの伸縮中に釣糸が挟まって絡まり作動不能となるというようなトラブルの発生も未然に防止できる。
【0017】スイッチ装置が磁力スイッチであり、スイッチ具には移動方向へ下り傾斜した掛止斜面が設けてあり、スイッチ具は、移動方向へ移動したときに掛止斜面を固定手段に設けてある押圧部材に掛止させて停止するようにしてあるものは、スイッチ具は押圧部材に掛止斜面を食込ませて停止することになり、この食込み力によってスイッチ具は元の位置に容易には戻らない。従って、スイッチ装置が作動して発信手段が発信した後で、スイッチ具が戻りスイッチ装置が切れて発信が止まることを防止できる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づき更に詳細に説明する。図1は本発明に係る釣用発信器の第1の実施の形態を示す斜視図、図2は図1に示す釣用発信器に使用するトリガーの構造を示す斜視図、図3は図1に示す釣用発信器の平面図、図4は図3におけるA−A断面図、図5は図3におけるB−B断面図、図6は図3におけるC−C断面図、図7は図3におけるD−D断面図である。なお、図4ないし図7においては、回路基板等の内部構造を省略している。
【0019】釣用発信器S1は合成樹脂製のケース1を有している。なお、ケース1は本形態では合成樹脂で一体的に成形されているが、アルミニウム等の金属で形成することもできる。ケース1の内部には発信手段を構成する発信装置と電池(いずれも図示省略)が収容してある。発信装置は、音間調整ボリューム、音質調整ボリューム、出力調整ボリューム等(いずれも図示を省略している)を備えている。音間調整ボリュームは発信する信号の発信間隔を調整するものであり、音質調整ボリュームは信号の発信周波数を調整するものであり、出力調整ボリュームは信号の発信出力を調整するものである。これらを調整することによって、釣用発信器S1により発せられる信号に特徴を持たせることができる。これにより、例えば、複数の釣用発信器を使用する場合も、受信器側による受信音により、どの釣竿の釣用発信器S1が発信しているかを知ることができる。なお、発信装置は、上記構造に限定されるものではなく、例えば数種類の登録されたデジタル信号を発信するようにして、受信器側で信号を判別し数字等で区別して表示する構成とすることもできる。
【0020】ケース1上部側にはスイッチ装置である磁力スイッチ2(図4、図7参照)が内蔵してある。磁力スイッチ2は上部に配置してあるマグネット20とスイッチ管21により構成されている。磁力スイッチ2は、後述するトリガー3のスイッチ具である磁力遮断板33を後述する装着隙間10においてマグネット20とスイッチ管21の間の初期位置に位置させているときは磁力が遮断されるのでOFFになり、磁力遮断板33を初期位置から作動位置まで移動させることにより、磁力の遮断が解除されてONになる。
【0021】上記装着隙間10は前部側(図1において右側)が開口してあり、ケース1の上部側の図1における手前側に設けてある。装着隙間10の図1における手前側には、上板部分を貫通してネジ11が螺合してある。このネジ11をねじ込むことにより、先端部で磁力遮断板を固定することができる。装着隙間10の図1における奥側には、上部がやや広く形成された収容部12が設けられている。収容部12には、合成樹脂製の押え部材13が収容されている。押え部材13は断面ほぼ「コ」状に形成してあり、上下方向に弾性を有している。
【0022】収容部12の上板部分には、止めネジ14が上下方向に貫通して螺合されており、止めネジ14をねじ込むことにより押え部材13の上部側を押えることができる。また、装着隙間10の図1における奥側には、収容部12に対応する底面にガイド溝10aが設けてある。このガイド溝10aは、後述する磁力遮断板の裏面に突出するスライド部38を嵌め入れてスライドさせる部分である。
【0023】また、ケース1内部の図1における奥側の上部には、前部側が開口されたバネ収容部15(図1、図5参照)が前後方向へ設けてある。バネ収容部15の上板部分には、上下に貫通した調整長孔16が設けてある。調整長孔16の底部口縁を含む上板の底部には、凹凸状の係合部17がほぼ全長にわたり設けてある。
【0024】調整長孔16には、ネジ18がネジ部180を貫通させてスライド可能に設けてある。バネ収容部15の内部には、バネ取着具19が前後方向に移動可能かつ上下方向にも若干移動可能に設けてある。ネジ部180の先部は、バネ取着具19のネジ孔190に螺合してある。バネ取着具19の前部(図5では左側)には後述する引っ張りバネの後端部を嵌め込む嵌合突起191が設けてある。また、バネ取着具19の後部上面には、上記係合部17と係合する係合凸部192が設けてある。
【0025】この構造によれば、ネジ18を緩めてバネ取着具19を下げて調整長孔16に沿って適当な位置までスライドさせ、ネジ18を締め付ければ、係合部17と係合凸部192が係合して固定される。このようにして、引っ張りバネの後端部の位置を調整することができる。符号4は伸縮可能でほぼ全方向に角度調整できるアンテナ、5は発信時に点灯するパイロットランプである。パイロットランプはLEDが使用してある。パイロットランプ5は、本実施の形態では固定式であるが、遠くからでも容易に確認できるように、より目立つようにすることもできる。すなわち、その構造としては、■パイロットランプ5を光源として光ファイバーを延長し、光ファイバー先端部の光体をクリップ等の固定具によって見やすい箇所(アンテナ4の先端部、竿7の所要箇所等)に取り付ける構造、■パイロットランプ5に、より大きく透明なガラスや合成樹脂製のキャップを嵌め込んで光体を大きくした構造、■パイロットランプ5用の電源からリード線を延長し、その先端部に別のパイロットランプを設け、固定具によって見やすい箇所に取り付ける構造等があげられる。
【0026】トリガー3は、釣糸掛止具30と、弾性伸縮部材である引っ張りバネ31と連結チェーン32及び磁力遮断板33を備えている。なお、弾性伸縮部材としては引っ張りバネ31のようなコイルバネの他、ゴム紐等、他の弾性材料を採用することもできる。また、連結チェーン32はボールチェーンで形成されているが、合成樹脂製の糸状体や金属線等、他の材料で形成してもよい。釣糸掛止具30は、粘りのある弾性を有するピアノ線で形成されており、ピアノ線を二重にして先端部で折り返し、全体形状J形に形成されている。釣糸掛止具30の材料としてはピアノ線等の金属に限定されるものではなく、合成樹脂で形成することもできる。この釣糸掛止具30には釣糸が掛けられる。釣糸掛止具30の基部には締金具34が固着してある。締金具34の後部には係止孔340が設けてある。係止孔340にはリング35が嵌め入れてあり、リング35には引っ張りバネ31と連結チェーン32の先端部が取り付けてある。
【0027】引っ張りバネ31はコイルバネである。引っ張りバネ31は、後部側を上記バネ収容部15に収容し、後端部を上記バネ取着具19の嵌合突起191に嵌め込み、更にフックをネジ18のネジ部180に引っ掛けてある。連結チェーン32の後端部にはリング36が取り付けてあり、リング36は磁力遮断板33の前部に設けてある係止孔330に嵌め入れてある。連結チェーン32の端部に取着及び取り外しが可能な金具(図示省略)を取り付けて磁力遮断板33から取り外しやすくすることもできる。なお、引っ張りバネ31は、釣りの対象魚の種類に合わせて強さを適宜選択することも可能である。また、その際は釣糸掛止具30、引っ張りバネ31及び連結チェーン32をセットで取り替えるようにすることもできる。
【0028】磁力遮断板33は合成樹脂で長方形状に形成されている。磁力遮断板33の上面側には、幅方向の一端寄りに長方形状の凹部37が形成してある。凹部37は前部側の水平面370と、後部側の移動方向へ下り傾斜した傾斜面371からなる。凹部37の裏側には底部側に突出してスライド部38が形成してある。なお、連結チェーン32の長さは、磁力遮断板33が連結チェーン32に引かれて前方へ移動し装着隙間10の前部で停止したときに、後端部が固定された引っ張りバネ31の伸びを許容伸長長さの範囲内で止めることができる長さに設定されている。
【0029】上記ケース1の下面部には、釣竿に取り付けるための取着具6が設けてある。取着具6は、長方形状の台板60を有している。台板60の取り付けはネジや接着手段等による固着でもよいし、面ファスナー等で取り外し可能に取り付けることもできる。台板60の中央下部には下端部を円弧状に形成した取着板61が設けてある。取着板61は取着ネジ62によって、断面L状の回動軸支具63に取り付けてある。回動軸支具63は、底面が釣竿7(図8参照)に固定することができる曲面形状に設けられた取着台具64に取着ネジ65によって取り付けてある。
【0030】取着板61と回動軸支具63の接面部及び回動軸支具63と取着台具64の接面部の双方には、外形が円形となり周方向に凹凸となるよう半径方向に設けられた噛合歯66を有している。そして、取着ネジ62、65を緩めて適宜角度に調整し、取着ネジ62、65を締付ければ、噛合歯66の噛み合いにより固定が確実に行われ、取着板61と回動軸支具63との水平方向と垂直方向の回転を組み合わせることによりケース1を任意の角度、方向で固定できる。
【0031】(作 用)図8は図1に示す釣用発信器を釣竿に取り付けた使用状態を示す説明図、図9は図8の状態から釣糸掛止具が釣糸により引っ張られ、引っ張りバネが伸びて磁力遮断板が移動して停止し、発信している状態を示す説明図、図10は報知装置の実施の形態を示す説明図である。図1ないし図10を参照して釣用発信器及び報知装置の作用を説明する。なお、本発明の釣用発信器S1は、主に魚釣り用発信器として使用するものであるが、例えば、狩猟において獲物の通過や捕獲を感知して発信する発信器としての応用等も可能である。
【0032】ここで、報知装置の構成を説明する。報知装置は、三本の釣竿7にそれぞれ取着具6をホルダー72で固定して取り付けられた釣用発信器S1と、自動車C内部に置いてある受信器Rにより構成される。本形態においては、釣人は一人であるので、発信装置の出力調整ボリュームを適度に調整しておけば、音間調整ボリュームと音質調整ボリュームについては各釣用発信器S1共に同じに設定してよい。また、複数の釣人で各々管理するには音間調整ボリュームと音質調整ボリュームを調整して各人に特定の音を割り当てるようにする。
【0033】川岸の地面に三台の釣竿台8を一定の間隔で立て込み、各釣竿台8に釣竿7を装着して立てる。次に、図8に示すように釣竿7に設けてあるリール70から釣糸71を引き出し、釣糸掛止具30で折り返すようにして掛ける。釣糸71の先部側は、釣竿7の先部側へ延ばしてあり、先端部には通常の仕掛けが施されている。仕掛けが終了したら、釣人は、例えばやや離れた所に駐車してあり受信器Rが設置された自動車Cの車内で待機する。なお、受信器Rを携帯可能な構造にすれば、自動車Cの車内に限らず、どこに待機していてもよい。受信器Rは各釣用発信器S1から発信される信号を受信し、待機している釣人に報知する。
【0034】釣竿7に当りがくると、釣糸71が引っ張られ、釣糸71が掛止された釣糸掛止具30にも引張力がかかる。そして、引っ張りバネ31が伸びて連結チェーン32が伸び切ると、磁力遮断板33が引かれはじめる。連結チェーン32が伸び切らない範囲内で引っ張られている間は、磁力遮断板33は移動せず、釣糸掛止具30が釣糸71の引張力と引っ張りバネ31の引っ張り作用によって進退を繰り返す。
【0035】釣糸71の引張力によって磁力遮断板33が裏面のスライド部38をガイド溝10aにガイドされて作動位置まで移動すると、押え部材13が磁力遮断板33の傾斜面371に当り、磁力遮断板33は停止する。このとき、押え部材13は弾性変形して傾斜面371に食い込むようにして当るので、磁力遮断板33は強く固定され、外力が作用しない限り、もとの初期位置に戻ることはない。また、スライド部38がガイド溝10aにガイドされて移動するので、磁力遮断板33は引っ掛ることなくスムーズに移動する。磁力遮断板33の前方への移動によって、磁力スイッチ2がONとなり、発信装置が作動して信号が発信され、パイロットランプ5が点灯する。
【0036】磁力遮断板33が停止すると、伸び切った連結チェーン32によって釣糸掛止具30の移動も止められるので、引っ張りバネ31もそれ以上伸びない。連結チェーン32の長さは、磁力遮断板33が停止したときに引っ張りバネ31が許容伸長長さを超えないように設定してあるので、引っ張りバネ31が伸び過ぎによる損傷を受けることはない(図9参照)。そして、釣糸掛止具30に釣糸71によって更に強い引張力がかかると、釣糸掛止具30は大きく変形し、釣糸71は釣糸掛止具30から外れる。これによって、釣用発信器S1の損傷は防止される。
【0037】なお、この状態でも信号の発信は続いており、受信器Rによってその信号が受信され、釣人に報知される。釣人は受信器Rの表示またはパイロットランプ5を確認して、どの釣竿7に掛かりがきているかを判断できる。そして、釣竿7を取り上げて魚を釣り上げる。このように、魚の掛かりから、掛かりがきている釣竿の察知までが正確かつ迅速にできるので、魚を確実に釣り上げることができる。
【0038】釣用発信器S1は、引っ張りバネ31を様々な引っ張り強さを有する引っ張りバネに適宜付け替えることによって、釣糸71にかかる引張力の強さに応じて(すなわち、魚の種類に対応して)、選択的に発信させることができる。また、止めネジ14の締め付け力を調整することによって、押え部材13による磁力遮断板33の固定力を調整できる。すなわち、固定力を強めることによって磁力遮断板33の移動に要する力を大きくすることができ、また、固定力を弱めれば磁力遮断板33の移動に要する力を小さくすることができるので、この調整によっても魚の種類に対応して選択的に発信させることができる。
【0039】更に、バネ取着具19の進退調整により、引っ張りバネ31を後退させて連結チェーン32の弛みを大きくすると、連結チェーン32が利いて磁力遮断板33が動き出すまでのタイミングを遅らせることができ、より大きな引きでなければ磁力スイッチ2が作動しないよう調整することができる。また、仕掛けた状態では、魚が掛かっていなくても、仕掛のおもり等によって釣糸71に引張力がかかるので、引っ張りバネ31はやや伸びた状態となる。そして、水流や風による釣糸71の様々な動きによって釣糸71が緩む方向に動いても、引っ張りバネ31が縮む作用により釣糸掛止具3が釣糸71の動きに追従し、釣糸71に常に引張力をかけるので、釣糸掛止具3から外れることを防止できる。
【0040】図11は本発明に係る釣用発信器の第2の実施の形態を示す斜視図である。釣用発信器S2は、上記釣用発信器S1の取着具6に代えてクリップ6aがケース1の側面に取り付けてある構造である。他の部分の構造は、釣用発信器S1と同様であるので、説明は省略する。釣用発信器S2は、クリップ6aで釣竿7をつかむことによって釣竿7に取り付けて使用される。なお、図面において、釣用発信器S1と同一箇所には同一の符号を付して示している。
【0041】図12は本発明に係る釣用発信器の第3の実施の形態を示す使用状態説明図である。釣用発信器S3は、上記釣用発信器S1のトリガー3に代えてトリガー3aが取り付けてある構造である。トリガー3aの釣糸掛止具30aは、二本のフック301、302が先部が行き違うように重ねられ、向かい合わせに設けてある構造である。他の部分の構造は、釣用発信器S1と同様であるので、説明は省略する。釣用発信器S3は、図に示すように釣糸71を両フック301、302に掛けるようにして使用される。なお、図面において、釣用発信器S1と同一箇所には同一の符号を付して示している。
【0042】なお、本明細書で使用している用語と表現はあくまで説明上のものであって、限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。また、本発明は図示の実施の形態に限定されるものではなく、技術思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【0043】
【発明の効果】本発明は上記構成を備え、次の効果を有する。
(a)本発明の釣用発信器は、スイッチ具が、移動方向へ移動してスイッチ装置を作動させた後で停止するようになっている。これにより、連結部材によってつながれた釣糸掛止具も停止するので、連結部材の長さを適正に設定することにより、弾性伸縮部材が許容伸長長さを超えて伸びることはなく、伸び切って使用不能となることを防止できる。
【0044】(b)弾性伸縮部材が固定位置が釣糸掛止具の移動方向に沿って調整できるようになっているものは、取着位置を調整することによってスイッチ具を作動位置まで移動させるのに要する釣糸掛止具の移動量の設定ができる。これにより、釣用発信器は、釣糸の引張力に対する感度の調整も可能になり、引張力の強さに応じて発信手段を選択的に作動させることができる。
【0045】(c)釣用発信器を仕掛けた状態で水流や風等の自然条件による釣糸の様々な動きによって釣糸が緩む方向に動いても、弾性伸縮部材の作用により釣糸掛止具が釣糸の動きに追従し、釣糸に常時張力をかけるので、釣糸が釣糸掛止具から外れることを防止できる。
【0046】(d)スイッチ具を初期位置において固定する固定手段を備えており、固定手段は固定力が調整できるようにしてあるものは、弾性伸縮部材の固定位置の調整と協働して、釣糸の引張力に対する感度をより確実に調整することが可能になる。
【0047】(e)発信手段及びスイッチ装置を収容するケースを備えており、トリガーの弾性伸縮部材は、ケース内部に一部または全部が収容してあるものは、ケース外部に張り出さない部分がある分だけ弾性伸縮部材が邪魔にならない。また、弾性伸縮部材として一般的に採用されるコイルバネの場合、コイルバネの伸縮中に釣糸が引っ掛って絡まり、作動不能となるというようなトラブルの発生も未然に防止できる。
【0048】(f)スイッチ装置が磁力スイッチであり、スイッチ具には移動方向へ下り傾斜した掛止斜面が設けてあり、スイッチ具は、移動方向へ移動したときに掛止斜面を固定手段に設けてある押圧部材に掛止させて停止するようにしてあるものは、スイッチ具は押圧部材に掛止斜面を食込ませて停止することになり、この食込み力によってスイッチ具は元の位置に容易には戻らない。従って、スイッチ装置が作動して発信手段が発信した後で、スイッチ具が戻りスイッチ装置が切れて発信が止まることを防止できる。
【出願人】 【識別番号】591181023
【氏名又は名称】和田 三生
【出願日】 平成9年(1997)10月28日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】梶原 克彦
【公開番号】 特開平11−127750
【公開日】 平成11年(1999)5月18日
【出願番号】 特願平9−312805