| 【発明の名称】 |
中通し竿 |
| 【発明者】 |
【氏名】下野 誠
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| 【要約】 |
【課題】糸繰り出し時に釣糸に作用する抵抗を小さく維持できるようにする。
【解決手段】中通し竿は、先細り筒状の3つの竿1〜3と、リールシート11と、糸導入孔15と、第1釣糸ガイド16と、第2釣糸ガイド17とを備えている。糸導入孔15は、リールシート11より竿先側の外周面に形成された長円形状の孔である。第1釣糸ガイド16は、糸導入孔15より竿元側の外周に配置され、内周部を釣糸が通過可能であり内径d1が糸導入孔15の幅Wより小さいガイドリング21aを有している。第2釣糸ガイド17は、第1釣糸ガイド16より竿元側の外周に配置され、内周部を釣糸が通過可能であり内径d2がガイドリング21aより大きいガイドリング21bを有している。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】外周面にリールを装着可能であり内部を前記リールからの釣糸が通過可能な中通し竿であって、内部に釣糸通路を有する筒状の竿体と、前記竿体の後部に設けられるリールシートと、前記リールシートより竿先側に形成され、前記リールからの釣糸を前記釣糸通路に導くための長円形状の糸導入孔と、前記糸導入孔より竿元側の外周に配置され、内周部を釣糸が通過可能であり内径が前記糸導入孔の短軸方向の長さより小さい第1ガイドリングを有する第1釣糸ガイドと、前記第1釣糸ガイドより竿元側の外周に配置され、内周部を釣糸が通過可能であり内径が前記第1ガイドリングより大きい第2ガイドリングを有する第2釣糸ガイドと、を備えた中通し竿。 【請求項2】前記糸導入孔の後縁から前記第1釣糸ガイドまでの距離L1は、5〜40mmの範囲であり、前記竿体表面から前記第1ガイドリングの中心位置までの距離h1は、3〜20mmの範囲であり、前記竿体表面から前記第2ガイドリングの中心位置までの距離h2は、10〜50mmの範囲である、請求項1に記載の中通し竿。 【請求項3】前記距離L1と、糸導入孔の後縁から前記第2釣糸ガイドまでの距離L2と、前記糸導入孔の後縁から前記リールシートまでの距離L3との比(L1:L2:L3)は、1:6:40〜1:20:100までの範囲である、請求項2に記載の中通し竿。 【請求項4】前記竿体は、前記リールシートが設けられる元竿と、前記元竿の穂先側に連結され、外周面に前記糸導入孔と第1釣糸ガイドと第2釣糸ガイドとが設けられる中間竿と、前記元竿の穂先側に連結され、内部に前記釣糸通路が設けられる穂先竿とを有する、請求項1から3のいずれかに記載の中通し竿。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、釣り竿、特に、外周面にリールを装着可能であり内部を前記リールからの釣糸が通過可能な中通し竿に関する。 【0002】 【従来の技術】中通し竿は、釣り用リールからの釣糸が通過可能な釣糸通路を内部に有するとともに、手元側に釣糸を釣糸通路に導入するための糸導入孔が設けられている。糸導入孔が形成された竿体より穂先側の内部には釣糸通路が設けられている。また、竿体の先端には釣糸通路から釣糸を導出するためのトップガイドが設けられている。このような中通し竿では、リールからの釣糸は糸導入孔を通して竿内部の釣糸通路に導入され、さらに竿体先端のトップガイドから外部に導出される。 【0003】この種の中通し竿において、スピニングリールを使用する場合には、リールと糸導入孔との距離を長くして糸導入孔への導入角度を浅くした方が釣糸に作用する抵抗が少なくなりキャスティング時の飛距離が長くなる。このため、投げ釣用の中通し竿ではリールから糸導入孔までの距離が船釣用のものに比べて長い。しかし、スピニングリールから放出される釣糸は巻癖により螺旋状に放出されるので、リールから糸導入孔までの距離が長いと、螺旋状に振動して振幅が大きくなり竿体や糸導入孔の両側部に接触し釣糸に作用する抵抗が逆に増加することがある。 【0004】そこで、内周部を釣糸が通過可能なガイドリングを有する釣糸ガイドを糸導入孔の竿元側に配置した中通し竿が特開平9−37682号公報に開示されている。この中通し竿では、長円形状の糸導入孔の竿元側にガイドリングを有する釣糸ガイドを設け、リールからの釣糸をガイドリングを通して糸導入孔に案内している。このガイドリングの内径があまり小さいと巻癖を解消する際に大きな抵抗力が発生するため、比較的大きな径に設定されている。このようなガイドリングを配置することで、ガイドリングにより巻癖が解消され、竿体に釣糸が接触しにくくなり、釣糸に作用する抵抗が小さくなる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】前記従来の中通し竿では、ガイドリングの径を比較的大きくすると、抵抗なく釣糸の導出を図るには効果がある。しかし、仕掛けを遠くに飛ばすために釣糸の導出速度が速くなる場合にはガイドリングを通過した釣糸に巻癖に起因する振動が残り、この振動により釣糸が糸導入孔の両側部に接触し抵抗が生じるおそれがある。この接触を防止するために小径のガイドリングを有する釣糸ガイドを糸導入孔に近接した位置に配置すると、釣糸に作用する抵抗が増加し、仕掛けの飛距離が短くなるおそれがある。 【0006】本発明の課題は、リールから糸導入孔までの距離が長い中通し竿であっても、キャスティング等の糸繰り出し時に釣糸に作用する抵抗を小さく維持できるようにすることにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】発明1に係る中通し竿は、外周面にリールを装着可能であり内部をリールからの釣糸が通過可能な竿であって、筒状の竿体と、リールシートと、長円形状の糸導入孔と、第1釣糸ガイドと、第2釣糸ガイドとを備えている。竿体は、内部に釣糸通路を有している。リールシートは、竿体の後部に設けられる。糸導入孔は、リールシートより竿先側に形成され、リールからの釣糸を釣糸通路に導くための孔である。第1釣糸ガイドは、糸導入孔より竿元側の外周に配置され、内周部を釣糸が通過可能であり内径が糸導入孔の短軸方向の長さより小さい第1ガイドリングを有している。第1釣糸ガイドは、第1釣糸ガイドより竿元側の外周に配置され、内周部を釣糸が通過可能であり内径が第1ガイドリングより大きい第2ガイドリングを有している。 【0008】この中通し竿では、キャスティング時にリールから螺旋状に放出された釣糸は比較的大径の第2ガイドリングにより巻癖による振幅が小さくなり第1ガイドリングに案内される。そして第1ガイドリングを通るとさらに振幅が小さくなって糸導入孔に案内される。ここでは、径が異なる2つのガイドリングを並べて配置するとともに、糸導入孔に近い第1ガイドリングの内径を糸導入孔の短軸方向の長さより小さくしたので、第1ガイドリングを通った釣糸の振幅は糸導入孔の短軸方向の長さより小さくなる場合が多い。このため、糸導入孔の両側部に接触しにくくなり、それによる抵抗の増加を抑えられる。しかも、糸導入孔に近いガイドリングの内径が小さいのでそれを糸導入孔に接近させて配置すると釣糸の振幅を一層小さくすることができ釣糸に作用する抵抗を小さく維持できる。 【0009】発明2に係る中通し竿は、発明1に記載の竿において、糸導入孔の後縁から前記第1釣糸ガイドまでの距離L1は、5〜40mmの範囲であり、竿体表面から前記第1ガイドリングの中心位置までの距離h1は、3〜20mmの範囲であり、竿体表面から前記第2ガイドリングの中心位置までの距離h2は、10〜50mmの範囲である。この場合には、導入角度が所定の角度に維持されるので,釣糸に作用にする抵抗をさらに小さく維持できる。 【0010】発明3に係る中通し竿は、発明2に記載の竿において、距離L1と、糸導入孔の後縁から第2釣糸ガイドまでの距離L2と、糸導入孔の後縁からリールシートまでの距離L3との比(L1:L2:L3)は、1:6:40〜1:20:100までの範囲である。この場合には、リールシートと糸導入孔との間の第1釣糸ガイド及び第2釣糸ガイドの配置が所定の導入角度を維持するための最適な配置になり、釣糸に作用にする抵抗をさらに小さく維持できる。 【0011】発明4に係る中通し竿は、発明1から3のいずれかに記載の竿において、竿体は、リールシートが設けられる元竿と、元竿の穂先側に連結され、外周面に糸導入孔と第1釣糸ガイドと第2釣糸ガイドとが設けられる中間竿と、元竿の穂先側に連結され、内部に釣糸通路が設けられる穂先竿とを有している。この場合には、リールから糸導入孔までの距離を長くしても収納時の竿体の長さを短くすることができ、持ち運びが容易になる。 【0012】 【発明の実施の形態】図1において、本発明の一実施形態による中通し竿は、元竿1と、元竿1の穂先側に並継ぎ形式で連結される中間竿2と、中間竿2の穂先側に並継ぎ形式で連結される穂先竿3と、穂先竿3の先端に着脱自在に装着されるトップガイド4とを備えている。各竿1〜3は、先細り筒状に形成されており、たとえばガラス繊維、炭素繊維等の高強度繊維基材に樹脂を含浸させたプリプレグを先細りテーパ形状のマンドレルに巻き付け焼成することで得られる。 【0013】元竿1の竿元側には中通し竿を操作するためのグリップ10が形成され、グリップ10の竿先側には、たとえばスピニングリール12を装着するためのリールシート11が取り付けられている。このリールシート11は、竿尻部からリールシート11の先端位置までの距離Dが800mm〜860mmの間になるように元竿1に取り付けられている。なお、このリールシート11は、工場で製造時に取り付ける他、釣り人が使用前に自分の好みに応じて取り付けてもよい。 【0014】中間竿2は、後端部が元竿1の先端部に挿入固定可能である。中間竿2の竿先部には糸導入孔15が形成されている。糸導入孔15はリール12からの釣糸14を内部に導入するための孔である。糸導入孔15は、中間竿2の先端から、図2及び図3に示すように、たとえば90mmの位置に幅W6.5mm、長さL60mmの長円形状に形成されている。 【0015】糸導入孔15の竿元側には、図1に示すようにリール12からの釣糸14を糸導入孔15に案内するための第1及び第2釣糸ガイド16,17が軸方向に並べて配置されている。第1釣糸ガイド16は、図2及び図3に示すように、糸導入孔15後縁から距離L1離れて配置されている。この距離L1は例えば25mmである。なお、距離L1は5〜40mmの範囲が好ましい。この範囲にあれば、糸導入孔15への導入角度が所定範囲になる。第1釣糸ガイド16は、ガイドフレーム20と、ガイドフレーム20に嵌め込まれたガイドリング21aとを有している。ガイドフレーム20は金属製の部材であり、ガイドリング21aが嵌め込まれるリング部20aと、リング部20aの前方で中間竿2の表面に固定されそこから2股に分かれてリング部20aの両側部に延びる前固定部20bと、リング部20aの後方で中間竿2の表面に固定されそこから2股に分かれてリング部20aの下部に延びる後固定部20cとを有している。ガイドリング21aはアルミナやシリコンカーバイト等の硬質セラミック製のリング部材であり、ガイドリング21aの内径d1は糸導入孔15の幅Wより小さく、たとえば5mmである。また中間竿2の表面からガイドリング21aの中心位置までの距離h1は、たとえば8mmである。この距離h1は3〜20mmの範囲が好ましい。 【0016】第2釣糸ガイド17は、第1釣糸ガイド16と同様の構造であり、ガイドフレーム20dとガイドリング21bとを有している。ガイドフレーム20dは全体的にガイドフレーム20より大きい。中間竿2の表面から、第2釣糸ガイド17のガイドリング21bの内径d2は、たとえば12mmであり、ガイドリングの中心位置は、中間竿2の表面からガイドリング21bの中心位置までの距離h2は、たとえば23.5mmである。この距離h2は10〜50mmの範囲で距離h1より大きい値が好ましい。 【0017】距離L1と、糸導入孔15の後端から第2釣糸ガイド16間での距離L2と、元竿1と中間竿2との連結した状態で糸導入孔15の後端からリールシート11の先端位置までの距離L3との距離の比は、1:6:40〜1:20:100の間の値が望ましい。このような数値に各部を配置すると、リール12から釣糸14が螺旋状に繰り出された後波うっても元竿1や中間竿2の表面に接触しにくくなるとともに、糸導入孔15の後縁に釣糸14が接触しにくくなる。また、第1釣糸ガイド16の内径が糸導入孔15の幅Wより小さいので、釣糸14が糸導入孔15の左右の両縁に接触しにくくなる。このように釣糸14が糸導入孔15の縁部に接触しないと、釣糸14に作用する抵抗を小さく維持でき、釣糸14をスムーズに内部の釣糸経路に導入することができる。 【0018】中間竿2の内部において糸導入孔15の後端部には、中間竿2の竿元側への水の侵入を防止するための水止め栓25が装着されている。水止め栓25は、たとえば合成ゴム製であり、中間竿2の内部に弾性を利用して固定されている。水止め栓25の竿先側の中心部には装着穴25aが形成されている。水止め栓25は、装着穴25aに棒状の装着治具の先端を挿入して、装着治具を中間竿2の先端部から挿入することで製造時に中間竿2の内部の所定位置に装着される。このようにな水止め栓25により中間竿2の内部への水の侵入を防止することで、中間竿2と元竿1との固着や内部への異物の侵入防止できる。 【0019】穂先竿3は、後端部が中間竿2の先端部に挿入固定可能である。図2及び図3に示すように、穂先竿3を中間竿2に挿入固定すると、穂先竿3の後端部は糸導入孔15の先端部より竿元側に位置する。穂先竿3は、図2及び図4に示すように、先細り筒状の竿本体30と、竿本体の後端部に着脱自在に嵌め込まれた筒状の尻栓部31と、尻栓部31に後端が着脱自在に嵌め込まれた釣糸経路となる内挿体32とを有している。 【0020】竿本体30は、先細り筒状に形成されており、その先端にトップガイド4が装着されている。竿本体30の後端部内周面には雌ねじ部30aが形成されており、そこに尻栓部31がねじ込まれている。尻栓部31は、チタン合金等の軽量金属製のフランジ筒状部材であり、その先端部外周面に雌ねじ部30aと螺合する雄ねじ部31aが形成されている。また、後端部には竿本体30の後端部の外径よりやや小さい外径の大径部31bが形成されており、大径部31bと竿本体30の後端との間にOリング33が装着されている。尻栓部31の後端部内周面には内挿体32に連通する先細りテーパ孔31cが形成されており、テーパ孔31cの後端部と先端部とには硬質セラミック製のガイドリング34,35がそれぞれはめ込み固定されている。ガイドリング34の内径はガイドリング35の内径より大きい。尻栓部31の先端部内周面にはテーパ孔31cの後端部より大径の雌ねじ部31dが形成されている。この尻栓部31の後端部は、穂先竿3を中間竿2に挿入固定したとき、糸導入孔15の先端部より竿元側に位置する。 【0021】内挿体32は、尻栓部31にねじ込み固定される筒状のライナーリング36と、ライナーリング36に固定されたパイプ状のライナー37と、ライナー37の内部に軸方向に間隔を隔てて配置された硬質セラミック製の複数のガイドリング38と、ガイドリング38の間に配置された複数のスペーサリング39と、ライナー37と竿本体30の内周面の間に軸方向に間隔を隔てて配置された複数の弾性リング40とを有している。 【0022】ライナーリング36は筒状の部材であり、後端部外周面に尻栓部31の雌ねじ部31dに螺合する雄ねじ部36aが形成されている。また、内周面にライナー37の後端部が接着固定されている。ライナー37は、半透明の可撓性を有する合成樹脂製パイプ部材であり、その先端は竿本体30の先端よりやや竿元側に位置している。ライナー37の先端部には小径の段差部37aが形成されており、そこに先端側のガイドリング38が装着されている。 【0023】ガイドリング38は、耐磨耗性を有し内周面が滑らかなセラミック製のリング部材である。ガイドリング38は、釣糸14を抵抗を少なく案内するためのものであり、その内径はガイドリング35と同じか小さい。スペーサリング39は、ガイドリング38の間隔を隔てて配置するために装着されており、その内径はガイドリング38の内径より大きい。 【0024】複数の弾性リング40は、ゴム等の弾性部材で構成されている。弾性リング40は、ライナー37を竿本体30に固定するために設けられており、先細り筒状の竿本体の内径に合わせて先端側の外径が徐々に小さくなるように形成されている。弾性リング40は、ライナー37の外周面に接着固定されている。また、弾性リング40の固定位置はガイドリング38の位置とずれて配置されている。この弾性リング40により竿本体30のしなりにライナー37がしなり、竿本体30にライナー37の中間部分が接触しにくくなる。 【0025】ライナー37の先端部は、竿本体30の先端部に位置しており、隙間Sが小さくなり弾性リング40を配置できない。この隙間Sは0.5mm以下と小さく設定されている。この隙間Sが小さいため、ライナー37と竿本体30とがキャスティング時等にしなって衝突しても大きな衝突音は生じにくい。この内挿体32を製造する際には、まず、ライナーリング36とライナー37とを接着固定し、ライナー37の内部にガイドリング38とスペーサリング39とを交互に装着する。そして、尻栓部31をライナーリング36にねじ込み、最後にライナー37の外周に弾性リング40を間隔を隔てて装着固定して内挿体32を完成する。そしてこのようにして得られた内挿体32と尻栓部31との組立体を竿本体30の後端部にOリング33を挟んでねじ込みことで穂先竿3が完成する。 【0026】トップガイド4は、図4に示すように、穂先竿3の竿本体30の先端に嵌合固定される装着筒部41と、装着筒部41の穂先側に配置された第1筒部42と、第1筒部42の穂先側に配置された第2筒部43とを備えている。これらの筒部の外周面は滑らかに連続しており後端部(竿元側)にいくに従い小径になっている。 【0027】第1筒部42は装着筒部41にねじにより着脱自在に装着されている。また、第2筒部43は第1筒部にねじにより着脱自在に装着されている。これらの締結部は、軸方向に重畳して配置されている。第1筒部42の先端部及び第2筒部43の先端部にはそれぞれ硬質セラミック製のガイドリング45,46がはめ込み固定されている。また、第2筒部43の周面には、周方向に間隔を隔てて4つの水抜き孔43aが形成されている。 【0028】このような構成の中通し竿では、リール12から繰り出された釣糸14を内挿体32に通す際には、3本の竿1〜3を並継ぎし、釣糸14の先端に糸通し具を装着し、糸通し具の先端を2つの釣糸ガイド16,17を通過させて尻栓部31のガイドリング34に挿入する。このとき穂先竿3の後端部、すなわち尻栓部31は糸導入孔15の先端部より竿元側に位置しているので、糸通し具をガイドリング34に挿入するのは容易である。そして、糸通し具を徐々に穂先側に押し込むと、その先端がトップガイド4から出てくる。トップガイド4から糸通し具の先端が出てくると、それを指で摘んで引き出し釣糸14をトップガイド4から取り出す。ここでは、穂先竿3の後端部が糸導入孔15の先端部より竿元側に位置しているので、釣糸の挿通作業が容易である。 【0029】キャスティング時には、リール12から螺旋状に放出された釣糸は比較的大径の第2ガイドリング21bにより巻癖による振動が小さくなり第1ガイドリング21aに案内される。そして第1ガイドリング21aを通るとさらに振動が小さくなって糸導入孔15に案内される。この第1ガイドリング21aの内径d1は糸導入孔15の短軸方向の長さ(幅)Wより小さいので、第1ガイドリング21aを通った釣糸14の振幅は糸導入孔15の幅Wより小さくなりやすい。このため、糸導入孔15の両側部に接触しにくくなり、それによる抵抗の増加を抑えられる。このため、糸導入孔15の周囲に保護及び抵抗の増加の防止を図るための硬質の部材を装着する必要もない。しかも、糸導入孔15に近いガイドリング21aの内径d1が小さいのでそれを糸導入孔15に接近して配置しても導入角度を小さく維持でき釣糸に作用する抵抗を小さく維持できる。 【0030】キャスティング時や仕掛けに魚がかかって巻き取る時に竿体がしなると、釣糸がガイドリング38に接触して案内される。このため、接触抵抗が少なくなり釣糸の付着も少なくなる。また竿本体30がしなると、それとともに弾性リング40によって竿本体30内部に固定されたライナー37もしなる。しかし、先端部分に弾性リング40を配置するのは無理なためライナー37の先端は片持ち支持になっており、先端側の弾性リング40より穂先側はしならない。このため、ライナー37の先端が竿本体30に衝突する。しかし、ライナー37の外周面と竿本体30の内周面との隙間が0.5mm以下のため、ライナー37の衝突時の衝突距離が小さくなり大きな音は発生せず、音の発生を小さく抑えることができる。しかも、ライナー37が合成樹脂製であるため、ライナー37が衝突しても大きな音が生じにくい。 【0031】また、異物が内挿体32の内部に堆積したときには、尻栓部31を、たとえば反時計回りに回して竿本体30から取り外す。すると内挿体32が尻栓部30とともに竿本体30から出てくる。そして尻栓部31をライナーリング36から取り外し内挿体32単体にする。この状態で異物の堆積状態をライナー37の外部から確認して、たとえばガイドリング38の内径より小径の棒状の清掃具を内挿体32の穂先側(先端側)又は竿元側(後端側)から挿入して異物を取り出し清掃する。とくに汚れがひどい場合には、たとえば、ガイドリング38及びスペーサリング39の内径よりは大きく段差37aの内径よりは小さい棒状の取り出し具をライナー37の穂先側から挿入し、ガイドリング38とスペーサリング39とを押し出してライナー37から取り出せばよい。このようにしてガイドリング38とスペーサリング39とを取り出せば、その前後に堆積した異物も両リング38,39とともに押し出される。このため、内挿体32の内部をより確実に清掃できる。 【0032】〔他の実施形態〕 (a)前記実施形態では、釣糸ガイドをガイドリングとガイドフレームとで構成したが、ガイドフレームとガイドリングとを一体で構成してもよい。 (b)前記実施形態では並継ぎ形式の中通し竿を例に説明したが、振出形式の中通し竿にも本発明を適用できる。 【0033】 【発明の効果】本発明によれば、径が異なる2つのガイドリングを並べて配置するとともに、糸導入孔に近い第1ガイドリングの内径を糸導入孔の短軸方向の長さより小さくしたので、第1ガイドリングを通った釣糸の振幅は糸導入孔の短軸方向の長さより小さくなる場合が多い。このため、糸導入孔の両側部に接触しにくくなり、それによる抵抗の増加を抑えられる。しかも、糸導入孔に近いガイドリングの内径が小さいのでそれを糸導入孔に接近させて配置すると釣糸の振幅を一層小さくすることができ釣糸に作用する抵抗を小さく維持できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002439 【氏名又は名称】株式会社シマノ
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月7日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小野 由己男 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−103723 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月20日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−274549 |
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