| 【発明の名称】 |
擬似餌およびその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】上森 泰夫
【氏名】植草 隆
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| 【要約】 |
【課題】柔軟性と強度とを同時に確保し、誘引作用に優れるとともに、使い勝手のよい擬似餌1を提供する。
【解決手段】キャビテイ22内に、先ず、外層部3に相当する透明性の高い組成物を、透明部つまり外層部3としたい体積相当の容量だけ注入する(工程(a))。この組成物が冷却されて流動性を喪失する前に、直ちに、着色剤を配合した内層部2に相当する硬度の高い組成物を、キャビテイ22中心部へ向けて注入する(工程(c))。このとき注入する内層部2用の材料の量は、外層部3用の材料と合わせてキャビテイ22内を十分に充填できる量に設定する。後から入っていった内層部2用の組成物が、初めの外層部3用の組成物を型面に押し付けるようにして中心部に充填され、着色された内層部2と透明な外層部3とからなる透明感のある小魚状の擬似餌1が形成される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 スチレン系エラストマーと鉱物油系軟化剤とからなる擬似餌であって、少なくとも釣り針を受ける先端部中心部を含む内層部と、少なくとも尾部を含む外層部と、においてそれぞれ材料配合が異なり、外層部が柔軟であるとともに、内層部が外層部に比べて硬度が高いことを特徴とする擬似餌。 【請求項2】 前記スチレン系エラストマーが、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、スチレン−エチレン・ブチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン・ブチレンランダム共重合体の中から選択される一つまたは複数のポリマーの混合物からなることを特徴とする請求項1記載の擬似餌。 【請求項3】 前記鉱物油系軟化剤として、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、重合した高沸点強芳香族系オイル、パラフィン、流動パラフィン、ホワイトオイル、ペトロラクタム、石油スルホン酸塩、ギルソナイト、石油アスファルト、ミネラルラバー、石油樹脂、コールタール、クマロン・インデン樹脂から選択した一つまたは2種類以上を用いたことを特徴とする請求項1または2に記載の擬似餌。 【請求項4】 内層部が着色されており、かつ外層部は、無色透明であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の擬似餌。 【請求項5】 擬似餌の形状をした型のキャビティ内に、外層部に相当する材料を、最初に注入し、かつこの外層部に相当する材料が冷却されて流動性を失う前に、引き続き内層部に相当する材料を、キャビティの中心部に向けて注入することを特徴とする請求項1記載の擬似餌の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は魚釣り用の擬似餌、更に詳しくは、生餌のような外観、感触、弾性および水中での動きを備え、さらには釣り針保持性や魚の誘引効果に優れた擬似餌とその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】魚釣り用の餌としては、ミミズ、ゴカイ、エビ、オキアミなどの生餌や、魚粉、うどん粉などで練り固められた魚が食べることのできる天然の餌のほか、本物の餌に似せて作られたルアー、ワームなどのような擬似餌がある。この擬似餌としては、形状、香り、色などを対象魚や釣るときの環境に合わせた各種のものが数多く市販されており、その素材としては、一般に、金属、硬質プラスチックのほか、ポリビニルアルコールのような親水性プラスチックや、ポリ塩化ビニルのようなゴム状軟質プラスチックが用いられている。 【0003】擬似餌に求められる条件としては、第1に釣りの成果を高めるために、生餌に似た外観、感触、挙動すなわち柔軟性や弾力性あるいは魚の注意を引きやすい色、形、匂いなどの誘引作用に優れていることであり、第2に実際の使用条件下において十分な機械的強度を備えた使い勝手のいいことが求められる。 【0004】このような擬似餌を得るために、特開平5−103565号公報や特開平4−40845号公報などに見られるように、いろいろな材質や構成からなる擬似餌が開発されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、今まで開示されているこれらの擬似餌は、上述した本来求められる種々の条件、すなわち、生餌に似た外観、感触、挙動、十分な機械的強度などの条件を同時に満たすことができない。例えば特開平5−103565号公報には、塩化ビニルゾルの擬似餌本体に塩分を含有させてなる擬似餌が開示されているが、この擬似餌は、全体が同一色、同一硬度、同一の機械強度で構成されており、実際の生きた小魚のような生の餌には形態や挙動がまったく似ていないため、十分な誘引作用を期待できず、特に海釣りにおける擬似餌としては不十分である。 【0006】更に、特開平4−40845号に開示されている擬似餌は、外層を強度の大きい含水高分子ゲルから構成するとともに、コア層を強度の小さいゲルまたはゾルから構成し、両者を同時に押し出して構成した棒状の擬似餌である。この擬似餌は、感触は生餌に似たものを作ることができるが、実際の形状は小魚のような海の魚が好んで食べるものとは似つかないものとなってしまう。特に、水中での挙動が生餌とは異なるものとなり、釣りの成果を十分に期待することができない。 【0007】本発明は、以上のような状況に対して、擬似餌に求められる条件、すなわち釣りの成果を高め、かつ使い勝手に優れた十分な強度を持つ、ということを同時に満足できる擬似餌を提供することを目的とする。 【0008】更に詳しくは、擬似餌の柔軟性、弾力性が生き餌に酷似し、魚類の誘引作用に優れ、生き餌の種類により物性の調整も可能で、かつ同時に実際の使用条件において十分な強度、耐久性を有した擬似餌を提供することである。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明の擬似餌は、親油性高分子物質としてスチレン系エラストマーを用いるとともに、親油性軟化剤として鉱物油系軟化剤を用いた擬似餌であって、少なくとも釣り針を受ける先端部中心部を含む内層部と、少なくとも尾部を含む外層部と、においてそれぞれ材料配合が異なり、外層部が柔軟であるとともに、内層部が外層部に比べて硬度が高いものとなっている。 【0010】前記スチレン系エラストマーは、好ましくは、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、スチレン−エチレン・ブチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン・ブチレンランダム共重合体の中から選択される一つまたは複数のポリマーの混合物からなる。 【0011】また前記鉱物油系軟化剤としては、好ましくは、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、重合した高沸点強芳香族系オイル、パラフィン、流動パラフィン、ホワイトオイル、ペトロラクタム、石油スルホン酸塩、ギルソナイト、石油アスファルト、ミネラルラバー、石油樹脂、コールタール、クマロン・インデン樹脂から選択した一つまたは2種類以上が用いられる。 【0012】上記擬似餌は、例えば請求項4のように、内層部が着色されており、かつ尾部を含む柔軟な外層部が、無色透明となっている。 【0013】本発明の擬似餌を製造するには、請求項5のように、擬似餌の形状をした型のキャビティ内に、外層部に相当する材料を、最初に注入し、かつこの外層部に相当する材料が冷却されて流動性を失う前に、引き続き内層部に相当する材料を、キャビティの中心部に向けて注入する方法を用いることができる。 【0014】このように本発明の擬似餌は、尾部を含む外層部が柔軟であるとともに、内層部が外層部に比べて硬度が高いものとなっているので、より生餌に近い外観性や弾性、柔軟性を有し、水中での微妙な動き、バイブレーションを実現することができて誘引作用に優れるとともに、優れた機械強度が得られる。 【0015】 【発明の実施の形態】図1は、この発明に係る擬似餌1をその使用状態において示したものである。この擬似餌1は、外観構造としては、略紡錘形の本体部11と、この本体部11の後端に接続された薄肉な尾部12と、本体部11の先端から突出した頭部13と、本体部11の側面に形成された背鰭部14と、を有し、全体として、魚類が好んで食する小魚の形状に近似したものとなっている。そして、本体部11を斜めに貫通するようにワイヤ15が配置されており、本体部11の先端側におけるワイヤ15の一端に道糸16が接続されるとともに、背鰭部14と反対側の本体部11側面に露出したワイヤ15他端に、釣り針17が配設されるようになっている。 【0016】この本発明の擬似餌1は、内部構造としては、2種類の材料を連続的に型に注入することにより、内層部2と外層部3とを備えた2層構造のものとなっている。 【0017】すなわち擬似餌1の構成として、親油性高分子物質としてスチレン系エラストマ−100部に対して親油性の鉱物油系軟化剤を100部以上配合した組成物をベースとし、その軟化剤の配合量を変更して、弾性率の異なる2種類の組成物を準備する。また必要に応じて着色剤を配合し、異なる色の組成物を用いる。 【0018】具体的に説明すると、本実施例においては、海の小魚に似て透明感のある擬似餌1を作るために、尾部12や背鰭部14を含む擬似餌1の後端部側部分および本体部11の表面部分を構成する外層部3を、無色透明の組成物にて構成し、本体部11の先端側部分の中心部、少なくともワイヤ15が貫通する部分の中心部に配設される内層部2は、小魚の内部に近似した着色剤(例えば青色や赤色等)を配合した組成物を用いる。また、水中での微妙な挙動を実現するために、尾部12や背鰭部14を構成する外層部3は、比較的硬度の低い柔軟かつ軟質な配合となっている。これに対し、釣り針17や道糸16を受ける内層部2は、外層部3に比較して硬度が高いものとなっている。 【0019】図2は、この擬似餌1の製造方法を示す工程説明図であって、型21には、所望の擬似餌1の形状に対応したキャビテイ22が形成されている。このキャビテイ22は、本体部11の先端側が材料注入口となっており、尾部12側が封止されている。このような型21を用いて、先ず始めに、外層部3に相当する透明性の高い組成物を、透明部つまり外層部3としたい体積相当の容量だけキャビテイ22内に、外層用ノズル23から注入する(工程(a))。このように注入された外層部3用の材料は、工程(b)に示すように、キャビテイ22の材料注入口付近にたまっている。そして、この組成物が冷却されて流動性を喪失する前に、直ちに、着色剤を配合した内層部2に相当する組成物を、内層用ノズル24からキャビテイ22中心部へ向けて注入する(工程(c))。このとき注入する内層部2用の材料の量は、外層部3用の材料と合わせてキャビテイ22内を十分に充填できる量に設定してある。また、このように後から注入するときの圧力は、初めに充填した外層部3用の組成物を押し込めることができるだけの高い圧力で注入する。これにより、後から入っていった内層部2用の組成物が、初めの外層部3用の組成物を型面に押し付けるようにして中心部に充填され、着色された内層部2と透明な外層部3とからなる透明感のある小魚状の擬似餌1が形成される。 【0020】このように構成された擬似餌1は、その薄肉な尾部12が軟質に構成されているため、水中において微妙な挙動、バイブレーションを実現でき、かつ、釣り針17が掛けられる部分の硬度が高いことから、釣り針17の保持力を高めるとともに、全体として生きた小魚に近似した動きを与えることができる。すなわち、誘引作用の上で必要な柔軟性を犠牲にせずに最低限の機械強度を確保することができ、理想的な擬似餌を得ることができる。 【0021】なお、内層部2および外層部3の硬度の一例としては、JISK6301に規定されるアスカーC硬度として、内層部2は10〜75、外層部3は0〜10であることが望ましい。 【0022】また上記と同様な製造方法によって、外層部3を高濃度の集魚剤を配合した組成物にしたり、外層部3に高濃度の蛍光塗料や夜光塗料を配合するなども可能であり、集魚剤や蛍光塗料等の高価な配合材料を効率よく使用した一層誘因作用の高い擬似餌1を得ることができる。 【0023】 【実施例】次に、具体的な実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。ただし、以下に示す実施例は本発明を具体的に示すための一例であって、本発明の精神を逸脱しない範囲内で種々変更することができる。 【0024】[実施例1]外層部3を構成する第1の組成物として、スチレン系エラストマーとしてスチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック重合体であるセプトン4033((株)クラレ)100部、鉱物油系軟化剤としてパラフィン系オイルPW90(出光興産(株))500部を、180℃に加温したタンクの中で撹拌、溶解させ、均一組成物とする。 【0025】内層部2を構成する第2の組成物として、スチレン系エラストマーとしてセプトン4033((株)クラレ)100部、鉱物油系軟化剤としてパラフィン系オイルPW90(出光興産(株))300部を、200℃に加温したタンクの中で撹拌、溶解させ、均一組成物とする。 【0026】グラブ形状の型のキャビティ内に、まず上記第1の組成物を、注入する。このとき注入する量は、キャビティ容量に対して10〜90%の範囲、例えば50%とする。そして、この第1の組成物の流動性が失われる前に引き続き第2の組成物を注入し、キャビティ内部を完全に充填する。室温で約1分程度放置して冷却したら型を開いて中の擬似餌を取り出す。この時の構成を図3に示した。 【0027】[実施例2]外層部3を構成する第1の組成物として、スチレン系エラストマーとしてスチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック重合体であるセプトン4033((株)クラレ)100部、鉱物油系軟化剤としてパラフィン系オイルPW90(出光興産(株))500部を、180℃に加温したタンクの中で撹拌、溶解させ、均一組成物とする。 【0028】内層部2を構成する第2の組成物として、スチレン系エラストマーとしてセプトン4033((株)クラレ)100部、鉱物油系軟化剤としてパラフィン系オイルPW90(出光興産(株))300部、さらに着色剤としてシアニンブルー0.3部を加え、200℃に加温したタンクの中で撹拌、溶解させ、均一組成物とする。 【0029】グラブ形状の型のキャビティ内に、まず上記第1の組成物を、注入する。このとき注入する量は、キャビティ容量に対して10〜90%の範囲、例えば50%とする。そして、この第1の組成物の流動性が失われる前に引き続き第2の組成物を注入し、キャビティ内部を完全に充填する。室温で約1分程度放置して冷却したら型を開いて中の擬似餌を取り出す。 【0030】 【発明の効果】本発明によれば、生き餌に酷似した柔軟性や弾力性が得られ、かつ水中での微妙な挙動を実現して、優れた魚類の誘引作用を発揮し、釣りの成果を高めることができる。また同時に、柔軟性や弾力性を犠牲にすることなく、使い勝手に優れた強度を確保できる。さらに、擬似餌の色、匂いなどを局部的に変えて構成することができ、釣りの成果をさらに高めることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000158840 【氏名又は名称】鬼怒川ゴム工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)9月4日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 富士弥 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−75625 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)3月23日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−238770 |
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