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【発明の名称】 振出し式中通し竿の糸通し方法及びその糸通し補助具
【発明者】 【氏名】矢作 光啓

【要約】 【課題】扱い易く簡便で、釣竿本来の機能に支障を与えず、しかもコスト的に有利な糸通し方法を提供すること。

【解決手段】トップ竿先端から中通しワイヤ6を通し、これをトップ竿後端から引き出す際、元竿の導入ガイド穴4から元竿開口部5内に糸通し補助具1を挿入し、該糸通し補助具1と中通しワイヤ6のフック部61とを磁着させ、その後、糸通し補助具1と共にフック部61を同時に元竿外に引き出す振出し式中通し竿の糸通し方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 トップ竿先端から中通しワイヤを通し、トップ竿後端から引き出す際、元竿の導入ガイド穴から元竿開口部内に糸通し補助具を挿入し、該糸通し補助具と中通しワイヤのフック部とを磁着させ、その後、糸通し補助具と共にフック部を同時に元竿外に引き出すことを特徴とする振出し式中通し竿の糸通し方法。
【請求項2】 元竿の導入ガイド穴より挿入可能で、中通しワイヤの先端のフック部を磁着して引き出すための磁着機能を有する、振出し式中通し竿の糸通し補助具。
【請求項3】 糸通し補助具が磁石体でフック部が磁性体であることを特徴とする請求項2記載の、振出し式中通し竿の糸通し補助具。
【請求項4】 トップ竿後端から導出する中通しワイヤのフック部を確実に案内、磁着するために糸通し補助具の前後が尖形部を有することを特徴とする請求項2記載の、振出し式中通し竿の糸通し補助具。
【請求項5】 尖形部が非磁性体で形成されていることを特徴とする請求項4記載の、振出し式中通し竿の糸通し補助具。
【請求項6】 糸通し補助具が竿体に固定するための支持部材を有していることを特徴とする請求項2記載の、振出し式中通し竿の糸通し補助具。
【請求項7】 支持部材がベルトで構成されていることを特徴とする請求項6記載の、振出し式中通し竿の糸通し補助具。
【請求項8】 支持部材が一対の支持板で構成されていることを特徴とする請求項6記載の、振出し式中通し竿の糸通し補助具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は振出し式中通し竿の糸通し方法、並びにその独立した糸通し補助具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の振出し式中通し竿の糸通しに関しては、中通しワイヤを元竿開口部から出し入れする手段として、2番竿後端部に中通しワイヤの方向を転換するための案内傾斜部を設けたものや元竿内に案内傾斜部を設けたもの、或は元竿自体に中通しワイヤ引上げ装置を取り付けて元竿開口部から中通しワイヤを引き上げるもの、更には、引上げ用フック具を用いて中通しワイヤを引き上げるものなどが主流であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記従来技術において、2番竿後端部に案内傾斜部を取り付けたものは糸通しの際、常に案内傾斜部を元竿開口部に向ける必要があり不便であったし、元竿内面に傾斜部を設置したものは2番竿を元竿内に挿入可能にするために傾斜部を可倒式にするための機構的配慮が必要であった。又、元竿の導入ガイドに中通しワイヤ引上げ装置を取り付けて元竿開口部から中通しワイヤを引き上げるものは、竿体から突出した構造であることから破損し易いことや釣糸が絡む等の問題があった。
【0004】これらの従来技術はいずれも一旦、糸通し作業が終了すれば不用な装置であり、機構が複雑となり故障が起き易くコスト高を招き、製造する側にも使用者側にも種々の問題があった。更に引上げ用フック具に関しては元竿奥まで挿入した中通しワイヤを手探りで引っかけ、引き上げるものであるから失敗が多く、やり直しを余儀なくされ、同時に元竿開口部から引き出される際には中通しワイヤはヘアピン状に屈曲した状態となり中通しワイヤの損耗を速め、使用者にとって不便なものであった。
【0005】以上のように従来の、振出し式中通し竿の糸通し技術には多くの解決すべき問題点があった。本発明は、これらの問題点を解決すべくなされたもので、扱い易く簡便で、釣竿本来の機能に支障を与えず、しかもコスト的に有利な糸通し方法と、その糸通し補助具を提供することを目的としている。
【0006】
【問題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明においては、元竿開口部から中通しワイヤを引き出す技術的手段として磁力を応用した。
【0007】即ち、本発明は、(1)、トップ竿先端から中通しワイヤを通し、トップ竿後端から引き出す際、元竿の導入ガイド穴から元竿開口部に糸通し補助具を挿入し、該糸通し補助具と中通しワイヤのフック部とを磁着させ、その後、糸通し補助具と共にフック部を同時に元竿外に引き出す振出し式中通し竿の糸通し方法に存する。
【0008】そして、(2)、元竿の導入ガイド穴4より挿入可能で、中通しワイヤの先端のフック部を磁着して引き出すための磁着機能を有する糸通し補助具に存する。
【0009】そしてまた、(3)、糸通し補助具が磁石体でフック部が磁性体である上記(2)の振出し式中通し竿の糸通し補助具に存する。
【0010】そしてまた、(4)、トップ竿後端から導出する中通しワイヤのフック部を確実に案内、磁着するために糸通し補助具の前後が尖形部を有している上記(2)の振出し式中通し竿の糸通し補助具に存する。
【0011】そしてまた、(5)、尖形部が非磁性体で形成されている上記(2)の振出し式中通し竿の糸通し補助具に存する。
【0012】そしてまた、(6)、糸通し補助具が竿体に固定するための支持部材を有している上記(2)の、振出し式中通し竿の糸通し補助具に存する。
【0013】そしてまた、(7)、支持部材がベルトで構成されている上記(6)の、振出し式中通し竿の糸通し補助具に存する。
【0014】そしてまた、(8)、支持部材が一対の支持板で構成されている上記(6)の、振出し式中通し竿の糸通し補助具に存する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態を図面にもとづき、その作用と併せて詳細に説明する。
【0016】〔第1の実施の形態〕図1に示すように第1の実施の形態において、本発明の糸通し補助具1はその横断面の両端が尖形状である尖形部21と、平坦な側面偏平部22とからなる船型状の磁石体2からなり、導入ガイド穴に及び元竿開口部に挿入される適宜な大きさを有する。また中通しワイヤ6のフック部61を磁着した後も、共に元竿開口部5から引き出せる適宜な大きさを有する。磁石体2の頭部には作業の際、把持し易いように磁石体2の周囲より適宜突き出た把持部3を有する。
【0017】図2(A)において、今、糸通し補助具1を導入ガイド穴4から元竿開口部5内に挿入する。この後、トップ竿先端から中通しワイヤ6を挿入し押し進める。中通しワイヤ6の先端に取り付けられた鉄性の磁性体で形成されたフック部61は糸通し補助具1の磁石体2に到達するや尖形部21により左右いずれかに振り分けられ案内される(61A)。なおも中通しワイヤを押し進めると、フック部61は磁石体2の側面偏平部22に到達し確実に磁着される(1B)。この確実な磁着状態により中通しワイヤ6がそれ以上に進行しなくなり、トップ竿先端部でたわむことで使用者がそれを容易に感知することができる。その時点で図2(B)に示すように糸通し補助具1を引き上げれば糸通し補助具1と共にフック部61が導入ガイド穴4より取り出される。
【0018】本実施の形態における磁石体2はその両端に尖形部21を有するので、糸通し補助具1を挿入する際の方向性を問わず夜間の糸通し作業等にも不便が無い。また、側面に偏平部22を有するのでフック部61との磁着面積が大きくなり、より強い磁着力が得られる。なお、尖形部の周面は多少のカーブがあっても当然よい。
【0019】〔第2の実施の形態〕図3に示すように第2の実施の形態においては、糸通し補助具1の尖形部21をプラスチック等の非磁性体で形成し、偏平部22を有する中心部のみを磁石体2で形成する。このように構成することで、フック部61はより速やかに最も磁着力を有する偏平部22に到達することができる。つまり非磁性体の尖形部21は進行してきたフック部61を磁着することなく糸通し補助具1の左右いずれかに振り分け磁石体2の偏平部22への速やかな案内の役割を果たす。この結果、フック部61は常に竿体7に沿って平行に磁着されることになり糸通し補助具1を引き抜く際、元竿開口部5や導入ガイド穴4への接触等による引き抜きの失敗が防止される。
【0020】〔第3の実施の形態〕更に、図4(A)に示すように、第3の実施の形態においては糸通し補助具1の把持部3下方の左右に、糸通し補助具1を竿体7に固定するための支持部材31を取り付ける。支持部材は左右一対のベルト31A、31Bで構成され、それぞれの支持部材の下端にはタッチファスナー等の係止部材31Cが取り付けられる。糸通し補助具1を元竿開口部5に挿入し、糸通し作業をする際、時には糸通し補助具1から手が離れることがあり、またリール側が下方に回転して糸通し補助具1が元竿開口部5や導入ガイド穴4から抜け落ちる場合がある。そこで糸通し補助具1を元竿開口部5に挿入した後、支持部材31を図4(B)のように元竿に巻き付け、係止部材31Cでしっかりと固定すれば後の作業が容易になる。
【0021】〔第4の実施の形態〕更にまた、図5(A)に示すように第4の実施の形態においては糸通し補助具1の支持部材としてプラスチック板、或は金属板等の適宜な剛性と弾性を有する弾性体からなる左右一対の支持板32(32A、32B)を用いる。それぞれの支持板32の先端は外側に向かって適宜、曲げられており、支持板32A、32Bの間隔は竿体の直径よりも小さく保たれている。
【0022】このように構成されている糸通し補助具1を元竿開口部5に挿入する際、糸通し補助具1の元竿開口部5への進入と同時に支持板32は竿体により押し広げられる。そして糸通し補助具1が元竿開口部5に納まった後は、支持板32の弾性により竿体7をしっかりと挟み込む。このようにワンタッチで竿体7にセットでき、糸通し補助具自体が弾圧力を有することにより抜け落ちを防止できる。また、支持板32の先端が外側に適宜、曲げられているので挿入の際に竿体7を傷つけることが無い。第3の実施の形態に比較して支持部材31を竿体7に巻き付け係止する作業が不必要となり更に便利である。
【0023】以上、本発明についてその詳細を説明したが、本糸通し補助具は今日使用されている如何なる振出し式中通し竿にも使用できる極めて汎用性の高い糸通し補助具である。本発明はこれらの実施の形態に限定されことなく、その本質から逸脱しない範囲で他の変形、組合せが可能であることは言うまでもない。例えば、糸通し補助具1が磁性体でフック部61が磁石体であってもよいし、また、糸通し補助具1とフック部61を共に磁石体とし、それぞれの極性を合わせればより強固な磁着力が得られること等も当然可能である。また両端の尖形部21は中通しワイヤ6の案内を行うもので、この形状はその目的に沿う限り変更可能である。
【0024】
【発明の効果】本発明の糸通し補助具1においては中通しワイヤ6のフック部61を元竿開口部5外に引き出す手段として、糸通し補助具1とフック部61を磁着させる方法、機構を採用しているので、中通しワイヤ6を探り出す手作業や複雑機構の引出し装置を要せず、作業の簡便性、時間的効率、シンプル性、コスト面等のいずれの点においても極めて有効である。
【0025】本発明の糸通し補助具1において、糸通し補助具1が磁石体である場合には中通しワイヤ6はそのフック部61が磁性体でさえあればよく、煩雑な技術的手段を講ずる必要が全くないので極めて汎用性が高い利点がある。
【0026】本発明の糸通し補助具1において、糸通し補助具1に尖形部21を有している場合には、進行してきたフック部61を左右いずれかに振り分けるのでフック部61が行き場を失うことが無く、確実に磁着される。また、糸通し補助具1の前後に尖形部21を有している場合には、糸通し補助具1を挿入する際の方向性を問わず夜間の糸通し作業等にも不便が無い。
【0027】本発明の糸通し補助具1において、その側面に磁石体の偏平部22を有する場合には、フック部61との磁着面積が大きくなり、より強い磁着力が得られる。
【0028】本発明の糸通し補助具1において、尖形部21が非磁性体で形成されている場合には、進行してきたフック部61を磁着することなく糸通し補助具1の左右いずれかに振り分け磁石体の偏平部22への速やかな案内の役割を果たし、フック部61は常に竿体7に対して平行に磁着されることになり糸通し補助具1を引き抜く際、元竿開口部5や導入ガイド穴4への接触等による引き抜きの失敗が皆無となる【0029】本発明の糸通し補助具1において、糸通し補助具1が竿体7に固定するための支持部材31を有している場合は、糸通し補助具1を元竿開口部5に挿入し、糸通し作業をする際、糸通し補助具1から手が離れても糸通し補助具1が抜け落ちることがなく糸通し作業が容易になる。
【0030】本発明の糸通し補助具1において、支持部材がプラスチック板、或は金属板等の適宜な剛性と弾性を有する左右一対の支持板32である場合は、糸通し補助具1を元竿開口部5に挿入する際、糸通し補助具1の元竿開口部5への進入と同時に支持板32は竿体7により押し広げられ、糸通し補助具1が元竿開口部5に納まった後、支持板32の弾性により竿体7をしっかりと挟み込むので、ワンタッチで糸通し補助具1を竿体7にセットでき更に便利である。
【出願人】 【識別番号】000128946
【氏名又は名称】マミヤ・オーピー株式会社
【出願日】 平成9年(1997)7月25日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】白崎 真二
【公開番号】 特開平11−42035
【公開日】 平成11年(1999)2月16日
【出願番号】 特願平9−213882