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【発明の名称】 糸通し具
【発明者】 【氏名】臼田 敏和

【要約】 【課題】使い易く、しかも簡単な構造で低コストな糸通し具を提供する。

【解決手段】少なくとも一端側に釣糸係止部24A,24Bを設け、線材24Sをコイル状に巻回して平常時に直線状である糸通し具本体24を構成し、該本体のコイル状線材は、平常時において隣接したコイル同士が重なりをも含めて接触しているように密に巻回されており、平常時の糸通し具本体長さは概ね10cm以上概ね60cm以下であるよう構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも一端側に釣糸係止部を設け、線材をコイル状に巻回して平常時に直線状である糸通し具本体を構成し、該本体のコイル状線材は、平常時において隣接したコイル同士が重なりをも含めて接触しているように密に巻回されており、平常時の糸通し具本体長さは概ね10cm以上概ね60cm以下であることを特徴とする糸通し具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は中通し釣竿に釣糸を挿通させるための糸通し具に関する。
【0002】
【従来の技術】中通し釣竿では釣糸が竿管内部を挿通するため、釣糸が釣竿に引っ掛らず、使い勝手がよく、最近多用されている。然しながら、使用に際して釣糸を竿管内部に挿通させる作業が必要であり、この作業を円滑に行う必要がある。このため特開平8−19360号公報には種々の形態の糸通し具が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、上記種々の形態の糸通し具は、原理的には糸通しが可能であっても、複数の部材を結合させて糸通し具を製造しなければならなかったり、糸通し具本体以外の道具をも必要としたりし、必ずしも構造が簡単ではなく、コスト高になる傾向がある。また、長い糸通し具では持ち運びに不便があり、丸めるとその癖がつき、元の直線状に戻り難かったりする。
【0004】依って本発明は、使い易く、しかも簡単な構造で低コストな糸通し具の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑みて本発明は、少なくとも一端側に釣糸係止部を設け、線材をコイル状に巻回して平常時に直線状である糸通し具本体を構成し、該本体のコイル状線材は、平常時において隣接したコイル同士が重なりをも含めて接触しているように密に巻回されており、平常時の糸通し具本体長さは概ね10cm以上概ね60cm以下であることを特徴とする糸通し具を提供する。線材とは、断面が円形の針金状のものの他、板状のものも含む。
【0006】糸通し具本体は線材をコイル状に巻回して構成するため、釣糸係止部を含めて単一部材の線材を連続させて構成することが可能であり、構造が単純であって低コスト化が可能となる。また、直線状の平常時において、隣接コイル同士が接触しているように密に巻回しているため、糸通し作業中に釣糸がコイル間に挟持されるような不都合が防止され、また、糸通し具本体が幾分曲っても隣接コイル間に殆ど隙間が生ぜず、やはり釣糸が挟持されることが防止される。更には、密に巻回して形成するため、適当な撓み剛性が得られ、糸通しに必要な剛性(腰の強さ)と撓み性とが共に得られ、更には、密に巻回されているため、本体が10cm以上60cm以下程度の長さで重力や遠心力による糸通しに必要な質量が得られ、一般的に釣竿の糸通し長さに比べて非常に短く、そのままでも持ち運びが容易であり、更には丸めることもできて持ち運びが更に容易になる。また、持ち運びや糸通しの際に一時的に撓み変形しても、コイル方式のため容易に元の直線状に戻る。従って、反復使用可能である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に示す形態例に基づき、更に詳細に説明する。図1は、本発明に係る糸通し具24を用いて糸通しを行っている途中の図である。大径竿管10に設けたセラミックス製等の釣糸導入ガイド20の近くに、第1小径竿管12の後端が位置しており、この後端部に設けられた栓体に受けられるように、第2小径竿管14の後端部の栓体が位置し、更には、この第2小径竿管の栓体に受けられるように、穂持ち竿16の後端部の栓体が位置し、この穂持ち竿の栓体に受けられるように穂先竿18の後端が位置している。各竿管12,14,16の栓体内周にはセラミックス製等のガイドリングG2,G4,G6が配設されている(竿管18も同様であるが図示していない)。
【0008】釣糸導入ガイド20には前後方向に長い長孔20Kが設けられており、この長孔を介し、後端部の釣糸係止部24Bに釣糸22を係止させた状態で、約30cmの長さの糸通し具24を前記各ガイドリングに挿通させている。各ガイドリング内口径は直径が3〜5mm程度以上が通常であり、普通、糸通し作業の角度θは30度程度以内である。こうした場合、糸通し具24の曲率半径Rは、通常40mm程度よりも大きい。
【0009】この糸通し具24を拡大したものを図2に示す。断面が円形の線材24Sを同一径のコイル状に巻回し、しかも平常時(特別に力を付与しないで、平らな机の上に載置した状態等)において隣接したコイル同士が接触するように密に巻回して形成する。図1に示すように、釣糸導入用の長孔20Kを介して糸通し具24を手で押しながら各竿管後端部に順次挿通させて、最後に穂先竿18の後端に挿入させるためには、それだけの腰の強さと長さとが必要であり、穂先竿の後端に至るまでの経路長さに応じて糸通し具の長さは概ね10cm以上概ね60cm以下の範囲の長さに形成する。好ましくは概ね20cm以上概ね40cm以下である。この形態例では両端に釣糸係止部24A,24Bを設けており、何れの側からでも糸通しができる。
【0010】これらの釣糸係止部は合成樹脂製等の円柱部材24Cを介してコイル状糸通し具本体の端部に接着等で固定しているが、線材24Sによって釣糸係止部24Aを形成し、そのまま連続した線材24Sでコイル状糸通し具本体を形成し、最後に釣糸係止部24Bを形成することもできる。この場合には、1種類の部材(線材)によって糸通し具が形成でき、シンプルな構造で低コストとなる他、コイル式であるため必要な撓み性が得られ、また、密なコイル式であるため、既述の押し作業のため等に必要な腰の強さ(剛性)も得られ、更には、短くてもある程度大きな質量も得られ、糸通し具を、一旦、穂先竿18の後端に挿入した後、その後、穂先竿の先端から引き出すには、重力作用によったり遠心力によって穂先竿内を通し、容易に糸通しすることができる。糸通しするのであるから、当然のことながら、糸通し具24の外径は糸通し経路の最小内口径以下に形成する。一般には、直径を2mm以下に形成する。
【0011】使用される釣糸は通常0.1mm以上の太さなので、これを考慮して糸通し具24の曲率半径Rが40mm程度に曲っても、隣接したコイル状線材間隔が0.1mm未満の目開きになるように糸通し具の線材径や形状を選択する。線材直径は2mm以下のものを使用するが、曲率半径40mmの条件下では、直径が通常1mm以下、好ましくは0.5mm以下の線材を使用してコイルを形成する。
【0012】図3は、他の形態の糸通し具を示す。図2の場合と異なるのは、使用している線材が板状部材24S’であることであり、また、この板状部材をコイル状に巻回する際に、側縁を重ねながら巻回している。この側縁の重ね代に応じて糸通し具24’の撓み剛性が変り、多く重ねれば剛性が高くなり、小さければ剛性が小さくなる。従って、この重ね代を調節設定することで適切な撓み性と腰の強さとを有する糸通し具が製造できる。また、撓んだ際にも、釣糸を挟持しないような目開きにするには、この重ね代を適切に設定することで容易に達成できる。更には、この第2形態例の場合は、図3のように板状部材24S’を重ねている糸通し具24’では、竿管内を図3の矢印方向に挿通させる、即ち、釣糸係止部24A側を先頭にして挿通させることが円滑な糸通しのために好ましい。
【0013】重量(質量)を得るために、線材の比重は3以上、好ましくは6以上の材料が好ましい。既述の如く糸通し具は腰が必要なため、材料はSUS材、ばね鋼、複合金属、タングステンのコーティング材等が好ましい。
【0014】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明によれば、使い易く、しかも簡単な構造で低コストな糸通し具の提供が可能となる。
【出願人】 【識別番号】000002495
【氏名又は名称】ダイワ精工株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月30日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】越智 俊郎
【公開番号】 特開平11−18650
【公開日】 平成11年(1999)1月26日
【出願番号】 特願平9−189162