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【発明の名称】 水槽内固定装置
【発明者】 【氏名】山田 洋

【要約】 【課題】水槽内固定装置の水槽への取付けに支障を与えずに、水槽内固定装置の外面と水槽内壁面との間の空間に魚が入り込み、この空間内で死亡することのないようにすることのできる構造を提供することにある。

【解決手段】産卵箱1は、有底角筒状に形成された本体2と、産卵箱1を水槽に固定するための吸着部材3と、産卵箱1の姿勢を保持するための保持突起4とを備えている。本体2の外面のうち水槽内壁面に対向する対向外面部2aには、その外縁部に沿って伸びる突出枠2bが形成されている。この突出枠2bは、対向外面部2aの中央部を側方及び底部から取り囲むように形成されている。突出枠2bの突出長さは、水槽内壁面に吸着させた状態の吸着部材3の厚さよりもわずかに短い長さとなっている。本体2、保持突起4及び突出枠2bは、樹脂の射出成形によって一体に形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水槽内壁面に取り付けるための取付手段を外面上に備えた水槽内固定装置において、前記外面上には、取付状態において前記水槽内壁面に対向する対向外面部の外縁に沿って形成された突出枠を有することを特徴とする水槽内固定装置。
【請求項2】 水槽内壁面に取り付けるための取付手段を外面上に備えた水槽内固定装置において、前記外面上には、取付状態において前記水槽内壁面に対向する対向外面部上に前記水槽内壁面との間の空間を埋めるための軟質層が固着されていることを特徴とする水槽内固定装置。
【請求項3】 水槽内壁面に取り付けるための取付手段を備えた水槽内固定装置において、前記水槽内壁面と密着可能な密着外面部を有し、前記取付手段は、前記水槽内壁面と前記密着外面部とを互いに密着させた状態で保持するように構成されていることを特徴とする水槽内固定装置。
【請求項4】 請求項3において、前記取付手段は、前記密着外面部の外側の外面部分から突出し、前記水槽内壁面に吸着する吸着部材を備えていることを特徴とする水槽内固定装置。
【請求項5】 請求項3において、前記取付手段は、前記密着外面部に埋設された埋設磁性体と、水槽の壁面を介して前記埋設磁性体に対向配置されるように構成され、若しくは水槽の壁面に固定された対応磁性体とからなり、前記埋設磁性体と前記対応磁性体のうちの少なくともいずれか一方が磁化されており、前記埋設磁性体と前記水槽外磁性体との間に磁気吸引力が働くように構成されていることを特徴とする水槽内固定装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水槽内固定装置の構造及び水槽内への取付構造に係り、特に、水槽内壁面に固定されるように構成された装置の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、観賞魚用水槽の内部には、水槽内の水を浄化するための濾過器や、水槽内の水の温度を調節するためのヒータや、水槽内に水流を起こすためのポンプなどが収容される場合がある。これらは、水槽内にそのまま載置されるものもあるが、水槽内において移動しないよう水槽内壁面に固定されて使用される場合がある。
【0003】また、水槽内で魚を繁殖させるために産卵箱が用いられる場合があり、この産卵箱も上記のものと同様に水槽内壁面に固定される場合がある。産卵箱は、産卵期の成魚を収容し、その内部で産卵と孵化を行わせるためのものであり、生まれた稚魚が成魚にいじめられたり食べられたりしないように、稚魚と成魚とを分けて生息させることができる場所を提供するものである。
【0004】図9は、従来の産卵箱を水槽10内に取付けた状態を示す縦断面図である。産卵箱は、有底角筒状の本体61と、本体61を水槽の内壁面に固定するための吸着部材62と、本体61の姿勢を保持するための保持突起63とから構成されている。
【0005】本体61の内部には、高さ方向の中間位置よりやや下方において、対向する内面からそれぞれ下方に向かって斜めに突出した一対の板状の遮蔽板64,64が形成されている。この遮蔽板64においては、本体61内の上部に収容された成魚が本体61内の下部に入ることができないように、一対の遮蔽板64,64の先端の間隔が設定され、隙間64aが形成されている。上部に収容された成魚が産卵すると、卵は遮蔽板64の上面を滑り落ちて下部に入る。卵から孵化した稚魚は、隙間64aを通って本体61内上部と下部とを自由に往来することが可能となっている。吸着部材62は、ゴム材からなる椀形状を有しており、本体61の外面に取付けられている。
【0006】産卵箱は、吸着部材62の吸着面62aを水槽内壁面に吸着させることにより水槽内壁面に固定される。また、産卵箱以外の濾過器、ヒータ、ポンプなどについても、産卵箱と同様に、それぞれの外面に吸着部材を取付けて、吸着部材を水槽内壁面に吸着させることにより、水槽内壁面に固定される場合が多い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の産卵箱などの各種水槽内固定装置を水槽内に取付け固定した状態においては、水槽内固定装置の外面と、水槽の内壁面との間に、吸着部材の厚さ分だけ間隔が発生し、水槽内固定装置の外面と水槽内壁面との間に空間65が形成される。この状態で水槽内に魚を入れると、水槽内固定装置の外面と水槽内壁面との間の空間に魚が入り込むことがあり、入り込んだ魚がその空間から出ることができずに死んでしまう場合があるという問題点がある。
【0008】そこで、本発明は、上記問題点を解決するものであり、その課題は、水槽内固定装置の水槽への取付けに支障を与えずに、水槽内固定装置の外面と水槽内壁面との間の空間に魚が入り込み、この空間内で死亡することのないようにすることのできる構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明が講じた手段は、水槽内壁面に取り付けるための取付手段を外面上に備えた水槽内固定装置において、前記外面上には、取付状態において前記水槽内壁面に対向する対向外面部の外縁に沿って形成された突出枠を有する水槽内固定装置である。
【0010】この手段によれば、水槽内固定装置を取付手段により水槽内壁面に取付けると、水槽内固定装置の対向外面部と水槽内壁面とが対向するが、このとき、水槽内壁面と、水槽内固定装置の対向外面部との間に間隔が発生する場合がある。特に、水槽内固定装置の外面上に取付手段が固定されている場合には、取付手段の厚さ分だけ必然的に水槽内壁面との間隔が発生する。この場合、対向外面部の外縁に突出枠が形成されているため、水槽内固定装置の外面と水槽内壁面との間に形成された空間の外縁においては、前記間隔よりも狭い間隙が水槽内壁面と突出枠との間に形成される。従って、大きい魚が前記空間に入ろうとしても、突出枠によって狭められた間隙により入ることができず、また、小さい魚が前記間隙から前記空間内に入っても、このような小さい魚は空間内で自由に泳ぎ回ることができるため、身動きが取れずに死んでしまう恐れはない。
【0011】また、この場合、突出枠が水槽内壁面との間隙を完全になくすように形成されている必要はないため、水槽内固定装置の取付に支障を来す恐れもない。
【0012】次に、水槽内固定装置の外面上には、取付状態において前記水槽内壁面に対向する対向外面部上に前記水槽内壁面との間の空間を埋めるための軟質層が固着されている場合もある。
【0013】この手段によれば、水槽内固定装置を取付手段により水槽内壁面に取付けると、水槽内固定装置と水槽内壁面との間に間隔が発生しても、対向外面部に軟質層が固着されているため、水槽内固定装置と水槽内壁面との間の空間は軟質層によって充填されることから、魚が入り込むことはできなくなる。また、軟質層の厚さがある程度変化可能であることから、水槽内固定装置の取付に支障を来すこともない。
【0014】さらに、前記水槽内壁面と密着可能な密着外面部を有し、前記取付手段は、前記水槽内壁面と前記密着外面部とを互いに密着させた状態で保持するように構成されている場合もある。
【0015】この手段によれば、水槽内固定装置を水槽内壁面に取付けると、取付手段によって、水槽内壁面と密着外面部とが密着した状態で保持される。従って、水槽内固定装置の外面と水槽内壁面との間に空間が形成されないため、魚が入り込むこともなくなる。
【0016】ここで、前記取付手段は、前記密着外面部の外側の外面部分から突出し、前記水槽内壁面に吸着する吸着部材を備えていることが好ましい。
【0017】この手段によれば、密着外面部の外側の外面部分から突出する吸着部材を備えているので、水槽内壁面と密着外面部との間に空間を設けることなく、密着外面部を確実に水槽内壁面に密着させることができる。
【0018】さらに、前記取付手段は、前記密着外面部に埋設された埋設磁性体と、水槽の壁面を介して前記埋設磁性体に対向配置されるように構成され、若しくは水槽の壁面に固定された対応磁性体とからなり、前記埋設磁性体と前記対応磁性体のうちの少なくともいずれか一方が磁化されており、前記埋設磁性体と前記水槽外磁性体との間に磁気吸引力が働くように構成されていることが好ましい。
【0019】この手段によれば、水槽内固定装置の密着外面部に埋設された埋設磁性体と、水槽の壁面に配置された対応磁性体とが相互に磁気吸引力によって吸着することを利用し、水槽内固定装置の密着外面部と水槽内壁面とを密着させた状態で固定することができる。従って、容易に水槽内固定装置を水槽内に取付けることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して、本発明に係る水槽内固定装置の構造及び水槽内固定装置の水槽内への取付構造の実施形態について説明する。
【0021】(第1実施形態)図1は、本発明にかかる水槽内固定装置の第1実施形態である産卵箱1の構造を示す斜視図である。産卵箱1は、有底角筒状に形成された本体2と、産卵箱1を水槽に固定するための吸着部材3と、産卵箱1の姿勢を保持するための保持突起4とを備えている。
【0022】本体2の外面のうち、水槽内壁面に対向する対向外面部2aには、その外縁部に沿って伸びる突出枠2bが形成されている。この突出枠2bは、対向外面部2aの中央部を側方及び底部から取り囲むように形成されている。突出枠2bの突出長さは、水槽内壁面に吸着させた状態の吸着部材3の厚さよりもわずかに短い長さとなっている。本体2、保持突起4及び突出枠2bは、樹脂の射出成形によって一体に形成されている。
【0023】吸着部材3は椀形状をした合成ゴムで形成された公知のものであり、平面円形の吸着面3aを備えている。吸着部材3の基部は対向外面部2aの略中央部に固定されている。保持突起4は円柱形状をしており、対向外面部2aにおける吸着部材3の固定部分の下方の2カ所にてそれぞれ突出形成されている。
【0024】図2に示すように、遮蔽板5は上記従来例における図9に示すものと同様の構造を有しているため、その説明は省略する。
【0025】図1に示す産卵箱1を吸着部材3によって水槽内壁面に固定すると、図2に示すように、産卵箱1の対向外面部2aと水槽内壁面とは互いに間隔G1を隔てて対向し、その間に空間11が形成される。ここで、産卵箱1を水槽内壁面に固定するには、水槽内壁面に吸着部材3の吸着面3aを押し付けることによって吸着面3aを水槽内壁面にぴったりと密着させればよい。このとき、保持突起4の端部4aは、水槽10の内壁面に当接し、産卵箱1の姿勢を水平に保持する。この産卵箱1の本体2は、上縁部が水槽10の水面よりも上に位置するようにして固定されている。このため、本体2内の水と、水槽10内の水とは互いに分離されている。
【0026】この状態で、本体2の対向外面部2aから突出した突出枠2bと水槽内壁面との間には、前記間隔G1よりも短い間隔G2を有する間隙12が形成される。突出枠2bは対向外面部2aの底辺側及び側辺側の外縁部に沿って連続して形成されており、側辺側の外縁部に形成されている突出枠2bの上縁部は水面上に出ている。したがって、水面下においては、対向外面部2aと水槽内壁面との間の空間11は、すべて突出枠2bによって取り囲まれていることとなる。
【0027】水槽10の内部にて飼育されている観賞魚13のうち、産卵期にあると思われる成魚は産卵箱1の本体2の内部に移される。本体2内の成魚は、遮蔽板5,5の先端部の間に形成された間隙5aを通過することができないため、本体2の上部に留まり、ここで産卵を行う。産卵が完了すると速やかに水槽10内に戻される。本体2に設けられた遮蔽板5の下方には、卵から孵化した稚魚14が生息している。
【0028】このようにして産卵箱1を水槽内壁面に吸着固定した場合に、水槽10内に飼育されている成魚13が前記間隔G1から空間11内に入り込もうとする場合がある。しかし、本実施形態においては、突出枠2bの存在によって空間11内に入るためには、間隔G1よりも小さい間隔G2を有する間隙12を通過しなければならない。従って、間隔G2よりも体幅の大きい魚は空間11内に入ることができず、このため、空間11内で身動きが取れなくなり死んでしまうことが無くなる。
【0029】一方、稚魚や比較的体幅の小さい魚には、間隙12を通過して空間11内に入ることができるものもいる。しかし、このような小さな魚は、空間11が間隔G2よりも大きな間隔G1を備えていることから、空間11内を余裕を以て自由に泳ぎ回ることができるため身動きが取れずに死んでしまうことはない。
【0030】また、多数あるいは多種の観賞魚を一つの水槽内にて飼育する場合、稚魚その他の小さい魚が大きい魚にいじめられたり食べられたりすることがある。しかしながら、本実施形態においては、小さい魚が水槽内壁面と本体2の対向外面部との間に形成された空間11内に逃げ込むことが出来るため、観賞魚同士の殺傷確率を低減することができる。
【0031】(第2実施形態)次に、本発明における水槽内固定装置の第2実施形態について説明する。図3は水槽内固定装置である濾過器20の構造を示す斜視図である。本実施形態における濾過器20は、濾過器本体21と、この濾過器本体21を水槽内壁面に固定するための吸着部材23とから構成されている。濾過器本体21は、三角柱形状を有し、内部には図示しない濾過体が収容されている。濾過器本体21の外面のうち、隣接する2つの外側面が水槽内壁面と対向する対向外面部21aとなっている。
【0032】対向外面部21aの外縁部には、取付状態における水槽内壁面に向かって突出した突出枠21bが濾過器本体21と一体に形成されている。この突出枠21bは、対向外面部21aを完全に取り巻くように、その外縁に沿って閉じた形状となるように形成されている。すなわち、対向外面部21aの上縁、側縁及び下縁に沿って一体に形成されている。吸着部材23は第1及び第2実施形態のものと同様のものである。この吸着部材23は、対向外面部21aを構成する2つの外側面においてそれぞれの中央部付近に1つずつ取り付けられている。
【0033】この濾過器20は、底面部に設けられた図示しない吸水口から水槽10内の水を吸入し、内部の濾過体によって濾過して水を浄化した後、浄化した水を上部に突出した排出管22から水槽10内に戻すように構成されている。
【0034】この濾過器20は、水槽10内に入れられた水の中に全体が完全に浸漬され、排出管22が水面のやや下に位置するように、対向外面部2aの2つの側面部にそれぞれ取り付けられた吸着部材23,23を水槽10の隣接する2つの内壁面に押し付けることによって、水槽10の2つの内壁面が交わる内側隅部に固定される。図4は、濾過器20を水槽内壁面に固定した状態を示す平面図であり、図3と同構造部には同符号を付し、その説明は省略する。
【0035】本実施形態における濾過器20は、水槽10の隅部の2つの内壁面と、濾過器本体21に取り付けられている突出枠21bを有する対向外面部2aの2つの外側面とをそれぞれ対向させた状態で、2つの吸着部材23によって固定される。このとき、水槽内壁面と濾過器本体21の対向外面部21aとの間隔G1は、吸着部材23の厚さに対応したものであり、この間隔G1によって濾過器本体21の外面と水槽内壁面との間には空間24が形成される。また、濾過器本体21に取付けられた突出枠21bと水槽内壁面との間隔G2は、前記間隔G1よりも短く、この間隔G2によって、突出枠21bの端部と水槽内壁面との間に隙間25が形成される。
【0036】本実施形態においては、第1実施形態と同様に、大きい魚は前記空間24内に入ることができず、小さい魚は前記空間24内に入ることができるように、濾過器本体21の外面に突出枠21bが形成されている。したがって、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0037】なお、本実施形態においては、濾過器20は、水槽内に入れられた水に完全に浸漬されるように設置される。このため、濾過器本体21の上部外縁部にも突出枠21aが伸びるように構成し、水槽10内で飼育されている大きい魚が上方からも前記空間24内に入り込めないように構成されている。
【0038】また、本実施形態においては、水槽内固定装置として濾過器20を示したが、他の水槽内固定装置、例えば、ヒータやポンプなども濾過器20と同様に水槽内壁面に対向する外面部の外縁部に突出枠を設けることにより、水槽内壁面と水槽内固定装置の外面との間に形成される空間に大きな魚が入り込まないようにすることができる。
【0039】(第3実施形態)次に、図5を参照して、本発明に係る第2実施形態について説明する。本実施形態は、上記第1実施形態と同様に、水槽10の水槽内壁面に吸着保持するように形成された産卵箱1’である。ここで、第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0040】この実施形態においては、第1実施形態の突出枠2bを形成する代わりに、水槽内壁面に対向する本体2’の対向外面部2a’上に発泡ウレタンからなる軟質層2c’を貼着している。この軟質層2c’は、対向外面部2a’のうち吸着部材3’の取り付けられた中央部分を除く表面上に貼着されている。
【0041】この実施形態においては、産卵箱1’を水槽内壁面に固定すると、対向外面部2a’と水槽内壁面との間の空間は軟質層2c’によって充填されるため、対向外面部2a’と水槽内壁面との間に魚が迷い込むことがなくなる。
【0042】産卵箱1’を水槽内壁面に吸着部材3’によって取り付ける際には、軟質層2c’は押し付け力によって厚さが変化するので、本体2’を水槽内壁面に支障無く押し付けることができ、産卵箱1’の水槽内壁面に対する取付性をほぼ従来通りに維持することができる。
【0043】軟質層2c’の無負荷状態における厚さは、対向外面部2a’と水槽内壁面との間隔G1よりも厚いことが好ましい。これは、対向外面部2a’と水槽内壁面との間にできる空間を軟質層2c’が完全に埋めることができるからである。ただし、軟質層2c’の厚さが厚くなり過ぎると、吸着部材3’による水槽内壁面への吸着が困難になるため、軟質層2c’の厚さは、吸着部材3’による吸着が可能な範囲内において設定される必要がある。
【0044】なお、軟質層2c’の材料としては、発泡ウレタンの他に、種々の軟質樹脂、合成ゴム、その他の厚さが容易に変化しうる材料が考えられる。
【0045】(第4実施形態)次に、本発明における水槽内固定装置の第4実施形態について説明する。図6は、本実施形態の産卵箱を水槽内に固定した状態を示す横断面図である。
【0046】本実施形態においては、本体30の外面のうち、水槽内壁面に対向する対向外面部30aが水槽内壁面に密着する形状(水槽内壁面が平面であれば平面形状、水槽内壁面が曲面であれば同じ曲率を備えた曲面形状)に形成されている。そして、本体30における対向外面部30aの外側の外面部から突出する一対の突出板31,31がシール材32によって取り付けられている。この突出板31にはシール材33によって上述と同様の吸着部材34がそれぞれ一つずつ取付られている。
【0047】この吸着部材34は、対向外面部30aから外れた位置において水槽内壁面に吸着するようになっていることによって、対向外面部30aが水槽内壁面に密着するように産卵箱を水槽内に固定することができる。従って、水槽10内に水槽内壁面と産卵箱の外面との間の空間が形成されなくなるため、空間内に魚が入り込むことによって死亡することもなくなる。
【0048】(第5実施形態)次に、本発明における第5実施形態について説明する。図7は、産卵箱を水槽内に固定する直前の状態を示す横断面図である。
【0049】本実施形態においては、産卵箱の本体40の外面のうち、取付状態において水槽内壁面に対向する対向外面部40aが水槽内壁面10aに対して密着するように形成されている。この対向外面部40aには、2つの凹部40b,40bが形成されており、これらの凹部40b内にマグネット41が嵌合した状態で固定されることによって、マグネット41は対向外面部40aに埋設されている。
【0050】一方、水槽10の水槽内壁面10aには、上記マグネット41の位置に対応した位置に一対の内凹部10b,10bが形成され、これらの内凹部10bにそれぞれマグネット42が嵌合した状態で固定されることによって、マグネット42は水槽内壁面10aに埋設されている。
【0051】ここで、マグネット41の外表面とマグネット42の内表面とには、相互に逆の極性を備えた磁極が形成され、相互に吸引力を発生するように構成されているため、産卵箱を水槽内壁面10aに接触させるだけで容易に産卵箱を固定できるようになっている。また、この状態で、マグネット41,42を埋設した対向外面部40a及び水槽内壁面10bはいずれも平滑になっているため、両者は互いに密着するように構成されているので、水槽内壁面と散乱箱との間に魚が進入することもない。
【0052】さらに、本実施形態においては、産卵箱を水槽へ取付けるための手段が水槽内壁面と産卵箱の外面に埋設されているため、外側に張り出した吸着部材などの設置スペースを必要としない。
【0053】本実施形態では、水槽あるいは産卵箱にはいずれも磁石が設けられているが、どちらか一方に磁化された磁性体を用い、もう一方に磁性体を用いても良い。また、水槽及び産卵箱に取り付ける磁性体の個数もそれぞれ任意である。
【0054】本実施形態では、水槽10の内壁面10aにマグネット42を埋設しているが、マグネット42を水槽10の壁面の外面側に固着させてもよく、あるいは、マグネット42を単に水槽10の外壁面上におけるマグネット41に対応する位置に配置するだけでもよい。
【0055】(第6実施形態)次に、本発明における第6実施形態について説明する。図8は、産卵箱を水槽内に固定する際に用いられる取付枠体の構造を示す平面図である。この実施形態は、図6及び図7に示す産卵箱と同様の産卵箱ではあるが、吸着部材34やマグネット41が取り付けられていない産卵箱を水槽内壁面に固定するための独立した部品である。
【0056】取付枠体50は、産卵箱を保持するための、折曲した両端部50bを備えた略コ字型に形成された軸部50aと、この軸部50aの両端部50bにそれぞれシール材51を介して取り付けられた2つの吸着部材52,52とから構成されている。
【0057】軸部50aは図示しない立方体形状の産卵箱の外面に沿って当接するように当てられ、この産卵箱を水槽内壁面に接触させた状態で、2つの吸着部材52,52を水槽内壁面に吸着させることによって、産卵箱を水槽内壁面に固定することができる。ここで、産卵箱の外面と軸部50aとが溝と突起などのように、相互に係合するように構成されていることが好ましい。これは、産卵箱が取付枠体50から滑り落ちないようにするためである。
【0058】このようにして別体の取付枠体50によって産卵箱を水槽内壁面に取り付けることにより、水槽内壁面と産卵箱との間には空間が形成されないため、上記の第4実施形態と同様に魚が当該空間に入り込むことがなくなる。
【0059】なお、取付枠体50は、その軸部50aが産卵箱の隣接する3つの外側面に当接するように設けても良いし、あるいはまた、産卵箱の上面と外側面と底面の3つの面に当接するように取り付けても良い。さらに、軸部50a自体が産卵箱の外面に吸着保持されるように構成してもよい。
【0060】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、水槽内固定装置を吸着部材によって水槽内壁面に固定する場合に、水槽内固定装置の対向外面部の外縁部上に突出枠を設けることにより、水槽内固定装置の外面と水槽内壁面との間に空間が形成されても、突出枠の形成によって空間への入り口が狭められるため、この空間内に比較的大きい魚が入り込み、その空間内で身動きが取れずに死んでしまうことを防止することができる。
【0061】また、水槽内固定装置の対向外面部に軟質層を配置したり、水槽内固定装置の外面を水槽内壁面に密着させて取付けることにより、魚が入り込むような空間自体を無くすことができる。
【出願人】 【識別番号】595056435
【氏名又は名称】有限会社グッピー
【識別番号】393022768
【氏名又は名称】日本動物薬品株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月25日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】三枝 弘明
【公開番号】 特開平11−9135
【公開日】 平成11年(1999)1月19日
【出願番号】 特願平9−185769