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【発明の名称】 魚釣り用ウキ、およびその浮力調整方法
【発明者】 【氏名】小田切 忠昭

【要約】 【課題】ウキの重さや浮力を迅速且つ緻密に調節可能とする新規な構造からなる魚釣り用ウキ、およびその新規な浮力調整方法を提供する。

【解決手段】ウキ本体1下面に穿り抜き部2を穿設し、同穿り抜き部2の奥部に浮力調整用空間部21を確保した上、開口縁24側に雌ネジ体3を装着する一方、該雌ネジ体3に螺合可能な雄ネジ部41を上方に形成してなる別体の重量調整錘体4を、適宜重量の変えられた数種類の重量調整錘体4,4,……として用意し、これら複数個の重量調整錘体4,4,……の中の何れかを適宜選択し、雌ネジ体3に螺合してウキ本体1に一体化するようにした魚釣り用ウキである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ウキ本体の材心周りには、その下面に開口した穿り抜き部を穿設し、同穿り抜き部の開口側には、その奥部に浮力調整用空間部を確保する如くして雌ネジ体を装着、一体化する一方、前記雌ネジ体の雌ネジ部へ螺合可能な雄ネジ部を上方外周面に形成してなる別体の重量調整錘体を、適宜重量の変えられた数種類の重量調整錘体として用意し、これら複数個の重量調整錘体の中の何れかの重量調整錘体が、適宜選択的に前記雌ネジ体の雌ネジ部に螺合されてウキ本体に一体化されるようにしたことを特徴とする魚釣り用ウキ。
【請求項2】 ウキ本体の材心周りには、その下面に開口すると共に、同奥部中途には受け段部が形成され、該受け段部から奥部までを開口径よりも小径となるようにした穿り抜き部に穿設した上、同穿り抜き部の受け段部を規制箇所として雌ネジ体を嵌入、一体化し、受け段部よりも奥部となる小径の穿り抜き部に浮力調整用空間部を確保したものとする一方、前記雌ネジ体の雌ネジ部へ螺合可能な雄ネジ部を上方外周面に形成してなる別体の重量調整錘体を、適宜重量の変えられた数種類の重量調整錘体として用意し、これら複数個の重量調整錘体の中の何れかの重量調整錘体が、適宜選択的に前記雌ネジ体の雌ネジ部に螺合されてウキ本体に一体化されるようにしたことを特徴とする魚釣り用ウキ。
【請求項3】 ウキ本体の材心周りには、その下面に開口すると共に、同奥部中途には受け段部が形成され、該受け段部から奥部までを開口径よりも小径となるようにした穿り抜き部に穿設した上、同穿り抜き部の受け段部を規制箇所として雌ネジ体を嵌入、一体化し、受け段部よりも奥部となる小径の穿り抜き部に浮力調整用空間部を確保したものとする一方、前記雌ネジ体の雌ネジ部へ螺合可能な雄ネジ部を上方外周面に形成すると共に、下方からは連結環部を突設、形成してなる別体の重量調整錘体を、適宜重量の変えられた数種類の重量調整錘体として用意し、これら複数個の重量調整錘体の中の何れかの重量調整錘体が、適宜選択的に前記雌ネジ体の雌ネジ部に螺合されてウキ本体に一体化されるようにしたことを特徴とする魚釣り用ウキ。
【請求項4】 比較的軽量で水に浮く素材からなる上体部と、比較的硬質で水に沈む素材からなる下体部とを上下に一体結合して適宜外形のウキ本体となし、該ウキ本体の材心周りには、下体部下面に開口し、上体部内部中途にまで達するようにした穿り抜き部を穿設し、同穿り抜き部の開口側には、その奥部に浮力調整用空間部を確保する如くして雌ネジ体を装着、一体化する一方、前記雌ネジ体の雌ネジ部へ螺合可能な雄ネジ部を上方外周面に形成すると共に、下方からは連結環部を突設、形成してなる別体の重量調整錘体を、適宜重量の変えられた数種類の重量調整錘体として用意し、これら複数個の重量調整錘体の中の何れかの重量調整錘体が、適宜選択的に雌ネジ体の雌ネジ部に螺合されてウキ本体に一体化されるようにしたことを特徴とする魚釣り用ウキ。
【請求項5】 比較的軽量な素材からなる上体部と、比較的硬質な素材からなる下体部とを上下に一体結合して適宜外形のウキ本体となし、該ウキ本体の材心周りには、下体部下面に開口すると共に、同奥部中途には受け段部が形成され、該受け段部から奥部であって上体部内部中途までを開口径よりも小径となるようにした穿り抜き部に穿設した上、同穿り抜き部の受け段部を規制箇所として雌ネジ体を嵌入、一体化し、受け段部よりも奥部となる小径の穿り抜き部に浮力調整用空間部を確保したものとする一方、前記雌ネジ体の雌ネジ部へ螺合可能な雄ネジ部を上方外周面に形成すると共に、下方からは連結環部を突設、形成してなる別体の重量調整錘体を、適宜重量の変えられた数種類の重量調整錘体として用意し、これら複数個の重量調整錘体の中の何れかの重量調整錘体が、適宜選択的に前記雌ネジ体の雌ネジ部に螺合されてウキ本体に一体化されるようにしたことを特徴とする魚釣り用ウキ。
【請求項6】 ウキ本体の上体部が、比較的軽量な桐材その他の木材からなるものとし、同下体部が、比較的硬質の樫材その他硬質木材からなるものとした、請求項4または5何れか記載の魚釣り用ウキ。
【請求項7】 重量調整錘体は、少なくとも4個以上のものとして用意され、それらの中の1個を除く重量調整錘体の雄ネジ部軸心周りには、上方に開口する補助空間部の穿設されたものにすると共に、夫々の開口径および/または穴深さを変更したものとし、それらの中の何れかの重量調整錘体が適宜選択されて雌ネジ体の雌ネジ部に螺合されてウキ本体に一体化され、重量調整錘体に設けた補助空間部が、穿り抜き部奥部の浮力調整用空間部に連続した空間となるようにすることにより、実質的に浮力調整用空間部の容積を変更し得るものとした、請求項1ないし6何れか記載の魚釣り用ウキ。
【請求項8】 重量調整錘体の雄ネジ部基部に環状鍔部が設けられ、該環状鍔部上か雌ネジ体下面の何れか一方にパッキング体が組み合わされ、該重量調整錘体の雄ネジ部が雌ネジ体に螺合されてウキ本体に一体化されたときに、ウキ本体と重量調整錘体との間が水密構造となって、浮力調整用空間部を密閉状に保つようにした、請求項1ないし7何れか記載の魚釣り用ウキ。
【請求項9】 ウキ本体に形成された浮力調整用空間部、および/または重量調整錘体に形成された補助空間部に、適宜比重と大きさからなる充填体を着脱自在に装填し、浮力調整用空間部、および/または補助空間部内の空気を排斥することにより、浮力調整がなし得るようにした、請求項1ないし8何れか記載の魚釣り用ウキ。
【請求項10】 重量調整錘体の雄ネジ部軸心周りに、適宜容積の装填空間部を穿設し、該装填空間部内に、追加錘体を着脱自在且つ安定した状態で装填し、浮力調整をなし得るようにした、請求項1ないし8何れか記載の魚釣り用ウキ。
【請求項11】 仕掛けの道糸に連結してなるサルカンに対し、選択された重量調整錘体の連結環部を着脱自在に掛止すると共に、該重量調整錘体の雄ネジ部をウキ本体の雌ネジ部に螺合、一体化することにより、魚釣り用ウキを道糸に取り付けた後、釣場の状況によって魚釣り用ウキの浮力が不都合なときには、重量調整錘体を、ウキ本体およびサルカンから取外し、予め用意してある別の重さの重量調整錘体の中から最適なものを選択した上、前記した方法と同様にして当該重量調整錘体をウキ本体およびサルカンに取着し直すことにより、最適な浮力の魚釣り用ウキに随時変更、調整し得るようにした、請求項1ないし10何れか記載の魚釣り用ウキの浮力調整方法。
【請求項12】 ウキ本体に浮力調整用空間部および/または補助空間部、あるいは装填空間部が形成されると共に、適宜選択された重量調整錘体が雌ネジ体に螺合されてウキ本体に一体化されてなる魚釣り用ウキにおいて、選択された当該重量調整錘体を交換することなく、浮力調整用空間部および/または補助空間部内に適宜比重と大きさからなる充填体を装填するか、装填空間部(または装填空間部を兼用する補助空間部)内に、粒状、粉状、または変形可能な板状もしくは棒状に形成された鉛、真鍮等比重の大きい固体の適量を、着脱自在且つ安定した状態で装填するか、あるいは、海水や淡水等適宜液体の適量を注入することにより、選択された当該重量調整錘体が抱える余分な浮力を適宜低下させ、重量調整錘体の交換では実現されない浮力の微調整をなし得るようにした、請求項1ないし11何れか記載の魚釣り用ウキの浮力調整方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の目的】この発明は、魚釣りの仕掛けに用いられるウキに係り、特に、重さや浮力を簡便且つ緻密に調節可能であり、通常の浮き釣りから沈め釣りまで幅広く適合可能とする新規な構造からなる魚釣り用ウキ、およびそのウキの新規な浮力調整方法を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】人々が経済的にも時間的にも余裕を持てるようになり、次第に余暇の過し方にも工夫が加えられ、様々な分野のレジャーを楽しむことができる時代を迎えている。特に、最近人気が出てきて多くの人々の余暇の対象となっているのが、好調なRV車の売れ行き等からも推測されるとおり、海や山、川を訪れて自然を謳歌する屋外レジャーである。その中でも、魚釣りは、周辺を海で囲まれ、海辺から直ぐ山がそそり立つという我が国の恵まれた自然環境もあって、昔からの根強い人気に更に一層拍車が掛かり、都市部や郡部等地域差もなければ、年齢、性別を問わず、そのRV車を駆っては日本全国、有名な釣り場に出向き、渓流釣りから磯釣り、船釣りが楽しまれている。
【0003】こうした傾向を受け、魚釣り用の道具類も、その基本となる釣竿、釣糸、釣バリ、リール等だけに限らず、仕掛け用の様々な連結具から小道具類、あるいは道具箱、ロッドケース、クーラーボックス、果ては専用着衣に至るまでの極めて拡販な範囲に渡って、しかも大量に品揃えされ、釣り具専門店は勿論のこと、ホームセンターやデパート店等の店頭を賑わわせており、釣りの初心者といえども、何の苦もなくそれら豊富な釣り道具の中から、魚釣りに必要な道具の殆どを用意することが可能になっていて、経済的に許されるだけの種類と数の釣り用具を買い込み、釣り場に望むこととなるが、例えば、海釣りの場合、狙う獲物や釣り場環境、潮の流れや魚信の程度等といった様々な条件により、釣竿や釣糸はもとより、仕掛けも変われば、餌までを吟味して掛からなければならず、したがって、釣り場においては、刻々と変わるその状況の変化に合わせ、予め用意してきた十分な道具類の中から最適なものを選択あるいは交換して釣果を期待することになる。
【0004】状況の変化に対応して釣果を上げるために選択、交換する道具類の中で、極めて重要な鍵を握っているものの一つが「釣り用ウキ」である。即ち、この釣り用ウキは、水面に浮かせ、魚のアタリ(魚信)を視覚化させ、釣り上げるタイミングを測る道具として主に機能すると共に、その他、勿論タイミングを取る道具とはなるものの、刺し餌を一定の水深に保持したり、潮流に乗せ、目的のポイントまで運んだりする機能も果たしたり、傾き等の姿勢変化によって刺し餌が海底、川底、湖底、池底等に到達したことを察知し、釣り人が水底の地形を推察する道具等としても役立ち、更に、ウキの浮上水深の変化によって団子餌の溶解状況を判断したり、ウキの流動や沈み込みによって潮流の速度や方向を知得したり、潮目を見つける道具としても活用されている。
【0005】そして、最近の進んだ釣り方では、この釣り用ウキは、単に水面に浮かせて使用するだけに止めず、ウキと刺し餌との距離を変えずに、風、波、潮流等あらゆる気象条件において、仕掛けの沈降速度、および沈降する水深を調節可能にすると共に、アタリを適格にキャッチしてアワセを損じることがないようにし、しかも刺し餌を的確に棚に導くことができるよう、浮力の調整された魚釣り用ウキを使って水中所望箇所まで沈めた状態としてしまう水中ウキとしても使用されるようになり、この水中ウキを使った沈め釣りは、従前までの釣法のように釣場の状況を想像して棚を予想し、そのポイント目がけて刺し餌することに留まらず、流れに馴染みながら沈降し、アタリを見て三次元的に棚を捜し求めることを可能とするものとして、釣人マニアから大いに注目され始めている。
【0006】この沈め釣りでは、従前までの伝統的な魚釣り用ウキを使った釣りのように、刻々と変化する自然の状況に的確に対応できるよう、棚の深さやポイントまでの距離に応じて多数のウキを使い分けたり、深い棚を狙うときには、長い仕掛けを必要とし、潮流に馴染むまでに比較的長時間を要してしまう等といった不都合が確実に解消され、短い仕掛けと共に水中ウキも沈降させるので、ウキが水流を受けて潮流に馴染み、仕掛けを速やかに遊動し易くすると共に、水中ウキまでのハリスを撓ませず直線状としてアタリを受け易くし、更に望む棚に刺し餌を迅速にキャスティングできるという利点をもっている。
【0007】そこで、それらの利点を生かすため、この沈め釣りでは、一般に凡そ4段階の深さにキャストさせられるよう、水面付近に浮かせるトップ、水深2ないし5m程度の範囲に沈めて使用するシャロー、水深5ないし7mに沈めて使用するサスペンド、水深7m以深で使用するディープと称される水深毎の使用区別で4段階に分かれ、しかも、夫々が「際用」、「中投用」、「遠投用」のものにおいて必要とされることから、最低でも12個が必要となり、釣人は、予めそれら全てを用意しなければならないこととなる。しかし、実際には、あらゆる条件の釣り場において決め細かく対応しようとすれば、狙う棚の水深や潮流の速さ、ポイントまでの距離、更には、二枚潮等の水深毎の潮流の違い等によって的確に対応しなければならない上、刻々と変化する気象条件に即応して納得のいく沈め釣りを展開する必要が生じ、水深毎に大分けされた4段階では済まず、それ以上の細分化を必要とすることとなって、釣り人が携行しなければならない魚釣り用ウキの数は増大する一方である。
【0008】したがって、既に市販されている「てんぐウキ」(商品名)は、その代表的なものとして多くの愛好家が好んで使用するようになってはいるものの、その経済的負担は大きく、しかも、釣り場への所持がかさばって移動、交換に支障を来すといった実用上の問題も抱えていて、必ずしも利点が生かし切れない恨みを有していることから、そうした経済的、実用的な不都合を解消しようとする幾つかの提案も既に散見される。
【0009】例えば、実開昭60−67081号公報の考案には、蛇腹式本体の空間を延ばして容積を変えたり、内部に錘を装填、変更するようにして浮力を調整するようにした釣用うきが開示され、また、実開昭63−119366号考案には、上下二分割した浮子の互いの接続面に浮力調整用中浮子を介在させるようにした浮力調整ワンタッチ浮子が提案されているが、前者の考案では、蛇腹構造となることからくる錘としての抵抗や耐久性、魚への影響等を考慮すると水中ウキとしての要件を満足するものとは言えず、また後者のものでは、その調整の範囲に限界があって、これまた実用性を欠くものとなっており、何れも沈め釣りを含む魚釣り用ウキとして不十分なものと言わざるを得ないものであった。
【0010】一方、特開平8−140539号公報に開示された発明で、既に市販されて実用に供されている小沢システムうき(商品名)や、特開平8−182452号公報および特開平8−205736号公報に示されている各発明の魚釣り用ウキ等は、浮力を付与する部分となる上部ウキ体は、従前からの卵状またはそれに近い外観形状のままでそれ自体は浮力調整が利かない構造のものに形成され、その下部に合体させる部分が、適宜重さの異なる替え錘部や分銅錘部、調整重錘部等として組み合わされ、それらを、直接捩子込み式か、あるいは調整重錘の螺合被冠や磁着力で着脱自在に交換可能とすることによってのみ、魚釣り用ウキの残留浮力を随時変更できるようにしたものであり、したがって、一つの上部ウキ本体を替えずに(それら開示された発明の何れもが中通しウキ用の実施例となっていて、上部ウキ本体の付け替えは道糸を切らなければならないし、仮にそれが環付きウキであったとしても)、微妙な浮力調整をしようとすれば、それに応じた多数の区分による替え錘部や分銅錘部、調整重錘部等が用意されない限り実現不可能になるという課題を残すものであって、刻々と変化する風、波、潮流等の気象条件や釣り場の地理的変化、釣人の感覚等といったあらゆる釣り条件に対応した商品化を困難にするものであった。
【0011】本願発明者は、以上のような状況に鑑み、長年に渡って海釣りを楽しみとし、時間が許す限り、津々浦々の様々に条件の異なる釣り場にまで出向き、釣りに挑んでいる者の一人として、魚釣り用ウキ、主として水中ウキとして使用される魚釣り用ウキの浮力を、必要最小限の手段で殆ど無限に近い段階に調整可能とし、沈降深さの微調整が簡単に可能となるようにした魚釣り用ウキの実現化の必要性を痛感し、長期に渡る試行錯誤と、幾多の試作、実験とを繰り返しては多くの釣り場に適応可能であることを確認し、更に部品の構成と材質等にも検討を加えると共に、潮流の変化に迅速に対応可能な沈降水深の微調整の善し悪しについても十分な配慮を施す等、多くの項目について開発、研究を進めてきた結果、今回、遂に新規な構造からなる魚釣り用ウキ、およびその新規な浮力調整方法を完成、実用化することに成功した。以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
【0012】
【発明の構成】図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明に包含される魚釣り用ウキは、基本的に次のような構成から成り立つものである。即ち、ウキ本体の材心周りに穿り抜き部を穿設し、その下面を開口すると共に、該穿り抜き部の奥部に浮力調整用空間部を確保した上、開口側に雌ネジ体を装着し一体化する一方、前記雌ネジ体の雌ネジ部に螺合可能な雄ネジ部を上方外周面に形成してなる別体の重量調整錘体を、適宜重量の変えられた数種類の重量調整錘体として用意し、これら複数個の重量調整錘体の中の何れか1つが、適宜選択的に前記雌ネジ部に螺合されてウキ本体に一体化されるようにした魚釣り用ウキである。
【0013】更に、具体的な構成で示すと、この発明の魚釣り用ウキは、ウキ本体の材心周りに、下面に開口すると共に、同奥部中途には受け段部が形成され、該受け段部から奥部までを開口径よりも小径となるようにした穿り抜き部に穿設した上、同穿り抜き部の受け段部を規制箇所として雌ネジ体を嵌入、一体化し、受け段部よりも奥部となる小径の穿り抜き部に浮力調整用空間部を確保したものとする一方、前記雌ネジ体の雌ネジ部へ螺合可能な雄ネジ部を上方外周面に形成してなる別体の重量調整錘体を、適宜重量の変えられた数種類の重量調整錘体として用意し、これら複数個の重量調整錘体の中の何れか1つが、適宜選択的に前記雌ネジ体の雌ネジ部に螺合されてウキ本体に一体化されるようにした構成を要旨としている。
【0014】上記の構成を基本とするこの発明の魚釣り用ウキには、環付きウキに限った構成のものとして示せば、次のような構成を要旨のものになる。即ち、ウキ本体の材心周りには、その下面に開口すると共に、同奥部中途には受け段部が形成され、該受け段部から奥部までを開口径よりも小径となるようにした穿り抜き部に穿設した上、同穿り抜き部の受け段部を規制箇所として雌ネジ体を嵌入、一体化し、受け段部よりも奥部となる小径の穿り抜き部に浮力調整用空間部を確保したものとする一方、前記雌ネジ体の雌ネジ部へ螺合可能な雄ネジ部を上方外周面に形成すると共に、下方からは連結環部を突設、形成してなる別体の重量調整錘体を、適宜重量の変えられた数種類の重量調整錘体として用意し、これら複数個の重量調整錘体の中の何れかの重量調整錘体が、適宜選択的に前記雌ネジ体の雌ネジ部に螺合されてウキ本体に一体化されてなる魚釣り用ウキである。
【0015】そして、前記構成は、更に具体的には、比較的軽量で水に浮く素材からなる上体部と、比較的硬質で水に沈む素材からなる下体部とを上下に一体結合して適宜外形のウキ本体となし、該ウキ本体の材心周りには、下体部下面に開口し、上体部内部中途にまで達するようにした穿り抜き部を穿設し、同穿り抜き部の開口側には、その奥部に浮力調整用空間部を確保する如くして雌ネジ体を装着、一体化する一方、前記雌ネジ体の雌ネジ部へ螺合可能な雄ネジ部を上方外周面に形成すると共に、下方からは連結環部を突設、形成してなる別体の重量調整錘体を、適宜重量の変えられた数種類の重量調整錘体として用意し、これら複数個の重量調整錘体の中の何れかの重量調整錘体が、適宜選択的に雌ネジ体の雌ネジ部に螺合されてウキ本体に一体化してなる構成を要旨とする魚釣り用ウキとすることができる。
【0016】ウキ本体は、水面または水中において浮力を発生する機能を果たし、具体的には円錐ウキ、飛ばしウキ、棒ウキ、水中ウキ、発光ウキ等のあらゆる形態を広く包含するものであり、更に細かく例を上げれば、円錐ウキにも、上下ふくらみ、どんぐり、ロングタイプ、上ふくらみ、下膨らみ、中ふくらみ等がある外、棒ウキも、自立タイプのショートタイプ、ロングタイプ、非自立タイプ等を含むが、これらの何れの形状を選択し、実施の対象とすることも可能である。また、その素材は、天然木材、合成木材、合成樹脂、軽金属、またはそれらの複合素材等から製造可能であり、例えば、後述する実施例にも示される桐、樫、黒檀、圧縮コルク等の天然素材の外、ポリカーボネート、PP、または対衝撃性樹脂等が上げられる。
【0017】ウキ本体は、単一の素材により形成されるものに限らず、例えば水面または水中においてウキ本体の姿勢を保つ如く、比較的軽量で浮力の大きい上体部と、岩場等での衝突にも耐久性のある比較的硬質な下体部とを結合、一体化してなるよう、例えば、後述する実施例のように上体部を桐材から形成し、下体部に樫材を使用して上下に一体化したものとすれば、全体を木質のものとしてしながら、自体の浮力調整加工がし易くなる上、後述する雌ネジ体の組み込み構造にも有利なものとすることができ、更に、上体部と下体部との接合部分は、平面同士を接着剤によって一体に接着する構造の外、同心状に嵌着するように、何れか一方に凸状段差部を、何れか他方に凹状段差部を夫々形成し、接着剤を介するか介さずして両者を一体化したり、両者間に木釘状の連結部材を打ち込む等して一体化する等適宜結合手段によって一体化するようにしてもよい。
【0018】穿り抜き部は、ウキ本体の材心周りに形成され、ウキ本体下面に位置される開口側が雌ネジ体を打ち込むための下穴の機能を果たし、更に、奥部が浮力調整用空間として機能することになり、例えば、後述する実施例のように、奥部を小径化することにより、その中途部に受け段部が形成されるようにし、該穿り抜き部内周壁と後述の雌ネジ体外周壁との間が多少ルーズ(ややルーズにしておかないと下体部を堅い黒壇や樫その他で形成した場合、割れを生じさせる虞がでる)でも、雌ネジ体の打ち込み深さを規制した上、両者の一体化が安定されるようにした構成のものにすると極めて好都合のものとなる外、開口側から所定奥部まで雌ネジ溝を切り込んだり、所定深さの縦筋を設けたりして、実質的に段差部を形成したに等しいものとすることも可能である。
【0019】雌ネジ体は、後述の重量調整錘体の雄ネジ部をウキ本体側に着脱可能に螺着結合するための一方の接続金具として機能するものであり、頻繁に行われる重量調整錘体の交換に耐える如く耐久性に秀れた構造および素材からなるものとし、ウキ本体への挿着結合も強固になされるように構成されるべきであり、例えば、一般的なステンレス鋼の外、高強度炭素繊維を含む合成樹脂、または海水に対する耐蝕性に秀れたチタンもしくはその合金、あるいはその他の軽量硬質素材から形成されたものとするのが望ましい。
【0020】浮力調整用空間部は、上記穿り抜き部の雌ネジ体組み込み箇所よりも奥部に主として形成され、当該空間全体に空気を抱え込み、最大限の浮力を発生させる外、適宜充填体によって空気を閉め出す如く排斥し、その分だけ浮力を減少させたり、場合によっては追加錘体兼用する充填体を挿入することにより、空気減少による浮力の軽減に重さを加わえるようにして、より効果的で微細な浮力の変更調節がなし得るようにする機能を果たす部分であり、したがって、その容量を大きくするほど、浮力や重さの変化範囲を大きく設定とすることができ、それら空間部の形状は、単なる円柱状のものから、次第に奥ほど小さくなる段付き円柱状や奥に窄まる円錐状その他の形状のものに形成することも可能である。なお、環付きウキとする場合は問題はないが、中通し用のウキとする場合には、ウキ本体材芯に形成される釣糸挿通孔から穿り抜き部が隔絶されるよう、例えば、穿り抜き部軸芯部分に鞘管を上下貫通状且つ水密状に配されたものとする等、適宜構造が付加される必要がある。
【0021】重量調整錘体は、数種類の重量のものが準備され、何れか1つを選択的にウキ本体に着脱自在に結合されることにより、ウキ全体の重量を加減調節する機能を果たすものであり、その上端側には、上記したウキ本体穿り抜き部の雌ネジ体へ螺合可能な雄ネジ部が突設、形成されると共に、それよりも下方で主要部分は錘部分となる適宜外観形状のものとされる外、例えば後述する実施例のように、その円柱状に突出形成された上方外周面に雄ネジ部が刻設されると共に、下方には連結環部が形成されており、該雄ネジ部基部にフランジ状の環状鍔部が形成された上、該雄ネジ部基部に環状のパッキング体を装着し、ウキ本体への結合時に浮力調整用空間部を密閉状に保つ如く構成したものとすることも可能である。更に必要があれば従来公知の軸芯にまで達する切り込みが施されたものとなし、中通し用ウキに適合可能な構造のものとすることができ、それらは、比較的高い比重と高い強度、および塩水等の腐蝕に強い耐蝕性を兼ね備えた素材から形成されるようにし、例えば各種耐蝕性金属材料からなるものとする外、高比重の合成樹脂複合材料あるいはそれに鉛等適宜金属材料を組み合わせたもの等も採用可能である。
【0022】重量調整錘体の雄ネジ部は、重量調整錘体の円柱状に形成された上方部外周面に刻設されて、ウキ本体の下面に設けられた雌ネジ体に螺着され、重量調整錘体をウキ本体に着脱可能に一体結合できるようにする共に、上記した浮力調整用空間部を密閉状に保つ機能を果たすものであり、頻繁な螺合操作に備えて耐摩耗性に秀れた素材から形成されるようにすべきであり、雄ネジ部は、例えば、後述する実施例のように同一素材から重量調整錘体の一部として一体に形成したものとする外、予め金属柱から別体として削り出された雄ネジ部となし、ダイキャスト等により製作された重量調整錘体本体上端中央に植設、その他の手段で強固に一体化するようにしたもの等としても差し支えはない。
【0023】なお、この重量調整錘体の雄ネジ部は、その軸心回りに、上方に開口する補助空間部が穿設されてなるものとし、ウキ本体に螺合、一体化された後、ウキ本体内の浮力調整用空間部と連通し、実質的に浮力調整用空間部を拡張する機能を果たすものとしたり、と同時に、浮力調整用のガン玉(ジンタン)その他重量調整が可能となる適宜小錘材を詰め込める装填空間部をも兼用するものとする外、該補助空間部の大きさを変更したり、全く存在しないものとなし、同一素材からなる重量調整錘体であっても、その外形を変えることなく重量を増減させるようにする機能も果たさせることができる。更に、重量調整錘体の形状は、後述する実施例に限定されず、外郭形状に突起部や凹部、小翼等を設けたものとしたり、直径を変更させたり、あるいは立方体または六角柱状等に形成したものとする等して、水への抵抗を変え、沈降速度や沈降姿勢等に変化が与えられるように構成することも可能である。
【0024】連結環部は、中通し用としないウキの場合に、仕掛けにウキを連結する機能を果たす部分であり、環形状、例えば針金を菱形、三角形、四角形、円形または楕円形や、それらを螺旋状に複数回巻いた形状その他であって釣糸に取り付けるのに都合の良い適宜環状を成すように形成されれば足り、該連結環部は、針金を折曲して作られた後、別に製作された重量調整錘体の下方に植設状に固着するか、もしくは、針金を折曲して作られた連結環部を重量調整錘体にインサート成形したり、ダイキャスト等により重量調整錘体と共に連結環部を一体成形によって突設させたものとすることも可能である。
【0025】連結環部は、釣り糸やサルカンの一部に過大な力が加わつてそれらを切断してしまったり、あるいは自らが破断してしまわないよう、比較的太材によって形成されるのが望ましく、また、ヨリモドシの如く重量調整錘体に回転自在に取着したものとし、捩じれにも追随可能な構造のものとすることも可能である外、着脱容易なスナップスイベル状、または安全ピン状のフックに形成すること等も当然可能となる。
【0026】一方、この重量調整錘体は、その雄ネジ部基端となる部分の形状を環状鍔部に形成し、ウキ本体への螺着時に両者間が確実に水密状に結合され、浮力調整用空間部を密閉状にできるよう、パッキング体を介在、保持し得るようにしたものとすることもでき、雄ネジ部上端から嵌合するようにして該環状鍔部上にパッキング体を載せ、そのまま当該雄ネジ部をウキ本体穿り抜き部下面から、同雌ネジ部に螺合、締め付けてしまうことにより、両者間にパッキング体を介在、密着状とするものであり、ダイキャスト、高比重合成樹脂複合材料の射出成形、または切削加工等によって重量調整錘体に一体に形成されるか、もしくは環状に形成された後に、重量調整錘体に後付け固着されるようにしたものであってもよく、場合によっては、この環状鍔部は、ウキ本体下部形状の一部を形成するような外周壁形状のものとすることも可能である。
【0027】パッキング体は、ウキ本体と重量調整錘体との接合部の液密性を保ち、浮力調整用空間部および/または後述する補助空間部、あるいは装填空間部の液密性を保持する機能を果たすものであり、更に、ウキ本体の雌ねじと重量調整錘体の雄ネジとの螺合の緩みを防止するワッシャー機能を兼ね備えたものとすることも勿論可能であり、例えば、弾性を有する合成樹脂、合成ゴムまたは天然ゴム等の適宜耐水性水密弾性体から形成され、圧縮されて高い密閉性が発揮されるようにしたり、一部金属環を組み合わせたワッシャー機能を備えたものとすることも可能である。
【0028】以上のような構成の重量調整錘体は、着脱自在にウキ本体に結合され、所望の重量が選択可能となるよう、例えば、夫々比重の異なる素材からなるものを4個以上準備することにより、内外形状とも全く同一形状の重量調整錘体でありながら、個々の重量を段階的に変え得るものとしたり、重量調整錘体の雄ネジ部(穿り抜き部の雌ネジに螺着する部分)の上端側から、異なる深さおよび/または異なる直径の穴を穿設することによっても、重量調整錘体の個々の重量を夫々段階的に異なるものに設定することも可能であり、その重量区分は、従来から使用されている水中ウキのように、例えば何れか1個がウキを水面に浮上させ、他の1個がウキを2ないし5m前後、他の1個が5ないし7m前後、更に別の1個がウキを7m前後以深に沈降するように浮力調整する如く個々の重量を設定したものとすることができる外、その他都合の良い適宜区分に従ってなるものとすることも当然可能である。
【0029】また、旧来からのウキ釣りだけに適合した魚釣り用ウキとして、全て水面に留まるよう、例えば、1個の重量調整錘体を装着したウキがG2(ガン玉(ジンタン)2号)の浮力を生じるように、その重量調整錘体の重量を設定し、他の1個をSB(ガン玉4B)となるように設定し、他の1個をSO(ガン玉5B)、更に別の1個をF(ガン玉なし)となるように設定したものとすることも可能である。このように、この発明の魚釣り用ウキは、1つのウキ本体が、通常のウキ釣り専用、または、沈め釣り専用の何れかに設定することも可能であり、また、1つのウキ本体が通常のウキ釣りおよび沈め釣りに適合可能に構成することも可能である。また、同一の重量調整錘体を、形状の異なるウキ本体に共通利用できるように構成することも可能である。
【0030】
【関連する発明】上記した魚釣り用ウキに関連して、この発明には浮力調整方法も包含しており、その構成の要旨とするところは、仕掛けの道糸に連結してなるサルカンに対し、選択された重量調整錘体の連結環部を着脱自在に掛止すると共に、該重量調整錘体の雄ネジ部をウキ本体の雌ネジ部に螺合、一体化することにより、魚釣り用ウキを道糸に取り付けた後、釣場の状況によって魚釣り用ウキの浮力が不都合なときには、重量調整錘体を、ウキ本体およびサルカンから取外し、予め用意してある別の重さの重量調整錘体の中から最適なものを選択した上、前記した方法と同様にして当該重量調整錘体をウキ本体およびサルカンに取着し直すことにより、最適な浮力の魚釣り用ウキに随時変更、調整し得るようにした浮力調整方法である。
【0031】更に詳述すれば、ウキ本体に浮力調整用空間部および/または補助空間部、あるいは装填空間部が形成されると共に、適宜選択された重量調整錘体が雌ネジ体に螺合されてウキ本体に一体化されてなる魚釣り用ウキにおいて、選択された当該重量調整錘体を交換することなく、浮力調整用空間部および/または補助空間部内に適宜比重と大きさからなる充填体を装填するか、装填空間部(または装填空間部を兼用する補助空間部)内に、粒状、粉状、または変形可能な板状もしくは棒状に形成された鉛、真鍮等比重の大きい固体の適量を、着脱自在且つ安定した状態で装填するか、あるいは、海水や淡水等適宜液体の適量を注入することにより、選択された当該重量調整錘体が抱える余分な浮力を適宜低下させ、重量調整錘体の交換では実現されない浮力の微調整をなし得るようにした構成を要旨とする魚釣り用ウキの浮力調整方法となる。
【0032】装填空間部は、何も装填されないときには、所定量の空気を抱え込み、ウキ本体に重量調整錘体が螺着されることによって密閉され、当初から予定された所定の浮力を有する魚釣り用ウキとなす機能を果たす一方、後述する別途用意された所望容積の充填体が装填されることにより、内部空気を所望する範囲で排斥し、ウキの浮力に微小変化を与え、浮力調整をする機能を果たすものであり、したがって、該装填空間部は、それ自体が浮力調整用空間部を兼用しており、何等充填体を伴わないときには、浮力調整用空間部=装填空間部であり、充填体が装填されていくと、浮力調整用空間部<装填空間部の関係となり、更に、装填空間部が重量調整錘体雄ネジ部に設けられることのある補助空間部と連通されるようにすれば、両者の関係は、浮力調整用空間部>装填空間部とすることができることから、当初浮力調整用空間部=装填空間部として設定された浮力は、それを境に浮力調整用空間部を増減させることが可能であって、浮力の微調整が所定の範囲内においてなし得ることになる。
【0033】充填体は、前記した装填空間部および/または補助空間部内に装填されて内部空気を排斥し、浮力調整用空間部を増減調整する機能を果たすものであって、ウキ本体または重量調整錘体と同一比重の素材からなるか、または、何れとも異なる比重の素材からなるものとすることも可能であり、例えば、発泡スチロール、発泡ウレタン等の軽量合成樹脂素材、バルサや桐等の比較的比重の小さい木材や黒壇や樫等といった比較的比重のある木材、あるいはアルミニウム、チタン等の金属その他固形物から形成されるようにする外、実際に使用していて特性の充填体を用意していないとき等には、海水の適量をその代わりに採用するようにしても構わない。
【0034】追加錘体は、主として重量調整錘体雄ネジ部に設けられることのある補助空間部に装填され、重量調整錘体自体の重量不足を補うことによってウキの浮力をマイナス側に補正する機能を果たすものであり、増加量が解るよう特別に用意した単位重さのものとする外、咄嗟の場合等には釣り道具として欠かすことのないガン玉や板鉛で代用しても差支えはなく、当然補助空間部に装填可能な大きさのものとされ、できれば装填後、補助空間部内部に安定して納まるような形状、構造のものとするか、補助空間部入り口にスポンジ体や綿栓等を嵌めてこれら追加錘体が可能な限り安定するようにすべきである。
【0035】なお、この追加錘体は、極端に重さを増加させなければならない場合であって、補助空間部内に装填しただけではその重さの変更が達成されないとき、あるいは補助空間部が用意されていない重量調整錘体雄ネジ部が採用されていて、しかも重さを増加させたいとき等には、前記したを浮力調整用空間部を兼用する装填空間部を、該追加錘体を装填するための補助空間部に兼用させることも可能である。以下、この発明の魚釣り用ウキ、およびその浮力調整方法が、より一層明確に理解されるように、代表的な構成からなる幾つかの実施例を、添付図面と共に具体的に説明していくことにする。
【0036】
【実施例1】図1のウキの分解正断面図、図2の一部断面化して雌ねじ体と重量調整錘体の組合せを示す説明図、図3の充填体を装填した状態を示すウキの断面図、図4の装填体の斜視図、および図5の追加錘体を装填したウキを示す断面図に示される事例は、この発明の魚釣り用ウキの中、環付きウキとして最も代表的な構成からなるものの一実施例である。ウキ本体1は、上体部11が比較的軽量の桐材からなり、下体部12が比較的硬質の樫材から形成され、略中央部分で接着、結合されている。外表面の上部には、広い海等での視認性を高めるオレンジまたは赤もしくはその外の蛍光色による塗装が施され、中央部は白地帯状に塗装され、下側には木目を生かす透明樹脂塗料による塗装が施されている。ウキ本体1の下面には、2段階に渡り開口径を縮小することによって中途部に受け段部22を有する円柱状の穿り抜き部2を材心回りに穿設し、該穿り抜き部2の開口縁24側には、雌ネジ体3が受け段部22に当接する位置まで圧入、嵌着される取着穴部23を形成し、該雌ネジ体3よりも奥側には、取着穴部23より小径の浮力調整用空間部21が設けられている。
【0037】雌ネジ体3は、耐食性に秀れたチタン合金から形成された筒状の内側周壁面に雌ねじ部31を刻設し、その外周壁面には蛇腹状の係合爪部32が形成され、嵌着時にウキ本体1の取着穴部23の内壁を僅かに拡開状に押し広げながら打ち込まれ、密着状且つ噛合状に強固に固着されるように構成されている。チタン合金からなる重量調整錘体4は、雌ネジ体3に対して着脱可能に螺合できるよう、その上方に円柱状の雄ネジ部41が突設されると共に、中通しウキではなく環付きウキとするために、その下方には連結環部42が植設された構造としてある。
【0038】なお、この連結環部42は、環部に幹体を一体化させた柄付き輪状に形成された上、重量調整錘体4の軸心部に穿設された挿着孔に圧入状に差し込まれ、その先端側を、雄ネジ部41の補助空間部44内で変形させることにより、強固且つ液密に一体化したものとしているが、雄ネジ部41が補助空間部44を有しないものの場合には、図2には明確に示されてはいないが、柄部分を捩じ込みとしたり、重量調整錘体4下部をカシメるか、熔着、接着等適宜常套手段で一体化してある。
【0039】雄ネジ部41の基部全周には、フランジ状の環状鍔部43が一体に形成されており、該環状鍔部43上の雄ネジ部41基部には、円環状に形成された合成ゴム製のパッキング体5を装着するようにしてあり、ウキ本体1に重量調整錘体4を挿着したときに、開口縁24と環状鍔部43との間に弾性変形されながら挟み込まれ、液密性を確保するように構成されている。
【0040】更に、重量調整錘体は、図2が示すとおり、合計四つのものとして準備され、何れも同一のチタン素材を削り出すことにより形成され、その中の三つは、雄ネジ部41の軸心回りに夫々大、中、小の直径に設定された同一深さの補助空間部44,45,46を穿設して筒状に形成され、他の一つは穴の穿設がなされていない。
【0041】こうして形成されたウキ本体1と重量調整錘体4とは、図3の一部を断面化して示している正面図のように、装填空間部2浮力調整用空間部21内および重量調整錘体4雄ネジ部41の補助空間部44(あるいは45,46)内に、コルクからなる二段円柱状の充填体6を挿入状としてから螺合、一体化され、この発明の魚釣り用ウキを形成した事例であり、該充填体6は、装填空間部2の浮力調整用空間部21となるべき部分に嵌合する大径部61と、補助空間部44内入り口辺りに収容される小径部62とを備えていて、装填空間部21内の空気は完全に排斥されて浮力調整用空間部21内には空隙を構成しない事例としている。
【0042】なお、この状態でなおも浮力調整を必要とするとすれば、充填体6大径部61の上端側を削るかしてその全長を適量だけ短くしていったり、全く用いないものとして、同所に浮力調整用空間部21が、調整された容積から完全な容積までの範囲で実現されるようにしてプラス方向に浮力調整するようにするか、あるいは、僅かに雄ネジ部41内の補助空間部44底部に空隙を残していることから、補助空間部44内の当該空隙に適量の追加錘体7,7,……、例えば約0.07g程度単位とした鉛製粒状体の適量を選択して装填し、マイナス方向への浮力調整をすることができ、更にそれ以上にマイナス方向への浮力調整をする必要があるときには、図4の構造とした魚釣り用ウキから完全に充填体6を外し、装填空間部2の浮力調整用空間部21と雄ネジ部41内の補助空間部44とを連通状の空間となし、同所に上記した追加錘体7,7,……の相当量を充填して、図5の一部断面で示す正面図に示されているような構造の魚釣り用ウキとする。
【0043】以上、図示した実施例では、中途部に受け段部22を有する円柱状の穿り抜き部2に形成された上、雌ネジ体3ネジ切り面が浮力調整用空間部21内径に揃う構造のものとしているが、当然この実施例に限定される訳ではなく、雌ネジ体3ネジ切り面と浮力調整用空間部21内壁面とが断面上ズレた構造のものとしても差し支えはなく、また、図示にはしていないが、中途部に受け段部22を全く有しない完全な円柱状の穿り抜き部2に形成され、縦断面構造において、穿り抜き部2の下端(入り口側)内壁面から内側方向に雌ネジ体3自体が突出状となるように一体化された組み合わせ構造のものもこの発明に包含されていることは、既述した基本的構成において触れたとおりであり、また、ウキ本体1も、図5までに示したスリム型の外、図6のウキの分解縦断面図に示す、輪郭形状を下膨らみとした円錘型や、特に図示にはしていないが、ドクグリ型や立ちウキ型その他とすることも、必要に応じて適宜変更可能である。
【0044】
【作用】水中ウキを含めたウキの用途として、一般的な段階区分とされている区分に従えば、トップ(水面に浮かすタイプ)、シャロー(水深2ないし5m程度の範囲に沈めて使用するタイプ)、サスペンド(水深5ないし7m用として使用するタイプ)、ディープ(水深7m以深で使用するタイプ)の4段階となっていて、更に、夫々が「際用」、「中投用」、「遠投用」のものを必要とすると言われていることから、以上のとおりの構成からなるこの発明の魚釣り用ウキを、例えば、遠投用水中ウキとして使用する釣りに出掛ける場合を想定して説明すれば、次のようになる。
【0045】先ず、トップを除き、シャロー(ウキ本体1の標準浮力を仮に1.74gに設定したもの)、サスペンド(同1.46gに設定したもの)、ディープ(同1.18gに設定したもの)の三つのタイプを用意すると共に、重量調整錘体4には、それらに共通するものとしてNO.1(1.43gに設定したもの)、NO.2(同1.50g)、NO.3(同1.57g)、およびNO.4(同1.64g)の4タイプを合わせて携帯するようにすれば、合計で7個(重量調整錘体4は、1個の道具としてまとめられているから、実質4個)の道具で、12通りの水中ウキに使い分けが利くこととなる。
【0046】例えば、シャローの場合、ウキ本体1にNO.1重量調整錘体4を螺合させてこの発明の魚釣り用ウキとして使用(但し、釣針なし仕掛け重量を0.46gと仮定)すれば、残存浮力がマイナス0.15gとなって、釣り場が凪いでいるとすれば海面に浮きながら潮目に反応するウキとして使用でき、また、NO.2重量調整錘体4を螺合、一体化した魚釣り用ウキでは、残存浮力がマイナス0.22gで水面下略50cm程度まで沈んで漂い、うまく潮目に反応するウキとすることができ、NO.3重量調整錘体4とした魚釣り用ウキでは、残存浮力がマイナス0.29gで水面下略100cm程度まで、更に、NO.4重量調整錘体4とした魚釣り用ウキでは、残存浮力がマイナス0.36gで水面下略200cm位まで、夫々沈んで止まる浮きとすることができる。
【0047】同様に、サスペンドとするウキ本体1にNO.1〜NO.4の4タイプの重量調整錘体4を螺合、組み合わせるようにすれば、夫々残存浮力がマイナス0.43g、同0.50g、同0.57g、同0.64gとなって、夫々水面下略3m位に止まるものから、以下、略1m程度の間隔で深さを増していき、水面下略6m位に止まるものまでの4段階に使用可能となり、また、ディープ用の魚釣り用ウキとすれば、各4タイプの重量調整錘体4との組み合わせ毎に、夫々残存浮力がマイナス0.71g、同0.78g、同0.85g、同0.92gとなって、水面下略7m位に止まるものから、以下、略1m程度の間隔で止まる深さを増し、NO.4重量調整錘体4では、そのまま沈降していって海底に達する魚釣り用ウキとなる。
【0048】このように、ウキ本体1標準浮力に対する負荷荷重、即ち仕掛け重量と重量調整錘体4の重量との和の関係が予め設定されることにより、所定水深への沈降、停止を大凡知ることができ、しかも、夫々の目安水深に対しても、ウキ本体1を重量調整錘体4から取り外し、浮力調整用空間部21および/または補助空間部44(45,46)に、充填体6および/または追加錘体7を装填して、ウキの浮力や負荷荷重の微調整を行って、更に目安水深前後にまでウキの浮力を細かく変えることができ、したがって、釣り場環境、風や波浪、海水の濁りや潮の流れその他あらゆる釣り条件と狙いとする獲物の種類とに応じた非常に決めの細かい魚釣り用ウキの使い方が、限られた数の道具で即座に対応できることになる。
【0049】仮に、釣り場において、魚の棚が水深2〜5m前後にあると予想したとすれば、シャロータイプに設定した重量調整錘体4を、その連結環部42で、サルカン7を介して(釣糸を切断することなく)仕掛け8に素早く連結し、シャローをを付けた仕掛けが潮の流れに馴染むよう、予測ポイントの上流にキャスティングしてアタリを探り、釣れ始めれば、そのままの条件で釣りを続行し、しばらくキャストを繰り返してもアタリがなくなり、棚の位置が変わったようであれば、魚釣り用ウキを引き上げ、サルカン7からウキを外した後に、重量調整錘体4をウキ本体1から螺解して取り外し、別の、例えばサスペンド(水深5〜7m前後)に適合する重量調整錘体4を螺合し、再度サルカン7に連結し、再度キャストを繰り返してアタリを確認しながら棚を捜し続ける。
【0050】釣りを続ける中に、棚の中でも最も魚の集まるポイントを発見したが、潮流の速さが変化してしまい、思うように刺し餌が潮に馴染まず、僅かに棚を外してしまうようなときには、再び仕掛けを引き上げてウキ本体1を重量調整錘体4から取り外し、浮力調整用空間部21および/または補助空間部44(45,46)に充填体6および/または追加錘体7を装填する等して、ウキの浮力や重量の微調整を行い、ウキの浮力を僅かに低減する等、ウキの浮力および重量を緻密に変更することにより、更に微妙な潮流や棚の深さ位置に正確にキャスティングするようにして、狙いどおりの釣りが適格になし得るようにする。
【0051】なお、この発明の魚釣り用ウキを一般的なウキ釣りに適用する場合でも、基本的な作用は上記と同様であって、トップ(水面付近)用のウキ本体1およびそれ用に設定した重量調整錘体4を利用すれば足り、必要に応じて、ウキ本体1の浮力調整用空間部21および/または重量調整錘体4の補助空間部44に装填体6および/または追加錘体7を適宜装填して、ウキ本体1標準浮力に対する負荷荷重を変更したり、浮力の微調整をして最適な使用条件の魚釣り用ウキとする。
【0052】
【効果】以上のとおりの構成からなるこの発明の魚釣り用ウキ、およびその浮力調整方法によれば、1個のウキ本体に対し、適宜重量の異なる複数種の重量調整錘体の中の1個を選択して取着することにより、水深の異なる棚に的確にキャスティングすることが可能である上、浮力調整用空間部および/または補助空間部に、充填体および/または追加錘体を適宜装填することにより、重量調整錘体の交換のみでは得ることの不可能であったウキの浮力および重量の微調整を実現可能とし、釣り人を、従前までの多数のウキの携帯の不便さや、狙った棚になかなか刺し餌できないもどかしさから開放し、潮流の微妙な変化にも迅速且つ緻密に対応できるという秀れた特徴を発揮するものである。
【0053】また、幾つかの段階の目安浮力区分に従った数種類のウキ本体(望ましくは、一般的区分に従ったトップ、シャロー、サスペンドおよびディープの少なくとも4タイプのウキ本体)と、それらに共通する重量調整錘体とを用意すると共に、装填体および/または追加錘体を適宜範囲で併用するだけの極めて限られた道具として携行するようにすることにより、適度な飛距離を確保できる上、所望する水深あるいはその前後にも正確に留め置くことのできるという殆ど無限な範囲での使用ができる魚釣り用ウキとすることが可能になり、従来までのウキでは、数限りなく買い揃えなければ得ることができなかった様々な機能が、極めて簡便に得られることとなって、携帯性や経済性にも秀れ、海、川、湖および湖等何れの釣り場においても、迅速で、容易且つ安全な取り扱いを可能にするという極めて実用的な魚釣り用ウキを実現することができるものである。
【0054】特に、図中に示されるこの発明を代表する構成からなる魚釣り用ウキは、大きな浮力を必要とするウキ本体1の上体部11を桐等の軽量材から形成し、衝撃に耐えるだけの耐久性を必要とすると共に、雌ネジ体3の安定した埋め込みを実現しなければならない下体部12には、樫もしくは強化プラスチック等硬質材を使用して両者を強力に合体することにより、加工性が良く、耐久性があり、安定した姿勢のウキ本体1を実現し得ており、しかも、穿り抜き部2が受け段部22の形成された二段穴構造とされていて、雌ネジ体3の埋め込み、固定を確実なものにすると共に、雌ネジ体3雌ネジ形成面が浮力調整用空間部21内壁面と面一状となる構造としてあって、装填体6および/または追加錘体7の装填、取出し操作に都合の良いものとなっており、重量調整錘体4の交換だけでは実現し得ない細かい浮力調整を実施可能にするというこの発明の所期の目的の一つを達成する上でも極めて有利なものとなっている。
【0055】また、この実施例のもののように、殆ど同一外観形状の重量調整錘体4となし、その環状鍔部43の中央上端から突出、形成した雄ネジ部41が、その内部を適宜容量だけ刳り抜かれて補助空間部44、45,46とするか、全く補助空間部のないものにするかして、その重量を少なくとも4段階に区分されたものとした上、その補助空間部44、45,46(および/または浮力調整用空間部21)には、追加錘体7が適宜装填できるようにしたものとして、道具点数を必要最小限のものに止めるようにしたことから、釣り場毎に様々に条件が異なる釣りへの対応を楽になし得るようにする点においても、極めて実用的なものとなっている。
【0056】叙上の如くこの発明の魚釣り用ウキ、およびその浮力調整方法は、その特徴ある構成によって、遍く所期の目的を達成し、従前までのウキでは実現することが難しかった釣り場の様々な条件にも、簡便且つ迅速に対処することを保証し、あらゆる条件下において、釣人は安全な取り扱い操作で適格にポイントを攻めることができるようになり、期待どおりの釣果が得られることとなって、より一層釣りを楽しむことが可能になる上、この発明の魚釣り用ウキは、構造が比較的簡潔で製造も容易になり、比較的低廉に市場に提供でき、多くの釣人から購入、使用され、その特徴ある釣りを実践可能とするものでもあり、したがって、釣人からは勿論のこと、釣り具店その他釣り関係者からも高い評価がなされ、余暇としての魚釣りの普及、拡大に大いに役立つものと予想される。
【出願人】 【識別番号】597084940
【氏名又は名称】小田切 忠昭
【出願日】 平成9年(1997)6月16日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 實
【公開番号】 特開平11−4644
【公開日】 平成11年(1999)1月12日
【出願番号】 特願平9−158600