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【発明の名称】 ズーム式振出竿
【発明者】 【氏名】高橋 仁

【要約】 【課題】従来のズーム式振出竿は、竿の長さを短くして使用するときに、竿の重心が手元よりも先側にあり、疲れやすい不具合があった。また、ズーム範囲が狭い。さらに、釣竿キャップが紛失するトラブルがあった。

【解決手段】振出式中通し竿Aは、元竿5の先端部と、短くする分の竿を元竿5内に収納した状態で元竿5から引き延ばされた竿の根元部分とを固定する固定手段Bを備える。この固定手段Bは、元竿5から引き延ばされた竿と、元竿5の先端部の双方に巻き付けられて固定されるゴム製ベルト12である。短くする分の竿が元竿5の内部に収納されるため、ズーム使用時の竿の重心が従来に比較して使用者側に近づき、疲れが少なくなる。また、ズーム範囲も大変広く、且つ小さなコストで実現できる。ゴム製ベルト12は、釣竿キャップ機能があるため釣竿キャップが紛失することがない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】a)元竿と、b)この元竿内に収納可能な複数の番竿と、c)この番竿の中心に収納可能な穂先と、d)前記元竿の先端部には、短くする分の竿を前記元竿内に収納した状態で前記元竿から引き出された竿とを固定する固定手段と、その固定手段には前記元竿の先端開口部を塞ぐための釣竿キャップ機能を備えるズーム式振出竿。
【請求項2】請求項1のズーム式振出竿において、前記固定手段は、前記元竿から引き出された竿と、前記元竿の先端部との双方に巻き付けられるゴム製ベルトであることを特徴とするズーム式振出竿。
【請求項3】請求項2のズーム式振出竿において、前記ベルトは1つあるいは複数の穴を備え、この穴が前記元竿の先端部に設けられたピンに係止することで、前記元竿から引き出された竿に巻き付けられた前記ベルトが前記元竿の先端部に取り付けられることを特徴とするズーム式振出竿。
【請求項4】請求項2のズーム式振出竿において、前記ベルトには、マジックファスナーを構成する2枚のテープが取り付けられ、前記ベルトは、前記元竿から引き出された竿と、前記元竿の先端との双方に巻き付けられ、前記マジックファスナーの接合によって前記元竿の先端部に取り付けられることを特徴とするズーム式振出竿。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、元竿内から複数の竿(穂先および複数の番竿)を引き出して使用する振出竿に関するもので、特に竿の長さが調節可能なズーム式振出竿に関するものである。
【0002】
【従来の技術】振出竿は、例えば釣り具用のリールが装着される元竿、この元竿内に収納可能な複数の番竿、この番竿の中心に収納可能な穂先を具備し、使用時は細い竿から順番に元竿から引出して竿を延ばし、仕舞うときは太い竿から順番に元竿内に押し込んで竿を短くしている。このように、従来の振出竿の長さは、最も長くなった状態(元竿に収納されていた竿を全て引き出した状態)と、最も短くなった状態(元竿内に複数の番竿と穂先を収納した状態)としかなく、使用時は最も長くなった状態で使用されている。
【0003】しかし、釣りを行う際、ポイントや使用状況等によって、竿の長さを変更したい要求があり、これまでは長さの異なる複数の竿を用意しておき、ポイントや状況等に応じて竿の長さを変えていた。しかしながら、複数の竿を持ち運ぶのは不便であり、またコストも嵩むため、振出竿を構成する番竿を、他の番竿に収納した状態で使用できる所謂、ズーム式振出竿が考案されている。
【0004】振出竿では、持ち運び時、穂先保護のため釣竿毎に付属している釣竿キャップで蓋をし、使用時はこれを取り外し保管していた。この釣竿キャップは紛失することが多いが必須であるため、釣竿の太さに合わせた各種製品があり紛失時補充利用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のズーム式振出竿は、次の欠点があった。
1)元竿から引き延ばされた番竿に、他の番竿に収納した状態で使用するため、竿の長さの割りに竿の重心が手元よりも先側にある。このように、竿の重心が手元よりも先側にあると、竿を持つ手が大変疲れやすくなる。
【0006】2)従来のズーム式振出竿は、複数の番竿のうち、全ての番竿にズーム機構があるわけでなく、一部の番竿のみにズーム機構があるので、ズーム範囲が狭い不具合があった。
3)従来のズーム機構は複雑であったため、ズーム式振出竿のコストが高くなってしまう不具合があった。
4)釣り終えたときは、釣り始めるときはずした釣竿キャップの保管場所を忘れてしまい探し回ることが多く、特に夜釣りは懐中電灯で探し回ることが多く困っていた。また紛失することも度々あった。
【0007】
【発明の目的】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、竿の長さを短くして使用している状態(ズーム使用時)において竿の重心を使用者側にして疲れを少なくするとともに、ズーム範囲が広く、さらにコストを抑えることのできるズーム式振出竿の提供にある。さらに釣竿キャップは、釣竿に常時付けておき釣竿を仕舞うとき探すことがないようにする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のズーム式振出竿は、次の技術的手段を採用した。
〔課題1)、2)、及び3)を解決するための手段〕ズーム式振出竿は、a)元竿と、b)この元竿内に収納可能な複数の番竿と、c)この番竿の中心に収納可能な穂先と、d)前記元竿の先端部と、短くする分の竿を前記元竿内に収納した状態で前記元竿から引き出された竿とを固定する固定手段と、を備える。
【0009】前記固定手段は、前記元竿から引き出された竿と、前記元竿の先端部との双方に巻き付けられるゴム製ベルトであることを特徴とする。前記ベルトは1つあるいは複数の穴を備え、この穴が前記元竿の先端部に設けられたピンに係止することで、前記元竿から引き出された竿に巻き付けられた前記ベルトが前記元竿の先端部に取り付けられることを特徴とする。
【0010】前記ベルトには、マジックファスナーを構成する2枚のテープが取り付けられ、前記ベルトは、前記元竿から引き出された竿と、前記元竿の先端との双方に巻き付けられ、前記マジックファスナーの接合によって前記元竿の先端部に取り付けられることを特徴とする。
【0011】〔課題4)を解決するための手段〕前記元竿の先端部には、短くする分の竿を前記元竿内に収納した状態で前記元竿から引き出された竿とを固定する固定手段と、その固定手段には元竿の先端開口部を塞ぐための釣竿キャップ機能を備え切り離せないようにした。
【0012】
【発明の作用および効果】
〔請求項1の作用および効果〕ズーム式振出竿を短くして使用する場合(ズーム使用時)は、短くする分の竿を元竿内に収納しておき、固定手段を用いて、元竿から引き出された竿と元竿の先端部とを固定して使用する。このように、短くする分の竿が元竿の内部に収納されるため、言い換えると、重なる竿が元竿内に配されるため、従来に比較して竿の重心が使用者側に近づき、竿を持つ手の疲れを少なくできる。また、釣竿キャップを探すことがなくなり、紛失することもなくなる。
【0013】また、元竿内に収納する竿の量で竿の長さを調節できるので、最短から最長まで無段階に調節できる。つまり、長さ調節の範囲が大変大きく、使い勝手が大きく向上する。さらに、固定手段は元竿から引き出された竿を固定するのみでよく、従来のズーム機構に比較して簡単で済み、ズーム式振出竿のコストを低く抑えることができる。
【0014】〔請求項2の作用および効果〕固定手段は、元竿から引き出された竿と、元竿の先端部との双方に巻き付けられるゴム製ベルトであるため、固定手段に要するコストを抑え、ズーム式振出竿のコストを低く抑えることができる。また、見た目で使用方法が理解し易い効果も奏する。
【0015】〔請求項3の作用および効果〕ベルトに設けた穴と、元竿の先端部に設けたピンとで、元竿から引き出された竿に巻き付けたベルトを元竿の先端部に取り付ける構造であるため、使用方法が大変理解し易い。
【0016】〔請求項4の作用および効果〕マジックファスナーで、竿に巻き付けたベルトを固定する構造であるため、使用方法が大変理解し易い。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を、2つの実施例および変形例に基づいて説明する。
〔第1実施例〕この実施例は、本発明のズーム式振出竿を振出式中通し竿に適用したもので、第1実施例を図1ないし図9を用いて説明する。なお、図1は竿を最も延ばした状態での振出式中通し竿、および竿を短くして使用する状態の振出式中通し竿の概略図、図2は収納時の振出式中通し竿の要部概略図である。
【0018】本実施例の振出式中通し竿Aは、図1の(a)に示すように、n+1段式のもので、穂先1と、2番竿2、3番竿3・・・n番竿4(複数の番竿中で最も太い番竿)と、元竿5とを備える。元竿5は、振出式中通し竿Aを構成する複数の竿のうちで最も太い竿で、その側面には釣り具用のリール6が装着される。2番竿2〜n番竿4は、元竿5の内部に同心的に収納可能なものである。穂先1は、2番竿2の中心に収納可能なものである。
【0019】なお、n番竿4は、図2に示すように、元竿5の後端側内部に設けられたストッパ7によって、挿入量が規制されるように設けられており、穂先1と、他の番竿(2番竿2〜n−1番竿)は、各竿の先端外周に設けられたリブ8によって収納時の挿入量が規制されるように設けられている。
【0020】振出式中通し竿Aは、リール6に巻回される釣糸9が、竿の中を通って穂先1の先端から引き出されて(あるいは引き入れられて)使用されるものであり、元竿5には、竿内に釣糸9を導く開口部10が設けられている。この開口部10は元竿5の後端に設けられており、元竿5の後端には釣糸9の転向を円滑に行う滑車11が設けられている。
【0021】振出式中通し竿Aは、元竿5の先端部と、短くする分の竿を元竿5内に収納した状態で元竿5から引き出された竿の根元部分とを固定する固定手段Bを備える(図1の(b)参照)。この固定手段Bは、図3および図4に示すように、元竿5から引き出された竿と、元竿5の先端部との双方に巻き付けられて固定されるゴム製ベルト12である。このベルト12は、図5および図6に示すように、複数の穴12aを備えるとともに、環状の紐12bを備える。そして、ベルト12の穴12aを、元竿5の先端部に設けられたピン5a(図7参照)に係止することで、元竿5から引き出された竿に巻き付けられたベルト12が、元竿5の先端部に取り付けられ、元竿5の先端部と、元竿5から引き出された竿とが固定される。
【0022】一方、本実施例の元竿5は、他の竿に比較して最も長く設けられ、全ての竿(穂先1および複数の番竿)を元竿5内に収納した状態で、収納された竿が元竿5の先端よりも奥に引っ込むように設けられている(図2参照)。そして、ベルト12には、図3および図4に示すように、元竿5の先端の開口部分を塞ぐ蓋13が取り付けられている。この蓋13は、図2、図8および図9に示すように、元竿5内に他の竿を収納した状態で元竿5の先端の開口に装着され、ベルト12に設けられた穴12aおよび紐12bによって、ベルト12が元竿5の先端に取り付けられる。このため、移動中等に元竿5内に収納された竿を、蓋13で塞ぐことができるため、元竿5から収納された竿が延び出る不具合が生じない。
【0023】〔実施例の効果〕本実施例の振出式中通し竿Aは、図1の(b)に示すように、竿を短くして使用する場合(ズーム使用時)は、短くする分の竿を元竿5内に収納しておき、固定手段Bであるベルト12を用いて、元竿5から引き出された竿と、元竿5の先端部とを固定して使用できる。そして、短くする分の竿が元竿5の内部に収納されるため、ズーム使用時における竿の重心が、従来に比較して使用者側に近づく。このため、ズーム使用時における竿を持つ手の疲れが少なくなる。
【0024】本実施例の振出式中通し竿Aは、図1の(b)に示すように、竿を短くして使用する場合、元竿5内に収納する竿の量で竿の長さを容易に調節できる。また、最短から最長まで無段階に調節できる。つまり、竿の長さ調節の範囲が大変大きく、使い勝手が大変向上する。本実施例の振出式中通し竿Aに使用するベルト12は、元竿5から引き出された竿を固定するのみでよく、従来のズーム機構に比較して簡単で済み、ズーム使用ができる竿のコストを低く抑えることができる。また、固定手段Bとして用いるベルト12は、見た目で使用方法が理解し易い効果もある。
【0025】〔第2実施例〕図10および図11は第2実施例を示すもので、図10はベルト12の斜視図、図11はベルト12が元竿5の先端開口を塞ぐ状態を示す斜視図である。上記の第1実施例では、ベルト12に別体の蓋13を取り付けた例を示したが、この第2実施例では、ベルト12自身に蓋13の役割を果たす蓋部12cを一体に設け、この蓋部12cによって竿を収納した元竿5の先端開口を塞ぐものである。
【0026】〔変形例〕上記の実施例では、釣糸9を竿内に導く開口部10の位置が後端に設けられる中通し竿に本発明を適用した例を示したが、図12に示すように、リール6より先端側に開口部10が設けられた中通し竿に本発明を適用しても良い。上記の実施例では、中通し竿に本発明を適用したが、外通し竿に本発明を適用しても良い。上記の実施例では、リール6が装着される振出竿に本発明を適用したが、リール6が装着されない振出竿に本発明を適用しても良い。
【0027】上記の実施例では、ベルト12に設けた穴12aによって、ベルト12を竿に巻き付けて固定した例を示したが、ベルト12にマジックファスナー(例えば、マジックテープ=商標名)を構成する2枚のテープを取り付け、元竿5から引き出された竿と、元竿5の先端との双方にベルト12を巻き付け、マジックファスナーの接合によってベルト12を竿に巻き付けた状態で固定するように設けても良い。
【出願人】 【識別番号】396027061
【氏名又は名称】高橋 仁
【出願日】 平成9年(1997)6月16日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】石黒 健二
【公開番号】 特開平11−4643
【公開日】 平成11年(1999)1月12日
【出願番号】 特願平9−159015