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【発明の名称】 ミルクチューブサポートバー及びミルククローの排除機構
【発明者】 【氏名】竹前 昭宏

【氏名】町田 一幸

【要約】 【課題】真空ポンプで動作させるアクチュエータにより、ミルククローを上方に素早く引上げたりミルクチューブサポートバーを回動させて上下方向に起立させたりできるミルクチューブサポートバー及びミルククローの排除機構を得る。

【解決手段】アクチュエータ10のピストン14に滑車20を支持し、該滑車に巻き掛けたロープ30の一端にミルククロー40を懸垂する。ロープ30の他端は、ミルクチューブサポートバー50の後端を連結する。滑車20の近くには、ピストン14から係止腕80を延設し、ミルククロー40を懸垂したロープ30の中途部には、係止腕80に当接、係止させるストッパ90を備える。そして、アクチュエータ10のピストン14をシリンダ12内を上昇させて、ミルククロー40を素早く引き上げた後、ミルクチューブサポートバー50を大きなトルクで回動させて上下方向に起立させることができるようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上端が封じられると共に下端が開口されたほぼ垂直に起立する筒状のシリンダ内にピストンを上下に摺動可能に挿入して、該ピストン上方のシリンダ内の気体を真空ポンプを用いて吸引排除したりそのシリンダ内に外気を送給したりしてピストンをシリンダ内を上下に摺動させるアクチュエータの前記ピストンからピストンの下方に延設した支持腕に滑車を回転自在に支持し、該滑車に巻き掛けて滑車の一方の側から垂下したロープの一端にティートカップを備えたミルククローを懸垂し、前記滑車に巻き掛けて滑車の他方の側から垂下したロープの他端を、その中途部を牛舎の柱に所定値以下のトルクでは回動不可能にかつ所定値以上のトルクでは回動可能に支持したミルクチューブサポートバーの後端に連結し、前記滑車の近くに前記ピストンから係止腕を延設すると共に、前記滑車の一方の側に垂下したロープの中途部に前記係止腕に当接、係止させるストッパを備えたことを特徴とするミルクチューブサポートバー及びミルククローの排除機構。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乳牛の乳房に装着するティートカップが備えられたミルククローと、該ミルククローに連結されたミルクチューブを支持するミルクチューブサポートバーとを乳牛の近くから排除するための、ミルクチューブサポートバー及びミルククローの排除機構に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のミルククローを排除する排除機構として、従来より、真空ポンプにより動作させるアクチュエータを用いて、搾乳作業を終えた後のミルククローを、乳牛の近くから牛舎内の上方空間に素早く迅速に引き上げる方式のものがある。上記のアクチュエータは、シリンダ内の気体を真空ポンプを用いて吸引排除したり、シリンダ内に外気を送給したりして、ピストンをシリンダ内を上下に摺動させる構造をしている。ここで、搾乳作業を終えた後のミルククローを素早く迅速に引き上げる理由は、ミルククローを牛舎内の上方空間に時間を掛けてゆっくりと引き上げた場合には、ミルククローにゴム製等のチューブを介して連結されたティートカップが下方に垂れ下がった状態となって、牛舎の床面に接触してしまうからである。そして、そのティートカップに牛舎の床面に存在する雑菌が付着してしまうからである。この排除機構によれば、牛舎に備えられた搾乳用の真空ポンプにより、上記のアクチュエータを動作させることができる。そして、上記のアクチュエータを動作させるための駆動源を、牛舎に別途備える必要をなくすことができる。
【0003】搾乳作業を行う牛舎の柱には、ミルクチューブサポートバーが備えられている。そして、そのミルクチューブサポートバーに、ミルククローに連結されたミルク搬送用のミルクチューブを支持できるようにしている。そして、そのミルクを搬送中のミルクチューブからミルククローに加わる偏った力により、ミルククローに備えられたティートカップが搾乳中の乳房から離脱するのを防ぐことができるようにしている。
【0004】このミルクチューブサポートバーの中途部は、牛舎の柱に所定値以下のトルクでは回動不可能にかつ所定値以上のトルクでは回動可能に支持部を介して支持されている。そして、搾乳の際には、ミルクチューブサポートバーに所定値以上のトルクを加えて、そのミルクチューブサポートバーを、上記の支持部を中心に回動させることができるようにしている。そして、そのミルクチューブサポートバーを、所定値以下のトルクでは回動不可能なように、牛舎の柱に横に倒した状態に支持できるようにしている。そして、そのミルクチューブサポートバーの先端を、乳牛の腹部の下方に挿入して、そのミルクチューブサポートバーの先端に、ミルククローに連結されたミルクチューブを支持できるようにしている。また、搾乳を終えた後には、そのミルクチューブサポートバーの先端からミルクチューブを取り外すことができるようにしている。そして、ミルクチューブサポートバーに所定値以上のトルクを加えて、そのミルクチューブサポートバーを、上記の支持部を中心に回動させることができるようにしている。そして、そのミルクチューブサポートバーを、所定値以下のトルクでは回動不可能なように、上下方向に起立させた状態に支持できるようにしている。そして、そのミルクチューブサポートバーを、乳牛の邪魔にならないように、乳牛の腹部の下方から引き抜くことができるようにしている。
【0005】このミルクチューブサポートバーを横に倒したり上下方向に起立させたりする作業は、従来一般には、手動で行っている。又は、そのミルクチューブサポートバーを上下方向に起立させる作業の自動化を図るために、従来は、圧縮空気により動作させるアクチュエータを用いて、ミルクチューブサポートバーに所定値以上のトルクを加えて、そのミルクチューブサポートバーを上記の支持部を中心に回動させている。
【0006】ところで、このミルクチューブサポートバーを上下方向に起立させる方式として、ミルククローを引き上げる真空ポンプにより動作させる前記のアクチュエータを用いて、ミルクチューブサポートバーを上記の支持部を中心に回動させる方式が考えられる。この方式によれば、ミルクチューブサポートバーを回動させるアクチュエータを、ミルククローを引き上げるアクチュエータと兼用できる。そして、ミルクチューブサポートバーを回動させるアクチュエータを、牛舎に別途新たに備える必要をなくすことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ミルククローは比較的軽量であって、ミルククローを引き上げる真空ポンプにより動作させるアクチュエータでは、その動作出力が充分得られずに、そのアクチュエータを単にミルクチューブサポートバーに連結しただけでは、牛舎の柱に支持されたミルクチューブサポートバーに所定値以上のトルクを加えて、そのミルクチューブサポートバーを支持部を中心に的確に回動させることができなかった。
【0008】その理由は、ミルクチューブサポートバーの先端に支持するミルクを搬送中のミルクチューブには、相当な荷重が加わる。そのため、ミルクチューブを支持するミルクチューブサポートバーは、所定値以上の大きなトルクを加えない限り回動不可能なように、牛舎の柱に支持部を介して支持されている。そして、ミルクチューブサポートバーが、それに支持したミルク搬送用のミルクチューブの荷重を受けて、その支持部を中心に回動してしまうのを防いでいる。従って、ミルククローを引き上げるアクチュエータを単にミルクチューブサポートバーに連結しただけでは、ミルクチューブサポートバーを回動させるのに充分な所定値以上のトルクをミルクチューブサポートバーに加えることができないからである。
【0009】本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、真空ポンプで動作させる同じアクチュエータを用いて、搾乳作業を終えたミルククローを牛舎内の上方空間に迅速に引き上げることができると共に、ミルクチューブを離脱させたミルクチューブサポートバーに所定値以上の充分大きなトルクを加えて、該サポートバーをその支持部を中心に的確に回動させ、そのミルクチューブサポートバーを上下方向に起立させることのできる、ミルクチューブサポートバー及びミルククローの排除機構(排除機構)を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の排除機構は、上端が封じられると共に下端が開口されたほぼ垂直に起立する筒状のシリンダ内にピストンを上下に摺動可能に挿入して、該ピストン上方のシリンダ内の気体を真空ポンプを用いて吸引排除したりそのシリンダ内に外気を送給したりしてピストンをシリンダ内を上下に摺動させるアクチュエータの前記ピストンからピストンの下方に延設した支持腕に滑車を回転自在に支持し、該滑車に巻き掛けて滑車の一方の側から垂下したロープの一端にティートカップを備えたミルククローを懸垂し、前記滑車に巻き掛けて滑車の他方の側から垂下したロープの他端を、その中途部を牛舎の柱に所定値以下のトルクでは回動不可能にかつ所定値以上のトルクでは回動可能に支持したミルクチューブサポートバーの後端に連結し、前記滑車の近くに前記ピストンから係止腕を延設すると共に、前記滑車の一方の側に垂下したロープの中途部に前記係止腕に当接、係止させるストッパを備えたことを特徴としている。
【0011】この排除機構においては、搾乳作業を終えた後に、真空ポンプを用いて、アクチュエータのピストン上方のシリンダ内の気体を吸引排除し、ピストンをシリンダ内をその上方に摺動させることができる。それと共に、滑車に巻き掛けて滑車の他方の側から垂下したロープの他端を、牛舎の柱に所定値以下のトルクでは回動不可能に支持したミルクチューブサポートバーの後端に所定値以上の大きな力を加えない限り動かぬように固定できる。そして、シリンダ内を上昇するピストンに支持腕を介して支持した滑車を回転させて、滑車に巻き掛けて滑車の一方の側から垂下したミルククローを懸垂したロープを、アクチュエータ方向に上昇させることができる。そして、そのロープの一端に懸垂したミルククローを、牛舎内の上方空間に引き上げることができる。
【0012】その際には、上記のように、滑車に巻き掛けて滑車の他方の側から垂下したロープの他端を、ミルクチューブサポートバーの後端に連結して、牛舎内に所定値以上の力を加えない限り動かぬように固定しているため、滑車に巻き掛けて滑車の一方の側から垂下した比較的軽量なミルククローを懸垂したロープを、滑車を回転させて、アクチュエータのシリンダ内を上方に摺動させるピストンの上昇速度Vの2倍の速度の、2Vの速度でアクチュエータ方向に上昇させることができる。そして、そのロープの下端に垂下したミルククローを、牛舎内の上方空間に素早く迅速に引き上げることができる。
【0013】次いで、アクチュエータのピストンをシリンダ内をさらにその上方に上昇させて、ミルククローを垂下したロープであって、滑車の一方の側から垂下したロープの中途部に備えたストッパを、アクチュエータのピストンから延設した滑車近くの係止腕に当接、係止させることができる。そして、その係止腕に、滑車に巻き掛けたロープの中途部をストッパを介して動かぬように仮に固定できる。そして、滑車に巻き掛けて滑車の他方の側から垂下したロープの他端に連結したミルクチューブサポートバーの後端であって、その先端からミルクチューブを離脱させた状態のミルクチューブサポートバーの後端に、アクチュエータのピストンから、上記のミルククローを引き上げた際の上昇力Pの2倍の、2Pの大きな上昇力であって、シリンダ内を上昇するピストンの上昇力と同等の2Pの上昇力を加えることができる。そして、ミルクチューブサポートバーに、該サポートバーをその支持部を中心に回動させるのに必要な所定値以上の充分大きなトルクを加えることができる。その際には、ミルクチューブサポートバーの後端を、アクチュエータのシリンダ内をその上方に摺動させるピストンの上昇速度Vと同じ速度Vで、即ちミルククローを引き上げた際の速度2Vの半分のゆっくりした速度Vで引き上げることができる。そして、ミルクチューブサポートバーをその支持部を中心にゆっくりと的確に回動させて、ミルクチューブサポートバーを、所定値以上のトルクを加えない限り回動不可能なように、その先端を下方に向けて上下方向に確実に起立させた状態とすることができる。そして、そのミルクチューブサポートバーを、乳牛の邪魔にならないように、搾乳作業を終えた乳牛の腹部の下方から引き抜くことができる。
【0014】それに対して、搾乳作業を行う場合には、アクチュエータのピストン上方のシリンダ内に外気を送り込んで、アクチュエータのピストンをシリンダ内をその下方に摺動させることができる。そして、ピストンに支持腕を介して支持した滑車を降下させながら、滑車を逆回転させて、ミルククローを懸垂したロープであって、滑車の一方の側から垂下したロープを下方に降下させることができる。そして、滑車近くの係止腕に当接、係止させたストッパを、係止腕の下方に離脱、降下させることができる。そして、ミルククローを牛舎の床面近くまで降下させて、そのミルククローに備えられたティートカップを乳牛の乳房に装着できる。
【0015】それと共に、アクチュエータのピストンに支持腕を介して支持した滑車を降下させて、ミルクチューブサポートバーの後端に連結したロープであって、滑車の他方の側から垂下したロープを充分に弛ませた状態とすることができる。そして、そのロープに拘束されずに、ミルクチューブサポートバーを回動可能な状態とすることができる。そして、そのミルクチューブサポートバーに所定値以上のトルクを手で加えて、そのミルクチューブサポートバーを、手動により、回動させることができる。そして、そのミルクチューブサポートバーを、所定値以上のトルクを加えない限り回動不可能なように、牛舎の柱に横に倒した状態に支持できる。そして、そのミルクチューブサポートバーを乳牛の腹部の下方に差し込んで、そのミルクチューブサポートバーの先端にミルククローに連結されたミルクチューブを支持できる。
【0016】以下、上記の操作を繰り返し行うことにより、搾乳時には、アクチュエータを動作させて、牛舎内の上方空間に引き上げたミルククローを牛舎の床面近くまで降下させ、そのミルククローに備えられたティートカップを乳牛の乳房に装着できる。それと共に、上下方向に起立させたミルクチューブサポートバーを、手動により回動させて、横に倒すことができる。そして、そのミルクチューブサポートバーを乳牛の腹部の下方に差し込んで、そのミルクチューブサポートバーの先端にミルククローに連結されたミルクチューブを支持できる。また、搾乳を終えた後には、アクチュエータを動作させて、ミルククローを牛舎の床面の上方に素早く迅速に上昇させることができる。そして、そのミルククローを牛舎内の上方空間に引き上げることができる。次いで、アクチュエータにより、ミルクチューブを離脱させた状態のミルクチューブサポートバーに所定値以上の大きなトルクを加えて、そのミルクチューブサポートバーを回動させ、そのミルクチューブサポートバーを上下方向に起立させることができる。そして、そのミルクチューブサポートバーを、乳牛の腹部の下方から引き抜くことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。図1と図2は本発明の排除機構の好適な実施の形態を示し、図1はその概略構造説明図、図2はそのピストン周辺の拡大正面断面図である。以下に、この排除機構を説明する。
【0018】図においては、10は真空ポンプにより動作させるアクチュエータである。アクチュエータ10は、筒状のシリンダ12内にピストン14を摺動可能に収納した構造をしている。シリンダ12は、重力が加わる方向とほぼ同じ方向に、ほぼ垂直に起立させて配置していて、その上端を壁12aで封じていると共に、その下端12bを広く開口させている。そして、ピストン14上方のシリンダ12内の気体を、真空ポンプ(図示せず)を用いて、シリンダ上端の壁12aに設けられた通気孔16を通して、吸引排除することにより、ピストン14をシリンダ12内を上方に摺動させることができるようにしている。逆に、ピストン14上方のシリンダ12内に外気を、シリンダ上端の壁12aに設けられた通気孔16を通して、送給することにより、ピストン14をシリンダ12内を下方に摺動させることができるようにしている。
【0019】上記のアクチュエータ10のシリンダ12は、ピストン14上方のシリンダ12内の気体を真空ポンプを用いて吸引排除した際に得られるピストン14の上昇力2Pが、後述のミルクチューブサポートバーに所定値以上の充分なトルクを加えて、該ミルクチューブサポートバーを的確に回動させることのできる動作出力が得られるように、その内径を所定値以上に大きく形成している。
【0020】アクチュエータ10のピストン14からは、支持腕18をピストン14の下方に向けて延設している。そして、その支持腕18に滑車20を回転自在に支持している。
【0021】滑車20には、ナイロン製等のロープ30を巻き掛けている。そして、その滑車20の一方の側からシリンダ12内を通して下方に垂下したロープ30の一端に、ティートカップ42を備えたミルククロー40を懸垂している。
【0022】滑車20の他方の側からシリンダ12内を通して下方に垂下したロープ30の他端は、ミルクチューブサポートバー50の後端に連結している。
【0023】ミルクチューブサポートバー50は、その中途部を、牛舎の柱60に、所定値以下のトルクでは回動不可能に、かつ、所定値以上のトルクでは回動可能に、支持部70を介して、支持している。ミルクチューブサポートバー50の先端には、ミルククロー40に連結されたミルクチューブ44を掛脱可能に支持するためのフック52を備えている。
【0024】滑車20の近くには、係止腕80を、ピストン14から延設している。係止腕80は、滑車20を支持する支持腕18を介して、ピストン14に支持している。滑車20の一方の側から垂下したロープ30であって、ミルククロー40を懸垂したロープ30の中途部には、上記の係止腕80に当接、係止させる円板状のストッパ90を備えている。ストッパ90は、ロープ30の中途部に設けた結び目32を用いて、ロープ30の下方に脱落せぬように、ロープ30の中途部にほぼ水平に支持している。そして、滑車20を回転させて、ミルククロー40を懸垂したロープ30をアクチュエータ10方向に引き上げることにより、上記のストッパ90を上記の係止腕80に当接、係止させて、ストッパ90を備えたロープ30の中途部を係止腕80に仮に固定できるようにしている。
【0025】図1と図2に示した排除機構は、以上のように構成している。次に、この排除機構の使用例及びその作用を説明する。
【0026】搾乳作業を終えた後には、ミルククロー40に備えられたティートカップ42を乳牛の乳房から離脱させる。それと共に、ミルククロー40に連結されたミルクチューブ44を、乳牛の腹部の下方に挿入したミルクチューブサポートバー50先端のフック52から離脱させる。
【0027】次いで、真空ポンプを用いて、アクチュエータ10のピストン14上方のシリンダ12内の気体を吸引排除し、ピストン14をシリンダ12内を上方に摺動させる。その際には、滑車20に巻き掛けて滑車20の他方の側から垂下したロープ30の他端を、牛舎の柱60に所定値以下のトルクでは回動不可能に支持部70を介して支持したミルクチューブサポートバー50の後端に所定値以上の力を加えない限り動かぬように固定しておく。
【0028】すると、シリンダ12内を上昇するピストン14に支持した滑車20を回転させて、滑車20に巻き掛けて滑車20の一方の側から垂下したロープ30であって、ミルククロー40を懸垂したロープ30を、アクチュエータ10方向に上昇させることができる。そして、そのロープ30の一端に懸垂したミルククロー40を、牛舎内の上方空間に引き上げることができる。
【0029】その際には、上記のように、滑車20に巻き掛けて滑車20の他方の側から垂下したロープ30の他端を、ミルクチューブサポートバー50の後端に所定値以上の力を加えない限り動かぬように固定しているため、滑車20に巻き掛けて滑車20の一方の側から垂下したミルククロー40を懸垂したロープ30を、滑車20を回転させて、アクチュエータ10のシリンダ12内を上方に摺動させるピストン14の上昇速度Vの2倍の速度の、2Vの速度でアクチュエータ10方向に上昇させることができる。そして、そのロープ30の一端に垂下したミルククロー40を、牛舎内の上方空間に素早く迅速に引き上げることができる。
【0030】次いで、アクチュエータ10のピストン14をシリンダ12内をさらにその上方に上昇させる。
【0031】すると、ミルククロー40を垂下したロープ30であって、滑車20の一方の側に垂下したロープ30の中途部に備えたストッパ90を、アクチュエータ10のピストン14から延設した滑車20近くの係止腕80に当接、係止させることができる。そして、そのストッパ90を備えたロープ30の中途部を、係止腕80に動かぬように仮に固定できる。そして、滑車20に巻き掛けて滑車20の他方の側から垂下したロープ30の他端に連結したミルクチューブサポートバー50の後端であって、その先端からミルクチューブ44を離脱させた状態のミルクチューブサポートバー50の後端に、アクチュエータ10のピストン14から、上記のミルククロー40を引き上げた際の上昇力Pの2倍の、2Pの大きな上昇力であって、シリンダ12内を上昇するピストン14の上昇力と同等の2Pの上昇力を加えることができる。そして、ミルクチューブサポートバー50に、該サポートバーをその支持部70を中心に回動させるのに必要な所定値以上の充分大きなトルクを加えることができる。その際には、ミルクチューブサポートバー50の後端を、アクチュエータ10のシリンダ12内をその上方に摺動させるピストン14の上昇速度Vと同じ速度Vで、即ちミルククロー40を引き上げた際の速度2Vの半分のゆっくりした速度Vで引き上げることができる。そして、ミルクチューブサポートバー50をその支持部70を中心にゆっくりと的確に回動させて、ミルクチューブサポートバー50を、所定値以上のトルクを加えない限り回動不可能なように、その先端を下方に向けて上下方向に確実に起立させた状態とすることができる。そして、そのミルクチューブサポートバー50を、乳牛の邪魔にならないように、搾乳作業を終えた乳牛の腹部の下方から引き抜くことができる。
【0032】それに対して、搾乳作業を行う場合には、アクチュエータ10のピストン14上方のシリンダ12内に外気を送り込んで、アクチュエータ10のピストン14をシリンダ12内をその下方に摺動させる。
【0033】すると、ピストン14に支持腕18を介して支持した滑車20を降下させながら、滑車20を逆回転させて、ミルククロー40を懸垂したロープ30を下方に降下させることができる。そして、滑車20近くの係止腕80に当接、係止させたストッパ90を、係止腕80の下方に離脱、降下させることができる。そして、そのロープ30に懸垂したミルククロー40を牛舎の床面100近くまで降下させて、そのミルククロー40に備えられたティートカップ42を乳牛の乳房に装着できる。
【0034】それと共に、ピストン14に支持腕18を介して支持した滑車20を降下させて、ミルクチューブサポートバー50の後端に連結したロープ30であって、滑車20の他方の側から垂下したロープ30を充分に弛ませた状態とすることができる。そして、そのロープ30に拘束されずに、ミルクチューブサポートバー50を回動可能な状態とすることができる。そして、そのミルクチューブサポートバー50に所定値以上のトルクを手で加えて、そのミルクチューブサポートバー50を、手動により、回動させることができる。そして、そのミルクチューブサポートバー50を、所定値以上のトルクを加えない限り回動不可能なように、牛舎の柱60に横に倒した状態に支持できる。そして、そのミルクチューブサポートバー50を乳牛の腹部の下方に差し込んで、そのミルクチューブサポートバー50先端のフック52にミルククロー40に連結されたミルクチューブ44を支持できる。
【0035】以下、上記の操作を繰り返し行うことにより、搾乳時には、アクチュエータ10を動作させて、牛舎内の上方空間に引き上げたミルククロー40を牛舎の床面100近くまで降下させ、そのミルククロー40に備えられたティートカップ42を乳牛の乳房に装着できる。それと共に、上下方向に起立させたミルクチューブサポートバー50を、手動により回動させて、横に倒すことができる。そして、そのミルクチューブサポートバー50を乳牛の腹部の下方に差し込んで、そのミルクチューブサポートバー50先端のフック52にミルククロー40に連結されたミルクチューブ44を支持できる。また、搾乳を終えた後には、アクチュエータ10を動作させて、ミルククロー40を牛舎の床面100の上方に素早く迅速に上昇させることができる。そして、そのミルククロー40を牛舎内の上方空間に引き上げることができる。次いで、アクチュエータ10により、ミルクチューブサポートバー50に所定値以上の大きなトルクを加えて、ミルクチューブ44を離脱させた状態のミルクチューブサポートバー50を回動させることができる。そして、そのミルクチューブサポートバー50を上下方向に起立させることができる。そして、そのミルクチューブサポートバー50を、乳牛の腹部の下方から引き抜くことができる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の排除機構によれば、搾乳作業を終えた後に、ティートカップを備えたミルククローを、牛舎の床面に接触させずに、牛舎内の上方空間に素早く迅速に引き上げて収納できる。次いで、牛舎の柱に支持されたミルクチューブサポートバーであって、ミルクチューブを離脱させたミルクチューブサポートバーを、所定値以上のトルクで回動させて、上下方向に起立させた状態とすることができる。そして、そのミルクチューブサポートバーを、乳牛の腹部の下方から引き抜くことができる。
【0037】また、搾乳作業を行う場合には、牛舎内の上方空間に引き上げたミルククローを、牛舎の床面近くまで降下させるこができる。そして、そのミルククローに備えられたティートカップを、乳牛の乳房に装着できる。それと共に、ミルクチューブサポートバーの後端に連結されたロープを弛ませて、牛舎の柱に支持したミルクチューブサポートバーに所定値以上のトルクを手により加え、そのミルクチューブサポートバーを手動により回動させることができる。そして、そのミルクチューブサポートバーを、所定値以上のトルクを加えない限り回動不可能なように横に倒した状態に牛舎の柱に支持できる。そして、そのミルクチューブサポートバーを乳牛の腹部の下方に差し込んで、そのミルクチューブサポートバーの先端にミルククローに連結されたミルクチューブを支持できる。
【0038】また、本発明の排除機構は、シリンダ内の気体を吸引排除したりシリンダ内に外気を送給したりして動作させるアクチュエータを用いているため、そのアクチュエータの駆動源に、牛舎に備えられた搾乳用の真空ポンプを用いることができる。そして、牛舎にアクチュエータの駆動源を別途備える必要をなくすことができる。
【出願人】 【識別番号】000103921
【氏名又は名称】オリオン機械株式会社
【出願日】 平成10年(1998)4月3日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】松田 宗久
【公開番号】 特開平11−285325
【公開日】 平成11年(1999)10月19日
【出願番号】 特願平10−108777