| 【発明の名称】 |
乳の流量検出装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】涌井 明男
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| 【要約】 |
【課題】流量を安定かつ高精度に検出するとともに、加えて誤検出を確実に防止することにより信頼性を高める。
【解決手段】ミルクチューブTの中途に設ける流量検出用管部2の内部に、当該管部2の内周面2sに対して外周面5sが非接触となる軸方向に細長い電極支持棒部5を配設するとともに、管部2に一方の電極3を設け、かつ電極支持棒部5に当該一方の電極3に対向する他方の電極4を設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ミルクチューブの中途に設ける流量検出用管部に一対の電極を備える乳の流量検出装置において、前記管部の内部に、当該管部の内周面に対して外周面が非接触となる軸方向に細長い電極支持棒部を配設するとともに、前記管部に一方の電極を設け、かつ前記電極支持棒部に当該一方の電極に対向する他方の電極を設けたことを特徴とする乳の流量検出装置。 【請求項2】 前記一方の電極は前記管部の内周面の周方向全周にわたって設けたことを特徴とする請求項1記載の乳の流量検出装置。 【請求項3】 前記他方の電極は前記電極支持棒部の外周面の周方向全周にわたって設けたことを特徴とする請求項1記載の乳の流量検出装置。 【請求項4】 前記管部における送乳方向前側に曲折流路を設け、この曲折流路を形成する内壁面から前記電極支持棒部を突出させたことを特徴とする請求項1記載の乳の流量検出装置。 【請求項5】 前記電極支持棒部は前記管部に対して偏心位置に配することにより、偏心方向における前記一方の電極と前記他方の電極の間隔の大きさを設定したことを特徴とする請求項1記載の乳の流量検出装置。 【請求項6】 前記管部における乳の流入口部は前記電極支持棒部の偏心方向にオフセットさせたことを特徴とする請求項5記載の乳の流量検出装置。 【請求項7】 前記電極に隣接する前記管部の内周面及び前記電極支持棒部の外周面は、撥水面により形成したことを特徴とする請求項1記載の乳の流量検出装置。 【請求項8】 前記電極支持棒部の内部には、乳の特性を検出するための検出用部品を収納する収納空間を設けたことを特徴とする請求項1記載の乳の流量検出装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はミルクチューブの中途に設ける流量検出用管部に一対の電極を備える乳の流量検出装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、ミルクチューブの中途に設ける流量検出用管部に、乳の流量を検出するための一対の電極を備える乳の流量検出装置は、特開平8−51880号公報で知られている。 【0003】同公報で開示される流量検出装置は、流量検出用管部を構成するパイプ部材を備え、このパイプ部材における内周面の所定位置に一方の電極を突出した状態で設けるとともに、この一方の電極からパイプ部材の軸方向に離間した位置に、当該パイプ部材の一部を構成する管状に形成した他方の電極を設けたもので、乳の流量を検出する際には一対の電極間の電気抵抗を測定し、この測定結果を換算することにより乳の流量を求める。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来の流量検出装置は、次のような問題点があった。 【0005】即ち、この種の流量検出装置は電極間の電気抵抗に基づいて流量を検出するため、検出精度を高めるには、できるだけ送乳方向における電極間の距離を短くすることが望ましい。一方、電極間の距離が短いと電極間における内周面の沿面距離も短くなるため、乳が流れていなくても電極間における内周面に付着した乳脂肪等による粘性乳膜が電極間抵抗として計測され、誤検出を招いてしまう。 【0006】したがって、従来の流量検出装置ではこのような誤検出を回避するため、電極間の距離をある程度長くせざるを得ず、結局、流量を安定かつ高精度で検出するには限界があるとともに、電極間の距離は検出精度を考慮した妥協的な距離にならざるを得ないため、誤検出を確実に回避するには不十分となり、信頼性に劣る問題があった。 【0007】本発明はこのような従来の技術に存在する課題を解決したものであり、流量を安定かつ高精度で検出できるとともに、加えて誤検出を確実に回避することにより信頼性を高めることができる乳の流量検出装置の提供を目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段及び実施の形態】本発明は、ミルクチューブTの中途に設ける流量検出用管部2に一対の電極3,4を備える乳の流量検出装置1を構成するに際して、管部2の内部に、当該管部2の内周面2sに対して外周面5sが非接触となる軸方向に細長い電極支持棒部5を配設するとともに、管部2に一方の電極3を設け、かつ電極支持棒部5に当該一方の電極3に対向する他方の電極4を設けたことを特徴とする。 【0009】この場合、好適な実施の形態により、一方の電極3は管部2の内周面2sの周方向全周にわたって設けるとともに、他方の電極4は電極支持棒部5の外周面5sの周方向全周にわたって設ける。また、管部2における送乳方向Fの前側(下流側)に曲折流路2cを設け、この曲折流路2cを形成する内壁面2csから電極支持棒部5を突出させる。この際、電極支持棒部5は管部2に対して偏心位置に配することにより、偏心方向Bにおける一方の電極3と他方の電極4の間隔Ldの大きさを設定するとともに、管部2における乳の流入口部2iは電極支持棒部5の偏心方向Bにオフセットさせる。さらに、電極3及び4に隣接する管部2の内周面2s及び電極支持棒部5の外周面5sは撥水面Sにより形成する。一方、電極支持棒部5の内部には、乳の特性を検出するための検出用部品Daを収納する収納空間6を設けることができる。 【0010】これにより、管部2の内周面2sに一方の電極3が臨むとともに、電極支持棒部5の外周面5sに他方の電極4が臨むため、一方の電極3と他方の電極4間の沿面距離は飛躍的に長くなる。また、一方の電極3と他方の電極4は軸心に直角となる同一平面上に配されるため、電極3と4間における有効電極面を大きくできるとともに、電極3と4間の空間距離は限りなく零に近付けることができるため、電極3と4の間隔Ldを検出精度を考慮した最適な大きさに設定できる。 【0011】 【実施例】次に、本発明に係る好適な実施例を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。 【0012】まず、本実施例に係る流量検出装置1の構成について、図1及び図2を参照して説明する。 【0013】流量検出装置1は上管部2u,下管部2d及び電極支持盤部11を含む流量検出用管部2を備え、この流量検出用管部2は、上管部2uの下端に設けたフランジ部2ufと下管部2dの上端に設けたフランジ部2df間に電極支持盤部11を挟むことにより、複数組の固定用ネジ12a…と固定用ナット12b…により固定して構成する。この場合、フランジ部2ufと電極支持盤部11間にはOリング13を、また、電極支持盤部11とフランジ部2df間にはOリング14をそれぞれ介在させる。 【0014】上管部2uは乳の流れる状態を外部から容易に確認できるように、全体を透明なプラスチックにより一体成形し、上端には流入側(上流側)のミルクチューブTuを接続する流入口部2iを設ける。また、下管部2dは円筒形に形成し、上管部2uと同様に全体を透明なプラスチックにより一体成形するとともに、下部側面には流出側(下流側)のミルクチューブTdを接続する流出口部2oを設ける。この流出口部2oは横方へ突出させ、かつ先端下がりに傾斜させる。これにより、下管部2dにおける送乳方向Fの前側には曲折流路2cが設けられる。 【0015】電極支持盤部11は撥水性を有する素材、例えば、テフロン(商標名)素材により全体をドーナツ形に形成するとともに、内部にはドーナツ形に形成した一方の電極3をインサートする。電極3は導電性の金属板により形成し、内周面は電極支持盤部11の内周面(管部2の内周面2s)上に露出させる。この場合、電極3は内周面2sに対して同一面上であってもよいし、内周面2sから突出させてもよい。これにより、電極3は管部2の内周面2sの周方向全周にわたって設けられるとともに、電極3に隣接する管部2の内周面2sには撥水面Sが形成される。このような撥水面Sが形成されることにより、当該内周面2sには乳脂肪等による粘性乳膜が付着しにくくなる。また、電極3には内部に雌ネジ部を有する筒形の接続端子15の一端側を固定(接続)し、この接続端子15の他端側はフランジ部2dfを通して外部に露出させる。 【0016】一方、下管部2dの内部には、当該下管部2dの下端、即ち、前記曲折流路2cを形成する内壁面2csから軸方向上方に突出する細長い電極支持棒部5を配設する。この電極支持棒部5は電導性を有する断面円形のパイプ部材16を有し、このパイプ部材16の外周面はテフロン素材により形成した被覆部17により覆う。また、被覆部17の上部にはドーナツ形に形成した他方の電極4をインサートする。電極4は導電性の金属板により形成し、電極4の外周面は被覆部17の外周面(電極支持棒部5の外周面5s)上に露出させるとともに、電極4の内周面はパイプ部材16の外周面に固定(接続)する。この場合、電極4は外周面5sに対して同一面上であってもよいし、外周面5sから突出させてもよい。これにより、電極4は電極支持棒部5の外周面5sの周方向全周にわたって設けられるとともに、電極4に隣接する電極支持棒部5の外周面5sには撥水面Sが形成される。このような撥水面Sが形成されることにより、上述した管部2の内周面2s側と同様に外周面5sには粘性乳膜が付着しにくくなる。 【0017】さらに、パイプ部材16の上部には透明なプラスチックにより形成したヘッド部18を嵌着する。ヘッド部18は先端尖形に形成し、パイプ部材16の上端から上方に突出する。また、ヘッド部18の下部側面には直径方向外方に突出した一対の透光突起部19,19を形成し、この透光突起部19,19は、パイプ部材16及び被覆部17に設けた孔部に貫通させることにより、先端を当該被覆部17の外周面に至らせる。一方、ヘッド部18の内部は中空に形成する。これにより、ヘッド部18の内部はパイプ部材16の内部と共に乳の特性を検出するための検出用部品Daを収納する収納空間6となる。さらに、パイプ部材16の下部側面には内部に雌ネジ部を有する筒形の接続端子20の一端側を固定(接続)し、この接続端子20の他端側は被覆部17及び下管部2dを通して当該下管部2dの外周面に露出させる。 【0018】また、電極支持棒部5の外周面5sは管部2の内周面2sよりも小径にし、下管部2d(管部2)の内周面2sに対して外周面5sが非接触となるように配することにより、当該内周面2sと当該外周面5s間に乳の流路を確保する。電極支持棒部5は図2に示すように、管部2(下管部2d)に対して偏心位置に配し、偏心方向Bにおける電極支持棒部5の外周面5sと下管部2dの内部面2sの間隔Ldは、通過する乳の電気抵抗を高精度で検出できる最適な大きさに設定する。なお、この間隔Ldはあまり小さすぎると乳ブリッジが発生して正確な検知ができなくなったり、洗浄等のメンテナンスが困難になるため、2〔mm〕前後を目安に設定することが望ましい。 【0019】他方、上管部2uの流入口部2iは図1に示すように、当該電極支持棒部5の偏心方向Bにオフセットさせる。これにより、間隔Ldを形成する下管部2dの内部面2s,上管部2uの内周面及び流入口部2iの内周面は、軸方向直線上に配される。このような構造と上記間隔Ldの設定により、電極3と4間に確実に乳を流すことができる。なお、電極支持棒部5の上端(先端)は尖形に形成されるため、上管部2uの流入口部2iからフランジ部2ufに至る他の周面は当該電極支持棒部5の上端形状に沿った傾斜形状に形成する。 【0020】次に、本実施例に係る流量検出装置1の取付方法及び機能について、図1〜図3を参照して説明する。 【0021】まず、流量検出装置1を付設する搾乳機の概略構成について、図3を参照して説明する。図3中、30はミルクパイプライン、31は真空パイプラインである。各パイプライン30及び31の所定位置には斜め上方に傾いて設けられたミルクタップ32を備え、このミルクタップ32に対してディストリビュータ33が着脱する。ディストリビュータ33はパルセータ34を備え、このパルセータ34を介してエアチューブ35と真空パイプライン31が挿通するとともに、ディストリビュータ33内の流路を介して送乳用のミルクチューブTとミルクパイプライン30が挿通する。また、ミルクチューブTの先端はミルククロー36に接続し、このミルククロー36には複数のティートカップライナ37…を接続する。なお、エアチューブ35は各ティートカップライナ37…へそれぞれ分岐接続する。なお、38は警報機能を含む制御装置である。 【0022】一方、本実施例に係る流量検出装置1は、このような搾乳機におけるミルクチューブTに対して後付けできる。即ち、図3に示すように、ミルクチューブTの任意位置を切断し、上流側のミルクチューブTuと下流側のミルクチューブTdに分ける。そして、図1に示すように、上流側のミルクチューブTuを上管部2uの流入口部2iに差し込んで接続するとともに、下流側のミルクチューブTdを下管部2dの流出口部2oに差し込んで接続する。また、接続コード25の一端は固定ネジ15nを用いて接続端子15に接続するとともに、他端は制御装置38に接続し、さらに、接続コード26の一端は固定ネジ20nを用いて接続端子20に接続するとともに、他端は制御装置38に接続する。 【0023】搾乳時には、ミルククロー36から送られる乳がミルクチューブTuを通って流量検出装置1に至り、乳は流入口部2iから流入することにより、管部2の内部を通って下方に至る。そして、乳は流出口部2oから流出し、ミルクチューブTdを通ってディストリビュータ33に流入する。この際、乳は電極3と4間を通過するため、制御装置38により電極3と4間の電気抵抗を測定する。このとき乳が存在すれば電極3と4間の電気抵抗は小さくなり、乳が存在しなければ電気抵抗は大きくなるため、測定した電気抵抗を予め設定(登録)したデータベース(又は変換関数)に基づいて流量に変換する。この場合、電極支持棒部5は管部2に対して偏心位置に配されることにより、電極3と4間の距離、即ち、前記間隔Ldが最適な大きさに設定され、また、流入口部2iは電極支持棒部5の偏心方向Bにオフセットされるため、乳の流量は安定かつ高精度に検出される。 【0024】他方、電極支持棒部5の内部には収納空間6を設けたため、例えば、この収納空間6に発光部(検出用部品)Daを配設するとともに、外部に当該発光部Daからの光を受ける受光部Dbを配設して乳の特性測定機能部を設けることができる。この場合、発光部Daからの光は透光突起部19を通り、さらに流れる乳を通過した後、下管部2dを通って受光部Dbに至るため、そのときの透光量(透光内容)を測定(分析)することにより乳の特性、例えば、成分や性質等を検出できる。 【0025】以上、実施例について詳細に説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更,追加,削除することができる。 【0026】例えば、流量検出用管部2はミルクチューブTの中途に後付けにより接続する場合を示したが、予めミルクチューブTに一体化した形式でもよい。また、各電極3,4は周方向全周にわたって設けた場合を示したが、一部に設けてもよい。さらに、電極支持棒部5は管部2の中心位置に配設してもよい。この場合、流入口部2iはオフセットすることなしに電極支持棒部5に対して同軸上に配する。また、管部2における送乳方向Fの前側に曲折流路2cを設けた場合を示したが、この曲折流路2cは管部2における送乳方向Fの後側に設けてもよい。一方、電極3及び4に隣接する管部2の内周面2s及び電極支持棒部5の外周面5sは、テフロン素材により形成した場合を示したが、他の同効素材により形成してもよいし、これらの素材により表面のみを撥水処理してもよい。また、収納空間6は必ずしも設けることを要しない。 【0027】 【発明の効果】このように、本発明に係る乳の流量検出装置は、ミルクチューブの中途に設ける流量検出用管部の内部に、当該管部の内周面に対して外周面が非接触となる軸方向に細長い電極支持棒部を配設するとともに、管部に一方の電極を設け、かつ電極支持棒部に当該一方の電極に対向する他方の電極を設けたため、次のような顕著な効果を奏する。 【0028】■ 電極間の送乳方向の距離を限りなく短くしつつ沿面距離を飛躍的に長くできるため、管部の内周面に付着する乳脂肪等の粘性乳膜による誤検出を防止し、流量を確実に検出できるとともに、信頼性を高めることができる。 【0029】■ 各電極は管部の軸心に直角となる同一平面上に配されるため、電極間の有効電極面を大きくできるとともに、加えて電極の間隔を最適な大きさに設定することにより、流量に対する安定かつ高精度の検出を実現できる。 【0030】■ 好適な実施の形態により、電極支持棒部を管部に対して偏心位置に配し、偏心方向における一方の電極と他方の電極の間隔の大きさを設定するとともに、管部における乳の流入口部を電極支持棒部の偏心方向にオフセットさせれば、さらなる検出の確実性及び安定性と検出精度を高めることができる。 【0031】■ 好適な実施の形態により、電極に隣接する周面を撥水面により形成すれば、粘性乳膜が付着しにくくなるため、さらなる検出の確実性及び安定性と検出精度が高められることに加え、メンテナンス性を向上させることができる。 【0032】■ 好適な実施の形態により、電極支持棒部の内部に乳の特性を検出するための検出用部品を収納する収納空間を設ければ、乳に対する測定事項を拡大できるため、発展性及び多機能性が高められる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000103921 【氏名又は名称】オリオン機械株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月22日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】下田 茂
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| 【公開番号】 |
特開平11−123028 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)5月11日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−289790 |
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