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【発明の名称】 孔開け作業機
【発明者】 【氏名】市 吉 登 美 一

【氏名】板 倉 文 明

【氏名】丸 野 影 文

【要約】 【課題】連続的に走行移動し乍ら打込棒によって略垂直に孔を形成し、運転操作の簡略化並びに取扱い作業性の向上などを図る。

【解決手段】野菜育成ハウス用パイプ支柱(6)端部を土中に埋込む孔を打込棒(11)によって形成する孔開け作業機において、走行車にクランク機構(10)を介して打込棒(11)を昇降自在に取付け、打込棒(11)の土中出入間隔と走行車の移動量を略一致させたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 野菜育成ハウス用パイプ支柱端部を土中に埋込む孔を打込棒によって形成する孔開け作業機において、走行車にクランク機構を介して打込棒を昇降自在に取付け、打込棒の土中出入間隔と走行車の移動量を略一致させたことを特徴とする孔開け作業機。
【請求項2】 走行車に走行クローラを装設させてエンジンによって駆動すると共に、エンジン出力によって回転させる自転ケースと遊星ケースを設けて打込棒を取付けたことを特徴とする請求項1に記載の孔開け作業機。
【請求項3】 縦長の楕円形軌跡上を打込棒先端が移動し乍ら打込棒が略垂直姿勢を維持して昇降するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の孔開け作業機。
【請求項4】 走行車の両側に左右打込棒を略対称に配設させたことを特徴とする請求項1に記載の孔開け作業機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えばにんじんなどの野菜栽培畝の側部に逆U字形パイプ支柱埋込み孔を形成する孔開け作業機に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、作業者がドリルを用いて野菜栽培畝側部に孔を形成し、パイプ支柱端部を埋込んでいたから、例えば野菜栽培畝幅が約3メートルで0.8乃至1メートル間隔(10アール当り500本)にパイプ支柱を立設させ、パイプ支柱上面側にビニールフィルムを張設させてマルチトンネルを形成する場合、畝両側で孔を開ける2人の作業者と、パイプ支柱の両端を孔に差込む2人の作業者の合計4人の作業者によって支柱を立てる作業を行っていたから、作業労力の軽減並びに作業時間の短縮などが望まれていた。
【0003】
【課題を解決するための手段】然るに、本発明は、野菜育成ハウス用パイプ支柱端部を土中に埋込む孔を打込棒によって形成する孔開け作業機において、走行車にクランク機構を介して打込棒を昇降自在に取付け、打込棒の土中出入間隔と走行車の移動量を略一致させたもので、走行車を走行させ乍らクランク機構を駆動させることにより、打込棒が一定間隔毎に一定深さだけ土中に突入して孔を形成し、パイプ支柱両端部を2人の作業者によって孔に差込んで立設させる作業を行い得、作業労力の軽減並びに作業時間の短縮などを容易に図り得ると共に、連続的に走行移動し乍ら打込棒によって略垂直に孔を形成し得、一定間隔毎に孔を開ける間欠繰返し動作を連続駆動出力によって行い得、運転操作の簡略化並びに取扱い作業性の向上などを容易に図り得るものである。
【0004】また、走行車に走行クローラを装設させてエンジンによって駆動すると共に、エンジン出力によって回転させる自転ケースと遊星ケースを設けて打込棒を取付けたもので、打込棒によって形成する孔の深さ及び間隔を自転ケース及び遊星ケースの長さ(回転半径など)によって容易に設定し得ると共に、走行クローラ駆動速度と打込棒の孔開け速度を同期させる駆動構造の簡略化並びに製造コストの低減などを容易に図り得るものである。
【0005】また、縦長の楕円形軌跡上を打込棒先端が移動し乍ら打込棒が略垂直姿勢を維持して昇降するように構成したもので、走行車の移動速度を基準に打込棒先端軌跡の左右幅及び上下幅を決定することにより、打込棒によって形成される孔の間隔及び深さを容易に設定し得ると共に、打込棒に作用する横方向の変形力を低減して打込棒の損傷防止並びに打込棒駆動負荷軽減などを容易に図り得るものである。
【0006】また、走行車の両側に左右打込棒を略対称に配設させたもので、野菜栽培畝の間に形成される溝内部を走行車が移動し、左右打込棒によって2列の孔を同時に形成し、打込棒土中突入反力を走行車の両側に負荷させて左右バランスを良好に維持し得、走行車の小型軽量化並びに孔開け作業能率の向上などを容易に図り得るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は全体の側面図、図2は同正面説明図であり、機台(1)下側にトラックフレーム(2)を介して一対の左右走行クローラ(3)(3)を装設させると共に、エンジン(4)及び操向ハンドル(5)を機台(1)後部に設け、亜鉛メッキ加工した鉄製の円弧形(4分の1円形)パイプ支柱(6)を載せる支柱載台(7)を機台(1)上部に取付けている。また、エンジン(4)出力を伝達するミッションケース(8)を設けて左右走行クローラ(3)(3)を駆動して走行移動させると共に、機台(1)の左右両側にクランク部カバー(9)(9)を設けてクランク機構(10)(10)を内設させ、左右クランク機構(10)(10)に左右打込棒(11)(11)上端側を取付け、エンジン(4)出力によってクランク機構(10)を駆動して打込棒(11)を昇降させ、打込棒(11)下部先端を土中に突入させて孔を形成するもので、野菜栽培畝(12)の間に形成される溝(13)内部を走行車が移動し乍ら、打込棒(11)によって開けた孔にパイプ支柱(6)の一端部を差込み、パイプ支柱(6)の一端部を土中に埋込み、パイプ支柱(6)を畝(12)上側に立設させ、2本のパイプ支柱(6)(6)の他端をジョイント(6a)で接続して半円形に連結させた後、半円形のパイプ支柱(6)(6)上側にビニールフィルムを張設させてマルチトンネルを形成し、溝(13)を移動する1人の作業者によって孔開け作業と円弧形のパイプ支柱(6)を立設させる作業を連続的に行えるように構成している。
【0008】さらに、図3、図4、図5に示す如く、前記クランク機構(10)を形成する自転ケース(14)及び遊星ケース(15)を設けて打込棒(11)を取付けるもので、機台(1)にPTOケース(16)を搭載し、プーリ(17)(18)及びベルト(19)及び主クラッチテンションローラ(20)を介してエンジン(4)の出力軸(21)にPTOケース(16)の入力軸(22)を連結させ、変速ギヤ(23)(24)を介して入力軸(22)に変速出力軸(25)を連結させ、スプロケット(26)(27)及びチェン(28)を介してミッションケース(8)の走行入力軸(29)に変速出力軸(25)を連結させ、走行入力軸(29)の駆動力を左右サイドクラッチ(30)(30)を介して左右走行クローラ(3)(3)に伝え、走行クローラ(3)を駆動して走行移動させるように構成している。
【0009】また、前記変速出力軸(25)に孔開けクラッチ(31)を介して自転軸(32)を連結させ、自転軸(32)に自転ケース(14)を固定させ、自転ケース(14)をPTOケース(16)に回転自在に取付け、自転ケース(14)に遊星軸(33)を回転自在に軸支させ、PTOケース(16)に固定させるサンスプロケット(34)にチェン(35)及びスプロケット(36)を介して遊星軸(33)を連結させると共に、遊星軸(33)に遊星ケース(15)を固定させ、遊星ケース(15)に打込軸(37)を回転自在に軸支させ、自転ケース(14)に固定させる自転ギヤ(38)にアイドルギヤ(39)及び遊星ギヤ(40)を介して打込軸(37)を連結させ、打込軸(37)に打込棒(11)を固定させている。
【0010】そして、前記自転軸(32)を回転させることによって自転ケース(14)が軸(32)回りに回転し、チェン(35)及びスプロケット(36)を介して遊星軸(33)が回転して軸(33)回りに遊星ケース(15)を回転させると共に、遊星ケース(15)の回転によってギヤ(39)(40)を介して打込軸(37)が回転するもので、図3、図4の如く、機体を前進させて作業を行う進行方向が左側になる機体右側面視において、自転ケース(14)を自転軸(32)回りに時計方向に回転させ、遊星ケース(15)を遊星軸(33)回りに反時計方向に回転させると共に、自転ケース(14)及び遊星ケース(15)を略同一速度で回転させ、縦長の楕円形軌跡(A)上を打込棒(11)先端が移動するように構成している。また、打込棒(11)の上下ストローク(B)の約2分の1を打込深さ(C)とし、打込棒(11)を土中に突入させている孔開け動作時の走行クローラ(3)移動距離と楕円形軌跡(A)の横幅距離(D)が略等しくなり、打込棒(11)が略垂直に昇降して土中に出入して孔を開けるように構成している。
【0011】上記から明らかなように、野菜育成ハウス用パイプ支柱(6)端部を土中に埋込む孔を打込棒(11)によって形成する孔開け作業機において、走行車にクランク機構(10)を介して打込棒(11)を昇降自在に取付け、打込棒(11)の土中出入間隔と走行車の移動量を略一致させ、走行車を走行させ乍らクランク機構(10)を駆動させることにより、打込棒(11)が一定間隔毎に一定深さだけ土中に突入して孔を形成し、パイプ支柱(6)両端部を2人の作業者によって孔に差込んで立設させる作業を行え、作業労力の軽減並びに作業時間の短縮などを図れると共に、連続的に走行移動し乍ら打込棒によって略垂直に孔を形成し、一定間隔毎に孔を開ける間欠繰返し動作を連続駆動出力によって行い、運転操作の簡略化並びに取扱い作業性の向上などを図れるように構成している。
【0012】また、走行車に走行クローラ(3)を装設させてエンジン(4)によって駆動すると共に、エンジン(4)出力によって回転させる自転ケース(14)と遊星ケース(15)を設けて打込棒(11)を取付け、打込棒(11)によって形成する孔の深さ及び間隔を自転ケース(14)及び遊星ケース(15)の長さ(回転半径など)によって設定でき、走行クローラ(3)駆動速度と打込棒(11)の孔開け速度を同期させる駆動構造の簡略化並びに製造コストの低減などを図ると共に、縦長の楕円形軌跡(A)上を打込棒(11)先端が移動し乍ら打込棒(11)が略垂直姿勢を維持して昇降させ、走行車の移動速度を基準に打込棒(11)先端軌跡の左右幅及び上下幅を決定することにより、打込棒(11)によって形成される孔の間隔及び深さを設定でき、打込棒(11)に作用する横方向の変形力を低減して打込棒(11)の損傷防止並びに打込棒(11)駆動負荷軽減などを図れるように構成している。
【0013】また、走行車の両側に左右打込棒(11)を略対称に配設させ、野菜栽培畝(12)の間に形成される溝(13)内部を走行車が移動し、左右打込棒(11)によって2列の孔を同時に形成し、打込棒(11)土中突入反力を走行車の両側に負荷させて左右バランスを良好に維持し、走行車の小型軽量化並びに孔開け作業能率の向上などを図るもので、左右の打込棒(11)(11)を略同時に土中に突入させることにより、左右の打込棒(11)(11)の土中突入反力に対して機台(1)重量が左右略均等に作用し、機台(1)重量を打込棒(11)(11)の土中突入力として利用できると共に、機台(1)の左右傾斜によって打込棒(11)が左右に折曲がり損傷するのを防止できる。なお、左右の打込棒(11)(11)を交互に土中に突入させて千鳥形に2列の孔を形成した場合、機台(1)が左右に傾き易いが、エンジン(4)の打込棒(11)駆動力を低減でき、小型のエンジン(4)によって作業を行える。
【0014】さらに、図6に示す如く、前記機台(1)上側にマルチフレーム(41)を取付け、ロール巻形ビニールフィルム(42)をマルチフレーム(41)に繰出し自在に支持させると共に、フィルム展開アーム(43)をマルチフレーム(41)に取付け、野菜栽培畝(12)にパイプ支柱(6)を立設させた後、走行車(44)を移動させ乍ら、展開アーム(43)を介してマルチフレーム(41)のビニールフィルム(42)をパイプ支柱(6)上側に繰出して張設させ、マルチトンネル(45)を形成し、にんじんなどの野菜を育成するもので、走行車(44)を兼用して打込棒(11)の孔開け及び支柱(6)立て作業とビニールフィルム(42)張設作業を行えるように構成している。
【0015】さらに図7は、図6の変形例を示すもので、ロール巻ビニールフィルム(42)を、図6の縦置き形に代え、横置形にして略水平にマルチフレーム(41)に支持させ、フィルム展開アーム(43)を介してビニールフィルム(42)をパイプ支柱(6)上側に繰出して張設させ、マルチトンネル(45)を形成するものである。
【0016】
【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明は、野菜育成ハウス用パイプ支柱(6)端部を土中に埋込む孔を打込棒(11)によって形成する孔開け作業機において、走行車にクランク機構(10)を介して打込棒(11)を昇降自在に取付け、打込棒(11)の土中出入間隔と走行車の移動量を略一致させたもので、走行車を走行させ乍らクランク機構(10)を駆動させることにより、打込棒(11)が一定間隔毎に一定深さだけ土中に突入して孔を形成し、パイプ支柱(6)両端部を2人の作業者によって孔に差込んで立設させる作業を行うことができ、作業労力の軽減並びに作業時間の短縮などを容易に図ることができると共に、連続的に走行移動し乍ら打込棒によって略垂直に孔を形成でき、一定間隔毎に孔を開ける間欠繰返し動作を連続駆動出力によって行うことができ、運転操作の簡略化並びに取扱い作業性の向上などを容易に図ることができるものである。
【0017】また、走行車に走行クローラ(3)を装設させてエンジン(4)によって駆動すると共に、エンジン(4)出力によって回転させる自転ケース(14)と遊星ケース(15)を設けて打込棒(11)を取付けたもので、打込棒(11)によって形成する孔の深さ及び間隔を自転ケース(14)及び遊星ケース(15)の長さ(回転半径など)によって容易に設定できると共に、走行クローラ(3)駆動速度と打込棒(11)の孔開け速度を同期させる駆動構造の簡略化並びに製造コストの低減などを容易に図ることができるものである。
【0018】また、縦長の楕円形軌跡(A)上を打込棒(11)先端が移動し乍ら打込棒(11)が略垂直姿勢を維持して昇降するように構成したもので、走行車の移動速度を基準に打込棒(11)先端軌跡の左右幅及び上下幅を決定することにより、打込棒(11)によって形成される孔の間隔及び深さを容易に設定できると共に、打込棒(11)に作用する横方向の変形力を低減して打込棒(11)の損傷防止並びに打込棒(11)駆動負荷軽減などを容易に図ることができるものである。
【0019】また、走行車の両側に左右打込棒(11)を略対称に配設させたもので、野菜栽培畝(12)の間に形成される溝(13)内部を走行車が移動し、左右打込棒(11)によって2列の孔を同時に形成し、打込棒(11)土中突入反力を走行車の両側に負荷させて左右バランスを良好に維持でき、走行車の小型軽量化並びに孔開け作業能率の向上などを容易に図ることができるものである。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【識別番号】000239725
【氏名又は名称】文明農機株式会社
【出願日】 平成10年(1998)6月2日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 忠治
【公開番号】 特開平11−341926
【公開日】 平成11年(1999)12月14日
【出願番号】 特願平10−170651