| 【発明の名称】 |
マツタケの増産方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】小林 藤雄
【氏名】藤田 博美
【氏名】秋好 勉
【氏名】上家 祐
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| 【要約】 |
【課題】マツタケを、自然条件下で、気象条件にあまり影響されることなく、増産しうる方法を提供する。
【解決手段】8月に、マツタケの発生する地域の地表をプラスチックシートで覆い、該地域の地温を上昇させ、9月には、該プラスチックシートを除去し、前記地域に、人工的にかん水して、9月に適用される水分量が天然の降水量を含めて230〜270mmとなるようにする。なお、プラスチックシートとしては、マルチシートとして市販されるものを使用すればよい。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 8月に、マツタケの発生する地域の地表をプラスチックシートで覆い、該地域の地温を上昇させ、9月には、該プラスチックシートを除去し、前記地域に人工的にかん水して、9月に適用される水分量が天然の降水量を含めて230〜270mmとなるようにすることを特徴とするマツタケの増産方法。 【請求項2】 プラスチックシートとして透明又は半透明のものを使用することを特徴とする請求項1の方法。 【請求項3】 前記かん水を、天然の降水のあった日から2〜3日後に実施することを特徴とする請求項1又は2の方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自然条件下でマツタケを増産する方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】菌根菌類に属するマツタケは、食用として珍重されているが、シイタケ等の腐生菌類と異なり、人工栽培することができないので、もっぱら自然条件下で発生したものを採取して食用に供している。しかし、マツタケの生産量は、気象条件に大きく左右され、豊凶を繰り返すのは仕方がないとされ、これを人為的に制御することはできなかった。また、マツタケ山の環境整備も、人手不足から、年々困難となってきている。そのため、京都府は、品質のよいマツタケ産地とされながら、マツタケの生産量は、非常に減少してきているのが現状である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかるマツタケを、自然条件下で、気象条件にあまり影響されることなく、増産しうる方法を提供することを課題とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】我々は、過去30年間の気象条件とマツタケの発生量の関係を解析し、種々検討し、その結果、本発明を完成した。 【0005】本発明では、8月に、マツタケの発生する地表をプラスチックシート(所謂マルチシート)で覆い、9月には、該プラスチックシートを除去し、マツタケの発生場所に、人工的にかん水して、所望の効果を得ることを可能とした。 【0006】8月のプラスチックシートの適用は、マツタケの発生する地域の地温を上昇させ(周囲に比して約2℃程度上昇させるのがよい)、地中のマツタケ菌糸の成長促進をするのに役立ち、また、9月のかん水は、9月に適用される水分量が、統計的にみて、マツタケの生育に最も適した降水量に相当するものとするためのものである。このかん水は、適用水量が、天然の降水量を含めて230〜270mmとなるようにするのがよい。 【0007】なお、過湿は、マツタケ菌糸の活力を低下するため、かん水は、天然の降水があった日から2〜3日後に実施するのが好ましい。 【0008】また、プラスチックシートとしては、いわゆるマルチシートと称されるものを使用すればよく、黒色や青色の着色シートであってもよいが、透明又は半透明のものを使用する場合に特に効果が著しいことが確認されている。なお、プラスチックシートは、通気性や透水性の有無に関係なく使用できる。 【0009】更に、ここに8月及び9月とは、厳密に、月始から月末でなくてもよいのは勿論である。 【0010】 【発明の実施の形態】次に、本発明を実施例に従って更に詳しく説明するが、各実施例では、プラスチックシートとして市販のマルチシートを使用した。 実施例1京都市右京区高尾の事業地で、平成5年にマツタケが8本発生した地表を、8月の一ヵ月間はマルチシートで覆い、9月には該シートを除去して、好天時に、同地表に人工的にかん水して、9月の降水量が250mmに相当するように調整した。この実験は、平成6〜9年の4年間繰り返して実施したが、平成6〜8年は、マルチシートとして黒色シート(積水化学工業社製の「セキスイ農ポリ」:厚さ0.03mm、幅100cmの黒マルチ)を使用し、平成9年には白色がかった透明シート(積水化学工業社製の「セキスイ農ポリ」:厚さ0.02mm、幅100cmの透明マルチ)を使用した。なお、マルチシートは、赤松の根元部分を除いて、その周囲をマツタケの発生地の約3倍の径で完全に覆うように施した。試験結果を表1に示す。 【0011】 【表1】
【0012】表1に示される通り、本発明に従った方法で処理した平成6〜9年のマツタケ生産量は、無処理の平成5年に比して3倍以上に増加した。特に、白色がかった透明のシートを使用した平成9年の生産量は、同年の作柄が不作であったにもかかわらず、平成6年の5倍以上と著しく増量した。 【0013】実施例2京都市北区鷹が峯の事業地で、平成6年にマツタケが10本発生した地表を、8月の一ヵ月間はマルチシートで覆い、9月には該シートを除去して、好天時に、同地表に人工的にかん水して、9月の降水量が250mmに相当するように調整した。この実験は、黒色のマルチシートを使用して平成7〜9年の3年間繰り返して実施した。試験結果を表2に示す。 【0014】 【表2】
【0015】表2に示される通り、本発明に従った方法で処理した平成7〜9年のマツタケ生産量は、無処理の平成6年に比して2〜3倍に増加した。 【0016】実施例3京都府船井郡瑞穂町の事業地で、平成7年にマツタケが9本発生した地表を、8月の一ヵ月間はマルチシートで覆い、9月には該シートを除去して、好天時に、同地表に人工的にかん水して、9月の降水量が250mmに相当するように調整した。この実験は、平成8年と平成9年の2年間繰り返して実施した。なお、平成8年は黒色のマルチシートを使用したが、平成9年は白色がかった透明のマルチシートを使用した。試験結果を表3に示す。 【0017】 【表3】
【0018】表3に示される通り、本発明に従った方法で処理した平成8〜9年のマツタケ生産量は、無処理の平成7年に比して著しく増加した。特に、白色がかった透明シートを使用した平成9年は、作柄が不作であったにもかかわらず、生産量が非常に向上した。 【0019】実施例4表4に示す事業所で、平成7年及び8年にマツタケの生産が確認されている地上を、平成9年8月の一ヵ月間マルチシートで覆い、9月には該シートを除去して、好天時に、同地表に人工的にかん水して、9月の降水量が250mmに相当するように調整した。その結果を、本発明の方法を実施しなかった平成7年及び8年の生産量と比較して表4に示す。 【0020】 【表4】
【0021】表4に示される通り、本発明に従った方法で処理した平成9年のマツタケ生産量は、無処理の平成7年及び8年に比較して、著しく増加した。 【0022】 【発明の効果】本発明の方法では、だれもが非常に簡単に実施可能な方法であり、しかも、不作とされた年でも、平均して、豊作年の2倍以上のマツタケの収穫を可能とするものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591097702 【氏名又は名称】京都府
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)6月1日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】武石 靖彦 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−341920 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)12月14日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−169198 |
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