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【発明の名称】 水田用取水装置
【発明者】 【氏名】木村 敏光

【氏名】平田 敬一

【氏名】田代 勝司

【要約】 【課題】特別な駆動源を要することなく、水田への設定水位になったときに給水を停止するようにすることによって安価な取水装置を提供する。

【解決手段】該本体に設けられ、かつ弁座およびこの弁座に組み合わされる遮水弁とから構成されて取水側および給水側を仕切る弁体と、操作レバーを含み、前記遮水弁を開操作する機構、および該遮水弁の開操作に伴って蓄勢されるバネから構成される弁体操作装置と、前記遮水弁を開放位置に保持するラッチ機構と、フロートを含み、水田に取水する水の水位を設定する水位設定バーを含み、かつ前記フロートの上方への移動に連動することによって前記ラッチ機構の保持を解除するラッチ引き外し機構とから構成される水位設定装置とを含んで構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】本体と、該本体に設けられ、かつ弁座およびこの弁座に組み合わされる遮水弁とから構成されて取水側および給水側を仕切る弁体と、操作レバーを含み、前記遮水弁を開操作する機構、および該遮水弁の開操作に伴って蓄勢されるバネから構成される弁体操作装置と、前記遮水弁を開放位置に保持するラッチ機構と、フロートを含み、水田に取水する水の水位を設定する水位設定バーを含み、かつ前記フロートの上方への移動に連動することによって前記ラッチ機構の保持を解除するラッチ引き外し機構とから構成される水位設定装置とを含んで構成されることを特徴とする水田用取水装置。
【請求項2】本体と、該本体に設けられ、かつ弁座およびこの弁座に組み合わされる遮水弁とから構成されて取水側および給水側を仕切る弁体と、操作レバー,リンク機構およびワイヤを組み合わされた遮水弁開操作機構を含み、該開操作に伴って蓄勢されるバネから構成される弁体操作装置と、前記遮水弁を開放位置に保持するラッチ機構と、フロートを含み、水田に取水する水の水位を設定する水位設定バーを含み、かつ前記フロートの上方への移動に連動することによって前記ラッチ機構の保持を解除するラッチ引き外し機構とから構成される水位設定装置とを含んで構成されることを特徴とする水田用取水装置。
【請求項3】本体と、該本体内に第1の部屋および第2の部屋を形成する仕切板と、該本体に設けられ、かつ弁座およびこの弁座に組み合わされる遮水弁とから構成されて取水側および給水側を仕切る弁体と、前記第1の部屋内に配設され、操作レバー,リンク機構およびワイヤを組み合わされた遮水弁開操作機構を含み、該開操作に伴って蓄勢されるバネから構成される弁体操作装置と、前記遮水弁を開放位置に保持するラッチ機構と、前記第2の部屋に配設されたフロートを含み、水田に取水する水の水位を設定する水位設定バーを含み、かつ前記フロートの上方への移動に連動することによって前記ラッチ機構の保持を解除するラッチ引き外し機構とから構成される水位設定装置とを含んで構成されることを特徴とする水田用取水装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水田用取水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】水田の水位が所定の水位に達したとき自動的に灌漑を停水する灌漑装置は、特開平8−37950号公報に記載されるところである。この公報は、ゲート部は駆動部により駆動され、用水路から水田へ水を灌水するための流路を開閉し、水位センサユニットは水田の水位を検知し、制御部は水位データに基づいて、水田の水位が予め決められた第1の設定水位以下となり、かつ第1の温度センサが出力する水田水温データと第2の温度センサが出力する灌水水温データとを比較し、水田水温と灌水水温の温度差が予め決められた灌水許容温度範囲以内である場合に限り、水田への灌水を行うことが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】水田に取水するに当って、水田の水位が所定の水位に達したときにモータなどの駆動源を要することなく、自動的に灌漑を停水することが要望されている。このような特別な駆動源を要することなく、自動的に灌漑を停止できれば、装置をコンパクト化し、製造コストが下り、装置を安価にすることができる。
【0004】本発明は、このような要求に応えるもので、特別な駆動源を要することなく、灌漑を自動的に停止して水田の水位を所定の水位に維持するための水田用取水装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、水位設定装置が作動すると、リンク機構が作動して遮水弁を開口していたラッチ機構を開放し、バネに蓄勢された動力によって自動的に遮水弁が閉塞することを特徴とする。
【0006】本発明は、具体的には次に掲げる装置を提供する。
【0007】本発明は、本体と、該本体に設けられ、かつ弁座およびこの弁座に組み合わされる遮水弁とから構成されて取水側および給水側を仕切る弁体と、操作レバーを含み、前記遮水弁を開操作する機構、および該遮水弁の開操作に伴って蓄勢されるバネから構成される弁体操作装置と、前記遮水弁を開放位置に保持するラッチ機構と、フロートを含み、水田に取水する水の水位を設定する水位設定バーを含み、かつ前記フロートの上方への移動に連動することによって前記ラッチ機構の保持を解除するラッチ引き外し機構とから構成される水位設定装置とを含んで構成される水田用取水装置を提供する。
【0008】本発明は、本体と、該本体に設けられ、かつ弁座およびこの弁座に組み合わされる遮水弁とから構成されて取水側および給水側を仕切る弁体と、操作レバー,リンク機構およびワイヤを組み合わされた遮水弁開操作機構を含み、該開操作に伴って蓄勢されるバネから構成される弁体操作装置と、前記遮水弁を開放位置に保持するラッチ機構と、フロートを含み、水田に取水する水の水位を設定する水位設定バーを含み、かつ前記フロートの上方への移動に連動することによって前記ラッチ機構の保持を解除するラッチ引き外し機構とから構成される水位設定装置とを含んで構成される水田用取水装置を提供する。
【0009】本発明は、本体と、該本体内に第1の部屋および第2の部屋を形成する仕切板と、該本体に設けられ、かつ弁座およびこの弁座に組み合わされる遮水弁とから構成されて取水側および給水側を仕切る弁体と、前記第1の部屋内に配設され、操作レバー,リンク機構およびワイヤを組み合わされた遮水弁開操作機構を含み、該開操作に伴って蓄勢されるバネから構成される弁体操作装置と、前記遮水弁を開放位置に保持するラッチ機構と、前記第2の部屋に配設されたフロートを含み、水田に取水する水の水位設定する水位設定バーを含み、かつ前記フロートの上方への移動に連動することによって前記ラッチ機構の保持を解除するラッチ引き外し機構とから構成される水位設定装置とを含んで構成される水田用取水装置を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる一実施例を図面に基づいて説明する。
【0011】図1は、水田用取水装置の断面における正面観であり、図2は同上面観であり、図3は同左側面観、かつ図4は同右側面観を示す。これらの図において、本体1は、第一室2と第二室3とに区画されて構成される。第一室2は取水口4と給水口9を有する。給水口9は本体の前後2ヶ所に有し、設置される水田の畦畔との関係で一方が任意に閉塞され、他方が使用に供される。尚、1ヶ所であってもよい。図2においては水田の反対側の取水口5は閉塞されている。第一室2と第二室3との間には水の脈動防止のため仕切板6が設けてあり、水線下部において水の連結穴を設けてある。このようにして構成する本体の一例としては高さ650mm×幅820mm×奥行き340mmのものが採用し得、水田の畦畔とほぼ同じ幅と高さにすることが望ましい。このように構成した本体は、田面高7から、例えば150mm埋没して畦畔に配設される。本体の下方に据付ベース101が配設され据付金具102を介して据付バー103,104が設けられる。本体1はこの据付バー103,104に据付レベル調整装置105,106を介して取り付けられ、据付ベース101によって据付けられる。
【0012】本体1に設けた開口には弁座12が設けられ、円板状の遮水弁13と組み合わされてユニットとされ、弁体14が形成される。実線は、遮水弁13の閉位置を示し、二点鎖線16は、遮水弁13の開位置を示す。弁座12には平板状の遮水弁13に接触可能のようにしてパッキン17が設けてある。
【0013】本体1内には本体1に取り付けた縦支柱30および横支柱31が設けられ、該縦支柱30と遮水弁13との間にはバネ33が設けられる。バネ33は通常、その蓄勢により遮水弁13を弁座12に押し付けている。
【0014】横支柱31の上にはラッチ機構41が設けられる。ラッチ機構41は、ラッチ42を有し、ラッチ42に止め部43が形成される。更にラッチ機構は係合部44を備えたフック45を有している。
【0015】ラッチ42の下端はワイヤ46に結ばれる。ワイヤ46は、縦支柱30に設けた滑車47を介して遮水弁13に連結される。
【0016】操作レバー22はリンク機構をなし、その先端は支持バー61のピボット点62を中心として回動する。その回動に伴って、バー63はラッチ42を上方に移動させる。図5に示すように止め部43とフック45の係合部44は係合し、この位置にラッチ42を保持する。これに伴ってワイヤ46によって右方向に動いた遮水弁13は弁開位置に保持されることになる。尚、遮水弁13は、図示を省略したガイドにより動きが拘束され、水平方向にのみ動くことができる構造としている。
【0017】第二室3内には水位設定装置50を構成するフロート51が配設され、その中央部に設けた貫通孔を貫通して水位設定バー71が設けられる。水位設定バー71には上下移動可能のようにして水位設定板72および水位設定ハンドル73が設けられている。設定ハンドル73を回すことによって水位設定板72を任意の位置に止めることができる。また、水位設定板72はフロート51のストッパーの作用をなす。
【0018】水位設定板72には目盛をつけた目盛板74が固着具75によって固着され、水位表示器53の鞘の中を貫通し、水位表示器53に設けた透明部(図示せず)から水位を表示できるようにしている。このようにして水位設定装置50が構成される。
【0019】水位設定板72とフック45とを結んで引き外しバー76が配設してあり、引き外しバー76はフック45を回動させる。
【0020】フロート51が水田の水位の上昇に伴って上昇するとその上面は水位設定板72の下端に接触し、これを上方に移動させて二点鎖線の位置に至る。この移動は引き外しバー76を介してフック45を回動させ、係合している止め部43と係合部44との係合を解除することになる。このようにして、ラッチ機構41のラック作用を解除する引き外し機構が構成される。この係合が解除されると、遮水弁13はバネ33により左方に動き、弁座12に密封し、開口を閉塞するに至る。これによって、水田への給水が止められる。
【0021】次に水位設定装置50の他の実施例について図6,図7を参照して説明する。図6は水位設定装置50の上面観を示し、図7はその正面観を示す。
【0022】図6に示すように水位表示器53は透明の面を有する水位表示バー52を備える。また、水位設定装置50は、キーケース82を備え、キー穴83にキーハンドル84を挿入して、内蔵のキー85を回転動作させることによって、摩擦力でガイド86に固定し、水位を設定できるようにしている。これによって、装置の上面から水位を設定できるようになる。また、ガイド86は水位表示バー52に係合し、上下方向に移動可能としてある。更に、キー穴83は、キー85が固定状態でのみハンドル84の挿入を可能とし、固定解除の状態では引抜くことのできない構造としている。よって、固定解除の状態ではハンドル84とキーケース82は連結しているためにハンドル84により任意の水位に設定を可能としている。
【0023】次に操作方法について説明する。
【0024】全開操作方法1)遮水弁13に連結の操作レバー22を手動にて、左方向に回動して遮水弁13を弁座12から引き離す。
【0025】2)弁座12と遮水弁13との間に、所定の開口を形成し、本体内に取水し、給水口9を介し、水田に給水開始する。
【0026】3)遮水弁13の開口操作に対抗して、バネ33を蓄勢する。
【0027】4)バネ33が必要圧力を蓄勢した位置にラッチ機構41のラッチ作用が働き、その位置で遮水弁13を含む動作系を固定する。
【0028】全閉操作方法1)ラッチ機構41には、引き外し機構が付いており、引き外し機構は、水位設定装置50の作用によって引き外されるようになっている。
【0029】2)水位設定装置50が作動すると、そのリンク機構により引き外し装置が作動し、ラッチ機構41を開放する。
【0030】3)ラッチ機構41が開放すると、バネ30の蓄勢動力により遮水弁13が閉動作し、水田への給水を停止する。
【0031】水位設定方法1)回転式の水位設定機構を設けており、上部に設けた設定ハンドル73を回転す ることにより、任意の水位を設定することができる。
【0032】2)水位検出は、フロート51により浮力を利用して行う。
【0033】3)フロート51は、引き外し機構を作動するに必要な動力を発生する大きさとする。
【0034】据付方法1)据付ベース101を田面高7より低い高に水平にいれる。
【0035】2)本体1を据付ベース101の取り付けた据付バー103,104に取り付け、開口部底辺が田面高7と一致し、更に本体1が水平になるように調整する。
【0036】3)給水口9は前後面に形成してあり、使用しない口は閉塞する。
【0037】その他水位設定装置50を本体の外側に配設することができる。この場合は、本体1の田面高7より下の部分およびフロート部分は不要となり、構造が簡単化される。
【0038】図8は、フロート51を含む水位設定装置50を独立させて別置させた例を示す。先の実施例と同一部品、同一部分には同じ番号を付し、繰り返しては説明しない。図8は正面断面、図9は上面断面そして図10は側面断面を示す。これらの図において水位設定装置50は、本体1とは別置のケース121内に設置される。このように水位設定装置50を別置としたため、ラッチ機構41′とラッチ引き出し機構78′とを分離し、両者を2本のワイヤ122、123で連動せしめている。以下、これらの機構について図面を参照して説明する。図11は、本体1に組込むラッチ機構を示す。ラッチ機構41′はラッチ125、レバー126、バネ127、ローラ128からなる。図において実線は弁体14が開放されている場合、二点鎖線は弁体14が閉塞されている場合を示す。今閉塞の状態にあるとした場合、開放状態にするためにラッチセット用ワイヤ122をゆるめてラッチ125を左方向移動せしめ、ラッチ125の係合面127をレバー126に設けたローラ128に係合させてラッチ125とレバー126との係合を行う。レバー126はバネ127によって下方向に引っぱられており、ラッチ125が前述のように左方向に移動することによって前述した係合がなされる。レバー126はヒンジ129を支点として回動動作を行う。
【0039】ラッチ引き外しワイヤ123を引くとワイヤ123はレバー126をバネ127に逆らって二点鎖線のように回動せしめ、ラッチ125の右方向への移動を可能とする。ラッチ引き外し用ワイヤ123の動作を図12に基づいて説明する。
【0040】図12は、ラッチ機構41′の係合を解放するための引き外し機構78′を示し、図8のA部拡大図である。
【0041】引き出し機構78′は第1レバー131、第2レバー132、セット用メカ133、第1レバーに作用するバネ134、第2レバー132に作用するバネ135、レバ止め138,139からなり、第1のレバー131はヒンジ136を支点とし、第2のレバー132はヒンジ137を支点として回動する。レバー131とレバー132とはその端部で係合する。ラッチセット用ワイヤ132を設定メカ133によって実線の位置にセットする。第1レバー131および第2レバー132はバネ134、135の作用によって係合する。
【0042】ケース121内に配設したフロート51が水位上昇に伴って上昇し、設定位置に達すると水位設定板54は第2レバー132を二点鎖線に示すように押し上げる。この結果、第1レバー131との係合が解放される。このとき、バネ134の作用によって、第1レバー131はヒンジ136を中心として回動し第1レバー131の左端に接続されたラッチ引き出しワイヤ(図示なし)を下方に引くことになる。これによって前述したように、ラッチ機構41′の係合が解放され、弁体14は閉塞されることになる。
【0043】尚、ケース121は、据付レベル調整装置141,141′を介して据付バー142、143に取り付けられ、据付ベースに145によって固定される。ケース121に形成される室146はケース121に形成した開口部147、148を介して外部に連通し、田面高さ7の水が満たされ、この水の水位に応じてフロート51は上昇し、前述したように駆動力を生ぜしめることになる。
【0044】このように、水位設定装置50を別置方式にすることによって本体1の据付けが楽になり、装置の均平度を上げることができる。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、外部からの特別な駆動源を要することなく、バネ力を活用することによって弁体の閉塞および水位検出を行って、灌漑を自動的に停止して水田の水位を設定した水位に容易に維持することができ、且つ水位を設定し、操作レバーを引きだけで容易に操作できるメリットがある。
【出願人】 【識別番号】000233044
【氏名又は名称】株式会社日立エンジニアリングサービス
【出願日】 平成10年(1998)5月26日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】高田 幸彦 (外1名)
【公開番号】 特開平11−332400
【公開日】 平成11年(1999)12月7日
【出願番号】 特願平10−144379