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【発明の名称】 増設可能な段垣
【発明者】 【氏名】岩田 守生

【要約】 【課題】草木との調和や庭としての一体感を損なわず、かつ草木の配置替えを容易に行うことができる。

【解決手段】栽培床E1〜E3の周囲を囲む段垣1を所定形状の複数のピースを結合して構成し、かつ、結合されたピースによって、段垣1の側面に窪んだ目地部分18が所定間隔で形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 栽培床の周囲を囲む段垣を所定形状の複数のピースを結合して構成し、かつ、結合されたピースによって、窪んだ目地部分が前記段垣の側面に所定間隔で形成されるようになしたことを特徴とする増設可能な段垣。
【請求項2】 前記ピースは厚肉のものと薄肉のものが準備され、厚肉のピースと薄肉のピースを交互に結合して前記所定間隔の目地部分を形成した請求項1に記載の増設可能な段垣。
【請求項3】 前記ピースは厚肉の本体に薄肉の脚部が突出形成されたもので、当該脚部の先端に厚肉の他のピースを結合して前記所定間隔の目地部分を形成した請求項1に記載の増設可能な段垣。
【請求項4】 前記ピースの結合を、互いの側面に高さ方向へ形成された凸部と凹部で行うようにした請求項1ないし3のいずれか一つに記載の増設可能な段垣。
【請求項5】 前記凸部あるいは凹部は平面視で円形状となっている請求項4に記載の増設可能な段垣。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は花壇等の植物栽培床の周囲を囲む段垣に関し、特に任意の形状に増設可能な段垣に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、家庭で箱庭風の庭作りをする、いわゆるガーデニングが人気を集めている。この種のガーデニングにおいては、気分転換を図るために草木の配置を変更することが多い。そこで従来は、合成樹脂材を有底箱状に成形したプランター内で草木を栽培し、必要に応じてプランターを移動させて草木の配置を変更するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、プランターを多数並べて庭を作っても、プランターの無機質な外壁が目立って草木との違和感を生じるとともに、隣接するプランター同士で比較的大きな隙間を生じて全体的な一体感に欠けるという問題があった。
【0004】そこで、本発明はこのような課題を解決するもので、草木との調和や庭としての一体感を損なわず、かつ草木の配置替えを容易に行うことができる増設可能な段垣を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明では、栽培床(E1〜E3)の周囲を囲む段垣(1)を所定形状の複数のピース(2,3)を結合して構成し、かつ、結合されたピース(2,3)によって、窪んだ目地部分(18)が段垣(1)の側面に所定間隔で形成されるようにする。
【0006】本発明においては、複数のピースを適宜結合して段垣を構成しているから、所望形状の段垣を自由に作ることができる。この場合、ピースを切り離し可能としておけば、段垣の形状を自由に変更することができ、草木の配置替えを容易に行うことができる。そして、複数のピースよりなる段垣の外観は、従来のプランターの比較的大きい無機質な外壁に比して、草木と良く調和する。特に、ピースを木材で製作すれば、端材の有効利用になるとともに草木との違和感も殆ど生じない。また、プランターを多数並べた時のような隙間を生じないから、庭全体の一体感が損なわれない。
【0007】また、ピースを結合して構成された上記段垣にはその側面に窪んだ目地部分が所定間隔で形成されるから、この目地部分が視覚的なリズム感を生じて意匠性に優れたものとなる。この場合、コンクリートブロック等の目地部分に必ず段垣の目地部分がくるようにその間隔を設定しておけば、コンクリートブロック等と組み合わせて段垣を構成した場合にも、意匠の統一を図ることができる。
【0008】上記所定間隔の目地部分(18)は、厚肉のピース(2)と薄肉のピース(3)を交互に結合することにより形成することができる。また、ピース(5)を、厚肉の本体に薄肉の脚部(51)を突出形成したものとし、当該脚部(51)の先端に厚肉の他のピース(3)を結合することによっても、上記所定間隔の目地部分(18)を形成することができる。
【0009】上記ピース(2,3)の結合は、互いの側面に高さ方向へ形成された凸部(32)と凹部(21)で行うことができる。そして、この凸部(32)あるいは凹部(21)を平面視で円形状にすると、製造が容易であるとともに、凹部の開口をやや拡げることによって結合状態を保って一方のピースを他方のピースに対して回動させて、両ピースの結合角度を変更することが可能となる。
【0010】なお、上記カッコ内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0011】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1には本発明の段垣を使用した花壇の外観を示す。花壇は段垣1により囲まれるとともに、段垣1によって3つの栽培床E1〜E3に区画され、各栽培床E1〜E3にそれぞれ異なる花が植えられている。このうち栽培床E1は平面視で湾曲部と直線部を有する扇形に成形され、栽培床E2は正方形に、栽培床E3はL字形に成形されている。そして、栽培床E1,E2には同一深さで土やハイドロボールが入れられ、また、栽培床E3は他の栽培床E1,E2よりも深く土やハイドロボールが入れられている。段垣1は多数のピース16,17を連ねて構成されており、段垣1の外観を図2に示す。
【0012】図2において、栽培床E1,E2の外周、およびこれら栽培床E1,E2の境界を区画する段垣1は高さの低いピース16を多数連ねて構成され、一方、栽培床E3の外周、および栽培床E3とE1,E2との境界を区画する段垣1は高さの高いピース17を多数連ねて構成されて、各栽培床E1〜E3に、上方へ開放する所定深さの空間が形成され、これら空間内に土が入れられる。そして、ピース16あるいは17を連ねて構成された段垣1には内外の側面に所定間隔で、窪んだ目地部分18が形成されている。なお、以上に説明したピース16,17は高さが異なることのみを示すために符号をつけたもので、実際に段垣1を作るには以下に説明する各種形状のピースが使用される。
【0013】上記段垣1を構成するピース2の一例を図3、図4に示し、図3はピース2の斜視図、図4はピース2の平面図である。ピース2は高さHの厚肉木製柱体で、その平面形状は四隅を丸めた縦L、横Wの長方形となっている。ピース2には長手方向の両側面に上下方向へ貫通する切欠き21が形成され、これら切欠き21は半径Rの円形凹部211と、幅aかつ長さbで側方へ開放する平行な対向面を有する開口部212とからなっている。
【0014】図5、図6にはさらに他のピース3を示し、図5はピース3の斜視図、図6はピース3の平面図である。このピース3は既に説明したピース2と同一高さHの薄肉柱体で、その平面形状は一定幅aで長さMの本体31と、その両端に形成された半径Rの円形凸部32とからなっている。なお、M>2bとする必要があり、各寸法(単位mm)の一例は、H=100、L=40、W=30、R=7、M=20、a=10、b=5である。以下、各図において同一寸法部は同一符号を付す。
【0015】上記ピース2,3を互いに連結するには、図7に示すように、ピース3の円形凸部32をピース2の円形凹部211に合致させて上下方向から差し込み嵌合させる。そして、これらピース2,3を、交互に円形凸部32と円形凹部211を嵌合させて連結することにより、直線的に延びる段垣1が作られる。そして、厚肉のピース2の間に薄肉のピース3が存在することにより、この部分で段垣1の内外(図7の上下)の側面が窪んで目地部分18が形成される。この目地部分18は、各ピース2,3の大きさを上記寸法の一例で製造した場合、40mmおきに長さ10mmで形成される。
【0016】図8に示すピース4は既に説明したピース2と外形が同一であり、切欠き41の円形凹部411に続く開口部412の対向面が外方へθの角度で開放傾斜している。なお、開口部412の開口間隔a´はピース3の脚部31の幅aよりも大きくしておく必要がある。このようなピース4に上記ピース3を連結すると、図8の鎖線で示すように連結状態でピース3をθの角度内で左右(図の上下)に振ることができ、適当角度に振りつつ交互にピース3,4を連結することによって外観上湾曲した段垣1を作ることができる。なお、開口部412を形成せず、円形凹部411を幅aより大きい開口で側方へ直接開放させる構造としても、ピース3を振らせることができる。
【0017】図9に示すピース5では、ピース2(図4)と基本形状を同一とした柱体の両側面からそれぞれ幅aで長さcの脚部51が突出し、各脚部51の先端に半径Rの円形凸部52が形成されている。なお、c>b(図4)とする。このようなピース5はその円形凸部52をピース2,4(図4、図8)等の円形凹部211,411に差し込み連結して使用される。そして、この連結時に、薄肉の脚部51によって目地部分18(図7参照)が形成される。なお、以下の各図で説明するピースは、いずれもピース2,3(図3、図5)と同様の柱体である。
【0018】図10に示すピース6は段垣1のコーナ部に使用されるもので、90度離れた位置にそれぞれ切欠き61が形成され、これら切欠き61の円形凹部611にピース3,5(図6、図9)等の円形凸部32,52が差し込み連結される。図11に示すピース7も段垣1のコーナ部に使用されるもので、90度離れた位置から脚部71が突出してその先端に円形凸部72が形成され、これら円形凸部72がピース2,4(図3、図8)等の円形凹部211,411に差し込み連結される。
【0019】図12ないし図14に示すピース8〜10はそれぞれ三分岐用のものであり、ピース8(図12)では、180度離れた反対位置にそれぞれ切欠き81が形成され、また、これら切欠き81と90度離れた位置に脚部82および円形凸部83が形成されている。ピース9(図13)では、90度離れた位置にそれぞれ切欠き91が形成され、また、切欠き91の一つとは180度離れた反対位置に脚部92および円形凸部93が形成されている。さらにピース10(図14)では、それぞれ90度離れた位置に脚部101および円形凸部102が形成されている。
【0020】図15ないし図19にはそれぞれ四分岐用のピース11〜15を示す。ピース11(図15)では、180度離れた反対位置にそれぞれ切欠き111が形成されるとともに、これら切欠き111と直交する位置にそれぞれ脚部112および円形凸部113が形成されている。ピース12(図16)はピース11と基本形状は同一で、180度離れた反対位置にある脚部121が互いに左右方向へずれて形成されている。ピース13(図17)では、周方向の90度づつ離れた位置にそれぞれ切欠き131と、脚部132および円形凸部133が形成されている。ピース14(図18)では、周方向の90度づつ離れた位置にそれぞれ脚部141および円形凸部142が形成されている。ピース15(図19)はピース14と基本形状は同一で、180度離れた反対位置にある脚部151が互いに左右方向へずれて形成されている。
【0021】以上に説明した各種ピースを適宜選択して連結することにより、図2に示した段垣1に限らず、種々の形状の段垣を自由に成形することができる。そして、段垣を一旦形成した後も、適当数のピースを取り去り、あるいは付け加えることによって段垣の形状を変更して、花壇の模様替えを容易に行うことができる。なお、上述した各ピースはいずれも一例であり、互いに嵌合する円形凹部と円形凸部を有したものであれば、その外形は限定されるものではない。
【0022】ピースを互いに連結するための凹部と凸部は円形に限られず角形等としても良いが、円形とした方が製作が簡単であるとともに、図8に示すように、一のピース4に対して他のピース3を所定角度で振らせるような構造も容易に実現できる。また、凹部や凸部は必ずしも柱体を上下方向へ貫通している必要はなく、凹部や凸部の一端のみが柱体の上端あるいは下端へ至っている構造であれば良い。
【0023】ピースは既述のように木製とした方が、端材の有効利用が図れるとともに草木との質感も調和し易いが、必ずしも木製に限られるものではなく、合成樹脂製、ゴム製あるいはセラミクス製、ガラス製としても良い。また、同一形状で異なる着色をした複数種のピースを用意することによって、華やかな段垣とすることができる。本発明の増設可能な段垣の用途は花壇に限られるものではなく、家庭菜園等にも利用することができる。さらに、このような段垣は草木が地植えであるため、地中に深く根を降ろす樹木や野菜等を植えることも可能である。また、段垣には底板を付けけても良い。さらには、上記ピースを連ねてインテリヤの間仕切りとして使用することもできる。上記実施形態ではピースを切り離し可能としたが、製造販売段階で各ピースを切り離せないように固定しても良い。
【0024】(第2実施形態)図20に示すように、互いに結合されたピース2(図3)とピース3(図5)で、ピース3の高さをピース2の高さよりも高くして下方へ突出させ、この突出部を土中に埋めれば、段垣1の確実な位置決めが可能である。なお、ピース2の高さをピース3の高さよりも高くして、その突出部を土中に埋設するようにしても良い。
【0025】(第3実施形態)図21に示すように、ピース2(図3)とピース3(図5)を結合して平行に延びる段垣1,1´を構成し、これら段垣1,1´の対向する目地部分18に、仕切板19の両端を差し込むことによって、段垣1,1´間に新たな栽培床を区画形成することができる。
【0026】(第4実施形態)ピース3(図5)とピース4(図8)を使用して、図22(イ)(ロ)に示すように、図の上方へ凸状に湾曲する段垣1と図の下方へ凸状に湾曲する段垣1´を構成した場合、段垣1を構成するピース3の本体長さM1 を、段垣1´を構成するピース3の本体長さM2 よりも適当量長くすれば、図の下方から見た段垣1,1´の目地部分18の長さLを同一にすることができる。
【0027】(第5実施形態)ピース3(図5)の高さをピース2(図3)の高さの半分にして、ピース2の間に上下二個結合し、図23に示すように、上方のピース3を適宜引き上げて下方のピース3との間に隙間33を形成するようにすれば、この隙間33を排水孔、あるいは給水パイプを通す孔として利用することができる。
【0028】(第6実施形態)図24に示すように、ピース2(図3)の高さを適宜位置でピース3(図5)の高さの半分とし、その下にピース3の高さの半分(すなわちピース2と同一高)のピース8(図12)を配設して、その脚部82を図25に示すように段垣1で囲まれた栽培床内に複数箇所で突出させる。そして、栽培床の床板を準備してその周縁を脚部82上に載置し支持させるようにすれば、床板上に土を入れてベランダ等で使用することが可能となる。
【0029】
【発明の効果】以上のように、本発明の増設可能な段垣は、草木との調和や庭としての一体感を損なわず、かつ草木の配置替えを容易に行うことができるものである。
【出願人】 【識別番号】598036562
【氏名又は名称】岩田 守生
【出願日】 平成10年(1998)5月22日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】守田 賢一
【公開番号】 特開平11−313545
【公開日】 平成11年(1999)11月16日
【出願番号】 特願平10−158337