| 【発明の名称】 |
育苗用培土 |
| 【発明者】 |
【氏名】山本 惣一
【氏名】吉岡 政利
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| 【要約】 |
【課題】安価でかつ量産に適し、さらに割れたり崩れることがなく取扱いが容易な育苗用培土を得る。
【解決手段】育苗用培土10は、籾殻12と芯鞘型繊維14及び育苗用肥料16を含んで構成されている。各構成材(原料)を攪拌混合し、籾殻12のうち粒子の小さい籾殻12Aが内層に位置し、粒子の大きい籾殻12Cが表層に位置するように積層し、さらに、芯鞘型繊維14の鞘部は軟化するが芯部は軟化しない温度によって加熱成形することにより、芯鞘型繊維14が網目状になって各構成材を包み込んで結合し、屈曲性及び保水性のある育苗用培土10が得られる。この育苗用培土10は、各原料自体が安価でかつ単に加熱成形して得られるため、安価でかつ量産することができ、灌水しても割れたり崩れることがなく、さらに、粒子の小さい籾殻12Aが表面から溢れ落ちることがない。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 籾殻と、芯部と前記芯部よりも軟化温度が低い鞘部とから成る芯鞘型繊維と、を有し、粒子の小さい籾殻が内層に位置し粒子の大きい籾殻が表層に位置するように前記籾殻と芯鞘型繊維とを攪拌混合し、前記攪拌混合した籾殻及び芯鞘型繊維を、前記鞘部が軟化するが前記芯部は軟化しない温度で加熱成形して成る育苗用培土。 【請求項2】 籾殻と、芯部と前記芯部よりも軟化温度が低い鞘部とから成る芯鞘型繊維と、を有し、前記籾殻と芯鞘型繊維とを攪拌混合し、前記攪拌混合した籾殻及び芯鞘型繊維の混合体のうち、粒子の小さい籾殻を含有する混合体が内層に位置し、粒子の大きい籾殻を含有する混合体が表層に位置するように積層し、前記積層した籾殻及び芯鞘型繊維を、前記鞘部が軟化するが前記芯部は軟化しない温度で加熱成形して成る育苗用培土。 【請求項3】 育苗用肥料を、前記籾殻及び芯鞘型繊維と併せて攪拌混合し、前記温度で加熱成形して成る請求項1または請求項2記載の育苗用培土。 【請求項4】 前記育苗用肥料のうち粒径の大きい育苗用肥料を、前記内層に充填して成る請求項3記載の育苗用培土。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、水稲等の作物の苗を育苗するために用いられる育苗用培土に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、水稲等の作物の苗を苗床によって育苗することが行われており、さらに、この苗床の床土としては一般的に土壌培土が用いられていた。ところが、このような土壌培土は、良質(均質)の床土が比較的高価で入手が困難であったり、重く運搬性等が悪かった。そこで、このような土壌培土に代わる床土(培土)が提案されている(一例として、特公昭56−18165号公報)。 【0003】前記公報に示される培土は、植物質培土材(樹皮、パルプチップ、オガクズなどを堆肥化したバーク堆肥等)を、親水性ウレタンプレポリマーを結合剤として用いて固結させ乾燥した構成となっている。なお、結合剤としては、ポリビニルアルコールやデンプン類も用いられる場合がある。この種の培土は、樹皮やパルプチップ等の所謂産業廃棄物を培土材として有効利用することができ、またこの植物質培土材も比較的安価である。 【0004】しかしながら、前述の如き従来の培土は、依然として以下の欠点があった。すなわち、培土材の結合(結合剤を用いた固結乾燥)に長い時間(例えば、1〜3時間程度)が掛かり、量産が困難で結果的にコスト高であった。また、完成した培土(すなわち,結合剤により固結され乾燥された培土材)は、硬質であるものの割れたり欠け易く、このため運搬中に形が崩れたりし、その取扱いが面倒で煩雑であった。また一方、実際の使用に際しては、前記従来の培土を育苗のために灌水すると、灌水前にも増して形が崩れ易くなる。このため、例えば自動田植機の苗台にセットして田植えを実施しようとしても、装置のフィンガー部分がうまく苗を掴み取ることができず、スムースな作業が困難となる場合もあった。また何より、前述の如き従来の培土では、培土材自体は比較的安価であるものの、親水性ウレタンプレポリマー等の結合剤が高価であり、結果的に全体としては依然として高価であった。 【0005】本発明は上記問題点を解消するために成されたものであり、安価でかつ量産に適し、さらに割れたり崩れることがなく取扱いが容易な育苗用培土を提供することを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の育苗用培土は、籾殻と、芯部と前記芯部よりも軟化温度が低い鞘部とから成る芯鞘型繊維と、を有し、粒子の小さい籾殻が内層に位置し粒子の大きい籾殻が表層に位置するように前記籾殻と芯鞘型繊維とを攪拌混合し、前記攪拌混合した籾殻及び芯鞘型繊維を、前記鞘部が軟化するが前記芯部は軟化しない温度で加熱成形して成ることを特徴としている。 【0007】請求項1記載の育苗用培土では、芯部と鞘部から成る芯鞘型繊維は、籾殻と共に攪拌混合されることにより、複雑で細かい網状になって籾殻と絡み合い、籾殻を包み込む。この状態で、鞘部が軟化するが芯部は軟化しない温度で加熱成形することにより、芯鞘型繊維の鞘部同士が軟化溶着し合い、網状になって籾殻と絡み合い結合された状態に成形される。しかして、この成形物は、芯部が軟化していないので、スポンジのように腰が強くて屈曲性及び保水性のある培土として構成される。 【0008】ここで、前記育苗用培土では、籾殻と芯鞘型繊維とを攪拌混合し単に所定温度で加熱成形することで得られるため、製造時間(培土基材としての籾殻と結合材としての芯鞘型繊維との結合)に長い時間を要することがなく、量産が可能になる。また、育苗用培土は、芯鞘型繊維が細かい網状になって籾殻と絡み合って結合され、所謂スポンジのように構成されるため、屈曲性及び保水性に富んでいる。このため、割れたり欠け難く、運搬中に形が崩れることがない。また、育苗のために灌水しても形が崩れることがなく、その取扱いも容易になる。したがって、実際の使用に際して例えば自動田植機の苗台にセットして田植えを実施する場合にも、装置のフィンガー部分がうまく苗を掴み取ることができ、スムースな作業を行うことができる。またさらに、育苗用培土では、培土基材としての籾殻自体が極めて安価であり(更に言えば、所謂産業廃棄物を培土基材として有効利用することができ)、かつ、結合材としての芯鞘型繊維も安価なものを適用することができるため、全体としても大幅に安価になる。 【0009】さらに、前記育苗用培土では、粒子の小さい籾殻が内層に位置し粒子の大きい籾殻が表層に位置するようにして籾殻と芯鞘型繊維とが成形される。すなわち、粒子の小さい籾殻は、粒子の大きい籾殻を含んで構成される層によって包み込まれている。したがって、この粒子の小さい籾殻が育苗用培土の表面から溢れ落ちることがなく、育苗用培土の形状が崩れたり内部が粗になる(空洞を生じる)ことがない。このため、慎重な取扱いが不要で作業も容易になる。このように、請求項1記載の育苗用培土は、安価でかつ量産に適し、さらに割れたり崩れることがなく取扱いが容易になる。 【0010】また、請求項2に係る発明の育苗用培土は、籾殻と、芯部と前記芯部よりも軟化温度が低い鞘部とから成る芯鞘型繊維と、を有し、前記籾殻と芯鞘型繊維とを攪拌混合し、前記攪拌混合した籾殻及び芯鞘型繊維の混合体のうち、粒子の小さい籾殻を含有する混合体が内層に位置し、粒子の大きい籾殻を含有する混合体が表層に位置するように積層し、前記積層した籾殻及び芯鞘型繊維を、前記鞘部が軟化するが前記芯部は軟化しない温度で加熱成形して成ることを特徴としている。 【0011】請求項2記載の育苗用培土では、芯部と鞘部から成る芯鞘型繊維は、籾殻と共に攪拌混合されることにより、複雑で細かい網状になって籾殻と絡み合い、籾殻を包み込む。さらに、攪拌混合した籾殻及び芯鞘型繊維の混合体のうち、粒子の小さい籾殻を含有する混合体が内層に位置し、粒子の大きい籾殻を含有する混合体が表層に位置するように積層され、この状態で、鞘部が軟化するが芯部は軟化しない温度で加熱成形することにより、芯鞘型繊維の鞘部同士が軟化溶着し合い、網状になって籾殻と絡み合い結合された状態に成形される。しかして、この成形物は、芯部が軟化していないので、スポンジのように腰が強くて屈曲性及び保水性のある培土として構成される。 【0012】ここで、前記育苗用培土においても、籾殻と芯鞘型繊維とを攪拌混合し単に所定温度で加熱成形することで得られるため、製造時間(培土基材としての籾殻と結合材としての芯鞘型繊維との結合)に長い時間を要することがなく、量産が可能になる。また、育苗用培土は、芯鞘型繊維が細かい網状になって籾殻と絡み合って結合され、所謂スポンジのように構成されるため、屈曲性及び保水性に富んでいる。このため、割れたり欠け難く、運搬中に形が崩れることがない。また、育苗のために灌水しても形が崩れることがなく、その取扱いも容易になる。したがって、実際の使用に際して例えば自動田植機の苗台にセットして田植えを実施する場合にも、装置のフィンガー部分がうまく苗を掴み取ることができ、スムースな作業を行うことができる。またさらに、育苗用培土では、培土基材としての籾殻自体が極めて安価であり、かつ、結合材としての芯鞘型繊維も安価なものを適用することができるため、全体としても大幅に安価になる。 【0013】またさらに、前記育苗用培土では、攪拌混合した籾殻及び芯鞘型繊維の混合体のうち、粒子の小さい籾殻を含有する混合体が内層に位置し、粒子の大きい籾殻を含有する混合体が表層に位置するように積層されて成形される。すなわち、粒子の小さい籾殻を含有する混合体の層は、粒子の大きい籾殻を含有する混合体の層によって包み込まれている。したがって、この粒子の小さい籾殻が育苗用培土の表面から溢れ落ちることがなく、育苗用培土の形状が崩れたり内部が粗になる(空洞を生じる)ことがない。このため、慎重な取扱いが不要で作業も容易になる。 【0014】このように、請求項2記載の育苗用培土は、安価でかつ量産に適し、さらに割れたり崩れることがなく取扱いが容易になる。 【0015】なお、前述した請求項1及び請求項2における芯鞘型繊維としては、例えば、芯鞘型ポリエステル(ユニチカ製)を用いることができる。この場合には、鞘部は110℃で軟化し、芯部は250℃で軟化する。このため、籾殻と前記芯鞘型ポリエステルを攪拌混合した後に130℃〜200℃(好ましくは、140℃前後)で加熱成形すれば、前記育苗用培土を得ることができる。またさらに、芯鞘型繊維としては、例えば、ビオノーレ(昭和高分子(株)製)を用いることができる。この場合には、鞘部は90℃で軟化し、芯部は115℃で軟化する。このため、籾殻と前記ビオノーレを攪拌混合した後に100℃で加熱成形すれば、前記育苗用培土を得ることができる。 【0016】また、籾殻は、水分を少量加えながら圧縮粉砕した所謂膨軟化粉砕籾殻を用いることが好ましい。 【0017】さらに、籾殻と芯鞘型繊維の混合割合としては、例えば、籾殻が600gの場合に芯鞘型繊維を15gとすると良いが、この混合割合は、適宜変更可能である。 【0018】またさらに、攪拌混合した籾殻と芯鞘型繊維を加熱成形するには、発熱体によって雌雄一対の成形型を構成し、この成形型によって所定の形状(例えば、縦寸法28cm、横寸法58cm、厚さ寸法2cmのマット形状)にプレス成形してもよく、予め大きなマット形状にプレス成形した後に所定形状(寸法)に切断してもよい。この場合、加圧の程度としては、攪拌混合した原料(籾殻と芯鞘型繊維)の厚さを4cmとした場合に加圧後の厚さが2cmになる程度が好ましい。また、プレスローラ等を用い、攪拌混合した原料(籾殻と芯鞘型繊維)を連続的に供給しながらプレスローラ等によって加熱・加圧して、連続的に成形し、その後に切断して完成させてもよい。またこの場合、加熱の仕方としては、プレスローラ自体を熱ローラとして加熱と加圧を同時に行ってもよく、あるいは、熱風を送給することで加熱してもよい。 【0019】一方、請求項3に係る発明の育苗用培土は、請求項1または請求項2記載の育苗用培土において、育苗用肥料を、前記籾殻及び芯鞘型繊維と併せて攪拌混合し、前記温度で加熱成形して成ることを特徴としている。 【0020】請求項3記載の育苗用培土では、籾殻と共に絡み合った芯鞘型繊維によって、育苗用肥料が共に包み込まれて一体に内包されて構成される。 【0021】このため、育苗に際しては、別の新たな肥料をこの育苗用培土に加える必要がない。また、育苗する作物の種類や天候(気候)等に応じてこの育苗用肥料の種類や混合割合を適宜変更して、複数種類の異なる育苗用培土を準備しておけば、大幅に適用の範囲が拡大する。 【0022】なお、育苗用肥料としては、中期育成用肥料(例えば、商標:ロングM100)、良質土壌菌繁殖用剤(例えば、ゼオライト)、初期育成用肥料(例えば、硫化燐安)、健苗育成剤(例えば、商標:FTE)、発芽抑制物質除去剤(例えば、クエン酸)、等が含まれる。 【0023】さらに、籾殻と芯鞘型繊維、及び各育苗用肥料の混合割合としては、例えば、籾殻が600gの場合に、芯鞘型繊維を15g、中期育成用肥料を60g、良質土壌菌繁殖用剤を6g、初期育成用肥料を7g、健苗育成剤を0.36g、発芽抑制物質除去剤を1.2gとすると良いが、この混合割合は適宜変更可能である。 【0024】また、請求項4に係る発明の育苗用培土は、請求項3記載の育苗用培土において、前記育苗用肥料のうち粒径の大きい育苗用肥料を、前記内層に充填して成ることを特徴としている。 【0025】請求項4記載の育苗用培土では、粒径の大きい育苗用肥料(例えば、中期育成用肥料としての商標:ロングM100)が内層に充填され、籾殻と芯鞘型繊維を含んで構成される層によって包み込まれている。したがって、この粒径の大きい育苗用肥料が育苗用培土の表面から溢れ落ちることがなく、慎重な取扱いが不要で作業も容易になる。 【0026】 【発明の実施の形態】図1には本発明の実施の形態に係る育苗用培土10の断面図が示されており、図2には育苗用培土10の外観斜視図が示されている。 【0027】この育苗用培土10は、培土基材としての籾殻12と、結合材としての芯鞘型繊維14、及び複数の育苗用肥料16を含んで構成されており、本実施の形態においては例えば、育苗箱60(図5参照)に入るように、縦寸法28cm、横寸法58cm、厚さ寸法2cmのマット形状に成形されている。ここで、以下に育苗用培土10の各構成材の種類及び含有量の一例を示す。 【0028】 籾殻 :600g 芯鞘型繊維(芯鞘型ポリエステル:ユニチカ製) : 15g 中期育成用肥料(商標:ロングM100) : 60g 良質土壌菌繁殖用剤(ゼオライト) : 6g 初期育成用肥料(硫化燐安) : 7g 健苗育成剤(商標:FTE) : 0.36g 発芽抑制物質除去剤(クエン酸) : 1.2g前記の芯鞘型繊維14として用いた芯鞘型ポリエステル(ユニチカ製)は、芯部14A及び鞘部14B(図3に概略的に図示)によって構成されており、鞘部14Bは110℃で軟化し、芯部14Aは250℃で軟化する。また、芯鞘型繊維14としては、例えば、ビオノーレ(昭和高分子(株)製)を用いることができる。この場合には、鞘部14Bは90℃で軟化し、芯部14Aは115℃で軟化する。 【0029】なお、前記籾殻12や芯鞘型繊維14及び複数の育苗用肥料16の混合割合は、適宜変更可能である。 【0030】またここで、図1に示す如く、育苗用培土10は、籾殻12のうち粒子の小さい籾殻12Aが内層に位置し、粒子の大きさが中間的な籾殻12Bが中層に位置し、粒子の大きい籾殻12Cが表層に位置するように構成されている。さらに、籾殻12及び芯鞘型繊維14から成る層の内部に、前述した各育苗用肥料16のうち粒径の大きい育苗用肥料16H(例えば、中期育成用肥料としての商標:ロングM100)が充填された構成となっている。すなわち、この粒径の大きい育苗用肥料16Hは、籾殻12と芯鞘型繊維14を含んで成る層によって包み込まれた構成となっている。 【0031】次に、この育苗用培土10を製造するために好適な装置について説明する。 【0032】図4には、培土製造装置20の全体構成が概略的に示されている。この培土製造装置20は、コンベヤ22を備えている。このコンベヤ22は、図4矢印方向に移動することにより、後に詳述する層状の原料材Gを搬送する。 【0033】また、培土製造装置20は、タンク24を備えている、このタンク24は、コンベヤ22の上方に配置されており、内部には前記籾殻12や芯鞘型繊維14及び複数の育苗用肥料16を攪拌混合した原料材Gが収容されている。タンク24の底部には、一対の供給口26、28が設けられており、それぞれに対応して第1供給コンベヤ30、第2供給コンベヤ32が配置されている。第1供給コンベヤ30と第2供給コンベヤ32とは互いに搬送方向が逆向きに設定されており、それぞれタンク24の中央部方向へ原料材Gを搬送し下方へ向けて落下供給することができるようになっている。 【0034】第1供給コンベヤ30の下方には、第1繰出し部34が設けられている、この第1繰出し部34には、繰出しロール36、38、40が配置されている。各繰出しロール36、38、40は、外周に羽根を有する回転ロールであり、互いに上下方向に段差を付け(ズレて)かつ左右方向に偏位して(ズレて)配置されており、同一方向に回転する。これにより、第1供給コンベヤ30から落下供給された原料材Gは、繰出しロール36、38、40から順次下方へ繰り出される構成である。さらにこの際、原料材Gを構成する籾殻12のうち、粒子の小さい籾殻12Aは、繰出しロール36と繰出しロール38との間から溢れ落ちるようになっている。また、粒子の大きさが中間的な籾殻12Bは、繰出しロール36の上面から繰出しロール38へと搬送された後に、繰出しロール38と繰出しロール40との間から溢れ落ちる。さらに、粒子の大きい籾殻12Cは、繰出しロール36の上面から繰出しロール38へ、繰出しロール38の上面から繰出しロール40へと搬送された後に、繰出しロール40から下方へ繰り出されるようになっている。 【0035】すなわち、原料材Gは、各繰出しロール36、38、40によって、粒子の小さい籾殻12A、粒子の大きさが中間的な籾殻12B、及び、粒子の大きい籾殻12Cとにそれぞれ分離されて下方へ繰り出されるようになっている。したがって、このように繰り出された原料材Gは、コンベヤ22上に落下し、この際に、コンベヤ22上で、粒子の大きい籾殻12C、粒子の大きさが中間的な籾殻12B、及び粒子の小さい籾殻12Aと順次層状に積層される構成である。 【0036】また一方、第2供給コンベヤ32の下方には、第2繰出し部42が設けられている、この第2繰出し部42には、繰出しロール44、46、48が配置されている。各繰出しロール44、46、48は、前述した繰出しロール36、38、40と同様に、外周に羽根を有する回転ロールであり、互いに上下方向に段差を付け(ズレて)かつ左右方向に偏位して(ズレて)配置されており、同一方向に回転する。これにより、第2供給コンベヤ32から落下供給された原料材Gは、繰出しロール44、46、48から順次下方へ繰り出される構成である。さらにこの際にも、前述と同様に、原料材Gを構成する籾殻12のうち、粒子の小さい籾殻12Aは、繰出しロール44と繰出しロール46との間から溢れ落ちるようになっている。また、粒子の大きさが中間的な籾殻12Bは、繰出しロール44の上面から繰出しロール46へと搬送された後に、繰出しロール46と繰出しロール48との間から溢れ落ちる。さらに、粒子の大きい籾殻12Cは、繰出しロール44の上面から繰出しロール46へ、繰出しロール46の上面から繰出しロール48へと搬送された後に、繰出しロール48から下方へ繰り出されるようになっている。 【0037】すなわち、この第2繰出し部42においても、原料材Gは、各繰出しロール44、46、48によって、粒子の小さい籾殻12A、粒子の大きさが中間的な籾殻12B、及び、粒子の大きい籾殻12Cとにそれぞれ分離されて下方へ繰り出されるようになっている。したがって、このように繰り出された原料材Gは、コンベヤ22上に落下し、この際に、コンベヤ22上で、粒子の小さい籾殻12A、粒子の大きさが中間的な籾殻12B、及び粒子の大きい籾殻12Cと順次層状に積層される構成である。 【0038】またさらに、第1繰出し部34と第2繰出し部42との間には、肥料タンク50が配置されている。肥料タンク50には、前記複数の育苗用肥料16のうち、粒径の大きい育苗用肥料H(例えば、中期育成用肥料としての商標:ロングM100)が収容されている。肥料タンク50の底部には、供給口52が設けられており、これに対応して繰出しロール54が配置されている。これにより、肥料タンク50内の育苗用肥料Hを下方へ繰り出すことができる。さらにここで、この繰出しロール54(肥料タンク50)は、前述の如く第1繰出し部34と第2繰出し部42との間に配置されているため、繰出しロール54から繰り出された育苗用肥料Hは、コンベヤ22上で層状に積層された原料材Gのうち第1繰出し部34から繰り出された(繰出しロール36と繰出しロール38との間から溢れ落ちた)粒子の小さい籾殻12Aの上に順次積層される構成である。さらに、この育苗用肥料Hがコンベヤ22上で積層された後に、第2繰出し部42から繰り出された(繰出しロール44と繰出しロール46との間から溢れ落ちた)粒子の小さい籾殻12Aが更に積層される構成である。 【0039】次に、この育苗用培土10の製造手順を説明する。 【0040】先ず、籾殻12と芯鞘型繊維14及び前記各育苗用肥料16を攪拌混合する。籾殻12は、水分を少量加えながら圧縮粉砕した所謂膨軟化粉砕籾殻を用いることが好ましい。芯部14Aと鞘部14Bから成る芯鞘型繊維14は、籾殻12及び各育苗用肥料16と共に攪拌混合されることにより、複雑で細かい網状になって籾殻12及び各育苗用肥料16と絡み合い、籾殻12及び各育苗用肥料16を包み込む。 【0041】次いで、この攪拌混合した籾殻12と芯鞘型繊維14及び育苗用肥料16(原料材G)を培土製造装置20によって所定の状態に積層する。 【0042】すなわち、培土製造装置20では、タンク24内に収容された原料材Gが第1供給コンベヤ30、第2供給コンベヤ32を介してそれぞれ第1繰出し部34、第2繰出し部42へ送られる。 【0043】第1繰出し部34では、第1供給コンベヤ30から落下供給された原料材Gが、繰出しロール36、38、40から順次下方へ繰り出される。この際、原料材Gを構成する籾殻12のうち、粒子の小さい籾殻12Aは、繰出しロール36と繰出しロール38との間から溢れ落ち、また、粒子の大きさが中間的な籾殻12Bは、繰出しロール36の上面から繰出しロール38へと搬送された後に、繰出しロール38と繰出しロール40との間から溢れ落ち、さらに、粒子の大きい籾殻12Cは、繰出しロール36の上面から繰出しロール38へ、繰出しロール38の上面から繰出しロール40へと搬送された後に、繰出しロール40から下方へ繰り出される。これにより、このように繰り出された原料材Gは、コンベヤ22上に落下し、この際に、コンベヤ22上で、粒子の大きい籾殻12C、粒子の大きさが中間的な籾殻12B、及び粒子の小さい籾殻12Aと順次層状に積層される。 【0044】さらに、コンベヤ22上で層状に積層された原料材Gのうち第1繰出し部34から繰り出された(繰出しロール36と繰出しロール38との間から溢れ落ちた)粒子の小さい籾殻12Aの上には、肥料タンク50内に収容され繰出しロール54によって繰り出された粒径の大きい育苗用肥料H(中期育成用肥料としての商標:ロングM100等)が順次積層される。 【0045】次いで、この育苗用肥料Hがコンベヤ22上で積層された後に、第2繰出し部42から繰り出された原料材Gが更に積層される。 【0046】すなわち、第2繰出し部42では、第2供給コンベヤ32から落下供給された原料材Gが、繰出しロール44、46、48から順次下方へ繰り出される。この際、原料材Gを構成する籾殻12のうち、粒子の小さい籾殻12Aは、繰出しロール44と繰出しロール46との間から溢れ落ち、また、粒子の大きさが中間的な籾殻12Bは、繰出しロール44の上面から繰出しロール46へと搬送された後に、繰出しロール46と繰出しロール48との間から溢れ落ち、さらに、粒子の大きい籾殻12Cは、繰出しロール44の上面から繰出しロール46へ、繰出しロール46の上面から繰出しロール48へと搬送された後に、繰出しロール48から下方へ繰り出される。これにより、このように繰り出された原料材Gは、コンベヤ22上に落下し、この際に、コンベヤ22上で、粒子の小さい籾殻12A、粒子の大きさが中間的な籾殻12B、及び粒子の大きい籾殻12Cと順次層状に積層される。 【0047】以上の如く、攪拌混合した籾殻12と芯鞘型繊維14及び育苗用肥料16(原料材G)は培土製造装置20によって積層され、結果的に、図1に示す如く、籾殻12のうち粒子の小さい籾殻12Aが内層に位置し、粒子の大きさが中間的な籾殻12Bが中層に位置し、粒子の大きい籾殻12Cが表層に位置するように積層された状態となる。さらに、籾殻12及び芯鞘型繊維14から成る層の内部に、前述した各育苗用肥料16のうち粒径の大きい育苗用肥料Hが充填された状態となる。すなわち、この粒径の大きい育苗用肥料Hは、籾殻12と芯鞘型繊維14を含んで成る層によって包み込まれた状態となる。 【0048】次いで、以上のように積層された籾殻12と芯鞘型繊維14及び育苗用肥料16(原料材G)を、芯鞘型繊維14の鞘部14Bが軟化するが芯部14Aは軟化しない温度で加熱成形する。この場合、例えば、芯鞘型繊維14として芯鞘型ポリエステル(ユニチカ製)を用いた場合には、鞘部14Bは110℃で軟化し芯部14Aは250℃で軟化するため、130℃〜200℃(好ましくは、140℃前後)で加熱成形する。一方、例えば、芯鞘型繊維14としてビオノーレ(昭和高分子(株)製)を用いた場合には、鞘部14Bは90℃で軟化し芯部14Aは115℃で軟化するため、100℃で加熱成形すればよい。 【0049】またこの場合、加熱成形するに当たっては、発熱体によって雌雄一対の成形型によって所定の形状(例えば、縦寸法28cm、横寸法58cm、厚さ寸法2cmのマット形状)にプレス成形する。この場合、加圧の程度としては、前述の如く攪拌混合し所定の状態に積層した原料材G(籾殻12と芯鞘型繊維14及び育苗用肥料16)の厚さを4cmとした場合に、加圧後の厚さが2cmになる程度が好ましい。 【0050】なお、加熱成形するに当たっては、大型の雌成形型及び雄成形型によって前記攪拌混合し積層した原材料Gを予め大きなマット形状にプレス成形した後に、所定形状(寸法)に切断してもよい。 【0051】また、前述の如き成形型に代えて、プレスローラを用い、原材料Gを連続的に供給しながら、このプレスローラによって加熱・加圧して連続的に成形し、その後にカッターによって所定寸法に切断して完成させてもよい。またこの場合、加熱の仕方としては、プレスローラ自体を熱ローラとして加熱と加圧を同時に行ってもよく、あるいは、熱風を送給することで加熱してもよい。 【0052】このようにして完成した育苗用培土10は、芯鞘型繊維14の鞘部14Bが軟化して溶着し合い、網状になって籾殻12と絡み合い結合された状態に成形される。ここで、図3には、前述の如き加熱成形された後の芯鞘型繊維14の状態が、一部簡略化して模式的に示されている。この図3で示す如く、鞘部14Bが軟化し溶着し合うことによって、軟化していない芯部14Aが互いに網目状に絡み合って結合されており、籾殻12及び育苗用肥料16を包み込んでいる。これにより、所謂スポンジのような屈曲性及び保水性のある育苗用培土10が得られる。 【0053】以上により得られた育苗用培土10を使用する際には、図5に示す如く、この育苗用培土10を育苗箱60に敷き、灌水し、水稲等の作物の苗62を播種し、さらに覆土64を施した上で、日々灌水及び温度管理をして育苗する。 【0054】この育苗用培土10を使用した育苗に際して、例えば芯鞘型繊維14として芯鞘型ポリエステル(ユニチカ製)を用いた場合には、この芯鞘型ポリエステルは加水分解して長期の間には圃場で分解し、一方、例えば芯鞘型繊維14としてビオノーレ(昭和高分子(株)製)を用いた場合には、このビオノーレは生分解して長期の間には圃場で分解する。このため、他に悪影響を与えることはない。ここで、前記構成の育苗用培土10では、籾殻12と芯鞘型繊維14及び育苗用肥料16を攪拌混合して積層し、単に所定温度で加熱成形することで得られるため、製造時間(培土基材としての籾殻12と結合材としての芯鞘型繊維14との結合)に長い時間を要することがなく、量産が可能になる。 【0055】また、育苗用培土10は、芯鞘型繊維14が細かい網状になって籾殻12と絡み合って結合され、所謂スポンジのように構成されるため、屈曲性及び保水性に富んでいる。このため、割れたり欠け難く、運搬中に形が崩れることがない。また、育苗のために灌水しても形が崩れることがなく、その取扱いも容易になる。したがって、実際の使用に際して例えば自動田植機の苗台にセットして田植えを実施する場合にも、装置のフィンガー部分がうまく苗を掴み取ることができ、スムースな作業を行うことができる。 【0056】さらに、育苗用培土10では、培土基材としての籾殻12自体が極めて安価であり(更に言えば、所謂産業廃棄物としての籾殻12を培土基材として有効利用することができ)、かつ、結合材としての芯鞘型繊維14も安価なものを適用することができるため、全体としても大幅に安価になる。 【0057】またさらに、この育苗用培土10は、育苗用肥料16を含んで構成されているため、育苗に際して別の新たな肥料を加える必要がない。また、育苗する作物の種類や天候(気候)等に応じて前述した各育苗用肥料16の種類や混合割合を適宜変更して、複数種類の異なる育苗用培土10を準備しておけば、大幅に適用の範囲が拡大する。 【0058】さらにここで、この育苗用培土10は、粒子の小さい籾殻12Aが内層に位置し、粒子の大きい籾殻12Cが表層に位置するようにして籾殻12と芯鞘型繊維14とが成形される。すなわち、粒子の小さい籾殻12Aは、粒子の大きい籾殻12Cを含んで構成される層によって包み込まれている。したがって、この粒子の小さい籾殻12Aが育苗用培土10の表面から溢れ落ちることがなく、育苗用培土10の形状が崩れたり内部が粗になる(空洞を生じる)ことがない。このため、慎重な取扱いが不要で作業も容易になる。 【0059】またさらに、この育苗用培土10は、育苗用肥料16のうち粒径の大きい育苗用肥料H(中期育成用肥料としての商標:ロングM100等)が内層に充填され、籾殻12と芯鞘型繊維14を含んで構成される層によって包み込まれている。したがって、この粒径の大きい育苗用肥料Hが育苗用培土10の表面から溢れ落ちることがなく、慎重な取扱いが不要で作業も容易になる。また、このような内層に位置する育苗用肥料Hは、前述の如く各原料を加熱成形する際に加熱の影響を受け難く、育苗用肥料Hが熱変質することが防止される。したがって、加熱の影響を受け易い育苗用肥料16を選択的に内層に充填すれば、育苗用の培土としてより一層好適なものになる。 【0060】このように、本実施の形態に係る育苗用培土10は、安価でかつ量産に適し、さらに割れたり崩れることがなく取扱いが容易であり、育苗するために好適である。 【0061】なお、前記実施の形態に係る育苗用培土10においては、育苗用肥料16のうち粒径の大きい育苗用肥料Hを内層に充填して成形した構成としたが、このような育苗用肥料Hを他の育苗用肥料16と同様に原料材G(籾殻12と芯鞘型繊維14及び育苗用肥料16)と共に攪拌混合して成形してもよい。この場合であっても、図6に示す育苗用培土70の如く、粒子の小さい籾殻12Aが内層に位置し、粒子の大きい籾殻12Cが表層に位置するように成形され、粒子の小さい籾殻12Aは、粒子の大きい籾殻12Cを含んで構成される層によって包み込まれる。したがって、内層に位置する粒子の小さい籾殻12Aが育苗用培土10の表面から溢れ落ちることがなく、育苗用培土10の形状が崩れたり内部が粗になる(空洞を生じる)ことがない。このため、慎重な取扱いが不要で作業も容易になる。 【0062】また、前記実施の形態に係る育苗用培土10においては、籾殻12のうち粒子の小さい籾殻12Aが内層に位置し、粒子の大きさが中間的な籾殻12Bが中層に位置し、粒子の大きい籾殻12Cが表層に位置するように、順次連続的に積層して成形する構成としたが、これに限らず、図7に示す育苗用培土80の如く、粒子の大きい籾殻12Cを含有する混合体Xが表層に位置するように積層する構成としてもよい。すなわち、この育苗用培土80では、粒子の大きい籾殻12Cを含有する混合体Xと、それ以外の混合体Yとを予め独立して製作した後に、混合体Yが内部に位置するように混合体Xによって挟み込むようにして積層し、その後に加熱成形して育苗用培土80を成形する。 【0063】この育苗用培土80においても、粒子の小さい籾殻12Aを含有する混合体Yの層は、粒子の大きい籾殻12Cを含有する混合体Xの層によって包み込まれているため、粒子の小さい籾殻12Aが育苗用培土80の表面から溢れ落ちることがなく、育苗用培土80の形状が崩れたり内部が粗になる(空洞を生じる)ことがない。このため、慎重な取扱いが不要で作業も容易になる。 【0064】 【発明の効果】以上説明した如く本発明に係る育苗用培土は、安価でかつ量産に適し、さらに、割れたり崩れることがなく取扱いが容易になるという優れた効果を有している。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000144898 【氏名又は名称】株式会社山本製作所
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)4月27日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】中島 淳 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−308923 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月9日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−117529 |
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