| 【発明の名称】 |
園芸用注水器(かん水装置) |
| 【発明者】 |
【氏名】田中 敏
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| 【要約】 |
【課題】園芸用注水器(かん水装置)で、一日一回一定量の散水する。
【解決手段】密封容器の上部壁9より筒状体を垂下させ、これを排気筒Dとする。排気筒下端より上部の空間を空気を溜める空気室C、下端より下部の空間を滴下水を溜める定量槽Eとし、上部壁上部に設けた貯水タンクAの水を滴下槽Bを通して定量槽Eに滴下させ、定量槽の液面が排気筒下端に達した時、空気室を水封し、注水器外周温度の上昇値が所定値を越えた時空気室の空気の膨張により、サイフォン部Fを動作させ、定量槽Eの水を一度に吐き出すようにした園芸用注水器(かん水装置)。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 凹状容器の上端を上部壁で密封した容器で、上部壁より容器内に垂下する筒状体を設け、これを排気筒とする。排気筒下端より上部中空部を空気を溜める空気室とし、下部中空部を水を一定量溜める定量槽とする。また容器には容器内部と外部を連絡するサイフォン部を設ける。容器上部壁上面に凹部を設け、これを滴下槽とする。滴下槽内に貯水タンクになるボトル状容器を倒立状態にし、ネック部を滴下槽内に挿入・固定できるようにする。また滴下槽底壁には滴下口を設け滴下槽の水が定量槽に滴下できるようにする。前記構成で定量槽内の液面が排気筒下端に上昇した時点で空気室中空部が水封状態になるようにし、容器外周部の温度上昇による空気室内空気の体積膨張により定量槽液面を加圧により押し下げ、空気の体積膨張分の水をサイフォン部内に押し上げ、容器外周部の温度上昇値が所定値以上になった時、サイフォン現象により定量槽の水を一度に外部に流出できるようにした園芸用注水器(かん水装置 )。 【請求項2】 貯水タンク,貯水滴下槽,空気室,定量槽およびサイフォン部より構成され、貯水タンクはボトル状容器でネック部上端に容器口を持ち、これを逆転させた倒立状態で使用する。倒立状態の貯水タンク容器口下端部には滴下槽があり、滴下槽は凹状容器で滴下槽内に貯水タンクネック部を挿入固定できるようにし、また滴下槽底壁には上下に貫通した毛管状の細孔を設け、これを滴下口とする。滴下槽外周壁に近接した鍔状板を設け、鍔状板内周端および外周端から垂下する筒状体を設け前者を内筒、後者を外筒とし、鍔状板下端部に下端が開口なドーナツ状の中空部を構成し、これを空気室とする。空気室下端部に凹状容器の定量槽を設け、定量槽外周壁と前記空気室外筒とが嵌合できるようにする。定量槽底壁には上下に貫通する筒状体を設け、上端部筒状体は定量槽と空気室とを嵌合状態にしたとき空気室鍔状板下端面に設けた垂下筒内に挿入状態になり、また下端部筒状体は定量槽底壁より下方まで垂下させ両筒状体の嵌合によりサイフォン部を構成する。サイフォン部下端部には所要時形状任意な樋を設け、また定量槽底壁下端部に適宜固定部を設けた園芸用注水器(かん水装置)。 【請求項3】 倒立状態の貯水タンクを注水器本体に脱着する際、滴下槽が貯水タンクネック部から脱落しない嵌合構造にした請求項2記載の注水器(かん水装置)。 【請求項4】サイフォン部頂点より定量槽外流出口に通じる筒状体内径を8mm以下あるいは形状任意な断面形状を持つ筒状体の場合には内断面積を50平方mm以下にした筒状体を用いてサイフォン部を構成した請求項1,2の注水器(かん水装置)。
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【発明の詳細な説明】【発明の属する技術分野】本発明は園芸用注水器あるいはかん水装置(以後、注水器と言う。)に関する。 【従来の技術】ポンプ、タイマーなど電気を応用した注水器は数多く紹介されているが植木鉢などを対象とした簡易で一定周期毎に散水できる注水器の紹介は皆無と言ってよい。 【発明が解決しようとする課題】本発明はポンプ,タイマーなどの電気装置は一切使用せず一日の温度変化を検出し、温度上昇が一定値以上に達したときの空気膨張を利用して散水をするものである。 【課題を解決するための手段】即、本発明は貯水タンク,貯水滴下槽,空気室,定量槽およびサイフォン部より構成された注水器で、貯水タンクはボトル状容器でネック部上端に容器口を持ち、これを逆転させた倒立状態で使用する。容器口下端部には滴下槽があり、滴下槽は凹状容器で滴下槽内に貯水タンクネック部を挿入固定できるようにし、また滴下槽底壁には上下に貫通した毛管状の細孔を設け、これを滴下口とする。滴下槽外周壁に近接した鍔状板を設け、鍔状板内周端および外周端から筒状体を垂下させ前者を内筒、後者を外筒とし鍔状板下端に下端部が開口となったドーナツ状の中空部を構成し、これを空気室とする。空気室下端部に凹状容器の定量槽を設け、定量槽外周壁と前記空気室外筒とが密接嵌合できるようにする。定量槽底壁には上下に貫通する筒状体を設け、定量槽と空気室とを嵌合状態にしたとき前記筒状体上端部は空気室鍔状板下端面に設けた垂下筒内に挿入状態になり、また前記筒状体下端は定量槽底壁より下方まで垂下させ、両筒状体の嵌合によりサイフォン部を構成する。サイフォン部下端部には所要時散水用の形状任意な樋を設け、定量槽底壁下端部に固定部を適宜設けた注水器により本題を解決しようとするものである。 【発明実施の形態】請求項1は本発明にかかる基本原理を記載したもので原理に関する詳細は原理説明で詳述する。請求項2は請求項1にもとずき本発明を具体化したもので、図1〜8にその具体的な一実施例を示し、これらの図に従って本発明を詳述する。尚、図9は図1を模式化した原理説明用の図例である。図1は本発明請求項2に係る注水器を具体化した一例の裁断側面図を示す。図2は図1の正面図で、固定部Gについては固定用水平板18を設けた図例になっている。図3〜5は図1の各部の分解図で、図3は滴下槽Bの断面図、図4は空気室Cの断面図、図5は定量槽Eの断面図になっている。また図6は図1の貯水タンクAを取り外した状態でのBB面、図7は図1のCC断面、図8は図1のDD断面を示す。図1の裁断側面図および図3〜5の分解図に示すように本発明注水器の主な構成部は貯水タンクA,滴下槽B,空気室C,排気筒D,定量槽Eおよびサイフォン部Fより成り、サイフォン部Fの下端部には所要時に樋17を設け、また定量槽Eの底壁14の下端部に注水器の固定部Gを設けている。貯水タンクAはボトル形状の容器で、容器上端部にネック部1を持ち、ネック部1上端に注水口となる容器口2を持つ容器で、飲料水などの容器として使用されているペットボトル等を廃品利用しようとするもので、または本注水器のために専用に成型したボトル状容器でもよい。貯水タンクAは注水時に容器口2を上向きにして注水し、使用時には貯水タンクAを逆転させた倒立状態にして注水器にセットして使用する。水を充填した後、貯水タンクAを正置状態から逆転させ倒置状態にすると容器口2から当然水が流出する。これを流出させることなく逆転させるため注水完了後、容器口2にキャップ状に構成した滴下槽Bを逆にして被せたうえで貯水タンクAを逆転すれば容器口2から水を飛散させることなく滴下槽Bが貯水タンクAに一体になった状態で滴下槽Bを注水器の滴下槽装着口10aに装着することができる。滴下槽Bは図3の分解図に示すようにはキャップ状の凹状容器で滴下槽Bの底壁3の外周部に外周壁4を設け、この滴下槽B内に貯水タンクAのネック部1を挿入することにより貯水タンクAが倒立状態に固定できるようにしている。倒立状態の貯水タンクAのネック部1の滴下槽B内での挿入状態は容器口2下端と滴下槽Bの底壁3上面およびネック部1の外周面と滴下槽Bの外周壁4の内壁面との間に所定の間隔を設け固定できるようにしている。これにより滴下槽B内の液面が滴下槽Bの下端に設けた定量槽Eへの滴下により液面が低下した時、貯水タンクA内の水が容器口2で空気と置換して落下できるようにし、容器口2の下端に定液面が構成できるようにしている。倒立状態での貯水タンクAの固定法は任意でよいが図1,3,6,7に示すように滴下槽Bの底壁3の上面に貯水タンクAの固定部7として十字状の固定板7aを設けネック部1の内壁面と嵌合させ、下端部にはストッパー7bを設け容器口2下端と底壁3上面との間に一定の間隔が構成できるようにしている。貯水タンクAを注水器から取り外す時ネック部1に滴下槽Bが一体となって取り出せるように固定板7aの垂直な稜線をテーパ状に構成し、固定板7a稜線とネック部1内壁面とが強固な嵌合状態になるようにしている。これにより貯水タンクA内に残留水が残っている場合に貯水タンクAを無意識に抜き取ってもネック部1に滴下槽Bが一緒になって取り出せるようにしているため容器口2から水が飛散することはない。貯水タンクAへの注水完了後、貯水タンクAの容器口2に滴下槽Bを逆にして被せ、滴下槽Bとネック部1とが一体になるようにしておけば貯水タンクAを逆転させる際、滴下槽Bを手で押さえなくても滴下槽Bがネック部1から脱落するこはなく、片手で貯水タンクAと滴下槽Bを注水器の上部壁9の中央部に設けた滴下槽装着口10aに滴下槽Bを容易に装着できるようになる。倒立状態での貯水タンクAの固定法には種々あって、滴下槽B外周壁4の内壁面に垂直な複数本のリブ7cを設け、このリブ7cの稜線とネック部1の外壁面と接合させ構成してもよい。貯水タンクAが大型になる場合には少しの隙間があっても貯水タンクAが傾くため、この方法も併用するとさらに安定した固定ができ、またネック部1と滴下槽Bの嵌合による一体化も確実になる。以上の滴下槽Bと貯水タンクAとの嵌合については請求項3に係る部分であって、貯水タンクAを脱着する際、滴下槽Bが離脱しない構造であれば任意の構成でよい。貯水タンクAも1.5リッターのペットボトルになると貯水タンクAの高さも25cmを越え、また重量も1.5Kgになるため滴下槽外周壁4の上端の一点鎖線部の固定筒4aを設け、さらに固定板12を併用すると貯水タンクAは安定する。滴下槽Bの底壁3には滴下槽B内の水を滴下槽Bの下端部に設けた定量槽Eに水を滴下する滴下口5を設けている。滴下口5から滴下する水の流量は極微量で、約5〜24時間の長時間をかけて定量槽Eが満水状態になるようにしている。このような訳で滴下口5の構造は滴下口5からの滴下速度を十分絞るため滴下槽B底壁3の下端に垂下筒5aを設け、垂下筒5a内に毛管部6を構成している。この毛管部を通して流れ出た小さな水滴は一定周期毎に滴下できるようにしている。毛管部6の構成は図1に示すように滴下口5の垂下筒5a内にフェルトなどの繊維体を押し込んで構成している。滴下槽B内の水はこの繊維体の毛管を通して水が滴下するため滴下速度が遅くても目詰りすることはなく、安定した滴下速度が得られる。また、滴下速度を調節する場合には滴下口5の垂下筒5aの長さを約5〜20mm設け、垂下筒5a内に押し込む繊維体の量で滴下速度を調節することができる。垂下筒5a内に繊維体を押し込む量をを多くすれば毛管部の長さは長くなり、毛管部6を通過する水の抵抗は大きくなって滴下速度は遅くなる。また繊維体の量を減らせば毛管部の長さは短くなって滴下速度は速くなる。この他、毛管部6の構成は滴下口5の垂下筒5a内に別途設けたピン(棒状体)を挿入し、垂下筒5aの内壁面とピンの外壁面との接合面に毛管部6を構成してもよい。この構成では目詰りを起こす場合があるためピン外壁面あるいは垂下筒5aの内壁面に凹状の浅い筋を設け、この筋を伝って水が滴下できるようにすればよい。実験結果では前者の繊維体を応用した毛管部6の方が安定した滴下速度が得られた。毛管部6の構成はどのような構成であってもよく、滴下口5から間隔的に水滴が滴下できるようにし、前記したおおまかな時間帯に定量槽Eを満水状態にできる構造であればどのような構成であってもよい。滴下槽底壁3の下端外周より垂下する筒状の液面調整筒8を設けている。これは滴下水で溜まった水が定量槽E内を上昇し、空気室C下端を水封後排気筒D内に侵入し、排気筒Dを上昇し止水する位置を調整するものである。液面調整筒8を設けない場合には排気筒D内の液面は滴下槽B内の液面(約容器口2下端)に等しくなる位置まで上昇し止水する。この排気筒D内の止水液面を下方に調整する場合には液面調整筒8を設け、滴下口5下端より下方に垂下させると排気筒D内の止水液面位は液面調整筒8を滴下口5下端より下方に垂下させた長さ分だけ下方に移動した位置に止水する。よって液面調整筒8の垂下長を所定の長さに設定すると排気筒D内の止水液面もこの長さに比例した値、下方位置に設定できる。図1,3では滴下口5下端と液面調整筒8下端が同じ位置になっているため排気筒D内を上昇して止水する液面は滴下槽B内液面と等しくなる。液面調整筒8は滴下槽Bを注水時外部に取り出した時、滴下口5の垂下筒5aを保護する。また、同時に倒立状態の貯水タンクAを滴下槽Bと一体であれば床面に立てるこもでき便利になる。液面調整筒8の壁部に垂直なスリットを設けると液面調整筒8内に残留する空気がなくなり、この部分にも滴下水が溜められるため定量槽Eの容積が大きくなるが、前述のように排気筒D内の液面調整はできない。排気筒D内の止水位置の調整を必要としない図1,3の場合にはスリットを設ければよい。滴下槽Bの外周壁4外壁面に近接状態に設けた形状任意な鍔状の上部壁9があり、上部壁9の内周端から筒状体を滴下槽Bの外周壁4に沿って所定位置まで下げ、これを内筒10とする。また内筒10の内側開口部が滴下槽装着口10aになる。上部壁9の外周端からも同様に筒状体を垂下させ、これを外筒11とし、上部壁9下端部に下端が開口なドーナツ状の空間を構成する。図1および図4の分解図に示すようにこれを空気室Cとする。図1では内筒10の内壁面と滴下槽外周壁4の外壁面間の隙間が排気筒Dになる部分で、内筒10下端部が定量槽Eとなる部分であり、また内筒10の下端が排気筒Dの下端位置にもなる。滴下槽Bの外周壁4と空気室Cの内筒10内壁面との近接した隙間を前記した排気筒Dにする場合、この隙間が密接状態になると表面張力で強い水膜が張り、定量槽Eと空気室Cの空間が外部に対して水封状態になると定量槽Eへの水の滴下が停止し、後述するサイフォン現象も起こらなくなる。よってこの隙間の一部を図7のように内筒10の壁面の一部に垂直な凹状溝を設け隙間を広くするか、あるいは滴下槽外周壁4の外壁面に垂直な凹状溝を設けることにより隙間を広くし水膜が張らないようにし、この部分を排気筒Dにするのがよい。また前記した隙間が水封状態になるような密な嵌合状態では滴下槽Bの脱着が困難になる場合があり、このような場合には両筒状体接合面に1〜2mm程度の隙間を設け、滴下槽Bの脱着を容易にする。この場合、内筒10内壁面と滴下槽外周壁4との間隙が排気筒Dにもなり、図7のように内筒10の内壁面に凹状溝を設け排気筒Dとして特別に構成する必要はない。しかしこの場合滴下槽Bの固定は前記した隙間により不安定になるため内筒10内壁面あるいは滴下槽外周壁4の外壁面に複数本の垂直リブを設けると滴下槽Bの脱着も容易になり、またガタつきのない安定した固定ができる。あるいは図9の模式図のように上部壁9から筒状体を内筒10下端位置まで垂下させ、これを排気筒Dにしてもよい。ただし、排気筒Dの内断面積を大きくするとサイフォン現象を動作させるための温度上昇値を大きく見込む必要がある。外筒11と定量槽Eの外周壁15とは嵌合状態になり、この嵌合が密封状態にできる時は外筒11の下端位置は任意でよいが、経年により嵌合部に気密不良が発生する可能性がある場合には外筒11の下端を内筒10の下端位置まで垂下させるのがよい。このようにすれば前記嵌合部に気密不良が起こっても動作に影響を与えない。定量槽Eは図1および図5の分解図に示すように凹状容器であって、滴下槽Bから滴下した水滴を一定量溜める容器で、この容積と貯水タンクAの容積によって散水量と散水回数が決まる。例えば一週間毎日一回散水させる場合には定量槽Eの容積を貯水タンクAの容積の1/7にすればよい。散水回数が増加するに従って一回の散水量が減るため、植木の種類によって予め定量槽Eの容積を決める必要がある。サイフォン部Fの構成には種々の方法がある。図1では定量槽底壁14を上下に貫通する筒状体を設け、これを内筒16とする。内筒16の上端は空気室Cの中空部内にあって容器口2の下端位置より若干上方まで伸ばし、下端は底壁14より約5mm以上垂下させる。また空気室Cの上部壁9下端面より垂下する筒状体を設け、これを外筒13とする。空気室Cと定量槽Eとを嵌合状態にした時、外筒13の下端は定量槽Eの底壁14の上面近くまで垂下させ、前記した内筒16の上端部が外筒13内に挿入状態になつようにし、内筒16と外筒13との嵌合によりサイフォン部Fを構成する。ここで内筒16の上端がサイフォン部Fの頂点になり、内筒16の下端が流出口になる。ここでサイフォン部Fの頂点と流出口間の筒状体、つまり内筒16の内径が8mm以下あるいは形状任意な筒状体にした場合には筒状体の内断面積が50平方mm以下に設定しないと一度に水を流出させるサイフォン現象が起こらなくなる。これは請求項4記載にかかる部分である。外筒13内壁面と内筒16外壁面間の筒状部は表面張力による水膜が張らない程度の間隙を設ける。前記間隙、つまり筒状部の空間が狭いと筒内に水膜による水が残り、定量槽Eが滴下水で満水状態になる前にサイフォン現象が起こる場合がある。このため前記した間隙部内で水と空気が置換して落下できるようにし、定量槽Eの水が流出した後に外筒13下端とサイフォン部Fの頂点間の筒状部に水が残らないようにする。図1でサイフォン部Fの外筒13は空気室Cの上部壁9から垂下させているが、金型構成が難しい場合には外筒13を別途成型し、内筒16の上端部被せてもよい。またサイフォン部Fは内筒16と外筒13を連続した筒状体を逆U字状に折り曲げ構成してもよい。サイフォン部Fを構成する逆U字状の筒状体の定量槽E内側下端は定量槽Eの底壁上面あり、外側下端は底壁14より若干下方に垂下させ、サイフォン部頂点は容器口2の下端位置より若干上方に設定したものであればよい。樋17はサイフォン部Fの内筒16の下端流出口から落下した水を所定の位置に散水できるようにするため設けたもので、樋17の構造は任意でよい。図1,5では定量槽Eの底壁14の下端部に樋17を一体成型し、ヒンジ部17aで折り曲げて構成した例となっている。図2は図1の正面図になっているが図1の樋17を省略し、固定部Gの固定棒に固定用水平板18を装着し、これを樋17として併用した例になっている。樋17は本発明では付随的なものであるため所要時に適宜形状を決めればよい。貯水タンクAに市販されているペットボトルを廃品利用する場合、容積が500ccあるいは1.5リッターと大きく、貯水タンクAの自重が500gあるいは1.5Kgと重くなるため固定には十分な安定さが要求される。。軽量のペットボトル500ccの容器については定量槽Eの底壁14の下端面に設けた固定棒を十分長くして土壌に突き刺させばよい。固定棒が単なる棒状の場合には注水器が傾く可能性があるため、固定棒を一本で構成する場合には十字板状にすると前後左右の傾きに対し安定する。あるいは図1,2のように固定棒を板状にし、2枚で構成すると安定する。または図9の模式図の固定例のように植木鉢外周壁の上端に注水器の全重量を載せ、前後左右の固定は固定棒に任せた固定法は小型の注水器の取り付けに便利になる。しかし貯水タンクAの容積が1.5リッターになると自重が1.5Kgになり、前記したような方法で、特に屋外で使用する場合、風が吹くと注水器が傾斜あるいは倒れたりするため図2のように固定棒を複数本にし、流出口の下端位置より若干下方位置に十分広い面積を持った固定用水平板18を設け、この固定用水平板18下端面が図2の例のように土壌の上面に食い込む程度にさし込み注水器全重量が土壌に架かるようにし、前後左右の傾きは複数本の固定棒で支えるようにすればよい。 (原理説明)図9は図1を原理説明用に模式化したもので、本図に従って詳述する。請求項1記載の密封容器は請求項2の具体例で詳述した凹状容器の定量槽Eの上端を上部壁9で密封した中空な容器に相当し、上部壁9から容器内所定位置に垂下する垂下筒を設け、これが排気筒Dになっている。この排気筒Dの下端より上部の容器内中空部が空気を溜める空気室Cで、また下部の容器内中空部が滴下水を溜める定量槽Eになり、前記両中空部は排気筒Dを通して外部に通じる。上部壁9の下端面には定量槽Eの底壁14上面近くまで垂下する筒状体を設け、これが外筒13となる。また定量槽Eの底壁14には上下に貫通する筒状体を設け、これが内筒16となる。内筒16の上端部は外筒13内に挿入状態になり、かつ内筒16の上端は排気筒Dの下端より上方の位置にあって、倒立状態の貯水タンクAの容器口2下端位置(a点)より若干上方まで直立させている。また内筒16の下端は定量槽Eの底壁14より5mm以上垂下させ、外筒13と内筒16の両筒状体の嵌合によりサイフォン部Fを構成している。内筒16の下端部の垂下寸法を5mm以下でもサイフォン現象は起こるが定量槽E内の水が流出後、定量槽E内に残留する水が増える。また内筒16下端の垂下部の寸法は許せる範囲で長くするほどサイフォン現象は確実に動作する。上部壁9上面の一部に凹状の窪みを設け、これを滴下槽Bとしている。滴下槽B内には倒立状態のボトル状の貯水タンクAのネック部1が挿入・固定された図になっている。同図で容器口2下端と滴下槽Bの底壁3上面およびネック部1外周面と滴下槽Bの外周壁4の内壁面との間に所定の間隙を設け、貯水タンクA内の水と空気が容器口2で置換して落下できるようにしている。容器口2から水が落下する際滴下槽B内の液面は変動するが、滴下槽B内には容器口2下端(a点)を基準にした定液面が構成される。滴下槽Bの底壁3には上下に貫通した垂下筒を設け、これを滴下口5としている。滴下口5の垂下筒5a内に繊維体を詰め込み毛管部6を構成している。この構成により滴下槽Bに溜まった水が垂下筒5a内の毛管部6を通して水滴として定量槽E内に滴下できるようにしている。滴下槽B内液面はほぼ定液面になっているため滴下口5より水を滴下させる水頭差(a点と滴下口5の下端との高低差)もほぼ一定になり、毛管部6の構造が決まれば滴下口5からの滴下速度もほぼ一定になる。滴下口5より滴下する水滴は5〜24時間の長時間かかって定量槽Eが満水状態になるようにしている。定量槽Eの液面が滴下水により上昇し、排気筒Dの下端に達するすると定量槽Eは満水状態になり、同時に空気室Cの下端を水封状にし、所定の温度上昇があれば空気室Cの空気の膨張によりいつでもサイフォン現象により定量槽Eの水を外部に流出できる状態になる。本注水器の原理は一定の温度上昇をとらえてサイフォン現象により散水できるようにしている。一日の温度変化が一様なサイン・カーブ状に変化する場所では毛管部6を特に毛管状にする必要はなく、細孔状にして定量槽Eが滴下水で数分程度の短時間で満水状態になるように設定してもよい。しかし注水器の使用場所を限定するのは難しく、屋外で使用する場合など直射日光が雲間から間欠的に注水器に当たると外気温はさほど変化しないにも拘わらず注水器の表面温度は10度以上の上下変化をする。このような場合定量槽Eが満水状態であればそのたびごとに散水する原理になっているため、貯水タンクAの水は短期間で流出することになり、長期にわたり貯水タンクAの水を分配して散水できなくなり、本来の機能を果たさなくなる。前記した現象を防止するため滴下速度をできるだけ絞って滴下速度が前記した時間範囲になるようにする。散水は普通の場合温度が上昇する午前から昼前になり、散水後5時間経てばたいていの場合外気温度は降下する時間帯になり、外気温が下降状態では定量槽Eが満水状態になっていても空気室Cの空気が縮小し、サイフォン部Fの外筒16と内筒13の液面を下げた状態にするためサイフォン現象は起こらず翌朝の温度上昇時まで満水状態で待機する。また定量槽Eが満水状態でない時、温度上昇による空気室Cの空気の体積膨張分は排気筒Dを通して外部に逃げるため、定量槽Eの液面を押し下げることがないためサイフォン現象は起こらない。あるいは雨降りの日などように外気温の温度変化が小さく、最高温度と最低温度の差が所定値を越えないない場合には空気室Cの空気の膨張による定量槽Eの液面を加圧による押し下げ力が小さいため、この結果内筒16と外筒13の液面がサイフォン部Fの頂点まで押し上げることができないためサイフォン現象は起こらず、一切散水することはない。このような理由で散水後5時間たてば余程の外部変化、例えば暖房を入れるなどの要因がない限り外部温度は下降状態に入る。よって滴下速度を5時間以上、24時間以内に設定すれば一日に一回散水し、2回散水することはない。しかし前記した滴下速度は厳密なものでなく2〜24時間程度の範囲で定量槽Eを満水状態になるようにしても特別な気象変化、たとえば夕立の後の夕日に照らされ注水器の表面温度が上昇し、時たま一日に2回散水することはある。この程度のことを無視すれば滴下速度が大幅に狂っても注水器の動作に支障がないことが実験結果で判っている。次に、滴下水により定量槽Eを上昇した液面は空気室Cを水封状態にし排気筒D内に侵入する。この時点で排気筒D内液面とa点との間に水頭差が依然残るため液面は排気筒D内をさらに上昇し、a点の位置に等しくなるまで上昇する。またサイフォン部Fの内筒16と外筒13間の液面も排気筒D内液面と連通管になっているため両液面は均衡を保ちながら止水液面になるa点まで上昇する。この場合、内筒16の上端位置がa点位置より低いと排気筒D内液面が止水液面、つまりa点に上昇する前に内筒16と外筒13間を上昇しいていた水は内筒16の上端から内筒16内に侵入し、サイホン現象により定量槽Eの水を一度に流出させる。このような訳で内筒16の上端位置がa点位置より低いと排気筒D内の液面が止水・待機状態になるa点に達する前にサイフォン現象を繰り返して短期間のうちに貯水タンクAの水を流出させ空にする。よって内筒16の上端は図9に示すように止水液面a点より若干上方の位置に設定する必要がある。図9に示すように排気筒D内液面がa点位置まで上昇すると止水状態で待機する。この状態で空気室Cの体積を例えば100ccとし、一日に通常起る温度上昇を6度と仮定する。この場合温度上昇による空気室Cの空気の体積膨張はボイルの法則により約2%、2ccなる。空気室Cの空気が膨張すると空気室Cは水封状態になっているため、逃げ場を失った膨張分の空気は定量槽Eの液面上面を押し下げ、押し下げられた余分な水は排気筒D内液面および内筒16と外筒13間の液面を押し上げる。排気筒Dの内径を10mmとしサイフォン部Fの内筒16の外形を6mm、外筒13の内径を10mmとすると2ccの体積膨張によって両筒内を上昇する液面は約1.5cmとなる。よって内筒16の上端位置をa点より1cm程度上方に設定すると約6度の温度上昇があれば上昇した液面は内筒16内に侵入し、サイホン現象の働きによって定量槽Eの水を一度に吐き出し、散水を開始する。ここでサイフォン部Fの構成で重要なことは内筒16外壁面と外筒13内壁面の間隙を上昇する液面の速度は非常に遅く、液面が内筒16の上端に達し、内筒16内を降下しようとする際、前述したように内筒16の内径が8mm以上になると内筒16内に侵入した水は内壁面の一部を這うようにして落下する。このため内筒16内が水で充満されることはなく、筒内の大部分が中空部として残るため筒内に水の重力による位置エネルギーが働かずサイホン現象は起こらない。内筒16上端から内筒16内に侵入した水で筒内を液密にし、水の重力による位置エネルギーを得、サイフォン現象を起こさせるためるには内筒16の内径は8mm以下にする必要がある。また形状任意な筒状体にする場合には50平方mm以下の内断面積にする必要がある。前記した値は筒内の表面状態により若干変わる。内筒16の内径を細くすると筒内に表面張力により水膜が張りやすくなり、筒内が水で充填されやすくなるが、内径が3mm以下のように細くなりすぎると表面張力が強くなりすぎ底壁14下端の内筒16の垂下長を長くしないとサイフォン現象が起こりにくくなる。よって内筒16の内径は4〜5mmが最適で、底壁14下端面からの内筒16の垂下寸法は10mm程度に設定すればサイフォン現象は確実に起こるようになる。また前記した数値も内筒16の下端および上端形状、例えばアール(R)の取り方によっても変わる。排気筒D内の止水・待機液面(a点)を低く設定できれば内筒16の高さも低く設定できる。この場合滴下槽Bの下端部に液面調整筒8を設け、液面調整筒8の下端位置を図9の破線部に示すように滴下口5の下端よりH下方まで垂下させると、液面調整筒8内に空気が溜まり水頭圧がHだけかからなくなるため排気筒D内の液面はa点よりH下方で止水・待機状態になる。この結果内筒16の高さをHだけ低くすることもでき、注水器の背の高さも低く設計できる。排気筒Dの内断面積は狭くてもよいが、排気筒Dの内径を2〜3mmのように小さくすると表面張力による水膜が強くなりすぎ簡単に破れなくなるためサイフォン現象が起こらなくなる。また、図4の形状の排気筒Dでも内筒10の内壁面に構成した凹部の深さは2mm程度にし、幅は20mm程度にするとサイホン現象を阻止するような強い水膜は張らない。前述した表面張力に関する値は材質、形状、材質の表面状態により相違するため微妙な値は実験で決めるのがよい。この他、サイフォン部Fの頂点、つまり図9では内筒16の上端位置を倒立状態の貯水タンクAの容器口2下端位置a点より若干上方に設定しているが、これをa点より下方の位置に設定すると定量槽E内の液面が止水・待機位置a点に達する前にサイフォン部Fの液面は内筒16の上端を越え内筒16内に侵入し、サイフォン現象の働きにより定量槽Eの水を外部に流出させる。これは前述した通りであるが大型の注水器では定量槽Eの容積を大きく設定でき、定量槽Eの容積が150〜200ccを越える場合には定量槽Eを満水状態にするのに滴下速度をある程度度速くできる。滴下速度が速くなるに従って時間当たりの滴下量も安定するようになり、また滴下速度の調節も滴下口5の垂下筒5a内の毛管部6の繊維体の挿入量の調整により容易になり、誤差はあるものの大まかに一定周期毎散水できる注水器を構成することができる。この構成であれば外部の温度上昇にたよることなく散水できるため屋内専用で日が全く当たらない場所などでは有効になる。前記した注水器を構成する場合、排気筒Dおよび空気室Cの中空部は不要になり、上部壁9に貫通した小孔を設ければこれが排気筒Dの役割をし、設置場所に関係なく大まかな一定周期毎に散水できる注水器を構成できる。実験結果では1.5リッターのペット・ボトルの水を3〜4日で流出させる場合には本構成でも容易にできるが、これを1〜2週間かけ水を分配させる場合には請求項1,2の方法が正確になる。 【発明の効果】1.一日一回一定量の散水ができる。雨の日、曇った温度変化の少ない日など散水の不要な時には散水しない。 2.ペットボトルなどの廃品が利用できる。 3.構造が簡単・安価で故障する部分ない。 4.貯水タンクへの注水が容易で、貯水タンク脱着時に溢液することがない。 5.あらゆる植木の散水に対応できる。 6.サイフォン部の頂点位置を下げることにより、周囲温度に関係なく約一定周毎に散水できる構造の簡単な注水器ができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】594173669 【氏名又は名称】田中 敏
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月26日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平11−239424 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)9月7日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−62084 |
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