| 【発明の名称】 |
水稲育苗用培地材料及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】高橋 寿光
【氏名】吉岡 良太郎
【氏名】太田 準一郎
【氏名】古谷内 隆
【氏名】富田 哲之
【氏名】江守 学
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| 【要約】 |
【課題】ピートモスを利用した安価且つ軽量な水稲育苗用培地材料であって、適度なpHを持ち、吸水性及び保肥力に優れ、潅水したとき極めて短時間で膨潤復元する水稲育苗用培地材料を提供する。
【解決手段】ピートモスを主成分とし、ピートモスに対して10〜20重量%のゼオライトと、界面活性剤及びpH調整剤とを含み、板状又は顆粒状に圧縮成型されている。界面活性剤としてはポリオキシアルキレンアルキルエーテルをピートモスに対し0.1〜0.5重量%含むことが好ましく、必要に応じて更に肥料を含有させることもできる。板状のときは200〜300kg/cm2で、顆粒状にする場合は1000〜3000kg/cm2で圧縮成型する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ピートモスを主成分とし、ピートモス重量に対し10〜20重量%のゼオライトと、界面活性剤及びpH調整剤とを含み、圧縮成型により板状又は顆粒状に成型されていることを特徴とする水稲育苗用培地材料。 【請求項2】 界面活性剤としてポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含むことを特徴とする、請求項1に記載の水稲育苗用培地材料。 【請求項3】 更に肥料を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の水稲育苗用培地材料。 【請求項4】 ピートモスに、ピートモス重量に対し10〜20重量%のゼオライト粉と、界面活性剤及びpH調整剤とを混合し、水分調整して板状又は顆粒状に圧縮成型することを特徴とする水稲育苗用培地材料の製造方法。 【請求項5】 界面活性剤としてポリオキシアルキレンアルキルエーテルを用いることを特徴とする、請求項4に記載の水稲育苗用培地材料の製造方法。 【請求項6】 ピートモス重量に対し0.1〜0.5重量%のポリオキシアルキレンアルキルエーテルを混合することを特徴とする、請求項5に記載の水稲育苗用培地材料の製造方法。 【請求項7】 水分を15〜25重量%に調整した後、200〜300kg/cm2の圧力で板状に圧縮成型することを特徴とする、請求項4〜6のいずれかに記載の水稲育苗用培地材料の製造方法。 【請求項8】 水分を15〜25重量%に調整した後、1000〜3000kg/cm2の圧力で板状に圧縮成型し、更に顆粒状に粉砕することを特徴とする、請求項4〜6のいずれかに記載の水稲育苗用培地材料の製造方法。 【請求項9】 水分を15〜25重量%に調整した後、1000〜3000kg/cm2の圧力で直接顆粒状に圧縮成型することを特徴とする、請求項4〜6のいずれかに記載の水稲育苗用培地材料の製造方法。 【請求項10】 顆粒の粒度を5mm以下に整粒することを特徴とする、請求項8又は9に記載の水稲育苗用培地材料の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、板状又は顆粒状に成型した水稲育苗用培地材料、特に主成分としてピートモスを用いた水稲育苗用培地材料、及びその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】現在では、水稲の田植えは、予め育苗箱で育てた苗を自動田植機を用いて水田に移植する方法が一般的になっている。この田植えに用いる水稲の育苗には、主に、幅275mm×長さ575mm×高さ25mmの大きさの育苗箱が使用されている。また、育苗箱中の苗の培地としては、山土を原料とし、これを工場で乾燥加熱殺菌、肥料添加、PH調整、整粒等の処理を行って製造される人工床土が主に用いられている。 【0003】従って、個々の農家は、育苗箱に装入した上記の人工床土に水稲を播種して育苗するか、あるいは育苗センター等において共同で大量育苗し、この苗を各農家が田植機で水田に移植する方法が行われている。 【0004】しかし、近年においては、人工床土に適する良質の山土が価格アップや環境保全等の面から入手困難になりつつあるため、山土に替わる培地材料の開発が望まれている。また、山土を原料とする人工床土は重量が上記育苗箱当たり約4kgと重く、これに更に灌水、播種、覆土した苗床1枚当たりでは約7〜8kgもあるため、多数の育苗箱の運搬や、育苗箱から苗付き床土を剥がして田植機にセットする等の作業が大きな負担となっている。 【0005】そこで、育苗用の培地の軽量化が試みられ、ロックウール等からなる各種の代用苗床が一部で製造販売されている。しかし、ロックウール等からなる苗床は、保水性、保肥力、吸水性が乏しいために育苗管理が極めて煩雑になるばかりでなく、ロックウールが鉱物繊維であるため腐食分解せず、そのままいつまでも水田に残留する等の多くの問題点があるため、山土の人工床土に替わるものとして未だ普及していないのが現状である。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】このような現状において、山土を原料とした人工床土の重さによる作業の困難性と、価格や環境保全問題による原料山土の入手難、及びロックウール等がもつ問題点を解消する床土の原料として、カナダ、ロシア、北欧に無尽蔵に埋蔵されているといわれるピートモスが有望視されている。しかしながら、ピートモスを水稲の育苗用培地材料として利用する場合、ピートモスには樹脂やロウ分が含まれ、乾燥すると撥水性が強くなるため、苗床としたとき吸水が困難であるという大きな問題がある。 【0007】このピートモスの問題点を解決する方法として、特開平9−74896号公報には、ピートモスの表面にベントナイトのような吸水性の粘土質材の皮膜を形成することが提案されている。しかし、ピートモス表面に粘土質材の皮膜を形成するためには、吸水性の粘土質材の微粉末をピートモスにまぶして加圧するか、又は粘土質材の水溶液にピートモスを浸漬した後乾燥する必要があり、その処理方法が面倒で時間がかかるという欠点があった。 【0008】しかも、ピートモスを用いた苗床は吸水性が劣ることもあって、潅水したとき肥料成分が溶出しやすい。また、ピートモスはpHが4〜4.5と低いので、そのままでは水稲用培地として使えない。加えて、ピートモスは嵩比重が小さく嵩張るため、運送、保管、取り扱い等を考慮すると、圧縮成型などにより、取り扱い易く且つ育苗箱に入る形状に加工し、更に割れ、折損、型崩れ、曲がり等が発生しないように十分な強度を持たせる必要がある。 【0009】通常の場合、山土を原料とする人口床土以外の培地材料は育苗箱に入る板状に圧縮成型されるが、かかる板状の育苗用マットは育苗箱に装入して灌水し、膨潤復元させた後でないと播種できない。従って、灌水したとき極めて短時間で膨潤復元することが必要となり、特に大量育苗する場合には、自動連続播種工程における育苗箱の移動速度に適合するように、注水開始後15秒以内に膨潤復元が完了することが望ましい。しかるに、前記特開平9−74896号公報に記載のピートモスを利用した培養土では、これを板状に圧縮成型した育苗用マットの灌水したときの膨潤復元が遅く、自動連続播種工程に適用するためには満足できるものではなかった。 【0010】本発明は、このような従来の事情に鑑み、ピートモスを利用して所定の形状に圧縮成型した安価且つ軽量な水稲育苗用培地材料であって、簡単な方法で製造でき、適度なpHを持ち、吸水性及び保肥力に優れ、灌水したとき極めて短時間で膨潤復元することができる水稲育苗用培地材料及びその製造方法を提供することを目的とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明が提供する水稲育苗用培地材料は、ピートモスを主成分とし、ピートモス重量に対し10〜20重量%のゼオライトと、界面活性剤及びpH調整剤とを含み、圧縮成型により板状又は顆粒状に成型されていることを特徴とする。 【0012】また、本発明の水稲育苗用培地材料の製造方法は、ピートモスに、ピートモス重量に対し10〜20重量%のゼオライト粉と、界面活性剤及びpH調整剤とを混合し、水分調整して板状又は顆粒状に圧縮成型することを特徴とする。 【0013】上記本発明の水稲育苗用培地材料及びその製造方法においては、界面活性剤としてポリオキシアルキレンアルキルエーテルを用いること、及びこれをピートモス重量に対し0.1〜0.5重量%混合することが好ましい。 【0014】尚、本発明の水稲育苗用培地材料の製造方法としては、水分を15〜25重量%に調整した後、200〜300kg/cm2の圧力で板状に圧縮成型する方法のほか、1000〜3000kg/cm2の圧力で板状に圧縮成型し、更に顆粒状に粉砕する方法、及び1000〜3000kg/cm2の圧力で直接顆粒状に圧縮成型する方法がある。顆粒状とする場合、その粒度を5mm以下に整粒することが好ましい。 【0015】 【発明の実施の形態】本発明のピートモスを主成分とする板状又は顆粒状の水稲育苗用培地材料においては、ピートモスの撥水性を除去して吸水性を付与するために、主成分であるピートモスに界面活性剤を添加してある。また、界面活性剤のほか、更にピートモスにゼオライトを混合することによって、吸水性をより一層高めると共に、優れた保肥力を発現させることができる。このように、本発明においては、主成分のピートモスに界面活性剤とゼオライトを単に添加して混合するだけで、ピートモスの撥水性を除去し、水稲育苗用培地材料に優れた吸水性と保肥力を与えることができるのである。 【0016】界面活性剤としては、ピートモスの撥水性除去効果だけを考慮すれば各種の非イオン系界面活性剤を使用することができるが、少量の添加で十分な撥水性除去効果が得られ、しかも水稲の発芽や生育の面で問題の無いポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましい。また、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの添加量は、これを50〜100倍の水で希釈して添加するが、原液換算でピートモス重量に対し0.1〜0.5重量%とすることが好ましい。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの添加量が原液換算で0.1重量%未満では、ピートモスの撥水性を十分に除去することが難しい。また、0.5重量%までの添加により必要な撥水性の除去効果が十分得られるので、0.5重量%を越えて添加することは不経済である。 【0017】ゼオライトは結晶性アルミノケイ酸塩の一種であり、天然のもの以外にも各種の結晶構造のものが合成されている。このゼオライトの添加混合により、育苗用培地材料の吸水性を更に向上させ、且つ保肥力を向上させることができる。この効果を得るために必要なゼオライトの添加量は、ピートモス重量に対して10〜20重量%の範囲である。添加するゼオライト粉は、ピートモスとほぼ均一に混合できる粒度であれば特に限定されないが、0.5mm以下の粒度のゼオライト粉が市販され通常入手が容易なので、これを利用することができる。 【0018】また、ゼオライトの添加量をピートモス重量に対し10重量%以上とすることにより、板状又は顆粒状に圧縮成型した培地材料でありながら、潅水時における望ましい膨潤復元力を得ることができ、且つ灌水したときの肥料の溶出割合を50%以下に抑制する優れた保肥力を得ることができる。特にゼオライトを15重量%以上添加すれば、更に保肥力を向上させることができ、山土と同等又はそれ以上の保肥力が得られるので更に好ましい。しかし、ゼオライトを20重量%を越えて添加すると、ゼオライトの増加によって必然的に重量が増加し、軽量であるという育苗用培地材料の一つの特徴が失われるので好ましくない。 【0019】このように、主成分のピートモスに界面活性剤とゼオライトを単に添加混合することによって、ピートモスの撥水性が除去されて、吸水性が著しく改善され、板状又は顆粒状に圧縮成型された培地材料でありながら膨潤復元性に優れ、膨潤復元速度が注水開始後15秒以内という望ましい速さになるうえ、同時に保肥力も大幅に向上するので、従来の山土を用いた人工床土に匹敵する特性を達成することができる。 【0020】また、ピートモスは通常pH4.5以下であり、水稲育苗用の培地として不適である。そのため、pH調整剤として消石灰などのアルカリ性物質を添加して、水苗の成育に適したpH5程度まで上昇させる。更に、後の播種時に施肥の必要をなくし、若しくは施肥の量を少なくするために、予め窒素、リン酸、カリ等の肥料をピートモスに添加混合しておくこともできる。 【0021】かかる本発明の水稲育苗用培地材料を製造するには、まず、適当な粒度を有するピートモスに、上記の界面活性剤とゼオライト粉、及びpHを5程度まで上昇させるためのpH調整剤、並びに必要に応じて更に肥料を添加して、混合機で混合する。尚、主成分であるピートモスは、産地その他を限定する必要はないが、水稲育苗用の培地として適度な粒度、例えば0.1〜4.0mm程度の粒度であることが好ましく、必要に応じて解砕して用いる。 【0022】次に、上記のごとく各成分を添加混合したピートモスを乾燥機で乾燥させ、含有水分を15〜25重量%まで低下させた後、板状又は顆粒状に圧縮成型する。このとき、板状に圧縮成型する場合には、プレス機等を用いて200〜300kg/cm2の圧力で圧縮成型する。これにより、運搬や取り扱い中に割れや変形等のない十分な強度を有し、一般に使用されている連続播種機並びに育苗箱への装入に適した水稲育苗用マットが得られる。 【0023】また、顆粒状に圧縮成型する場合は、1000〜3000kg/cm2の圧力で圧縮成型を行い、直接顆粒状に成型しても良いし、板状に圧縮成型した後粉砕して顆粒状にすることもできる。顆粒状の水苗育苗用培地材料とすることで、育苗箱の床土とする以外に覆土とすることもでき、特に粒度を5mm以下程度に整粒することによって、一般に使用されている連続播種機にそのまま使用できるほか、潅水時の膨潤復元性の点でも優れている。 【0024】尚、顆粒状に圧縮成型する場合には、そのプレス圧が1000kg/cm2未満では、顆粒状に直接圧縮成型することが困難であったり、また板状に圧縮成型後顆粒状に粉砕したとき、粒度が1mm未満の粉の発生が多くなる。顆粒中に粉が多くなると、主として連続藩種機での粉塵発生、あるいはその他の取り扱い時の粉塵発生の原因となる。このため、顆粒状の水稲育苗用培地材料では、実用的にはその顆粒の粒度を1〜5mmの範囲とすることが好ましい。また、3000kg/cm2を越える圧力とすると、潅水後の復元時間が15秒を越えて長くなり、加圧のための設備コストも高価となるため経済的でない。 【0025】かくして得られた本発明の水稲育苗用培地材料は、板状又は顆粒状であり、優れた吸水性を有するうえ、高い保肥力を備えている。このため、本発明の水稲育苗用培地材料は、播種の際に灌水すると、極めて短時間に膨潤復元する。即ち、自動連続播種工程における育苗箱の移動速度に適合するように、注水開始後15秒以内に膨潤復元が完了する。しかも、灌水した際の肥料の溶出が少なく、具体的には肥料の溶出割合を50%以下に、好ましくは40%以下に抑えることができる。従って、この水稲育苗用培地材料を使用することによって、苗の成育にばらつきが無くなり、良質の苗を育てることができる。 【0026】また、本発明の水稲育苗用培地材料は板状又は顆粒状に圧縮成型されているから、従来の人工床土に比べて軽量であって、簡単に包装でき、運搬搬送、保管、取り扱いが容易であるから、流通コストを削減できる。例えば、板状に圧縮成型した育苗用マットは、育苗箱に装入できる大きさで厚さ約4mmの場合に、1枚の重量が約500gであり、従来の人工床土の育苗箱1枚分の重量約4kgの8分の1に過ぎない。また、顆粒状に圧縮成型した育苗用培地材料の場合も、育苗箱1枚当たりに必要な量の重さは、同様に約500gである。 【0027】更に、上記の板状又は顆粒状の培地材料を入れた育苗箱に灌水、播種し、最後に人工床土で覆土した後の育苗箱1枚当たりの重量も4〜4.5kgに過ぎず、従来の全て人工床土を用いた場合の7〜7.5kgの60%程度である。このため、育苗準備作業から田植機による移植まで、一連の運搬取り扱い作業を大幅に軽減することができる。しかも、本発明の顆粒状の培地材料は、覆土にも使用できる。その場合、人工床土では約1kgであった覆土重量が200g程度ですむため、覆土後の最終的な育苗箱1枚当たりの重量は3.5〜4.0kgとなり、従来の50〜55%にまで軽量化することが可能である。 【0028】このように本発明の板状又は顆粒状の水稲育苗用培地材料は、従来の山土を原料としている人工床土に比べて、入手難や環境保全の点で何ら問題がなく、軽量で取り扱い易く、潅水時の膨潤復元性にも優れているうえ、保肥力、保水性、pH等においても水稲の成育に極めて好ましい培地である。この水稲育苗用培地材料は、培地としての育苗試験においても人工床土と比べて何ら遜色が無く、むしろ優れていることが確認された。また、主成分であるピートモスは腐食分解されるので、ロックウールのようにいつまでも水田に残留することがない。 【0029】 【実施例】実施例1解砕したカナダ産ピートモス(含有水分45重量%)を4mmの篩で篩別し、篩下の粒径4mm以下の粒子に、pH調整用に消石灰粉1重量%を加え、0.5mm以下の粒度のゼオライト粉を下記表1に示すように、ピートモス重量に対して各々0、10、15、20重量%となるように添加した。これに、化学肥料を2.5重量%を加え、更に撥水性を除去するための界面活性剤として、水で50倍に希釈したポリオキシアルキレンアルキルエーテル(第一工業製薬(株)製、商品名:ノイゲンET−127)を、同じく下記表1に示すように、原液換算でそれぞれ0、0.1、0.2、0.4重量%となるように添加した。 【0030】これらの各試料を、それぞれミキサーにて5分間混合し、ドライヤーにて水分量を下記表1に示すように18〜25重量%の範囲まで低下させた後、幅275mm×長さ288mm×高さ25mmの金型にすり切り式で25mm厚に装入した。次に、253kg/cm2の圧力で板状に圧縮成型して、それぞれ厚さ4〜4.5mmの育苗用マットを製造した。 【0031】得られた各試料の育苗用マットについて、以下の特性を測定した。 (1) 復元性:注水開始から膨潤及び復元が完了するまでの時間(秒) (2) 強度:幅30mmにカットし、長さ方向の支点間距離60mmの中間に上方から▽型の刃を当てて徐々に加圧したときの、マットが折れ曲がる瞬間の刃にかかる重量(g) (3) 保肥力:潅水時のアンモニア性窒素分の溶出割合(%) 得られた結果を下記表1に示し、併せて試料16として山土を用いた従来の人工床土の保肥力を示した。 【0032】 【表1】 製 造 条 件 マ ッ ト 特 性 ゼオライト 界面活性剤 水 分 復元性 強 度 保肥力試料 (wt%) (wt%) (wt%) (秒) (g) (溶出%) 1 15 0.1 25.0 14.7 630 36 2 20 0.1 18.4 13.5 775 30 3 10 0.2 24.7 13.8 640 46 4 15 0.2 19.6 14.7 800 34 5 20 0.2 19.4 9.9 740 30 6 20 0.2 24.3 8.9 505 32 7 10 0.4 24.3 8.9 590 48 8 15 0.4 20.0 9.4 660 35 9 20 0.4 19.0 7.0 785 29 10 20 0.4 20.2 9.3 575 30 11* 0 0 20.2 ≧30分 620 71 12* 10 0 20.0 120.0 670 48 13* 20 0 19.8 40.5 725 28 14* 0 0.2 21.4 36.5 765 70 15* 0 0.4 20.1 32.0 635 72 16*(人工床土) − − − − 40 (注)表中の*を付した試料は比較例である。 【0033】表1に示すように、本発明の組成を有する育苗用マットは、自動連続播種工程に適した15秒以内の復元時間と、溶出割合が50%以下という優れた保肥力とをバランス良く備え、取り扱い中にマット形状を維持し得るだけの高い強度を有することが分かる。 【0034】実施例2解砕したカナダ産ピートモス(含有水分50重量%)を4mmの篩で篩別し、篩下の4mm以下の粒子にpH調整用に消石灰粉1重量%を加え、0.5mm以下の粒度のゼオライト粉をピートモス重量に対し20重量%添加した。これに、化学肥料2.5重量%を加え、更に界面活性剤として水で50倍に希釈したポリオキシアルキレンアルキルエーテル(第一工業製薬(株)製、商品名:ノイゲンET−127)を、原液換算で0.4重量%添加した。 【0035】上記の試料をミキサーにて10分間混合し、ドライヤーにて水分量を17〜18%まで低下させた後、2本のロールを有する圧縮成型機のロール間を下記表2に示すロール圧力で通過させて、板状に圧縮成型した。得られた各試料のフレーク(フレーク厚は表2に示す)を、ブレーカーで粗砕後、孔の直径5mmのスクリーンを有する破砕機を通過させ、直径5mm以下に整粒した顆粒状の培地材料を得た。 【0036】得られた各試料の培地材料について、表2に示す各物性を評価すると共に、潅水による膨潤復元性試験を行った。即ち、顆粒状の各培地材料を育苗箱1箱当たり500g装入し、その際の箱詰時の厚みを測定した。引き続いて、1箱当たり2500ccの水をシャワー式で注水し、注水開始から完全に膨潤復元するまでの復元時間(復元性)、及び復元倍率を測定した。これらの結果を、圧縮成型の条件と共に下記表2に示した。 【0037】 【表2】 成型圧力 フレーク 顆粒状培地材料の物性 試料 (kg/cm2) 厚(mm) 嵩比重(g/cm3) 箱詰厚(mm) 復元倍率 復元性(秒)17* 500 3.3 粉状に崩れて顆粒状に成型できず18 1000 2.6 0.44 7.2 2.2 7.219 1500 2.3 0.49 6.9 2.5 8.420 2000 2.4 0.52 6.1 2.5 8.921 2500 1.7 0.58 5.5 2.6 9.522 3000 1.7 0.60 5.3 2.6 15.023* 3500 1.7 0.60 5.3 2.6 18.5(注)表中の*を付した試料は比較例である。 【0038】上記表2に示すように、圧縮成型の圧力が1000kg未満では望ましい顆粒が得られず、逆に圧力が3000kgを越えた場合には、注水から完全に膨潤復元するまでの復元時間が長くなり、自動連続播種工程に必要とされる15秒を越えてしまうことが分かる。尚、このような圧縮成型圧力と潅水時の膨潤復元性との関連は、顆粒状に直接圧縮成型した場合もほぼ同じである。 【0039】実施例3上記実施例1における本発明の試料2、3、5、9と、比較例の試料11及び16(人工床土)を用いて、育苗試験を実施した。即ち、育苗箱に装入した各試料のマット(2枚で1箱分)に灌水して厚さ18〜19mmまで膨潤復元した培地に、120g/箱の水稲の種子を播種した後、人工床土で1kg/箱の覆土を行い、潅水して育苗試験を実施した。播種後、3日目、10日目、21日目における苗の成育状況を調査し、その結果を下記表3に示した。また、上記実施例2の試料20についても上記と同様の育苗試験を行い、その結果を表3に併せて示した。 【0040】 【表3】 播種後3日目 播種後10日目 播種後21日目 試料 芽長(mm) 根長(mm) 草丈(cm) 根重(g) 葉令(枚) 草丈(cm) 葉令(枚) 2 11 22 12.3 4.2 2.1 19.6 3.3 3 10 18 12.0 5.6 2.1 18.5 3.1 5 12 24 12.3 5.7 2.0 18.5 3.1 9 12 24 14.1 5.5 2.1 18.7 3.211* 11 22 12.4 3.8 2.0 15.6 2.916* 11 29 10.7 4.3 1.8 14.4 3.020 11 23 13.0 5.5 2.1 18.8 3.1(注)表中の*を付した試料は比較例である。 【0041】上記表3にから分かるように、本発明の板状又は顆粒状の水稲育苗用培地材料を用いた場合、ゼオライトと界面活性剤を添加しないピートモスからなる比較例の試料11、及び山土を用いた従来の人工床土の試料16に比較して、優れた苗の生育状況を得ることができた。 【0042】 【発明の効果】本発明によれば、ピートモスにセオライト及び界面活性剤などを混合して圧縮成型するだけの簡単な方法によって製造することができ、板状又は顆粒状であり軽量で取り扱い易く、しかも適度なpHを持ち、吸水性及び保肥力に優れ、灌水したとき極めて短時間での膨潤復元が可能であって、安価な水稲育苗用培地材料を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】597166305 【氏名又は名称】いずみ化成株式会社 【識別番号】597166316 【氏名又は名称】いなほ化工株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)11月2日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】山本 正緒
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| 【公開番号】 |
特開平11−215917 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)8月10日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−311614 |
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