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【発明の名称】 植物栽培容器
【発明者】 【氏名】近松 照芳

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】貯水部と植物収納部の容器を密閉結合し、該植物収納部の底板に設けた給水素材挿通孔に、給水素材を圧入することにより、貯水部に密閉度の高い空間を形成することを特徴とする植物栽培容器。
【請求項2】植物収納部の側壁周辺に、外気との連通を図る通気孔を形成することを特徴とする植物栽培容器。
【請求項3】植物収納部の底部に、断熱素材塊を配備することを特徴とする植物栽培容器。
【請求項4】植物収納部の開口部周辺に、直径が同等程度の中空蓋周辺を切り欠いて、植物の茎を中空蓋周辺の切欠部より横通しできるようにした、根元被覆スカートを、植物収納部の開口部周辺に嵌め込むことにより、一定の強度で固定できるようにしたことを特徴とする植物栽培容器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、貯水部を備えた植物栽培容器に関し、極めて長期間にわたって給水の必要がなく、強い振動や横転に対しても、水や培養土が飛び出さないことに併せ、衛生面と取扱易さを改良することにより、根の付いた植物を、室内の食卓や車内でも抵抗なく設置できると共に、小型化することでマスコットとして携帯できる等の、多目的な植物栽培容器を提供する。
【0002】
【従来の技術】従来から、植物を栽培する貯水式の植木鉢は、植物収納部の下部に貯水部を区画形成し、布、綿材等の適当な給水素材で、植木鉢本体の培養土へ直接、水を供給するものであるが、水は新たに供給する必要があり、また貯水部の一部に直接、給水及び通気孔が設けてあり、常時、開放されている為、漏水し易く、蒸発も早く自動給水期間もかなり限られている。
【0003】このように貯水部水面が、外部と直結している為、ゴミが外部より侵入し、時間の経過と共に水が汚れて細菌が発生したり、夏場等の暑い季節は、水苔が発生し、貯水槽が緑色に変色して不衛生である。
【0004】貯水部密閉型の植物栽培容器は、一部、既に提案されているが通気孔が植物収納部に無い為、プラスチック製の貯水部に直接、太陽光が当たると、該貯水部の密閉空間は温室化して高温度になり、底板から加熱して、植物の毛根が温められて弱るという課題を有している。
【0005】植木鉢の置台が振動したり、転倒すれば、容易に培養土や水が外部へ飛び出す為、取扱上、設置上、植木鉢を使用できる環境に大きな制約がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、以下にその課題を示す。
【0007】貯水部の水が外気に直接、接している為、無駄な蒸発が多く発生し、比較的、短期間のサイクルで水の供給管理をする必要がある。
【0008】同様に、貯水部の水が外気に露出している為、ゴミが侵入し易く、水が汚れて細菌が発生し易く、不衛生になり易い。
【0009】密閉土の高い貯水部に太陽光を直接、受けた場合、温室化による高温空気が、植物の根に悪影響を及ぼす。
【0010】新たに栽培する場合、外部から水を供給する必要がある。
【0011】貯水部の水が、該貯水部の一部を開放した水槽に溜められている為、大きな振動とか転倒では、瞬時に水漏れすると共に、培養土が外部へ飛出す。
【課題を解決する為の手段】
【0012】貯水部と植物収納部の周辺側壁が、給水素材を挿通するための、給水素材挿通孔を有する区画板を介して密閉結合し、給水素材を挿通することで、貯水部の水面と植物収納部との間に、外気と遮断度の高い空間を形成し、外部への無駄な水の蒸発を防止することを、特徴とする植物栽培容器を提供することにより上記目的を達成するものである。
【0013】また、貯水部は密閉度が高く、底部からの通気は行えない為、最も大切な通気は、植物収納部の断熱素材塊付近の側壁周辺に小さな通気孔を設けて、外気から酸素取り込みを行うことを特徴とする植物栽培容器を提供することにより上記目的を達成するものである。
【0014】貯水部の水と植物収納部との間の空間は、密閉度が高い為、温室化する。このようにして発生した高温空気が根に伝わらないよう、底部に断熱素材塊を配備すると共に、通気孔より外気を取り込むことで、根周辺を常温に保つことを特徴とする植物栽培容器を提供することにより上記目的を達成するものである。
【0015】水と栽培補助資材内蔵型の場合は、該植物収納部の底部に容易に取り外せる蓋を装着し、貯水部の水を完全密閉して、予め、栽培機能を備えた植物栽培容器を提供することにより上記目的を達成するものである。
【0016】植物収納部の上部開口部は、弾力性を有する素材から成る、中空蓋円周の一辺を切り欠き、更に、その対称点は開閉可能な程度に切り欠くか、薄く成形し、該開口部に嵌め込むことで、一定の強度で固定され、培養土が容易に外部へ飛出さないと共に、根元が被覆され、外部から培養土が見えないことを特徴とする植物栽培容器を提供することにより上記目的を達成するものである。
【0017】水の長期間保存による腐敗を防止する為、活水器等を通した水を使用して活性化し、大腸菌を減らすことにより、上記目的を達成するものである。
【0018】
【作 用】貯水部に、外気と遮断度の高い空間を形成して、外部への無駄な水分の蒸発を防止することによって、全ての水は給水素材を通して、植物の根から吸収する。
【0019】植物収納部の区画板に明けられた給水素材挿通孔は、同等程度の太さの給水素材を通すことで、外気と密閉される為、空中浮遊塵埃は完全に封鎖されて、水の汚染を和らげる。
【0020】密閉された植物収納部に、太陽光が直接、当たれば、内部空間は温室化し、温度は上昇するが、植物収納部の底部に配備した断熱素材塊により熱伝導を遮断し、緩衝材の役割を果たすと共に、底部周辺壁に設けた通気孔から外気を取り込むことで、根周辺を常温に保つ。
【0021】貯水部の水を密封する構造を形成して、予め、水を内臓し、使用時は植物収納部底部の蓋を取り外すことにより紐状の給水素材が垂れ下がり、貯水部の水に浸されて給水を開始する。
【0022】植物収納部の断熱素材塊付近の側壁周辺部に通気孔を設けて、外部との空気循環を活発化し、植物の根に酸素を供給する。
【0023】植物収納部の培養土は、根元被覆スカートを装着することにより、該植物収納部内に固定され、転倒しても、容易に外部へ飛出さない。
【実施例】
【0024】以下に、本発明に係わる植物栽培容器の実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0025】図1は、本発明に係わる植物栽培容器の実施例を示す断面図である。図2は、その分解斜視図である。図3は、植物収納部の内部斜視図である。図4は、植物収納部の蓋取付完成断面図である。
【0026】本実施例に示す植物栽培容器は、図1に示す通り、貯水部1と植物収納部2を、区画板7を介して密閉結合し、該植物収納部の上部開口部に根元被覆スカート3を装着する。
【0027】貯水部1は、開口部内側周辺には螺旋状の雌ネジ13を設ける。植物収納部2は、区画板7に紐状の吸水素材9を挿通する直径5mm程度の吸水素材挿通孔6を設け、更に底板から20mm程度の高さに、直径5mm程度の通気孔8を2個設けた植物収納部を、密閉結合することによって、一体化する。
【0028】植物収納部2は、直径10mm程度のハッポウスチロール塊10を、20mm程度の厚さに配備し、紐状の給水素材9は、貯水部1の底から区画板7の給水素材挿通孔6を通し、ハッポウスチロール塊10の中を通して、その上に配置する養培土11の底部まで這わせる。
【0029】植物収納部2の底部には、素手で容易に取り外せる蓋19を装着する。該植物収納部2と、貯水部1の容器を密閉結合することで、水4を密封保管し、更に、給水素材9とハポウスチロール塊10も内臓する。
【0030】植物収納部1の上部開口部は、半径が該開口部より少し小さ目の弾力性素材で、茎挿通孔15を中心に設けた中空蓋で、円周の一辺を開放できるようにスリット17を設け、通気孔18を有すると共に、茎挿通孔15の周辺に、適当数のスリット16を設けると共に、根元被覆スカート3周辺の凹部を開くようにして、植物収納部開口部の凸部に嵌め込み、一定の強度で培養土11を固定し被覆する。
【0031】本植物栽培容器を初めて使用する場合、貯水部1と植物収納部2の密閉結合を解除し、該植物収納部2の底部蓋19を取り外せば、貯水部1と植物収納部2は、給水素材9を通じて連結すると共に、挿通している紐状の給水素材10が、貯水部の内部へ垂れ下がり、水の中に浸されて給水作用を開始する。
【0032】本植物栽培容器は、密閉度の高い空間5で温室作用が働き、高温化した水蒸気が上昇して直接、根を温めないよう、植物収納部2の底部に、ハッポウスチロール塊10を20mm程度の厚さに配備し、根への熱伝導を遮断すると共に、ハッポウスチロール塊10付近に設けた側壁の通気孔より外気を取り込んで、根周辺を常温に保つ。
【0033】同様に、密閉度の高い空間5を形成することで起る、空気の淀みを無くする為、植物収納部2の底に配備するハッポウスチロール塊10が飛び出さない5mm程度の通気孔8を、2個程度設けて酸素供給を行う。
【0034】本植物栽培容器は、培養土付き植物12を、そのまま植え付ける為、定型ポットの植物苗を取り出せば、そのまま植物収納部の開口部に植え付けられるよう、該開口部は、ポット標準規格に合わせたサイズとし、形状も円筒形を形成する。
【0035】以上、本発明を実施例に基づいて説明してきたが、これらに限定したわけではない。
【0036】本発明では、貯水部1と植物収納部2の容器を、それぞれ個別に形成しているが、一体構造であっても構わない。この場合、植物収納部2の区画板7は貯水部1の上部に固定し、側壁周辺の通気孔8は漏水防止シールを貼り付け、植え付け時に取り外す。該植物収納部2の上部開口部は容易に着脱できる密閉蓋20を装着することによって、内臓物を密封し水の補給は、貯水部1の周辺に給水孔を明け、栓を設けてもよい。
【0037】例えば、植物栽培容器の形状は、図のように限定されるわけではなく市場に出回っている花瓶のように、四角形でも楕円形でもよく、多種多様な形状や色柄でもよい。
【0038】また、植物栽培容器の材料についても、プラスチックに限定されるわけではなく、ガラス、陶磁器、木または、金属等でもよい。
【0039】貯水部1と植物収納部2の結合は、図1のように螺旋状のネジ締めに限らず、漏水を防止できて着脱容易な結合方法であれば、高精度の差し込みによる嵌合でもよい。
【0040】植物収納部2に設けた通水孔6および通気孔8の形状、数量、寸法等は、図に示されたものに限定されず、網状のものでもよい。
【0041】植物収納部2の底部に使用する断熱素材塊10は、ハッポウスチロール塊に限らず、ウレタン系素材他、断熱性を有する素材ならよい。また、形状も粒子状に限らず、通気経路が設けてあれば蓮根状でもよいし、非定形の一体塊でもよい。
【0042】貯水部1の水4は、予め、植物成育に必要な肥料分を含んだ液肥料であっても構わない。
【0043】貯水部の水は、長期保存による腐敗を防止する為、活水器等による水の活性化を図り、大腸菌を減らした水を使用してもよい。
【0044】実施例では、培養土の付いた植物を対象にしているが、スポンジ等の合成樹脂による、土壌の代替素材を使用してもかまわない。
【0045】根元被覆スカートの装着方式は、弾力性を利用した方式で、植物収納部の開口内部に嵌め込んで外部へ飛出さないようにしても構わないし、蝶番構造にして開口上辺部に嵌め込んでもよい。また、中空蓋を中央で2分割し、茎を両方から挟むように固定してもよい。
【発明の効果】
【0046】本発明に係わる植物栽培容器は、貯水部の水が外部へ蒸発することがなく、全ての水が植物の根から吸収される為、一度、給水しておけば、極めて長期間にわたって補給の必要がない。
【0047】本発明に係わる植物栽培容器は、周辺壁による密閉型で、貯水部の水が内部に被覆され、植物の根元もスカートで覆われている為、衛生的で食卓、机上他、室内外のどこでも設置して鑑賞できる。
【0048】本発明に係わる植物栽培容器は、予め、水と断熱素材塊及び給水素材を内臓してもよく、植物を植え付けるだけで極めて手軽に栽培と鑑賞を行うことができる。
【0049】本発明に係わる植物栽培容器は、予め、水と栽培補助資材が、貯水部と植物収納部に内臓保管することができ、栽培機能を備えた植木鉢として、運搬、保管、及び、取り扱いが便利である。
【0050】本発明に係わる植物栽培容器は、貯水部の密閉度が高く、少々の振動とか、転倒の場合でも漏水しない為、車内装飾用やミニサイズにすることにより、マスコットとして携帯できる。
【出願人】 【識別番号】592105653
【氏名又は名称】近松 照芳
【出願日】 平成9年(1997)12月19日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−178448
【公開日】 平成11年(1999)7月6日
【出願番号】 特願平9−370100