| 【発明の名称】 |
キノコ栽培ビン用キャップ |
| 【発明者】 |
【氏名】水野 正幸
【氏名】山中 勝次
【氏名】稲冨 聡
【氏名】難波 謙二
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| 【要約】 |
【課題】部品点数の削減,組立工数の低減及び交換工数の排除によって、大幅なコストダウンを図るとともに、安定した通気性を確保することにより、キノコの品質及び均質性を高める。
【解決手段】円形の覆部2と、この覆部2の周縁から下方に設けたリング形の装着部3を有する。また、覆部2及び装着部3を二重板構造により構成し、内部に相互に連通する密閉された通気空間Sを設けるとともに、覆部2の下板部2dに栽培ビンBの内部と通気空間Sが連通する内側開口部4を設け、かつ装着部3の下端部3d又は内板部3iに、通気空間Sと外部が連通する外側開口部5を設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 円形の覆部と、この覆部の周縁から下方に設けたリング形の装着部を有するキノコ栽培ビン用キャップにおいて、前記覆部及び前記装着部を二重板構造により構成し、内部に相互に連通する密閉された通気空間を設けるとともに、前記覆部の下板部に栽培ビンの内部と前記通気空間が連通する内側開口部を設け、かつ前記装着部の下端部又は内板部に、前記通気空間と外部が連通する外側開口部を設けたことを特徴とするキノコ栽培ビン用キャップ。 【請求項2】 前記内側開口部は複数の小孔により形成することを特徴とする請求項1記載のキノコ栽培ビン用キャップ。 【請求項3】 前記外側開口部は複数の小孔により形成することを特徴とする請求項1記載のキノコ栽培ビン用キャップ。 【請求項4】 前記外側開口部の全開口面積はキノコの種類により異ならせることを特徴とする請求項1又は3記載のキノコ栽培ビン用キャップ。 【請求項5】 前記覆部の内部には、前記内側開口部から前記外側開口部に至る通気経路を長くするための衝立部を設けることを特徴とする請求項1記載のキノコ栽培ビン用キャップ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はキノコのビン栽培に用いる栽培ビンのビン口部に装着するキノコ栽培ビン用キャップに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、キノコ栽培ビンのビン口部に装着するキャップとしては、既に、本出願人が提案した特開平8−205674号公報で開示されるキノコ栽培ビン用キャップが知られている。 【0003】この種のキャップは、通常、基本形態として、円形の覆部とこの覆部の周縁から下方に設けたリング形の装着部を有するとともに、覆部にはウレタンや紙等を用いたフィルターを内蔵させて通気性を確保している。これにより、栽培ビンにキャップを装着すれば、栽培ビンの内部で発生する炭酸ガスは外部に排出され、また、外部の酸素は栽培ビンの内部に取り入れられるとともに、栽培ビンへの雑菌の侵入が阻止される。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来のキノコ栽培ビン用キャップは、次のような解決すべき課題が存在した。 【0005】第一に、通気性を確保するウレタンや紙等のフィルターを用いるため、部品点数及び組立工数の増加に伴うコストアップを招く。 【0006】第二に、フィルターに菌糸が侵入したり付着することにより目詰まりを生じやすいため、通気性の低下やムラによるキノコ品質の低下やバラツキを招く。また、フィルターの頻繁な交換が必要になるため、この面からも部品コストの増加や交換工数の発生を招く。 【0007】本発明はこのような従来の技術に存在する課題を解決したものであり、部品点数の削減,組立工数の低減及び交換工数の排除によって、大幅なコストダウンを実現できるとともに、安定した通気性を確保することにより、キノコの品質及び均質性を高めることができるキノコ栽培ビン用キャップの提供を目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段及び実施の形態】本発明は、円形の覆部2と、この覆部2の周縁から下方に設けたリング形の装着部3を有するキノコ栽培ビン用キャップ1を構成するに際して、覆部2及び装着部3を二重板構造により構成し、内部に相互に連通する密閉された通気空間Sを設けるとともに、覆部2の下板部2dに栽培ビンBの内部と通気空間Sが連通する内側開口部4を設け、かつ装着部3の下端部3d又は内板部3iに、通気空間Sと外部が連通する外側開口部5を設けたことを特徴とする。 【0009】この場合、好適な実施の形態により、内側開口部4は複数の小孔4a,4b…により形成するとともに、外側開口部5は複数の小孔5a,5b…により形成する。この際、外側開口部の全開口面積はキノコの種類により異ならせる。また、覆部2の内部には、内側開口部4から外側開口部5に至る通気経路Rを長くするための衝立部6a,6b…を設ける。 【0010】これにより、外部に臨む外側開口部5は、栽培ビンBの内部に臨む内側開口部4よりも装着部3の高さHだけ低くなるため、外部空間に浮遊する落下菌等の雑菌は、ウレタンや紙等のフィルターを用いなくても栽培ビンBの内部に侵入しにくくなる。この際、内側開口部4を複数の小孔4a,4b…により形成し、また、外側開口部5を複数の小孔5a,5b…により形成するとともに、覆部2の内部に、内側開口部4から外側開口部5に至る通気経路Rを長くするための衝立部6a,6b…を設ければ、さらに、雑菌は栽培ビンBの内部に侵入しにくくなる。一方、フィルターが存在しないため、安定した通気性が確保される。 【0011】 【実施例】次に、本発明に係る好適な実施例を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。 【0012】まず、本実施例に係るキノコ栽培ビン用キャップ1の構成について、図1〜図4を参照して説明する。 【0013】キャップ1はポリプロピレン等の合成樹脂により成形した上体部11と下体部12の組合わせにより構成する。 【0014】上体部11は円形の上板部2uとこの上板部2uの下面から下方に突出したリング形の嵌着部14からなり、この嵌着部14の外周面には、図2に示す突条による係止部15を設ける。 【0015】また、下体部12は、リング形の外板部3o,この外板部3oの内方に位置するリング形の内板部3i,この内板部3iの下端から外板部3oの下端に至る下板部(下端部)3d及び内板部3iの内側空間を覆う円形の下板部2dを有する。なお、外板部3o,内板部3i及び下板部3dは、装着部3を構成するとともに、下板部2dは前記上板部2uと共に覆部2を構成する。また、外板部3oは下側ほど小径となる。 【0016】よって、図1に示すように、上体部11の嵌着部14を、下体部12における外板部3oの内面に嵌着すれば、図2に示すように、嵌着部14の係止部15は、外板部3oの内面に肉厚形成した被係止部16に係止して抜け止めされる。これにより、覆部2及び装着部3は二重板構造となり、内部には、相互に連通する密閉された通気空間Sが設けられる。 【0017】一方、装着部3の下板部3dには下方に向いた四つの小孔5a,5b,5c,5dを周方向へ等間隔に設ける。各小孔5a…は通気空間Sと外部を連通する外側開口部5となる。外側開口部5の全開口面積は、キノコの種類により異ならせることが望ましく、ビン容積を850〔cc〕とした場合、ブナシメジは10〜50〔mm2〕,エリンギィは10〜100mm2,エノキタケは100〜250mm2,マイタケは100〜170mm2に設定できる。なお、この全開口面積は小孔5a…の数量によって設定できる。また、覆部2の下板部2dの中心側には下方へ膨出形成した種菌押面部17を設けるとともに、この種菌押面部17の上面には図3に示す十字形のリブ部18を上方へ突出形成する。さらに、種菌押面部17の外縁に位置する下板部2dの上面には、リング形のリブ部19を上方へ突出形成するとともに、このリブ部19の外方には、当該リブ部19よりも大径のリブ部20を上方へ突出形成する。この場合、リブ部18の外端部はリブ部19の内面に連続し、また、各リブ部18,19及び20の上端は上板部2uの下面に当接する。 【0018】さらに、下板部2dの上面であってリブ部20の外側には、上方へ肉厚形成した四つの盛上部21a,21b,21c,21dを周方向へ等間隔に設け、各盛上部21a…に小孔4a,4b,4c,4dをそれぞれ設ける。各小孔4a…は栽培ビンBの内部と通気空間Sを連通する内側開口部4となる。なお、下板部2dにおける各小孔4a…の周方向位置は各小孔5a…の位置に一致する。 【0019】また、覆部2の内部には、内側開口部4から外側開口部5に至る通気経路Rを長くするための四つの衝立部6a,6b,6c,6dを周方向へ等間隔に設ける。この場合、各衝立部6a…は下板部2dの上面における外縁から上方へ突出形成し、その上端は上板部2uの下面に当接させるとともに、各衝立部6aと6b間…に設けられる四つの通気口22a,22b,22c,22dは、各小孔4aと4b間…の略中央に位置させる。 【0020】なお、キャップ1は透明(半透明)でもよいし着色してもよい。透明の場合は光が必要なエノキ茸等の栽培に用いることができるとともに、着色した場合には光を排除して培養中の発芽を抑えることができることから、ブナシメジやエリンギ等の栽培に用いることができる。 【0021】次に、本実施例に係るキノコ栽培ビン用キャップ1の使用方法及び機能について、図1〜図5を参照して説明する。 【0022】キャップ1は図5に示すように、培養工程において、培地を充填した栽培ビンBのビン口部Boに装着して使用する。これにより、菌糸培養時には、栽培ビンBの内部で発生する炭酸ガスは、図2及び図3に矢印Rで示す通気経路を経由して外部に排出されるとともに、外部の酸素は、同通気経路Rを経路して栽培ビンBの内部に取り入れられる。 【0023】この場合、キャップ1における外部に臨む外側開口部5は、栽培ビンBの内部に臨む内側開口部4よりも装着部3の高さHだけ低くなるため、外部空間に浮遊する落下菌等の雑菌は、ウレタンや紙等のフィルターを用いなくても栽培ビンBの内部に侵入しにくくなる。特に、内側開口部4を複数の小孔4a…により形成し、かつ外側開口部5を複数の小孔5a…により形成するとともに、覆部2の内部に、内側開口部4から外側開口部5に至る通気経路Rを長くするための衝立部6a…を設けたため、より効果的に雑菌の侵入が防止される。 【0024】実験として、調製した培地を、容積850〔cc〕,口径58〔mm〕のポリプロピレン製の栽培ビンBに充填し、栽培ビンBのビン口部Boに本実施例に係るキャップ1を装着するとともに、殺菌後、ブナシメジの通常栽培を行った結果、雑菌の混入した形跡は全く見られなかった。 【0025】なお、キャップ1の種菌押面部17は図5に示すように、培地に接種された種菌Biの上面を上から押圧するため、いわゆる菌廻りが良好となる。また、キャップ1はウレタンや紙等のフィルターを含まないため、古くなったキャップ1はそのまま粉砕して再生原料に利用することができるなど、リサイクル性にも優れる。 【0026】他方、図6には変更実施例を示す。変更実施例は外側開口部5を構成する小孔5a…を内板部3iに設けた点が、図1及び図2に示す実施例と異なる。変更実施例の場合、小孔5a…の位置は装着部3の下端部(下板部)3dよりも上方に位置するが、内板部3iに設けられるため、実質的に内側開口部4よりも装着部3の高さだけ低くなる。なお、変更実施例における小孔5a…を設ける内板部3iの部分は、図6に示すように傾斜させたり、或いは外方にオフセットして形成できる。他の構成は図1及び図2に示す実施例と同様に実施できる。このため、図6において、図2と同一部分には同一符号を付してその構成を明確にするとともに、詳細な説明は省略する。 【0027】以上、実施例について詳細に説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量等において本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更,追加,削除することができる。例えば、衝立部6a…は一列のみ設けた場合を示したが、同様の衝立部を複数列設けることにより、ジグザグの通気経路Rを形成してもよい。また、小孔4a…,5a…の形状は円形を例示したが、矩形等の他の形状であってもよい。 【0028】 【発明の効果】このように、本発明に係るキノコ栽培ビン用キャップは、覆部及び装着部を二重板構造により構成し、内部に相互に連通する密閉された通気空間を設けるとともに、覆部の下板部に栽培ビンの内部と通気空間が連通する内側開口部を設け、かつ装着部の下端部又は内板部に、通気空間と外部が連通する外側開口部を設けたため、次のような顕著な効果を奏する。 【0029】■ 通気性を確保するウレタンや紙等のフィルターが不要になるため、部品点数の削減,組立工数の低減及び交換工数の排除によって、大幅なコストダウンを図れる。 【0030】■ フィルターが不要になるため、安定した通気性を確保することにより、キノコの品質及び均質性を高めることができる。 【0031】■ 好適な実施の形態により、内側開口部を複数の小孔により形成し、また、外側開口部を複数の小孔により形成するとともに、覆部の内部に、内側開口部から外側開口部に至る通気経路を長くするための衝立部を設ければ、より効果的に雑菌の侵入を防止できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390034142 【氏名又は名称】ホクト産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月24日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】下田 茂
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| 【公開番号】 |
特開平11−178439 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月6日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−354344 |
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