| 【発明の名称】 |
人工庭園装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】江田 登
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| 【要約】 |
【課題】軽量で簡易な施工が行われるとともに植栽性も良く、室内等の断熱性の向上を図り、資源の有効活用を図る。
【解決手段】屋上等のコンクリートスラブ2の表面に敷き込まれた防水シート3上に、再生ゴム材等を素材として成形された弾性を有する多数個の鉢状容器4を適宜にレイアウトして設置する。各鉢状容器4内には、第1充填物として炭化コルク6を充填するとともに第2充填物として培養土4を充填し、比較的大きな葉を有する多年草類8を植栽する。鉢状容器4は、分割された複数個のブロック体9〜12を組み立てて構成する。炭化コルク6は、比較的低密度の炭化コルクが用いられる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 建築物の屋上等に施工する人工庭園装置において、屋上等のコンクリートスラブの表面上に敷き込まれた防水シート上に、ゴム等を素材とする材料によって成形することにより弾性を有する多数個の鉢状容器を適宜にレイアウトして設置してなり、上記各容器内には、少なくとも第1層充填物として炭化コルクを充填するとともに第2層充填物として培養土を充填し、比較的大きな葉を有する多年草類を植栽したことを特徴とする人工庭園装置。 【請求項2】 上記各容器は、それぞれ複数個のパーツに分割されてなり、これらパーツを組み合わせることによって全体鉢状に構成されたことを特徴とする請求項1に記載の人工庭園装置。 【請求項3】 上記各容器は、廃棄タイヤ等から再生した再生ゴム材を素材とする材料によって成形したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の人工庭園装置。 【請求項4】 上記炭化コルクは、その密度が110Kg/m3乃至130Kg/m3と比較的低密度の炭化コルクが用いられることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の人工庭園装置。 【請求項5】 上記容器には、多年草類を植栽した後に、天然繊維や合成繊維によって編んでなる保護ネットが被覆されることを特徴とした請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の人工庭園装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ビル等の建物の屋上やベランダ等に施工されて壁面緑化を図る人工庭園装置に関する。 【0002】 【従来の技術】草木等の植栽は、その栽培を趣味とする者に対してばかりでなく人々に対して楽しみや安らぎを与える。このため、多くの一般家屋や集合住宅等においては、その庭等に草木が植栽されるとともに室内にも草木等が鉢植えされて適宜栽培されており、また最近ではガーディニングが大いなるブームになっている。 【0003】一方、ビル等の建物においては、その屋上やルーフバルコニー或いはベランダ等の適宜の箇所に植栽を施すいわゆる壁面緑化が図られている。壁面緑化は、建物や街全体の景観を向上させるとともに街中に不足する樹木を補完して大気の浄化と温暖化の抑制の作用によって環境保護にも大いに貢献している。また、屋上等に施工された植栽は、室内と外気との間において有効な断熱作用を奏することにより、建物の居住性を向上させる。 【0004】ところで、屋上等に施工される人工庭園においては、植栽した草木等が良好な状態で育成されるためには、路地と同様に充分な量の土壌を必要とするとともに充分な潅水が必要である。しかしながら、屋上等に施工される人工庭園は、大量の土壌を用いるために屋上部分ばかりでなく建物全体の強度が必要とされるとともに、大量の潅水による屋上からの漏水防止について充分な対応が必要となる。 【0005】例えば、屋上等の緑化技術に関する特開平7−231723号「人工庭園の構造」には、ビルの屋上等に人工地盤を形成してこの人工地盤上に縁石等とともに適宜の植栽を施した多数個のマス状容器を相互に連結した状態でレイアウトしてなる人工庭園の技術が開示されている。この先願人工庭園は、具体的には、レベル調整層と軽量層とを形成することにより表面材が均一なレベルとされるとともに軽量化が図られた人工地盤が構成されるようにして施工の簡易化と軽量化とを図ったことを特徴としている。 【0006】また、特開平9−140252号「屋上緑化方法」には、屋上にプランタを設置するとともにこれにつる植物を植栽し、緑化を必要とする部分にバーゴラ等の棚を作ってつる植物の枝葉を誘引してなる技術が開示されている。この方法は、プランタを用いてつる植物を植栽することで緑化面積の割合に比較して屋上面積の有効利用が図られ、潅水の手間も省けるといった特徴を有している。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した先願技術においては、コンクリート製のマス状容器やプランタに草木の植栽を施すことから、草木が根付き良く良好に育成するためにこれら容器内に充分な量の土壌を充填することが可能である大型のマス状容器やプランタを必要とする。しかしながら、大型のマス状容器やプランタは、屋上までの運び上げを困難とするとともに、設置に際して屋上スラブやその防水面を傷付けてしまうといった虞がある。また、先願技術においては、潅水によってマス状容器やプランタから土壌が流出することにより、排水管が詰まるといった問題が生じることもある。 【0008】一方、屋上等の人工庭園においては、風等によって容器や植栽した草木等が飛散して通行人を傷付けたり他の建物等に損害を与えることが無いように充分な対応が必要である。したがって、先願技術においても、草木等をより大型の容器を用いるとともに補強材等を使用してしっかりと植栽されなければならず、なお面倒な施工が必要であった。 【0009】また、資源の有効活用は、環境保護とともに我々が取り組むべき極めて重要な課題であって、あらゆる分野においてその考え方が積極的に採用されるべきである。人工庭園装置は、上述したように草木の植栽によって環境保護に大いに貢献しており、さらに資源の有効活用の面でも貢献をはたすことが望まれる。しかしながら、上述した先願技術については、かかる面での貢献については何ら開示されていない。 【0010】したがって、本発明は、軽量で簡易な施工が行われるとともに植裁性もよくかつ室内等の断熱性の向上を図り、さらに資源の有効活用も図った人工庭園装置を提供することを目的に提案されたものである。 【0011】 【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する本発明にかかる人工庭園装置は、建築物の屋上等に施工され、コンクリートスラブの表面上に敷き込まれた防水シート上に、ゴム等を素材とする材料によって成形することにより弾性を有する多数個の鉢状容器を適宜にレイアウトして設置してなる。各容器内には、少なくとも第1層充填物として炭化コルクを充填するとともに第2層充填物として培養土を充填し、比較的大きな葉を有する多年草類が植栽される。 【0012】また、人工庭園装置は、各容器がそれぞれ複数個のパーツに分割されてなり、これらパーツを組み合わせることによって全体鉢状に構成され、また各容器が廃棄タイヤ等から再生した再生ゴム材を素材とする材料によって成形されてなる。炭化コルクには、密度が110Kg/m3乃至130Kg/m3とされた比較的低密度の炭化コルクが用いられる。さらに、容器には、多年草類を植栽した後に、天然繊維や合成繊維によって編んでなる保護ネットが被覆される。 【0013】以上のように構成された本発明にかかる人工庭園装置によれば、建築物の屋上等に多数個の容器を適宜のレイアウトによって設置して施工することから、簡易に施工され、建築物に対する断熱作用により居住性を向上させるとともにコンクリートスラブや防水シートの劣化を抑制しかつ緑豊かな街作りに貢献して良好な景観を生成する。各容器は、弾性を有することから、防水シートやコンクリートスラブを傷付けることは無く、軽量であるために屋上部分を特に強化する必要は無い。容器に充填された炭化コルクは、容器内から培養土の流出を抑制するとともに植栽した多年草類の根付きを良くしかつ容器内から流れ出る水の浄化作用を奏してコンクリートスラブ等に悪影響を及ぼさないようにする。 【0014】また、本発明にかかる人工庭園装置によれば、各容器を複数個のパーツによって構成したことによって屋上等への運び上げが容易に行われることから施工がさらに簡易となる。さらに、各容器は、再生ゴム材から成形することによって資源の有効利用が図られる。保護ネットは、植栽した多年草類を保護するとともに強風等による飛散、風雪等による倒壊を防止する。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。実施の形態として図1乃至図5に示した人工庭園装置1は、例えばビルや家屋等の屋上、ベランダ或いはルーフバルコニー等に適宜施工される。人工庭園装置1は、図1乃至図3に示すように、防水処理が施されたコンクリートスラブ2の表面上に敷き込んだ防水シート3と、多数個の鉢状容器4と、これら鉢状容器4を被覆する保護ネット5等によって構成される。鉢状容器4には、その内部空間部4aに、少なくとも第1層充填物として炭化コルク6が充填されるとともに第2層充填物として培養土7が充填され、多年草8が植栽されてなる。鉢状容器4には、図示しないが内部空間部4aに適宜の肥料や腐葉土等を充填してもよいが、これらは炭化コルク6の上部に充填される。 【0016】防水シート3は、例えば合成樹脂シートや防水処理を施した合成繊維布或いはウレタンゴムシート等によって形成されてなり、人工庭園装置1の施工領域に対応してコンクリートスラブ2の表面に1層又は複層が敷き込まれる。なお、防水シート3は、防水作用とともに、適宜の弾性と厚みを有することによって設置する各鉢状容器4の相互のレベル調整作用も奏する。 【0017】各鉢状容器4は、図4及び図5に示すように、それぞれ4分割した第1のブロック体9乃至第4のブロック体12を組み合わせることによって上面を開放された全体が矩形箱状を呈して構成されてなる。鉢状容器4は、これら第1のブロック体9乃至第4のブロック体12が、例えば廃棄タイヤ等から再生してなる再生ゴム材を素材として成形される。鉢状容器4は、第1のブロック体9乃至第4のブロック体12に分割されるとともに再生ゴム材を素材とすることから比較的軽量に構成され、屋上等の人工庭園装置1の施工現場への運搬、運び上げ或いはその組立を簡単に行うことができる。 【0018】鉢状容器4は、第1のブロック体9乃至第4のブロック体12が所定の肉厚、例えば15mmの肉厚を以って成形されることにより充分な機械的強度を有している。また、鉢状容器4は、再生ゴム材を素材と成形されることから、施工時や運搬時等に建物の各部とぶっかった場合でもこれを傷付けるといった問題を生じることは無く、また防水シート3を破損することも無い。さらに、鉢状容器4は、その材料特性から断熱性に優れており、設置された状態において建物に対しての充分な断熱作用を奏する。 【0019】第1のブロック体9乃至第4のブロック体12は、それぞれ互いに直交する2つの外周壁9a,9b乃至12a,12b及び底面壁9c乃至12cとが一体に成形されてなり、これら外周壁9a,9b乃至12a,12bと底面壁9c乃至12cとの端面にそれぞれ詳細を後述する係合凸縁9d,9e,9f,9g乃至12d,12e,12f,12gが一体に形成されている。第1のブロック体9乃至第4のブロック体12は、後述するように相対する外周壁9a,9b乃至12a,12b及び底面壁9c乃至12cをそれぞれ突き合わせ、それぞれの係合凸縁9d,9e,9f,9g乃至12d,12e,12f,12gを相対係合することによって矩形箱状の鉢状容器4を構成する。第1のブロック体9乃至第4のブロック体12は、それぞれの外周壁9a,9b乃至12a,12bの幅寸法が500mmとされることにより、図5に示すように組合せ状態で500mm×500mmの正方形の空間部4aを有する鉢状容器4を構成する。 【0020】第1のブロック体9乃至第4のブロック体12のそれぞれの詳細な構成について、以下第1のブロック体9を代表例として説明する。なお、第1のブロック体9乃至第4のブロック体12は、以下の説明によって明らかなように分割位置に応じてその細部の構成が多少異なる。 【0021】第1のブロック体9には、図4に示すように、第1の外周壁9aの端面にその内面側に突出する第1の係合凸縁9dが一体に突設されるとともに、第2の外周壁9bの端面にその表面側に突出する第2の係合凸縁9eが一体に突設されている。また、第1のブロック体9には、底面壁9cの、第1の外周壁9aと対向する端面にその底面側に突出する第3の係合凸縁9fが一体に突設されるとともに、第2の外周壁9bと対向する端面にその底面側に突出する第4の係合凸縁9gが一体に突設されている。第1のブロック体9乃至第4のブロック体12には、それぞれの底面壁9c乃至12cに多数個の水抜き孔9h乃至12hが形成されるとともにこの底面壁9c乃至12cの底面に複数条の設置用リブ9i乃至12iが一体に突設されている。 【0022】第1のブロック体9乃至第4のブロック体12は、外周壁9a,9b乃至12a,12bと底面壁9c乃至12cの各端面に形成された9d,9e,9f,9g乃至12d,12e,12f,12gが、上述したように互いに突き合わされた状態において上下対称に位置するように形成されてなる。また、第1のブロック体9乃至第4のブロック体12は、水抜き孔9h乃至12h及び設置用リブ9i乃至12iの構成についてはほぼ同等とされている。 【0023】鉢状容器4は、以上のように構成された第1のブロック体9乃至第4のブロック体12を人工庭園装置1を施工する現場において組み立てることによって構成される。すなわち、第1のブロック体9と第2のブロック体10とは、相対する第1の外周壁9aと第2の外周壁10bの第1の係合凸縁9dと第2の係合凸縁10eとが突き合わされるとともに、底面壁9cと10cとの第4の係合凸縁9gと第3の係合凸縁10fとが突き合わされて組み合わされる。 【0024】また、第1のブロック体9と第4のブロック体12とは、相対する第2の外周壁9bと第1の外周壁12aとの第2の係合凸縁9eと第1の係合凸縁12dとが突き合わされるとともに、底面壁9cと12cの第3の係合凸縁9fと第4の係合凸縁12gとが突き合わされて組み合わされる。さらに、第3のブロック体11は、第2のブロック体10に対して第2の外周壁11bの第2の係合凸縁11eが第1の外周壁10aの第1の係合凸縁10dと突き合わされるとともに底面壁11cの第4の係合凸縁11gが第3の係合凸縁10fと突き合わされて組み合わされ、また第4のブロック体12に対して第1の外周壁11aの第1の係合凸縁11dが第2の外周壁12の第2の係合凸縁12eと突き合わされるとともに底面壁11cの第3の係合凸縁11fが第4の係合凸縁12gと突き合わされて組み合わされる。 【0025】なお、鉢状容器4は、上述したように4個の第1のブロック体9乃至第4のブロック体12に分割してこれらを組み合わせて構成したが、かかる構成に限定されるものではないことは勿論である。鉢状容器4は、例えば2個或いはさらに多数個のブロック体に分割して構成されるものであってもよく、また例えば第1のブロック体9乃至第4のブロック体12にそれぞれ略上向きコ字状或いはL字状のスペーサブロックを介在させて組み合わせるようにしてもよい。さらに、鉢状容器4は、一体に構成してもよいが、この場合にはその大きさが取り扱いを容易とするためにやや小型に構成することが望ましい。人工庭園装置1は、種々の大きさの鉢状容器4を適宜に組み合せ、適当にレイアウトされて施工される。 【0026】また、鉢状容器4は、第1のブロック体9乃至第4のブロック体12に、その相対する突合せ端部に凹凸状態で組み合わされる係合凸縁を形成してこれらを組み合わせるように構成したが、係合構造についてはかかる構成に限定されるものでは無いことは勿論である。係合構造については、例えば一方のブロック体にフック状凸部を一体に形成するとともに他方のブロック体に係合孔を形成して構成してもよく、また種々のほぞ継手構造を採用してもよい。さらに、鉢状容器4は、第1のブロック体9乃至第4のブロック体12に特に係合構造を設けず、フック片等の連結部材を用いて相互に連結するようにしてもよい。 【0027】さらにまた、鉢状容器4は、設置状態において相互を連結するための結合構造をその外周面に一体に形成するようにしてもよい。結合構造は、例えば一方の鉢状容器4側に凸状リブを形成するとともに他方の鉢状容器4側にこの凸状リブが相対係合する係合溝を形成した構造とすればよい。鉢状容器4は、このように相互に結合することによってより安定した状態で設置することができる。 【0028】各鉢状容器4には、図2及び図3に示すようにそれぞれ第1層充填物として粒状に破砕されたコルクとパウダー状コルクとを素材として生成された炭化コイル6が充填される。コルク材は、周知のように、コルク樫の保護外皮部位であるコルク形成層で形成されるコルク質組織から得られる死んだ微小細胞からなる植物物質によって形成される。コルク材は、スベリンが45%、リグニンが27%、セルロースと多糖類が12%、タンニンが6%、ロウが5%及び灰分とその他の化合物が5%を組成としている。コルク材は、水や空気を透過させにくいスベリンの性質によって、断熱特性や遮音・吸音特性に優れ、また耐腐食性が極めて高い特性を有している。コルク材は、分解されにくいセルロースの性質により耐薬品特性に優れ、また蛋白質と強く結合するタンニンの性質により防虫・防かび特性に優れている。 【0029】炭化コルク6は、粒状コルクとパウダー状コルクとを素材として、加熱工程、冷却工程及び加圧工程とを経て生成される。粒状コルクとパウダー状コルクとは、混合した状態で加熱することにより、パウダー状コルクが燃焼して粒状組織が拡張するとともにコルク自体から生じる樹脂によって粒状コルクが相互に結合された固形中間体を生成する。この固形中間体は、冷却水噴射装置のノズルから噴射供給される冷却水によりその内部までの冷却が行われるとともに、加圧処理を施こされることにより所定の密度の炭化コルク6として生成される。炭化コルク6には、比較的低密度の炭化コルクが用いられ、具体的には110Kg/m3乃至130Kg/m3の炭化コルクが用いられる。炭化コルク6は、鉢状容器4内に15mm程度の厚みを以って充填される。 【0030】人工庭園装置1は、鉢状容器4に炭化コルク6を充填することによって、潅水や雨水を浄化して排水するためコンクリートスラブ2やその他の部位に対して悪影響を及ぼさない。人工庭園装置1は、炭化コルク6とゴム製の鉢状容器4との相乗の断熱特性によって、冬期の結露防止或いは夏期の屋上焼け等のために用いられる断熱材の使用量を削減するとともに建物内の温度をより安定した状態に保持して冷暖房費を大幅に低減する。また、炭化コルク6は、酸性雨を浄化してコンクリートスラブ2や防水層或いは防水シート3の劣化を抑制する。さらに、炭化コルク6は、その防虫・防かび特性によって鉢状容器4内での病害虫の発生を抑制する。さらにまた、炭化コルク6は、低密度のものが用いられることによって微粒の用土が組織内に入り込みまた植栽した多年草8の根がからみつくことから、多年草8を良好に育成する等の種々の作用を奏する。 【0031】各鉢状容器4には、図2及び図3に示すようにそれぞれ第2層充填物として培養土7が充填される。培養土7は、例えば観葉植物の植栽に適するように適宜配合された用土が用いられ、炭化コルク6の上に或いは肥料や腐葉土等を充填した上に25mm程度の厚みを以って充填される。培養土7は、通気性と水はけがよいとともに有機質を含む用土が用いられ、例えば赤玉土、鹿沼土、腐葉土、黒土、川砂或いはパーライト、パーミキュライト、ピートモス等が適宜選択されるとともにこれらを適宜配合したものが用いられる。培養土7は、適当な厚さを有することによって、建物に対しての断熱作用を奏する。 【0032】各鉢状容器4には、図2及び図3に示すように培養土7に多年草8が植栽される。多年草8としては、日光を好んで乾燥に強く、寒暖の影響にも強い比較的大きな葉を有する例えばヘデラ類の各種アイビー、ポトス、モンステラ等が植栽される。アイビーは、特に潅水も少なくかつ追肥等も殆ど不要であることから、人工庭園装置1のメンテナンスロードが低減され極めて好適である。勿論、植栽としては、葉が大きく繁茂するものが直射日光を遮断して断熱作用を奏することでより有効であるがかかる草木に限定されるものではない。植栽された草木は、その光合成作用によって屋上等のヒートアイランド現象を低減させる作用があることから、葉が小さいものやとがったもの或いは低木の植物を植栽してもよく、例えばアスパラガス、アロエ類、ユッカ、ストレリチア等を植栽してもよい。さらに、植栽としては、例えばアイビーを基礎植栽としてその他の植物を適宜寄植えして構成してもよいことは勿論である。 【0033】保護ネット5は、例えば50mm間隔の網目で織られており、図3に示すように各結び目部分に多年草8を導いて支持するための直径7mm程度のガイド孔5aがそれぞれ設けられてなる。保護ネット5は、図1及び図2に示すように、多年草8等が植栽された鉢状容器4を被覆するとともにその端部がこの鉢状容器4の底面部に巻き込まれることによって飛散が防止される。保護ネット5は、その大きさによって、各鉢状容器4毎に対してそれぞれ用いてもよく、また全体或いは複数個まとめて用いてもよい。 【0034】以上のように構成される人工庭園装置1は、施工材となる防水シート3や、鉢状容器4或いは保護ネット5とともに炭化コルク6、培養土7、多年草8等が屋上等に運び上げられる。人工庭園装置1は、特に大型となる鉢状容器4が上述したようにそれぞれ第1のブロック体9乃至第4のブロック体12に分割されて構成されるとともに現場において組み立てられることから、クレーン車等の特別な装置を不要として極めて簡易に運び上げが可能である。 【0035】人工庭園装置1の施工は、施工領域に防水シート3を敷き込む工程を第1工程とする。防水シート3は、コンクリートスラブ2の表面にそのまま敷き込んでもよくまた適宜の接着剤を塗布して接合した敷き込むようにしてもよい。人工庭園装置1は、防水シート3上に、それぞれ第1のブロック体9乃至第4のブロック体12を組み立ててなる多数個の鉢状容器4を適宜にレイアウトして設置する工程を第2工程とする。第1のブロック体9乃至第4のブロック体12は、それぞれ小型で軽量であることから鉢状容器4を極めて簡単にかつ自由に組み立てることが可能である。人工庭園装置1は、設置された鉢状容器4の内部に、それぞれ所定量の炭化コルク6を充填する工程を第3工程とする。人工庭園装置1は、炭化コルク6を充填した鉢状容器4内にそれぞれ所定量の培養土7を充填する工程を第4工程とする。人工庭園装置1は、鉢状容器4内にそれぞれ多年草8或いは他の草木を植栽する工程を第5工程とする。人工庭園装置1は、植栽を施した鉢状容器4に保護ネット5を被せる工程を第6工程として施工を完了する。 【0036】以上のように構成された人工庭園装置1は、簡易な工程によって屋上等に施工され緑豊かな街作りに貢献して良好な景観を生成する。人工庭園装置1は、防水シート3、鉢状容器4、炭化コルク6、培養土7及び葉が繁茂した多年草8からなる5層の断熱層を構成することから建築物に対する優れた断熱作用を奏して居住性を向上させる。人工庭園装置1は、炭化コルク6の作用によって酸性雨等の影響によるコンクリートスラブ2や防水層の劣化を抑制する。人工庭園装置1は、弾性を有する鉢状容器4によってコンクリートスラブ2や建物の各部或いは防水シート3等を傷付けることも無く、また軽量化が図られることにより建物強度を大きくするといった配慮も不要である。人工庭園装置1は、鉢状容器4が再生ゴム材を素材として成形することによって、資源の有効利用に貢献する。 【0037】上述した人工庭園装置1について、酸性雨や塩素を含む水道水等に対しての浄化作用を以下の方法によって確認した。酸性雨は、大気中の亜硫酸ガス等が雨滴中に溶け込んで希硫酸等に変化し、これが建築物等の鉄骨や締結金具等を腐蝕させまたコンクリートを浸食して悪影響を及ぼす。実験には、鉢状容器4内に密度が110Kg/m3乃至130Kg/m3の炭化コルク6を細かく裁断して25mmの厚みに充填した人工庭園装置1のモデルを用い、これに水道水を流し込んで水抜き孔から流れ出た水について塩素の有無を確認することによって行った。塩素の有無の確認は、試薬として、塩素が溶けた水溶液に滴下すると黄色に変色するオルトトリジンを用いた。 【0038】源水となる水道水は、オルトトリジンを滴下すると黄色に変色する。一方、人工庭園装置1のモデルは、水抜き孔から流れ出た水にオルトトリジンを滴下した場合に変色が観察されなかった。したがって、人工庭園装置1は、水道水が炭化コルク6の層を通過する過程で塩素を除去する浄化作用を奏することが確認される。勿論、人工庭園装置1は、酸性雨に対しても同様の浄化作用を奏する。 【0039】 【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にかかる人工庭園装置によれば、建物の屋上等に緑豊かで良好な景観の街作りと緑化による環境保護に貢献する緑化システムを極めて簡易でかつ低コストで施工することができる。人工庭園装置は、防水シート、鉢状容器、炭化コルク、培養土及び多年草からなる5層の断熱層を構成して屋上焼け現象を低減して建物の居住性の向上を図り、また少ない断熱材の使用量によっても室内の冷暖房効率を向上させて省エネルギー化を達成する。人工庭園装置は、酸性雨等の影響によるコンクリートスラブや防水層の劣化を抑制して建物の耐久性を向上させる。人工庭園装置は、再生ゴム材を使用することによって資源の有効利用を図る。
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| 【出願人】 |
【識別番号】397057511 【氏名又は名称】株式会社江田組
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月24日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小池 晃 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−178436 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月6日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−355277 |
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